映画『偶然の恋人』の概要:2000年公開のアメリカ映画。ベン・アフレックとグウィネス・パルトロウ共演で贈る恋愛映画で、飛行機事故をテーマに、加害者扱いされる男とその遺族の妻が出会い禁断の恋に落ちていく物語。
映画『偶然の恋人』 作品情報
- 製作年:2000年
- 上映時間:106分
- ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー
- 監督:ドン・ルース
- キャスト:ベン・アフレック、グウィネス・パルトロー、トニー・ゴールドウィン、アレックス・D・リンツ etc
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映画『偶然の恋人』 評価
- 点数:65点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『偶然の恋人』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『偶然の恋人』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『偶然の恋人』 あらすじ【起・承】
バディ(ベン・アフレック)は広告会社に勤務している。
彼はロスから航空会社と宣伝契約を結ぶため、シカゴに来ていた。
無事に契約をとれてロスに帰ることになり、シガゴ空港に着いたバディは大雪のため自分の乗る予定の飛行機が欠航していることを知る。
どうしようか悩んでいると、同じく飛行機に乗れず待っているグレッグと会話が盛り上がった。
彼は脚本家で、待っている家族の元に急いでいるため飛行機の遅延に困っているようだった。
やがて徐々に飛行機の搭乗が再開され、バディの便も離陸のめどが立つ。
しかし偶然バーで知り合ったミミという女性とホテルに泊まることにしたバディは、急ぐグレッグに自分の航空券を譲った。
グレッグを乗せた便は離陸して暫くした後、レーダーから消えた。
その後墜落したという事実が明らかに。
急いで空港に走るバディは、乗っている自分の名前のチケットに別の人間が乗っていることを伝える。
事故からしばらく経っても自責の念に苛まれているバディは、酒に頼りアルコール中毒になる。
そして施設で更生することになった。
無事に心身ともに回復したバディは仕事に打ち込みながらも、やはりグレッグの遺族のことが気になっていた。
映画『偶然の恋人』 結末・ラスト(ネタバレ)
身分を隠して遺族にこっそり会いに行くことにしたバディ。
そこで男の子2人を育てている、未亡人になったアビーに出会った。
彼女は悲しさの中で、自分を奮い立たせて生きている女性だった。
本当のことを言えぬまま、バディはアビーに惹かれ始める。
徐々にお互いのことを知り、アビーもまたバディが気になっている。
そして彼女のほうからバディに近づいてきてくれたのだ。
バディは罪悪感を持ちながらも、彼女と親密になっていく。
2人の子供たちも優しく良く面倒を見てくれるバディのことを好きになり、父を亡くした寂しさを忘れられるようだった。
しかしグレッグへの罪悪感は消えることは無かった。
やがて航空事故の公開裁判が行われることなった。
バディのせいでは無いとはいえ、グレッグに自分の名前のチケットを譲っているためそのことも問われることになるだろう。
「もう潮時だ」と思ったバディは、アビーに真実を告げることにする。
しかし自分で言い出す前に、アビーは他の人間から真実を伝えられてしまった。
激怒するアビーをただ見ているしかいないバディ。
二人の仲は最悪の結末に向かった。
公開裁判で真実と本音を語ったバディ。
「家族のもとに帰りたいと願う、代わりの無い人間を殺してしまった」と後悔を口にする。
それを見ていたアビーは彼を許そうと思った。
裁判後しばらくしてアビーがバディの自宅を訪ねると、引っ越しの準備をしている最中だった。
会社を辞め、どこかに行こうとしているダディにアビーは「グレッグの死は誰のせいでも無い」と伝える。
そして「やり直そう」というダディに、アビーは頷くのだった。
映画『偶然の恋人』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『偶然の恋人』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ベン・アフレックの素朴な演技が絶妙
主役を演じているベンの、少年のようで、繊細な人間を演じている演技が絶妙で上手い。
冒頭では航空会社の宣伝契約を結べたと自信満々だったのに、飛行機事故を境にどんどんその繊細さが現れてくる。
航空券をたまたま譲渡した相手の乗った便、つまり自分が乗るはずだった飛行機が事故に遭ってしまう。
本当は誰のせいでも無いのだが、当然自分が彼にチケットをあげなければこんな事にはならなかったのでは?と自分を責め続け、結果アルコール中毒に。
仕事も上手くいかず、事故を忘れることもできず、ただ遺族のことを考える。
最初に出てきたキラキラした目の青年がこんなにも目が濁り、自信を喪失してしまうものなのかと事故の大きさを上手に表現している。
またわざとらしい演技ではないのが非常に良く、素朴でありながら意思が強い、そんな人間の心の葛藤が痛いほど伝わる作品である。
グウィネスの表情の豊かさ
ヒロインのグウィネスは一見表情に乏しく、華々しい感じのしない女優である。
特別綺麗でも無い。
しかし何種類もの笑顔を持つ、最強の笑顔美人であるのだ。
シーンや相手により、微笑んだり、大笑いしたり、時には寂しそうにも笑う。
普段がポーカーフェイスのように見られる彼女だからこそ、意外にもびっくりするほどのキュートな笑顔に魅了される人も多いのではないだろうか?
近年彼女は暗い感じの女性を演じることが多いが、本作品ではその中からどのように立ち上がり、再び人を愛していくのかという奥の深い女性を見事に演じることに成功している。
自分がバディの立場だったら、と考えると苦しみと自責の念で押しつぶされそうになります。
バディが悪いわけではないし、バディを責めるのは間違っているのも全員が理解していると思うんです。だけど、愛する人を失った辛さや苦しみをぶつけるための「誰か」になるには最も相応しかったバディ。
責められる必要なんて無いのに、後悔や苦しみから抜け出せない彼が本当に可哀想でした。
アビーに許しを乞う必要なんて本当は無いのですが、アビーが誰のせいでもないと言ってくれたことで、バディがどれほど救われたか計り知れません。(女性 30代)
映画『偶然の恋人』 まとめ
飛行機事故ものはパニック系の映画しか見たことが無い。
特に代理で乗った飛行機が事故に遭うなどという内容のものは、考えるだけで暗くなりそうで毛嫌いしていた。
だが本作品はよくできている。
大きな波はないが、静かに力強く進み、それと同時に人間の弱さを隠さず見せてくれる。
だからこそ共感も出来るし、現実味が帯びてくるのだ。
その演技をしている主演の二人の演技がまた良い。
派手では無いが、確実に人の心の中を演じている演技には拍手したくなるほど。
キャスティングが良くあっている作品であった。
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