3人の名優たちがドラヴァクイーンを演じるロードムービー。旧友の秘密を守るため、彼女達は滋賀へと向かう旅を始める。果たして、彼女達が迎える旅の結末は。笑って泣ける、最高の一本。
映画『ひみつのなっちゃん。』の作品情報
- タイトル
- ひみつのなっちゃん。
- 原題
- なし
- 製作年
- 2023年
- 日本公開日
- 2023年1月13日(金)
- 上映時間
- 97分
- ジャンル
- コメディ
ヒューマンドラマ - 監督
- 田中和次朗
- 脚本
- 田中和次朗
- 製作
- 與田尚志
折上英作 - 製作総指揮
- 加藤和夫
小林一彦 - キャスト
- 滝藤賢一
渡部秀
前野朋哉
カンニング竹山
豊本明長
本多力
岩永洋昭
永田薫 - 製作国
- 日本
- 配給
- ラビットハウス
丸壱動画
映画『ひみつのなっちゃん。』の作品概要
俳優、滝藤賢一。『クライマーズ・ハイ』で衝撃的な役どころを見事に演じきり、一躍注目を浴びた俳優である。その後数々の作品に出演し、今では個性は俳優としての立ち位置を見事に築き上げた。そんな彼が主演を務めるのが本作。本作で彼が演じるのは、なんとドラヴァクイーン役。まさに、個性派俳優滝藤賢一に相応しい役どころと言えるだろう。ドラヴァクイーン3人衆が、友人の秘密を守るため、滋賀に向けて旅立った!笑って泣ける、最高のハートウォーミングストーリー。元関ジャニ∞の渋谷すばるが本作のために書き下ろした楽曲も、ファンにとっては楽しみの一つ。
映画『ひみつのなっちゃん。』の予告動画
映画『ひみつのなっちゃん。』の登場人物(キャスト)
- バージン(滝藤賢一)
- なっちゃんの友人のドラヴァクイーン。
- モリリン(渡部秀)
- なっちゃんの店で働いていたドラヴァクイーン。
- ズブ子(前野朋哉)
- 人気タレントでもあるドラヴァクイーン。
- 恵子(松原智恵子)
- なっちゃんの母。息子がドラヴァクイーンであることを知らない。
映画『ひみつのなっちゃん。』のあらすじ(ネタバレなし)
なっちゃんが死んだ。元ドラヴァクイーンで、今では新宿2丁目で店を経営していたなっちゃんの突然の急死。彼女の訃報に、モリリン、バージン、ズブ子の3人のドラヴァクイーン仲間が集まった。そこで彼女達は、なっちゃんが家族に自分の仕事のことを隠していたことを知るのだった。葬儀のため、当然親族はやってくる。彼女の秘密を守るため、3人はなっちゃんの家に忍び込み証拠隠滅を図った。しかし、そんな時にちょうど、なっちゃんの母親がやってきて3人と鉢合わせしてしまったのだ。何とかその場を取り繕った3人だったが、成り行きからなっちゃんの葬儀に参列することとなる。そこから、3人の岐阜に向けた珍道中が始まる。
映画『ひみつのなっちゃん。』の感想・評価
ドラヴァクイーンとは?
本作の主人公はドラヴァクイーン。近年LGBTQなどダイバージェントが認められるようになった世の中で、ドラヴァクイーンという存在も以前より認知されるようになってきた。しかし、彼女達が一体どのような職業の人達なのか、詳しく理解しているだろうか。その起源は1870年頃と歴史は深い。元々は演劇界から来た言葉であり、不足した女性役を演じる男性のことを指していたこの言葉。現在では、女性の格好をしてパフォーマンスを行う男性のことを指す言葉となった。必ずしも全員がゲイというわけではなく、あくまでもパフォーマーとしてのドラヴァクイーンもいる。既存のLGBTQとはまた異なる存在なのだ。その魅力はなんといっても華やかな衣装、ステージ、パフォーマンス。その独特の世界観に、思わず引き込まれてしまうこと間違いなし。
名優達の女性役
本作には、日本を代表する俳優達が勢揃いしている。特に滝藤賢一は個性派俳優として様々な作品に引っ張りだこの状態。そんな彼が本作で挑戦するのは女性役。正確には女性の格好をした男性、ドラヴァクイーン役だ。つまりただただ女装をしていればよいわけではなく、パフォーマンスでも観客を魅せないといけない。本作ではそういった、俳優陣が魅せるダンスなどのパフォーマンスも楽しめるのだ。非常に細身に見える滝藤賢一ではあるが、実は日頃から筋トレを欠かさない美しい筋肉の持ち主。その鍛え上げられた身体を存分に使ったパフォーマンスを期待したい。
初主演、滝藤賢一
先述した通り、個性は俳優として知られる滝藤賢一。映画やドラマなどは勿論、時折バラエティでも見かけるなど活躍の幅を広げている。今や日本を代表する俳優の一人となった彼だが、実は本作が彼にとっての初の主演作。彼のメディアへの露出度を考えると、意外に思う人も多いかもしれない。そんな彼に訪れた大チャンス。勿論、主演を務めることが全てではないが、主演、バイプレイヤー共に活躍できるとすればまさに無敵。本作をキッカケに、さらに俳優、滝藤賢一の活躍の場が益々広がっていくこととなるかもしれない。是非劇場でその記念すべき場面を見届けよう。
映画『ひみつのなっちゃん。』の公開前に見ておきたい映画
リトル・ミス・サンシャイン
最新作は、個性的な3人が滋賀に向かって珍道中を繰り広げるロードムービー。ロードムービーと聞いて本作を思い浮かべる人は多いのではないだろうか。本作は、ハリウッドが誇る名作中の名作。第79回アカデミー賞で2つの賞を獲得し、今尚高い人気を誇っている。本作で珍道中を繰り広げるのは、崩壊寸前のフーバー一家。彼らは、娘を美少女コンテストに参加させるためにアリゾナから遥々カリフォルニアまで車を走らせることとなる。しかし、元々崩壊寸前だった彼らの旅がうまくいくわけはなく、様々なトラブルが彼らを襲う。トラブルを乗り越えるたびに徐々に絆を取り戻していく一家だったが……?笑って泣ける、最高の一作。
フィリップ、きみを愛してる!
前述したように、名優たちがいかに女性役を演じるかが本作の大きな見どころの一つ。本作も同様の設定の作品。本作のメインキャストは、ジム・キャリーとユアン・マクレガー。いずれも数多くの名作に出演している名俳優中の名俳優であるが、その両者が本作ではゲイ役を演じている。特に、ユアン・マクレガーの演技は必見。細かい所作まで洗練されたその動きは、どこからどう見ても女性にしか見えないのである。実は本作は、実話に基づいた作品。主人公はスティーブン・ラッセルという男性。彼は、愛した男性のために4度も脱獄を果たしたという詐欺師兼脱獄王なのだ。事実は小説より奇なりという言葉があるが、本作はまさにそんな作品。抱腹絶倒の一本。
ステージ・マザー
設定が非常に最新作と似ている一本。ドラヴァクイーンの息子が亡くなり、母親が死をきっかけにその事実を知る。最新作も本作も、周囲や母親がそこから様々な葛藤を抱くこととなる。どちらの母親も精神的に強いが、本作の母親は殊更強烈。なんと、息子が遺したゲイバーを代わりに運営していくこととなるのである。その母親、メイベリンはかつて息子と袂を分かっていた。ある日突然息子の訃報、息子がドラヴァクイーンであったこと、彼がゲイバーを経営していたこと、さらに、そのバーが破産寸前にあることを知らされる。当然ながらパニックに陥る彼女。しかし、彼女はなんと、息子が遺したそのバーを再建するべく動き出すのだった。
詳細 ステージ・マザー
映画『ひみつのなっちゃん。』の評判・口コミ・レビュー
#ひみつのなっちゃん を観たよ!
ドラァグクイーンのドタバタロードムービー
しっかりコメディでしっかり笑えるのに最後にしっかり泣いてしまった…
滝藤賢一さんの演技がやべぇ…
仮面ライダーオーズ好きには最高のシーンもあり!!
渡部秀さんはイケメンすぎる pic.twitter.com/B6VYrIJBRA— ありが (@YandA765) January 13, 2023
『#ひみつのなっちゃん。』新作映画5本目
ドラァグクイーンたちが友人の死を機に故郷へ向かうロードムービー。
世界はみにくい。だけど美しいもので溢れている。メイン3人の演技が素敵で、そして沢山笑わせてもらった。
尺としてもちょうど良かったが物足りなさも感じるラストだった。#EDDIE映画2023 pic.twitter.com/Mg1OnejMEO— EDDIE @KingsFan👑 (@eddie2yuji) January 14, 2023
#ひみつのなっちゃん。
不出来な部分が無いとは言わない。だが伝えたい事の温かさと滝藤賢一の立ち居振る舞いのキレイさが全てを押し流していく。どうしようもない生き辛さとその中には感じなくてもよい物があるという現実。描き方への危うさを感じながらも最後には笑いながら泣いていた。大好き。 pic.twitter.com/s8lQUFLCo9— 偏見・ベッケナー(チョッキ) (@jcWt5q3QDFysZb2) January 15, 2023
映画『ひみつのなっちゃん。』のまとめ
ゲイバーやショーステージを楽しんでいる女性は多い。場所によっては女性お断りの店舗もあるが、中には『女性歓迎』と店先に掲示してあるところもある。性別を問わず、人々を惹きつける魅力はどこにあるのだろうか。まず男女双方の気持ちを理解できるという点。男女共に話しやすく、また話術も巧みなため話していて飽きないし会話も弾む。そして、なんといっても非日常感が楽しめる点だろう。華やかな衣装とパフォーマンス、その場に渦巻く熱気に人々は夢中になるのだろう。本作もそんな作品に仕上がっている。性別を問わず楽しめ、どこか親近感を抱かせながらも興奮も提供してくれる。多くの人が夢中になってしまうこと間違いなしの一本。
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