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映画『イット・フォローズ』あらすじネタバレ結末と感想

映画『イット・フォローズ』の概要:イケメンの彼氏と一線を越えたことで、「ついてくるもの」に命を狙われることになった主人公の恐怖と苦悩を描いた、不幸の手紙系ホラームービー。監督はデヴィッド・ロバート・ミッチェル。

映画『イット・フォローズ』 作品情報

イット・フォローズ

  • 製作年:2014年
  • 上映時間:100分
  • ジャンル:ホラー、サスペンス、青春
  • 監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル
  • キャスト:マイカ・モンロー、キーア・ギルクリスト、ダニエル・ゾヴァット、ジェイク・ウィアリー etc

映画『イット・フォローズ』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

[miho21]

映画『イット・フォローズ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『イット・フォローズ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『イット・フォローズ』 あらすじ【起・承】

イケメンの彼氏ヒューと付き合っているジェイは、彼と一線を越える。
幸せに浸るジェイだったが、突然ヒューに気絶させられ、気が付くと車椅子に縛り付けられていた。

ヒューはジェイと寝て、彼女にあるものを移したという。
それは感染した人の後ろをついてくる。
時には姿を変え、頭もいいが、歩いてしか行動できない。
ジェイも誰かと寝て感染させれば助かる。
そしてジェイを下着姿のまま家の前に降ろし、逃げるように去っていった。

その場面を見た妹ケリー、友人ヤラ、ポールは警察に通報。
病気に感染させられたと思ったジェイは検査を受けるが、何も見つからない。
やがてジェイにしか見えない不気味な人物が、彼女の後ろをついて来るようになる。
ケリー、ヤラ、ポールに相談するが、信じてもらえない。

家にまで侵入してきたそれに怯え、逃げ出したジェイ。
偽名を使っていて、住所も適当だったヒューを探し出し、真相を突き止めようとする彼らの前に、近所に住むジェイの元彼グレッグが協力を申し出る。
そしてジェイ、ケリー、ヤラ、ポール、グレッグはヒューの本名と自宅を見つけ出した。

本名がジェフというヒューは、名前も知らない一夜限りの関係の女性から移されたのだという。
ジェイがついてくるものに殺されれば、次は自分の順番になると語り、一人でも多くの男性と関係を持つようにと告げた。

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映画『イット・フォローズ』 結末・ラスト(ネタバレ)

グレッグの父が所有する別荘を使わせてもらえる事になったジェイ。
別荘の前のビーチで過ごしていると、ヤラの姿になったついてくるものが襲い掛かってくる。
ポールが振り回した椅子が当たり、銃で多少の傷を負わせたものの、それはまだジェイを追っていた。
半狂乱になったジェイはグレッグの車で逃げようとして、事故を起こす。

片腕を骨折したジェイは、本人の希望もあってグレッグと寝る。
しかし感染したはずのグレッグの前には何も現れず、ジェイは部屋に引きこもってしまう。

ある夜、部屋の窓からグレッグの家に侵入するついてくるものを見かけたジェイ。
慌てて家に向かうが、彼は死んでしまう。
再び自分の番になったジェイは逃げ出し、ビーチにいた見知らぬ男性の元へ服を脱いで向かっていった。

ジェイに思いを寄せるポールは、ジェイを助ける作戦を思いつく。
ジェイ、ケリー、ヤラ、ポールは荷物を抱え、プールへと急ぐ。
プールの中にいるジェイを感電死させようとするついてくるものを、ポールは銃で撃ち抜いた。
プールの水は、ジェイにだけ血に染まって見えた。

その後、プールサイドで流れ弾に当たったヤラは入院生活。
ポールは自ら望んでジェイと寝た。

二人の後ろには、ついてくるものの姿があった。

映画『イット・フォローズ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『イット・フォローズ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

斬新な感染系ホラー

ホラー映画といえば、幽霊だったり悪魔だったり、ゾンビやモンスターなどが登場するのが定番だが、本作に出てくるものの正体は最後まで謎。
つかまって殺されたくなければ、自分の順番が来ないように多くの人物と体の関係を持って感染者を増やすしかないという設定が斬新。
リング」の呪いのビデオや、不幸の手紙、チェーンメールなどに通じる部分はあるものの、人間の性に直接つながってくるのは後味が悪い。

しかも“それ”が感染者を殺す時、強姦のような形を取っているのが不気味。

グレッグの死に耐えられず、ビーチに向かったジェイがボートに乗った男性3人を見つけて近づいていくが、体の関係を持ったかどうかがハッキリしないというのは気分が悪い。
ジェイと関係を持ったポールが、助かるために娼婦と関係を持ったのかもハッキリせず、何もかもわからないままというのはモヤモヤして怖さが倍増する。

絶妙なコントラストが目を引く

ジェイにしか見えない“それ”の血がプールに広がり、ジェイがプールの中を恐る恐るのぞき込むシーンは特に印象的。
ありふれたホラー映画だったら、覗き込んだプールから手などが出てきてジェイを引き込みそうなものだが、それをしない演出には好感が持てる。
ケリーやポールにはただのプールにしか映らないが、ジェイ目線になると変化が起こるのも良い。

ラストで手をつないで歩くジェイとポールの間に、“それ”のような人影がチラチラ見えるのも印象的だし、2人の表情が微笑んでいるようで歪んでいるようにも見えるのも独特だ。
全裸の“それ”が屋根の上に立っているシーンには、思わず笑ってしまう。

序盤に登場する女の子が、下着に近い服とハイヒールというちぐはぐな恰好で逃げるのにも、作り手が込めたメッセージを感じる。


本作は、19歳の女子大生ジェイが彼氏と一線を越えてから「ついてくるもの」に命を狙われる恐怖を描いた青春ホラー作品。
音で驚かすというものではなく終始静かな展開で、忍び寄る恐怖が古典的な手法と斬新な発想で表現されているところが好感だった。
変幻自在に姿を変えて現れる「それ」の正体は結局のところ何だったのだろうか。
疑問は残るが色んな意味合いを含んだストーリーで、観終わった後も様々な考察ができる作品となっている。(女性 20代)


感染源や感染スピード、対処法等、不明瞭な部分が多いため、自由に想像できてとても楽しめました。性交渉によって移る点が、現実的で実に恐ろしいです。しかも「それ」が徒歩で追いかけてくるとは、珍妙で斬新だと感じます。ゆっくりついてくるので、その間に知恵を絞ったり逃げる間が生まれ、不思議な安心感がありました。それでいて、じわりじわりと追い詰めるような恐怖感もあり、新感覚ホラーと言っても過言ではありません。低音のBGMが、効果的に恐怖を煽り立てています。(女性 30代)


日本では絶対に作らないジャンルのホラー作品。性に対して真面目な日本は映画にもそういった描写を使うことは非常に珍しいですが、今作はホラーであり、エロティックであり、恋愛要素もあるなんでもありの作品です。
体の関係を持つことで感染する「何か」が最後まではっきりせず、それがついてきてしまう理由も分からないので不気味な怖さを感じました。自分の身を守るために見知らぬ男と関係を持とうとするジェイの気持ちがすごく理解出来ました。もし自分もその立場になったら、相手のことを考えている暇なんてないと思います。(女性 30代)

映画『イット・フォローズ』 まとめ

低予算で作られたが、有名監督クエンティン・タランティーノから絶賛され、カンヌ国際映画祭などにも出品されたという話題作。
性に対してオープンなアメリカのホラー映画で、危うさを秘めた若者たちへのメッセージ要素も垣間見える。

スニーカーや裸足ではなくハイヒールで逃げ惑う女の子の姿や、赤いネイルを付けたジェイの手の動きが印象に残る。

“それ”がどこにいるのか、どこに紛れているのかと呑気に探していると突然目の前に出てきたり、海にいるはずのヤラが後ろから歩いてきてどっちが本物なのかわからなくなるなど、怖がらせ方も工夫されている。
見ている側の想像に任せるようなシーンも多く、ホラー映画の新境地を拓いた作品といえる。

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