映画『メタルヘッド』の概要:ヘッシャーという謎の男によって人生を変えられていく人々を描いた2011年公開のアメリカ映画。メタリカが楽曲使用を許可したことで話題となった。ナタリー・ポートマンが製作としても作品に関わっている。
映画『メタルヘッド』 作品情報
- 製作年:2010年
- 上映時間:100分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:スペンサー・サッサー
- キャスト:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ナタリー・ポートマン、レイン・ウィルソン、デヴィン・ブロシュー etc
映画『メタルヘッド』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『メタルヘッド』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『メタルヘッド』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『メタルヘッド』 あらすじ【起・承】
交通事故で母親を亡くした少年TJは、鬱状態の父ポールと、体が弱りつつある祖母マデリンとともに暮らしていた。
ある日、事故の時に乗っていた車をポールが処分したことを知ったTJは、業者に乗り込んで車を返すよう要求する。
車を取り返せなかったTJは通りかかった廃墟に、怒りを発散させるかのように石を投げ込む。だが、その廃墟ではヘッシャー(ジョゼフ・ゴードン・レヴィット)という長髪の男が寝泊まりをしていて、怒りを買ったTJは脅される。そしてそれ以降、ヘッシャーはTJをつけまわすようになる。
ソファで横たわる日々を過ごす父に苛立っていたTJは同じ学校の上級生と揉めるが歯が立たず、一方的に暴力を振るわれていたところをニコール(ナタリー・ポートマン)という女性に助けられる。そして自宅まで送り届けてもらったTJは彼女に好意を寄せる。
TJを尾行して彼の自宅を知ったヘッシャーは、勝手に上がり込んで居座るようになる。
ポールとマデリンはヘッシャーを気に留めながらも、それまで通りの生活を送る。
映画『メタルヘッド』 結末・ラスト(ネタバレ)
ある晩、元気のないTJを心配するマデリンは彼を散歩に誘うが、TJは冷たく断る。ヘッシャーはTJを咎め、散歩に行く約束をさせる。乱暴な言動をとるヘッシャーだったが、マデリンだけには優しく接していた。
TJとニコールを2人きりにさせたり、TJの上級生の車を燃やしたりと、TJの生活に波風を立てるヘッシャー。目的の分からないヘッシャーの行動に翻弄されながらも、TJは徐々に自分の感情を解き放つようになっていた。
そんなある日、マデリンが他界する。
再び家族を失ったTJはやり場のない悲しみを紛らわせるためにニコールに会いに行く。だが、そこでヘッシャーとニコールが体を交わせている現場を目撃してしまう。ヘッシャーもまた、マデリンを亡くした悲しみからニコールに会いに行っていたのだった。
感情が爆発したTJはヘッシャーの弁解も聞かず彼の車を破損させ、スクラップ場に行く。
そこで事故の時に乗っていた車を見つけたTJは、車に乗り込んで母親のことを思い出しながら一夜を過ごす。
翌日、マデリンの小さな葬儀を執り行うTJとポールの前にヘッシャーが現れ、彼は過去に睾丸を一つ失った話をする。話の意味を理解できないTJたちに、ヘッシャーはもう一つの睾丸が残っていることを訴える。その話には、家族を失ったTJたちを暗に励ます意味が込められていた。
マデリンの棺を無理矢理運び出したヘッシャーは、散歩の約束を果たしていないTJとポールも同行させる。
後日、自宅の前に置かれたスクラップ車を見て驚くTJ。屋根には「ヘッシャーここにありき」という言葉がペイントされていた。
映画『メタルヘッド』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『メタルヘッド』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
彼は何の擬人化か
ジョゼフ・ゴードン・レヴィット演じるヘッシャーは、メタリカの元ベーシストで、若くして亡くなったクリフ・バートンがモチーフになっていると言われている。
だが、本当にそれだけだろうか?
ヘッシャーが現れて、失意に暮れていたTJたちの人生が変わる。目的も素性も分からない彼の正体は一体何だろう。
長髪に上半身裸で行動するその風貌はキリストを思わせる。神を擬人化したもの?
だが、平気で人を傷つけ、物を破壊していくその行動は悪魔を思わせる。悪魔を擬人化したもの?
もしくはヘヴィメタルを擬人化したもの?時に人生に影響を与える音楽を表現しているのか?
答えはわからない。だが、彼は人間ではないという気がしてならない。人々の鬱屈とした概念を破壊して去る謎の男ヘッシャー。彼を用いることで何を伝えたかったのかを考察することが本作を観る上で重要になってくる。
ヘヴィメタルの意味は?
本作は、メタリカが楽曲使用を許可したということで話題となった。普段は許可しないあのメタリカだ。意外な部分で曲が使われていて、効果音みたいな使い方をしているのも面白かった。
だが、ストーリーを観る上で、ヘヴィメタルである必要性を感じなかった。ヘッシャーの破天荒さを表現するのには確かに分かりやすいかもしれないが、TJたちの人生を変えるという物語においてヘヴィメタルが重要であるようには思えなかった。
あそこまで全面的にヘヴィメタルを押し出すのだったら、もっと物語に絡めてほしかった。
映画『メタルヘッド』 まとめ
プロデュース面でも作品に関わっているナタリー・ポートマン。彼女が演じるニコールのダサ女っぷりが画になっていた。
普段はあんなに美しい女性も、デカメガネと演技力を装備すればダサ女になれるんだな、と素直に感動した。
それとジョゼフ・ゴードン・レヴィットが変態俳優っぷりを発揮していて興奮する。どの作品を観ても同一人物だと感じさせない彼を見ていると、やっぱり俳優ってすごいなと思ってしまう。
TJ役のデヴィン・ブロシューも何気に心を揺さぶってくるからご注意を。
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