この記事では、映画『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』の作品情報
上映時間:123分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー、音楽
監督:川村泰祐
キャスト:上野樹里、玉木宏、瑛太、水川あさみ etc
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』の登場人物(キャスト)
- 野田恵(上野樹里)
- 千秋に恋する女子生徒。常に不可思議な行動を取っているが、そのピアノの腕は本物。千秋と結ばれ、海外進出を果たす。
- 千秋真一(玉木宏)
- 世界的指揮者を夢見る青年。その腕は確かで、既に頭角を現しつつある。自由気ままなのだめに常に振り回されている。
- 峰龍太郎(瑛太)
- かつてのだめと千秋と共に演奏していたヴァイオンリン奏者。彼女である清良のコンクールを見に、パリを訪れる。
- 三木清良(水川あさみ)
- 超一流のヴァイオリニスト。スランプに陥っていたが、脱却。間近に控えるコンクールでの上位入賞を狙う。
- フランツ・シュトレーゼマン(竹中直人)
- 千秋とのだめとは旧知の仲の指揮者。その実力は折り紙つきながら、女にだらしない変態。のだめにコンサート開催を提案する。
- シャルル・オクレール(マヌエル・ドンセル)
- のだめの才能を認め、彼女の指導教官を務めている。しかし、のだめのコンクール出場を一向に認めてくれずにいる。
- ソン・ルイ(山田優)
- 幼い頃から頭角を現している天才ピアニスト。千秋に恋心を寄せていた。のだめにとってはライバル的存在。
- ヤドヴィ(蒼井優)
- のだめと同じアパートに住む女子学生。音楽を心から愛しており、道に迷っていたのだめにキッカケを与える。
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』のあらすじ【起】
愛する千秋と共に海外へ渡った、のだめこと野田恵は、日々色々なことがありながらも、楽しい毎日を送っていた。しかし、シャルル・オクレール先生の指導の元、音楽院でピアノを学んでいたのだめだったが、順調な滑り出しを迎えた千秋とは異なりスランプに陥ってしまう。
コンクールに出たいと懇願するのだめだったが、オクレール先生は決して首を縦に振ってはくれないのだった。そして、そんな頃、のだめに追い打ちをかけるような出来事が起こる。このままではいけない、と前を向いた千秋が、なんとのだめに対して別居宣言を言い渡したのだった。
音楽も上手くいかず、そして、最愛の千秋にまで見放されたと感じたのだめは、どうしていいか分からず途方に暮れてしまう。そして、あまりのショックで寝込んでしまうのだった。しかし、自分が千秋のレベルに達していないことも重々承知しているのだめは、アパートを出て行く千秋を、なんとか笑って送り出すのだった。

映画『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』のあらすじ【承】
そんなのだめの元を、ある人物が訪ねてきた。かつて共に演奏をしていた、峰龍太郎と奥山真澄である。龍太郎は現在清良と交際しており、近々清良がコンクールに参加するというのだ。清良の晴れ舞台を見にやってきた二人は、のだめの元で宿泊費を浮かそうと考えていた。
そんな二人の訪問は、落ち込んでいたのだめにとっては嬉しい出来事だった。しかし、彼女の苦難はそれだけでは終わらない。のだめが意識している、ピアニストのルイが千秋と共演することになったのだ。のだめの夢はいつか千秋と共演すること。そのことを理解している千秋は、迷った挙句、そのことをのだめに伝えることにしたのだった。
しかし、結局二人は十分に話し合いの場を持てずそのまま離れてしまう。そして、清良のコンクールの日がやってきた。のだめ同様スランプに陥っていた清良だったが、しかし、そのスランプをも乗り越え、見事3位に食い込むのだった。その時清良が演奏した『ピアノ協奏曲ト長調』を、のだめはいつか千秋と演奏したいと考える。
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』のあらすじ【転】
しかし、その曲は偶然にも、今度千秋とルイが共演する曲でもあった。そして、そのことを知ったのだめは、やはり大きなショックを受けてしまう。焦ったのだめはオクレール先生に、なぜコンクールに出てはいけないのかと詰め寄った。しかし、オクレール先生に、「目の前の音楽に向き合えていない演奏者がなぜコンクールなど考えられるのか」と一蹴されてしまうのだった。
落ち込むのだめに対して、千秋は忙しい時間を縫ってピアノの練習に付き合うことにする。しかし、のだめがオクレール先生から与えられている課題は、どれも超高難度のものばかりだった。それを見た千秋は、オクレール先生こそ、のだめを早く成長させようと焦っているではないか、と感じるのだった。しかし、のだめはいつまでもゴールの見えない世界に限界を感じていた。そんな時、千秋とのだめの知り合いの指揮者、シュトレーゼマンが、のだめにコンサートをしてみないかと声をかけるのだった。
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』の結末・ラスト(ネタバレ)
こうして、のだめのデビューの時は突然やってくる。そのコンサートでののだめは神がかっていた。急いで駆けつけた千秋すらも、自分はのだめを世界に連れてくるためにいたのだと感じるほどだった。
しかし、そのコンサートをキッカケにのだめは変わってしまう。自分はやりきった、あれ以上の演奏はできない、と音楽から離れてしまったのだ。それはオクレール先生が恐れていたことであり、だからこそ彼はのだめをコンクールに参加させなかったのだ。
部屋に一人こもっていたのだめ。しかし、彼女はヤドヴィという女子生徒と出会った。彼女は心から音楽を愛する人間で、「音楽は楽しまなくっちゃね!」という言葉をのだめにかける。そして、それはのだめの心を大きく動かすのだった。
一方、千秋はのだめのことを考えていた。のだめのことを思えば、このまま彼女を自由にさせてやるべきなのかもしれない。しかし、やはり千秋は、のだめの音楽をいつまでも聞いていたかったのだ。千秋はのだめの元へ走ると、二人は連弾をする。そして、のだめは再び音楽に立ち向かう決心をするのだった。
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ドラマから始まり、長く続いたシリーズの最終章。今までのようにギャグ要素はあるものの、パリに来てから千秋とのだめは互いに多忙ですれ違いが多く、千秋と共演したいという一心でパリまで来たのだめの一途さや健気さ、焦る気持ちに共感してしまい切なくて泣けてきます。
漫画の実写化は「これは失敗だな…」と感じるものが多い中、この作品はシリーズを通して本当に面白く、変更されている部分もあるが原作へのリスペクトを感じました。今作は、のだめの演奏シーンを中国人の天才ピアニスト”ラン・ラン”が担当しているのでぜひそちらも注目していただきたい。(女性 20代)
映画の出来も素晴らしく、ここまで良い作品だとやはり「のだめシリーズ」が終わってしまうという寂しさが大きい。漫画の実写化作品では個人的には1番良い作品だと思っている。原作通りの部分は忠実に再現されているし、映像化ならではの部分はうまく改変されている。ここまでうまく噛み合った実写映画は、私は他に見たことがない。
観賞後は本当にオーケストラのコンサートに行きたくなる。欲を言えばパリに行ってコンサートを見たい。そんな気分にさせてくれる作品だった。(男性 20代)
この映画のおかげでクラシックを好きになりました。
原作のコミックから削られた部分は多くありますが、大筋はしっかり映画でも再現されていて実写化では成功した映画だと思います。コメディなのに、のだめの成長ストーリーでもあり、ホロリとくるシーンもあります。観始めたらドラマシリーズから観直したくなります。
しかも、ドラマで一番最初に千秋とのだめが弾いた曲で一番最後も終わっているので非常に綺麗な終わり方です。のだめもはまり役ですが、良いところで出てくるシュトレーゼマンとエリーゼは癖になります。キャラクター全員の個性が強い映画です。(女性 30代)
アニメと原作をずっと追いかけていて、実写映画版はどうかな…と少し心配していましたが、見事に世界観を守っていました。後編ではのだめの苦悩と成長に焦点が当たっていて、感情移入しっぱなし。クラシックって堅苦しいものかと思っていたけど、この作品を通じてどれだけ表現力があるか知れたのが一番の収穫です。(20代 女性)
千秋の葛藤がリアルで良かったです。才能のある人間でも、常に自信満々じゃないということが丁寧に描かれていて、共感できました。そして何より、のだめの成長ぶり!コミカルで自由奔放だった彼女が、自分の演奏と向き合い覚醒していく姿に涙しました。ふたりの関係も成熟していて、観終わったあとに温かい気持ちになれました。(30代 男性)
昔の恋人と観た思い出の映画で、久しぶりに一人で観てみたら、また違った感動がありました。あの頃はただ可愛いだけだったのだめが、今見ると本当に強くて芯のある女性に見える。クラシック音楽の美しさも、以前よりずっと染みました。人生経験を積んでから再鑑賞すると、深く刺さるシーンが増える映画です。(40代 男性)
のだめと千秋、まったく違う性格なのに、お互いが刺激になって成長していくのが素敵すぎました。特に後編はのだめが主体となる展開で、ピアノへの向き合い方が以前とは全然違ってて感動。ラストの演奏シーンは鳥肌もので、涙腺崩壊でした。音楽の力ってすごい、と感じられる作品。音楽初心者でも楽しめます。(20代 女性)
青春時代に見て以来、久々に観返して改めて感じたのは、「夢を追う姿って、やっぱり美しい」ってこと。大人になると現実に引き戻されがちだけど、のだめと千秋の挑戦する姿にまた勇気をもらいました。ラストの演奏は、単なる技術じゃなく“想い”がこもっていて、それが音楽の本質なんだと教えてくれました。(30代 女性)
音楽を仕事にしている者として、のだめの才能の“開花”が非常にリアルに描かれていて鳥肌が立ちました。天才だからこそ悩みも大きい。感性と理論、自由と技術、その間で揺れるのだめの姿に、自分の過去を重ねてしまいました。ラストは“演奏する意味”に到達した瞬間。多くの演奏家にとって心に響く映画だと思います。(40代 男性)
母親として、娘と一緒に観たんですが、親子で感動しました。のだめが迷いながらも自分らしい音楽を見つけていく姿が、まるで人生そのもの。夢を追うこと、誰かを思うこと、その両立の難しさと美しさが詰まっています。親としては千秋の見守り方にも学ぶところがたくさん。家族で観ても胸を打たれる良作です。(50代 女性)
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』を見た人におすすめの映画5選
羊と鋼の森
この映画を一言で表すと?
音の世界に生きる青年の、静かで力強い成長の物語。
どんな話?
ピアノ調律師として歩み始めた青年が、音の奥深さに触れながら、出会いや挫折を通して自分の道を見つけていく物語。自然と音楽、人とのつながりを優しく紡いでいきます。
ここがおすすめ!
静かなトーンながらも、心の奥にじんわりと沁みる感動があります。音と真摯に向き合う姿勢や、“自分の音”を見つける過程は、のだめや千秋の葛藤と重なり、音楽が好きな人にはたまらない一作です。
ラ・ラ・ランド
この映画を一言で表すと?
夢と愛の交差点で奏でられる、極上のミュージカルラブストーリー。
どんな話?
女優を目指すミアとジャズピアニストのセブ。夢を追い続ける中でぶつかり合いながらも支え合う二人の、切なくも美しい関係を描いた現代ミュージカルの傑作。
ここがおすすめ!
「夢を追うこと」と「大切な人を思うこと」の両立の難しさが、『のだめカンタービレ』の世界観と重なります。鮮やかな映像と美しい音楽が、観る者の心を豊かにしてくれます。
マエストロ!
この映画を一言で表すと?
バラバラなオーケストラが音でつながる、感動の音楽エンタメ。
どんな話?
解散寸前のオーケストラに突如現れた、謎の変人指揮者。彼に振り回されながらも、団員たちは音楽の本質と向き合い、再び“音を奏でる喜び”を思い出していく姿を描いた群像劇です。
ここがおすすめ!
クラシック音楽の面白さと、人と人との繋がりをコミカルかつ感動的に描いています。『のだめカンタービレ』のように個性的なキャラクターが彩る音楽の世界を、もっと見たい方におすすめです。
愛を読むひと
この映画を一言で表すと?
一冊の本が繋いだ、過去と現在、そして赦しと愛の物語。
どんな話?
15歳の少年と謎多き年上女性との秘められた恋。後に彼女の壮絶な過去が明かされ、二人の関係は予期せぬ方向へ。時を経て再び向き合うことで、愛と赦しを深く問う作品。
ここがおすすめ!
音楽ではなく文学が中心の物語ですが、内面的な成長や愛の形に強く共感できます。静かな語り口と濃密な感情の描写が、『のだめ』の後編で描かれた“成長と自立”のテーマと響き合います。
四月は君の嘘(実写映画版)
この映画を一言で表すと?
儚くも美しい音楽と恋の物語に、涙が止まらない青春ドラマ。
どんな話?
ピアノの音を失った少年と、自由奔放なヴァイオリニストの少女が出会い、音楽と人生に再び彩りを取り戻していく。音楽を通じて紡がれる心の交流と切ない恋が丁寧に描かれます。
ここがおすすめ!
演奏シーンの臨場感や心の葛藤、そして音楽に命を吹き込む表現は、『のだめ』ファンにも刺さるポイント満載です。青春の痛みと美しさが詰まった、涙必至の感動作です。
みんなの感想・レビュー
原作ではこの後日談である「オペラ編」があるが、実写版はこれで完結。やっと終わったという思いもあるけど、もう上野樹里ののだめは観られないんだなあと思うと寂しくもある。
原作同様ハッピーエンドで、いいストーリーだったけど、原作からかなり削られたところもあるのでそこは残念。パリ編にはターニャや黒木、実写版には登場していないキャラクターのストーリー、それから千秋と父の確執など、重要なストーリーがもっとあるので、それが観られなかったのは心残りだ。
①のだめの成長物語
前編を不穏な空気のまま終え、後編に引き継がれた。そもそものだめの音楽に対する姿勢が不安定なのは昔からで、それがちゃんと解決することなくここまできた。ドラマ版から続いてきて、千秋は着実に指揮者として成長してきたが、のだめは千秋がいる・千秋と共演したいという小さな夢のためだけでここまできた。
だましだましやってきたのだめも、とうとうぽっきり折れてしまった。
シュトレーゼマンとのショパンピアノ協奏曲のシーンは、前編の千秋の指揮シーンと同様に今までののだめの集大成で、のだめとしても上野樹里としても今までで一番最高の、渾身の演奏シーンだった。のだめはこれで「これ以上の演奏は二度とできない」という、ピアニストなら多くの人が経験する不安を初めて強く意識するんじゃないかと思った。オクレールや千秋は危惧していたけど、結果としてはシュトレーゼマンのおかげでのだめはピアニストとして乗り越えなければならないものを知った。その後どうするかは別だが、幸いにも千秋にひっぱりあげられた。
原作からの読者として、ドラマ版から見守ってきた一人として、やっとのだめのことでは一安心できたな、とほっと胸をなでおろした。
②曲の選び方がいい
映画の中で演奏される曲は、大体は原作通り。
でも、ラスト近くでのだめが幼稚園で弾く曲は『ベートーヴェンピアノソナタ第8番悲愴』。
原作ではここはのだめがシュトレーゼマンとやったショパンだった。映画では「悲愴」に変えられているのだ。
「悲愴」はのだめとちあきの出会いの曲。最後の「二台ピアノ」も原点だが、やはり「悲愴」をのだめが弾いていることで、千秋は「最初のだめの「悲愴」に聞き惚れたときから、自分がのだめに上を目指してほしいと思っている」と強く思わせる効果があって、いい改変だなあと思った。