映画『エベレスト 3D』の概要:1996年に実際に起きた、エベレスト遭難事故を基に3D映画化。出演はジェイソン・クラーク、ジョシュ・ブローリン、ロビン・ライト。バルタザール・コルマウクル監督の2015年米国・英国映画。
映画『エベレスト 3D』 作品情報
- 製作年:2015年
- 上映時間:121分
- ジャンル:ヒューマンドラマ、アドベンチャー
- 監督:バルタザール・コルマウクル
- キャスト:ジェイソン・クラーク、ジョシュ・ブローリン、ジョン・ホークス、ロビン・ライト etc
映画『エベレスト 3D』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『エベレスト 3D』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『エベレスト 3D』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『エベレスト 3D』 あらすじ【起・承】
1996年、登山ガイド会社をしているAC隊の隊長、ロブ・ホール(ジェースン・クラーク)は、エベレストの登山者を募り、ツアーを敢行した。隊員には、登山経験の厚いベック・ウェザーズ(ジョシュ・ブローリン)や郵便局員のダグ・ハンセン(ジョン・ホークス)もいた。
この年は、エベレスト登山人気が高く、AC隊以外にも何組か隊が来ていた。その中には、ロブと親友で、MM隊の隊長のスコット・フィッシャー(ジェーク・ギレンホール)の姿もあった。
ロブは登頂成功よりも、登山者の安全を第一に考えていた。彼にも、身重の妻ジャン・アーノルド(キーラ・ナイトレイ)がいるからだ。”生まれる前に戻って!”と妻ジャンには懇願されるのだが。
エベレスト登頂、6週間前。ニュージーランドのベース・キャンプから、カトマンズに入った。5月30日に登頂する予定なので、これから2ヶ月かけて体を高地順応させてゆかねばならない。
今回から、エベレスト登頂をサポートするスタッフとして、医者のキャロライン(エリザベス・デビッキ)やベース・キャンプの母親的存在のヘレン(エミリー・ワトソン)や救助活動に関わるガイ・コター(サム・ワーシントン)らが迎えてくれた。
通信手段は限られているが、FAXと衛星電話で話すことが出来た。ロブは、身重の妻ジャンと話し、生まれてくる子が女の子だと知った。彼はその子にサラと名付けて欲しいと言う。
ベースキャンプがある、5364Mから第1キャンプに上がると5994M。エベレスト山頂は8848M。AC隊員たちは、酸素を充分に体に取り入れつつ、訓練を始めていた。
映画『エベレスト 3D』 結末・ラスト(ネタバレ)
エベレスト登山の前夜。フィッシャー隊のガイド、アナトリ(イングバール・E・シーグルズソン)は、”人間同士の争いは無意味だ!全ては山が握っている”と話す。
また、いつもの年よりも登山者が多いため、エベレスト頂上付近では混雑が予想された。そこで、ロブはスコットに協力体制を頼む。スコットは、”自力で登れない奴は登るな!”という姿勢だが、ロブのAC隊への協力を約束した。
前夜のパーティでは、”なぜ山に登るのか?”という問いが投げかけられ、”そこに山があるから。”と言う者もいれば、”子供達に夢を与えたい!”と語る人もいた。
5月10日。第4キャンプ、7951M。AC隊の隊長、ロブ・ホールは、昨日までの激しい嵐が収まるのを見た。天候に恵まれた今を逃す手はない。ベースキャンプにいる、ヘレンに頂上を目指し、12時間後に連絡することを伝えた。
AC隊一行は、エベレストの頂上を目指して早朝にキャンプを出発した。AC隊には、天候の急変やロープの不足、ベッグの体調が悪化するなどして、多くの困難が襲った。タイム・リミットは午後2時。
それでも、ロブは、日本人登山家の難波康子(森尚子)やダグらと共に頂上に立った。しかし、下りは更に困難を極めた。ロブを含めて、13人がデス・ゾーンと呼ばれる、”死の領域”で遭難してしまう。
用意していた酸素が底をつき、絶対絶命のピンチに!ダグ、ハロルドを助けるため、ロブはエベレストの南岬へ向かうが戻れなくなってしまう。妻ジャンは不安になり、ベースキャンプへ電話を入れた。
夫ロブが遭難したことを知り、悲しむジャン。妻ジャンにも登山経験があるため、通信の回復した夫に向かって必死に動くよう伝えるのだった。だが、天候悪化で救助にゆくことができない。
ロブは、サラと名付けて欲しいとジャンに伝えて、連絡は途絶えた。その後、死んだと思われていたベッグが自力で下山を果たした。ロブは、現在もエベレストの南岬の下で永遠に眠っています。
これが、1996年に起きた、エベレスト登山史上最大の遭難事故の物語です。その後、ロブの妻ジャンは、女の子を出産し、サラと名付けた。
映画『エベレスト 3D』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『エベレスト 3D』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
迫力満点!厳しいエベレスト登山が味わえる作品
なぜ、人は過酷な自然に挑戦し、頂上を目指すのだろう。私は、山登りだけでなく、スポーツ全般が苦手な人間です。
今も、エベレストの山頂付近やデス・ゾーンと呼ばれる”死の領域”には、300体以上の遺体が残されているそうです。
本作は実話を基にしており、ラストでそれぞれの安否も描かれています。妻と生まれてくる我が子を残して死んでしまう、ロブの姿に涙が止まりません。
実際に、登山しているかのようなリアルで緊張感あふれる映像と隊員を待つ家族の会話など、どれも胸を打ちます。しかし、ここまで過酷な環境に身を置こうとする人の心理を解するのは難しい。
”百聞は一見にしかず”と言いますが、自然の恐ろしさとそれに挑む人間の気高さとが一体となった映像には、深い死者への祈りも込められているように思えてなりません。
野性的な魅力と繊細さを放つ、ジョシュ・ブローリン
本作で、ベッグ役を演じたジョシュ・ブローリンに注目したいと思います。ジョシュ・ブローリンは、「グーニーズ」(85)の主人公の兄役でデビューしました。
その後、キャリアを積み、コーエン兄弟の「ノーカントリー」(07)でベトナム帰還兵を演じ強烈な印象を残しました。不死身の男、というイメージがピッタリです!
本作でも、エベレスト登頂後に遭難しながらも、自力で下山を果たします。ベッグを助けようとしたロブの命と引き換えに・・という展開に衝撃を受けました。
相当な体力と精神力を必要とする役柄が、彼には多い。撮影では、エベレストの標高4000Mまでヘリで上がり、実際に山を体験したそうです!
彼は、インタビューで、”もう2度と山には行きたくない!”と語っているようですが、はしごで落ちそうになったシーンなどに辛さが垣間見えますね。
山が好きな人でも、高所恐怖症だと大変かもしれない。この映像を観ても、まだ山に行きたいですか?
ジョシュ・ブローリンの新作は、再びコーエン兄弟と組んだ、「ヘイル、シーザー!」です。ご期待下さい。
何も疑わずに、素直な気持ちで見てほしい作品です。実際の事故をベースに作られたという事もあり、色々な部分に疑問を持ちながら見てしまったので、ロブの妻がもうすぐ子供が生まれるという時点でロブの死亡フラグが立ってしまいます。しかも「サラ」と名付けて欲しいと話しているところで、勘の良い人ならああこれは…と思ってしまうでしょう。
そして予想通りのラスト。帰ることのなかったロブのエベレストでの貢献やガイドとしての姿勢を素直に評価できるような見方が出来れば、とても魅力的な作品だと思います。(女性 30代)
エンドロールまで見て実話だと知り、驚愕しました。登山は命懸けであることを目の当たりにしました。慣れた登山家でも、判断をひとたび誤れば呆気なく亡くなってしまいます。妊娠中の妻を置いて山に登るとは、いかがなものかと思いました。しかも、日本円にして800万円近くも払って登っており、正気の沙汰では無いように感じます。それほど、登山には人の心を魅了する何かがあるのかもしれません。エベレスト登山について多くの知見、発見を得られました。(女性 30代)
映画『エベレスト 3D』 まとめ
若い世代から、中高年層まで登山が人気です。本作は、登山好きにもそうでない人にも、1度は観ておきたい映画です。
エベレストを目指す男達だけでなく、家族との別れが真に迫っていて泣けます。なぜ、過酷な自然に人は挑戦するのか?
永遠に解けない謎を突き付けられた思いがします。今も、エベレストには300体以上の登山家が眠っています。
一つの死に方として、憧れる人もいるかもしれません。でも、彼らは決して死ぬために挑戦したわけではない。
ジョシュ・ブローリン演じる、ベッグのように生きて帰ってきて欲しい。
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