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映画『さざなみ』あらすじネタバレ結末と感想

映画『さざなみ』の概要:結婚45周年を迎える熟年夫婦を襲った、夫の秘密と今は亡き恋人への嫉妬心。出演はシャーロット・ランプリング、トム・コートネイ。原題は45YEARS。アンドリュー・ヘイ監督のデビュー作。2015年英国映画。

映画『さざなみ』 作品情報

さざなみ

  • 製作年:2015年
  • 上映時間:95分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー
  • 監督:アンドリュー・ヘイ
  • キャスト:シャーロット・ランプリング、トム・コートネイ、ジェラルディン・ジェームズ、ドリー・ウェルズ etc

映画『さざなみ』 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

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映画『さざなみ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『さざなみ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『さざなみ』 あらすじ【起・承】

結婚45周年のパーティに向けて、準備で忙しい熟年夫婦。パーティの1週間前に妻ケイト(シャーロット・ランプリング)は、夫から若き日の恋人がスイスの山で死に、その遺体がつい最近発見されたと聞かされた。

夫の若き日の恋人は、永遠に27歳のまま氷に瞬間冷凍されているという。夫ジェフ(トム・コートネイ)の心は、若き日の恋人とスイスの山へ奪われてしまう。恋人の写真を見つけ、懐かしんでいるようだ。

妻ケイトはそんな夫ジェフの行動に虚しさと今は亡き恋人への嫉妬心に揺れてしまう。夫婦の間に子供はなく、代わりにシェパード犬マックスを可愛がっていた。

火曜日。夫ジェフが買い物と図書館に行きたいと言うので、妻は車を運転した。町のカフェで友人に会い、45周年のパーティ用ドレスを買った。孫に恵まれた友人は、孫の話を楽しそうに語った。

その夜に夫婦で、ダンスを踊った。だが、夫ジェフの心はここにはない。若き日の恋人の写真を見つけたらしい。そのことで、妻は激しく怒った。

水曜日。夫ジェフが会社のOB会にあまり乗り気ではないという話を友人から聞いた。妻ケイトは本人に気持ちを聞くが、OB会に出席するよう促す。その夜、妻ケイトは夫に”もし、彼女が死ななければ、彼女と結婚していたの?”と訊く。

すると夫は、そうだと答えた。また老いた自分の姿を見るたび、彼女と見た花のことを思い出すらしい。

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映画『さざなみ』 結末・ラスト(ネタバレ)

木曜日、晴れ。夫がOB会に出席するため、妻は車で夫を送った。家に戻った妻は屋根裏部屋へ上り、夫の登山記録を付けた手帳や恋人カチャの写真を見つけた。

その頃、シェパード犬マックスは盛んに吠えていた。夜、夫が屋根裏部屋に度々、入り浸っていることも妻は知っていた。

金曜日。犬の鳴き声で目覚めた妻ケイトは、夫ジェフがメモを残して町に出かけたことを知った。夫がスイスに行こうとしているのではと考えた妻は、町の旅行社を訪れます。

夫が若き日の恋人カチャのことばかり考え、人生の重要な節目にいつも彼女の存在を感じ取ってしまう。それでも、”明日のパーティには必ず、出席してね!”と念を押すのだった。

土曜日、結婚45周年目を祝うパーティが開かれた。多くの友人を迎え、親友リーナに2人の写真を飾ったウェルカム・ボードを見せてもらったケイトは喜ぶ。

パーティで夫ジェフが、”ケイトと出会い、彼女と結婚したことが人生で最高の選択だった!愛している”と話した。その後、2人は45年前、結婚式を挙げた日と同じ曲でダンスを踊った。

しかし、妻ケイトはダンスの途中で夫の手を離してしまう。

映画『さざなみ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『さざなみ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

さざなみのように心を揺らす、熟年夫婦に訪れた愛の危機

結婚45周年を迎えようとしている熟年夫婦が、夫の若き日の恋人の事でここまで嫉妬するのだろうか?誰にだって結婚するまで、多くの出会いや思い出があります。

それに相手の過去を気にしていたら、一緒にいられないと思う。妻のヒステリックな行動は理解できないが、夫との気持ちのずれや長年の不満が噴き出してくるのは分かります。

愛の危機に対して、夫はどう思っているのだろうか?妻に焦点が充てられており、夫婦の会話もすれ違っているため、いまひとつ夫の気持ちが分からないのがもどかしい。

結局、夫婦というものは一度心が離れてしまうと修復が難しいようだ。熟年世代には共感できるかもしれないが、若い世代にとっては、”いくつになっても男と女”という関係性が重く感じられるだろう。

遅咲きの女優、シャーロット・ランプリング

シャーロット・ランプリングは現在、70歳。実年齢より10歳は若く見えるのではないでしょうか。フランソワ・オゾン監督の「まぼろし」(00)で注目され、2003年の「スイミング・プール」でヨーロッパ映画賞女優賞を受賞。

本作「さざなみ」で第65回ベルリン国際映画賞銀熊賞に輝いています。彼女の役柄は、夫への執着心が強かったり、繊細な感情の揺れを表現することが多い。フランス語も堪能で、フランソワ・オゾン作品の常連俳優として活躍しています。

彼女の魅力は、年齢を超越した美しさと知的さが垣間見える表現力だと思います。また、若い女優と並んでも、圧倒的な存在感を放っているのです!

熟年世代の人は、彼女を観ておおいに勇気づけられるに違いありません。女という生き物を深く知りたいと思うのなら、本作と「ゴーン・ガール」を観ればよい。


夫が45年もの間、他の女性のことを思い続けていたらどう思いますか?正直、私は45年も連れ添ってくれたのだから十分だと思うんです。他の女性のことを思っていたとしても、妻は自分で、45年も隣にいてくれる。それだけで良いと思ってしまう私には、ケイトの気持ちはよく理解できませんでした。
死ぬまで自分のことだけを見ていて欲しかったのか、女として認めて欲しかったのか、何をそこまで気にするのか分かりませんが、まず自分の気持ちをしっかりと話すべきだと思いました。(女性 30代)

映画『さざなみ』 まとめ

熟年世代を対象にした映画が、心を捉えて離さないのは主演のシャーロット・ランプリングの圧倒的な存在感にあります。邦題の「さざなみ」という題名にうっかり惹かれて観てしまったが、共感することはできなかった。

夫婦の心という不思議。若き日の恋人への思いに憑かれてしまった夫。永遠の若さのまま、亡くなった恋人に対する妻の嫉妬など全て過去へのまなざしだ。

結婚45周年のパーティで、ダンスを踊るシーン。妻は途中で、夫の手を離してしまう。これから、この夫婦はどうなるんだ?というところで物語は終わります。ただ別れを選択するほど、若くはないし孤独も知っている2人。

なぜか物語の余韻からなかなか抜け出せないのです。年を重ねてゆく過程で、もう一度見直したい作品なのかもしれない。

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