この記事では、映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』 作品情報
- 製作年:1985年
- 上映時間:113分
- ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ、ラブストーリー
- 監督:ピーター・ウィアー
- キャスト:ハリソン・フォード、ケリー・マクギリス、ルーカス・ハース、ダニー・グローヴァー etc
映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』 あらすじ【起・承】
アーミッシュの村で暮らす、レイチェル(ケリー・マクギリス)は夫を亡くし葬式を出したばかり。葬式の場で、友人のダニエル(アレクサンドル・ゴドウノフ)は、レイチェルを励ます。
その後、レイチェルは、ボルティモアに息子サミュエル(ルーカス・ハース)と一緒に出掛けることになるが、ロンドンの駅で3時間も待たされた。その間、駅のトイレで警官が殺される殺人事件が起こり、サミュエルが犯人を目撃してしまう。
現場に駆け付けたのは、刑事ジョン・ブック(ハリソン・フォード)と相棒のカーター刑事。サミュエルの証言によると、犯人は2人組の男で、背が高いらしい。近くにいると危ないので場所を移動した。
しかし、犯人を挙げるためにジョン・ブックが強引に親子を連れまわしたので、レイチェルは不満を漏らす。面通しを署内で、サミュエルに見てもらうがここには犯人はいないと言う。
その後、麻薬捜査課のマクフィー刑事(ダニー・グローバー)の記事をじっと見入るサミュエルを見て、彼が犯人であるとジョンは気付いた。そこで、本部長のポール・シェイファー(ジョセフ・ソマー)に捜査協力を頼むが、駐車場でジョン・ブック刑事はマクフィー刑事から、銃弾を受けてしまう。
本部長ポールとマクフィー刑事がグルだと気が付いたジョン・ブックは、自宅にかくまっていたレイチェルとサミュエル親子をアーミッシュの村に逃がす。しかし、マクフィー刑事に受けた銃弾がもとで倒れてしまう。
こうして、アーミッシュの村で療養することになったジョン・ブックは、2日間眠り続けた。その後、傷の癒えたジョン・ブックはアーミッシュの仕事(乳しぼりや大工仕事)を手伝いながら過ごした。
仕事の合間に飲むレモネードは美味しく、やがてジョン・ブックとレイチェルは互いを意識するようになってゆく。

映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』 結末・ラスト(ネタバレ)
ある日、サミュエルがジョン・ブックの拳銃を手に取り遊んでいた。ジョン・ブックは慌てて、拳銃を取り上げた。”とても危ない物なんだ!絶対に触っちゃ駄目だ!”と叱った。
レイチェルもジョン・ブックの拳銃と弾丸を息子の目から隠す。アーミッシュの長老は、サミュエルに”1度手にすれば心が染まる。汚れたものに触れてはならない!”と諭すのだった。
一方、ジョン・ブックは相棒と連絡を取ろうとするが、アーミッシュの村には電話がない。そこでアーミッシュの服に着替えて、馬車に乗って隣りの町まで行った。
相棒カーター刑事に無事であることを伝えると、”血眼で探している。戻ってきては駄目だ!”と言われてしまう。街に戻るために、ジョン・ブックは車の修理をし、ラジオも復活させた。
ある夜、ラジオから流れる音楽に合わせて、レイチェルとダンスを踊った。しかし、その様子を同居しているイーライに見られてしまう。”レイチェル、掟を忘れたのか?”とイーライに忠告されるのだった。
一方、相棒は本部長のポールから、ジョン・ブックがどこにいるのか話せと脅迫されていた。”アーミッシュの村にいるんだろ。”と。しかし、レイチェルたちを見つけ出すのは容易なことではなかった。
その頃、アーミッシュの村では、リディアとエイムスの納屋作りが村人総出で行われていた。ダニエルやその親戚のモセス(ヴィゴ・モーテンセン)なども納屋作りに加わり、汗を流した。
ジョン・ブックは、再び、相棒カーター刑事に連絡を取ろうとするが、彼が殉職したと知り悲しみに震えた。
翌朝、アーミッシュの村に大勢の観光客がやってくるが、観光客の村民をばかにしたような態度にジョン・ブックは切れてしまう。観光客を殴ったのだ!その夜、息子が眠った後、ジョン・ブックとレイチェルは激しく求めあう。
夜明け前。ついにジョン・ブックらを追って、本部長のポールと2人の部下がアーミッシュの村にやってきた。ジョン・ブックは車で逃げようとするが、エンジンがかからず断念。
牛小屋に警官1人を誘きいれて、円筒の真下にいる警官に麦を落として足止めさせるのだった。もう1人の警官は銃撃して殺すが、本部長のポールにレイチェルを人質に取られてしまう。
絶対絶命のピンチだったが、アーミッシュの男達が集まってきてくれた。それを見たポールは、静かに銃を置いた。こうして、アーミッシュを巻き込んだ事件は終わった。
ジョン・ブックは、アーミッシュの村を去ることになった。サミュエルと別れの挨拶をし、レイチェルは無言で見守った。最後にダニエルとすれ違って、ジョン・ブックは、村を去っていった。
映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
レモネードが飲みたくなる!アーミッシュの生活と刑事物の組み合わせが新しい
ハリソン・フォードが主演の刑事物なので、ど派手な展開があるのかと思ったが、アーミッシュの少年サミュエルのかわいさや村の雰囲気がのんびりしていて癒されます。
アーミッシュは、アメリカやカナダの一部の地域(ペンシルバニア州など)に住み、18世紀の移民当時の暮らしを保っているキリスト教派の集団です。
古いドイツ語系の言語を話し、バギーと呼ばれる馬車を使って移動します。基本的に農業や牧畜で生計を立てており、電気や電話、車は使わない。讃美歌以外の音楽は駄目といった宗教上の理由で制約、禁じている事柄が多い。
素朴な暮らしを営む一方で、近親婚の弊害として遺伝病が多く発生したり、馬車での交通事故もあるとか。現代に逆行した生活が果たしていいのかどうか疑問だが、ジョン・ブック刑事の忙しい毎日と対比して考えると面白い。
また犯人を追う側が、犯人に追われてしまうという構図やアーミッシュの少年サミュエルが殺人事件を目撃するシーンの緊迫感など最後まで飽きさせない。
見どころは、アーミッシュの仕事(大工仕事など)を手伝った後に飲む、レモネードがとても美味しそうなシーン。現代人が忘れてしまった自然と共に生きてゆく力を教えてくれる作品です。
ビィゴ・モーテンセンのデビュー作!青春のかけらを探そう
この映画は、「ロード・オブ・ザ・リング」3部作でアラゴルン役を演じた、ビィゴ・モーテンセンのデビュー作としても知られています。納屋作りの後、ランチを食べるシーンでハリソン・フォードの隣りに座っています。
ジョン・ブック(ハリソン・フォード)、ビィゴ・モーテンセン、ダニエル(アレクサンドル・ゴドウノフ)と3人並ぶ様は圧巻!3人とも、大活躍しているので当時の監督やプロデューサーの目の高さがうかがえます。
また、かわいらしさと演技力を魅せつけたアーミッシュの少年を演じたルーカス・ハースも、アカデミー賞受賞作の「レヴェナント:甦りし者」(15)で、レオナルド・デカプリオと共演しています。
古い映画はつまらない!という見方を変え、従来の警察物にはない新鮮さがあります。映画好きの原点に回帰する意味でも、観てソンはないと思います!
アーミッシュの人々の暮らしに驚きました。アーミッシュという言葉は聞いたことがありましたが、どんな人たちがどんな暮らしをしているのかは知らなかったので、この作品で彼らの暮らしぶりを初めて目にしました。
ものが溢れた世界で暮らしている私たちにとっては、信じられない環境でしたが、生まれた時からその暮らしをしている彼らにとってはなんの不自由もないのでしょう。
ストーリーは特に大きな見所や捻りも無いのであっさりとしていましたが、個人的にはアーミッシュのレモネードがものすごく美味しそうでした。(女性 30代)
ハリソン・フォードの代表作の一つですが、ただの刑事アクションではなく、アーミッシュという宗教共同体の文化が物語の核になっているのが印象的でした。ラスト、ジョンとレイチェルの別れには言葉にならない余韻が残ります。正義と愛の間で揺れる男の姿に胸を打たれました。(30代 男性)
サスペンスとしての完成度も高いけれど、それ以上にアーミッシュの世界で生きる人々と現代の刑事との対比が美しくて引き込まれました。レイチェルとジョンの間に流れる静かな愛情が切なく、最後は本当に泣けました。静と動のバランスが絶妙な映画です。(40代 女性)
少年サミュエルが目撃した殺人事件をきっかけに、刑事ジョンがアーミッシュの世界に身を隠すことになるという展開は、異文化との衝突を描いた秀逸な設定。銃も警察もない世界で、自分の正義をどう貫くかというテーマが深く心に残りました。ハリソン・フォードの演技が素晴らしい。(20代 男性)
最初はただの刑事ものかと思いきや、アーミッシュとの接点から人間ドラマが深まっていく展開に感動しました。特に、レイチェルとジョンの淡い恋の描き方がとても繊細。文化や信念の違いを越えて通じ合う二人の姿が、映画に奥行きを与えています。しみじみとした名作です。(50代 女性)
ジョンがアーミッシュの世界で次第に受け入れられていく過程がとても丁寧に描かれていて、静かな時間の流れの中に深い人間性を感じました。ラストで再び“都会の男”に戻っていくシーンが切なく、彼の孤独を際立たせています。音楽や映像美も素晴らしい。(40代 男性)
レイチェルとジョン、立場も信仰も違う二人の関係は、どうやっても成就しないと分かっていても応援せずにはいられない。お互いに惹かれながらも、最後はそれぞれの道を選ぶ姿がとても尊くて、涙が出ました。特に、目を合わせて別れるあのシーンは何度でも観返したくなる名場面です。(30代 女性)
サミュエルの視点を通して、世界の恐ろしさと優しさの両方を見せる構成が秀逸。子どもが目撃するという設定が、物語に緊張感を与えつつも純粋さを失わないバランスが見事。アーミッシュ社会の描写もリアリティがあり、文化理解にも繋がる一本だと思います。(20代 男性)
この映画の魅力は、アクションやサスペンス以上に、“沈黙”が語るものの多さだと思います。言葉ではない表現がとても多く、目線やしぐさだけで心が通じるシーンが多いのが印象的でした。都会的な論理と伝統的な価値観の交差点に立たされたジョンの葛藤がリアルに描かれていました。(60代 女性)
刑事ものとしても見応えがあるけれど、人間ドラマとしての深みが素晴らしい。ジョンが“正義の男”であるだけでなく、人として迷い、悩み、変化していく過程がよく描かれていて、キャラクターの成長を楽しめる映画でした。静かで力強い、心に残る一本です。(50代 男性)
映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』を見た人におすすめの映画5選
グラン・トリノ
この映画を一言で表すと?
不器用な男の静かな贖罪が胸に刺さる、魂のドラマ。
どんな話?
偏屈で頑固な元軍人の老人が、隣人であるアジア系移民家族との出会いを通じて、自らの偏見と過去の罪に向き合っていく。やがて小さな正義感が、地域の秩序を変える力になる。
ここがおすすめ!
『刑事ジョン・ブック』のように、自分の信じる正義と、文化の違いを乗り越える交流がテーマです。衝突と理解のプロセス、そして苦い余韻のラストが心に深く残ります。クリント・イーストウッド渾身の名作です。
告発(原題:The Accused)
この映画を一言で表すと?
“目撃する”という行為が問われる、衝撃と正義の物語。
どんな話?
暴行事件の被害者となった女性が、加害者だけでなく傍観していた“目撃者”たちに対しても正義を求め、法廷で闘っていく姿を描いた実話ベースの法廷ドラマ。
ここがおすすめ!
『目撃者』と同様に、「見ること=関わること」の重さを真正面から描いています。被害者の声に耳を傾けることの意義や、沈黙の暴力をテーマにした作品としても高い完成度を誇ります。
シンドラーのリスト
この映画を一言で表すと?
“敵だったはずの人間”を守るという、奇跡と覚悟の真実の物語。
どんな話?
ナチス政権下のポーランドで、ドイツ人実業家オスカー・シンドラーが、多くのユダヤ人を命の危機から救うために奔走した実話を元にした歴史ドラマ。
ここがおすすめ!
文化・信条の違いを超えて人間的な信頼と愛を築くという点で、『刑事ジョン・ブック』と共鳴します。重厚なテーマと静かな演出が圧巻で、人の良心と正義を深く考えさせられる一作です。
アイ・アム・サム
この映画を一言で表すと?
“普通ではない父親”と娘の絆が、静かに涙を誘うヒューマンドラマ。
どんな話?
知的障害を抱える父親サムが、娘の親権を奪われそうになりながらも、必死に父親としての愛を貫こうとする。社会の中で生きる“弱者”の真の強さと愛を描いた作品。
ここがおすすめ!
外からは理解されにくい価値観や生き方、それを守るために戦う姿は、アーミッシュの共同体を守ろうとする『刑事ジョン・ブック』の登場人物たちとも重なります。温かくも切ない物語です。
遠い空の向こうに(原題:October Sky)
この映画を一言で表すと?
抑圧された世界の中で夢を追う、少年たちの実話に基づいた感動作。
どんな話?
炭鉱の町に生まれ育った少年たちが、ロケット作りを通して自分たちの未来を切り開こうとする姿を描いた青春ドラマ。父と息子の対立と和解も丁寧に描かれている。
ここがおすすめ!
『刑事ジョン・ブック』同様に、“閉ざされた社会の中で自分らしさを貫く”という普遍的テーマがあります。静かな情熱に満ちたこの映画は、異なる世界を理解し、超える力を信じたくなる一作です。
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