映画『恐怖ノ白魔人』の概要:学校を抜け出して遊んでいた悪ガキ3人が誘拐犯を目撃したせいで、不気味な白い男に狙われる恐怖の一夜を描いた。「屋敷女」などで知られるコンビ、ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロが監督。
映画『恐怖ノ白魔人』 作品情報
- 製作年:2014年
- 上映時間:88分
- ジャンル:サスペンス、ホラー
- 監督:ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ
- キャスト:アンヌ・マリヴァン、テオ・フェルナンデーズ、フランシス・ルノー、ザカリー・シャセリオ etc
映画『恐怖ノ白魔人』 評価
- 点数:45点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★☆☆☆☆
[miho21]
映画『恐怖ノ白魔人』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『恐怖ノ白魔人』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『恐怖ノ白魔人』 あらすじ【起・承】
ある年のハロウィン、フォシュールという名の家で、臨月の妻ジャンヌが自殺した。
夫はそのお腹から赤ん坊の亡骸を取り出すと、ジャンヌが怪物と呼んだ4歳の息子クラランスを連れて姿を消した。
アルコール依存症の義父を持つヴィクトル・カンベール、服役していた父を持つトマ・アゼル、両親が離婚間近のダニエル・シレーの問題児3人組は、学校を抜け出して遊んでいた。
注意されてばかりの老人エルマンの納屋を火事にしようとして失敗し、廃れた撮影所ブラックウッズに向かう。
見覚えのないレッカー車があり、それに乗せられていた車のトランクの中には女性が監禁されていた。
ピエロのお面を被った人物が現れ、彼女をどこかへ運んでいく。
警察を呼ぶよりも助けに行った方が早いと判断して女性を探すが、誘拐犯に見つかってしまい、命からがら逃げ出す。
納屋への放火の件で3人を探していた警察に事情を話すが、証拠が無かったために嘘つき呼ばわり。
しかしヴィクトルは、妹ルイーズの猫探しのビラを落としていた事に気付いていなかった。
映画『恐怖ノ白魔人』 結末・ラスト(ネタバレ)
その夜、シアー家には外出する両親の代わりにシッターのミラが来ていた。
ダニエルのぬいぐるみの山の中に見覚えのないピエロを見つけ、電話で誘導されたミラとダニエルは殺されてしまう。
トマは、暴力をふるう父に拳銃を向けるが、見つかって殺されそうになる。
しかしトマと父は何者かに殺されてしまった。
そしてそれはヴィクトルの家にもやってきた。
両親が警察に通報したが、末っ子クラリスを誘拐されたと思い飛びかかっていった義父ナタンは、奇妙な男に惨殺されてしまう。
そのクラリスは洗濯機の中に閉じ込められており、なんとか助け出したが、母もケガをする。
間一髪で警察が到着するが、ルイーズがさらわれてしまう。
ブラックウッズへ急ぎ、ルイーズを助け出したヴィクトル。
警察と母も追いついたが、誘拐されていた女性を盾にした男性が謎のガスをまき散らす。
ヴィクトルはガラスの破片が目に入ってしまい、警察官は全滅、母も大ケガを負う。
だが、謎の男性の持っていたナイフが偶然、白い男に刺さってしまう。
男は、まだ6歳の息子クラランスだけは助けてほしいと懇願する。
しかしヴィクトルは銃の引き金を引いた。
親友と義父の墓参りに向かうヴィクトル、ルイーズ、クラリスを抱えた母。
クラランスを失った男は、新しい家族を作るために町を歩く女性の姿を眺めていた。
映画『恐怖ノ白魔人』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『恐怖ノ白魔人』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
残酷描写は控えめ
強烈な残酷描写が話題となったフレンチスラッシャー映画「屋敷女」でデビューし、2作目は残酷描写満載のゴシックホラー「リヴィッド」でさらに話題となった、ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロのコンビが作るホラー映画。
残酷描写の過激さが売りのコンビだが、本作では控えめになっている。
妊婦ジャンヌが凶器を振り回して夫を気絶させ、息子クラランスをも殺そうとし、最後は自殺するという痛々しく衝撃的なシーンから始まる。
後半でのヴィクトルの義父や母が痛めつけられるシーンを除けば、痛すぎて見ることが辛くなるようなシーンはほとんど無い。
ブラックウッズで殺人鬼とヴィクトルが対峙するシーンも、白いガスのようなものが充満するので、そこまで酷くはない。
後味の悪さしか残らないストーリー
序盤のフォシュール家で、兵器の影響で奇形などの病を抱えた子供が生まれやすくなった、というようなニュースが流れているものの、ジャンヌの自殺によってすっかり忘れてしまう。
場面が切り替わり、ヴィクトル、トマ、ダニエルの3人組の話になるのだが、誘拐犯がクラランスと父親だというのはすぐにわかるので面白味が無い。
冒頭から2年しか経っておらず、異様に白い体と6歳なのに大人に見えるほどに成長したクラランスの姿には驚かされるが、どこかパッとしないストーリー。
考えなしに納屋に放火しようとするヴィクトルたち3人の過剰な反発や、平気で親が犯罪者だから、離婚寸前だからいい子になれないと言う教師も嫌な印象しか受けない。
ヴィクトルがためらいなしに殺人鬼に発砲したり、生き残った男が女性を物色するラストシーンは後味が悪すぎる。
怖くないけどモヤモヤした気持ちになる作品です。悪ガキたちが好奇心で怪しい場所に入り込んだせいで何者かに殺されてしまうという作品は沢山ありますが、そこには『ジーパーズクリーパーズ』に登場するモンスターや殺人鬼のような存在が必要だと思うんです。
今作に登場するのは奇形の子供と、家族への執着が凄すぎる父親。かなり普通な設定なんです。
そこからのストーリーが面白ければ十分楽しめると思うのですが、若干説明不足というか出来上がっていない印象で、物足りなさが残りました。(女性 30代)
冒頭から、妊婦役のベアトリス・ダルに恐れ慄きました。その後、ホラー描写はトーンダウンするものの、子供達の冒険と映像美に懐かしさを覚え、癒されます。そして、後半は白魔人のインパクトが物凄いです。白魔人というより白塗りの全裸男なんですが、裸というのは大変恐ろしく不快感をも大いに刺激するものだと初めて気付きました。しかも、攻撃は殆ど素手で殴るのみの、原始的な方法をとっている点がより気味悪くて気に入りました。白魔人の設定が、唯一無二で素晴らしいです。(女性 30代)
映画『恐怖ノ白魔人』 まとめ
残酷描写が売りのジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督作品にしては、比較的優しいと思える作品に仕上がっている。
指の間など、明らかに“痛い”部分を傷つけるというピンポイント攻撃はあるが、回数が少ないので残酷描写が苦手でも比較的見やすいだろう。
“白魔人”の生まれた理由が、毒ガスなどの兵器の影響というのは悲しくなる設定だ。
生まれなかった赤ん坊がホルマリン漬けのようにして置いてあったり、角が付いたマスクやピエロのマスクを被って生活する父とクラランスの姿は、現実からかけ離れた感じがあって印象的。
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