映画『卒業(1967)』の概要:大学を卒業したベンジャミンは憂鬱な日々の中で心から愛せるエレインと巡り合うが、エレインの母親とベンジャミンは不倫関係にあった。テーマ曲となったサイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」が印象的な1967年公開のアメリカ映画。
映画『卒業』 作品情報
- 製作年:1967年
- 上映時間:107分
- ジャンル:ラブストーリー、青春
- 監督:マイク・ニコルズ
- キャスト:ダスティン・ホフマン、キャサリン・ロス、アン・バンクロフト、マーレイ・ハミルトン etc
映画『卒業』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『卒業』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『卒業(1967)』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『卒業』 あらすじ【起・承】
特待生として優秀な成績で大学を卒業したベンジャミン(ダスティン・ホフマン)は、ロサンゼルスの実家へ帰ってくる。彼を讃える賑やかな集まりの中、ベンジャミンは目標を見失い将来に不安を感じていた。
その夜、ベンジャミンはロビンソン夫人(アン・バンクロフト)に頼まれ彼女を自宅に送る。ベンジャミンの父とロビンソン氏(マーレイ・ハミルトン)は会社を共同経営しており、両家は長い付き合いだった。しかし夫人はベンジャミンを誘惑してくる。
最初は彼女の誘惑を拒絶したベンジャミンだったが、結局は肉体関係を持ってしまう。その後2人はホテルで度々情事を重ねるようになる。ベンジャミンはこんな日々に虚しさを感じていたが、夫人に逆らえないでいた。
そんな時、バークレーの大学へ通っているロビンソン家の一人娘エレイン(キャサリン・ロス)が、夏の休暇で帰省する。夫人からは“娘を絶対に誘うな”と忠告されるが、ベンジャミンはエレインをデートに誘わざるを得ない状況に追い込まれる。
ベンジャミンは純粋で話も合うエレインに惹かれ、2人はあっという間に恋に落ちる。若い2人を許せない夫人は、娘と別れなければ全てをバラすとベンジャミンを脅す。ベンジャミンと母親の深刻な様子からエレインは全てを察し、深く傷ついたままバークレーへ帰る。
映画『卒業』 結末・ラスト(ネタバレ)
ベンジャミンは悩んだ末にバークレーへ向かう。安アパートに滞在し、彼女に猛アタックを開始する。彼女は母から“ベンジャミンに強姦された”と聞かされていた。しかしそれが嘘だとわかり、エレインもベンジャミンへの愛を抑えきれなくなる。
ようやくエレインが結婚を承諾してくれ、ベンジャミンは天にも昇る気持ちだった。ところが夫人は2人の関係を壊すため夫に全てを話し、怒り狂ったロビンソン氏によって再びベンジャミンとエレインは引き裂かれる。
エレインは大学を辞めて医大生と結婚することになり、それを知ったベンジャミンは彼女の居場所を知るため夫人に会いに行く。しかし夫人はすぐに警察を呼び、ベンジャミンは追い払われる。
それでもベンジャミンは諦めず、あちこち手を尽くしてエレインの結婚式が行われている教会を突き止める。扉に鍵がかかっており教会に入れなかったベンジャミンは、2階の踊り場から大声でエレインを呼ぶ。そしてエレインもベンジャミンの名を呼び走り出す。
2人は愛の力で追っ手を振り払い、通りがかったバスに乗り込む。発車したバスの後部座席にはどこか不安げな2人がいた。
映画『卒業』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『卒業(1967)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
音楽からのイメージ
冒頭から流れるサイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」は何度聴いてもいい。「卒業」は見ていないけれど“チャラチャラチャラチャラ”のイントロで始まるこの名曲は好きで、この曲のイメージがそのままこの映画に対するイメージになっている人も多いのではないだろうか。実は私もそうだった。それがとんでもない勘違いだったということにまずは驚く。
話の内容がひどい
物語に対する率直な感想は“安っぽいメロドラマのような中身のない話”だった。主人公のベンジャミンは裕福な家庭に育ったお坊ちゃんで優秀な大学生だったが、いざ大学を卒業してみると将来の目標もなく、甘やかされている自分の環境にも疑問を持ち始める。そんなベンジャミンの心の隙をついてきたのが両親の友人であるロビンソン夫人。彼女はベンジャミンを誘惑することで、“自分が女としてまだイケる”ことを確認したかったのだろう。友人の童貞息子を誘惑するというロビンソン夫人の悪趣味さにまずは不快感を感じる。
そしてベンジャミン。誘惑されたとはいえ、母親と娘の両方に手を出すということに抵抗がなさすぎる。性欲で母親と情事を繰り返し、感情の赴くまま娘と恋に落ちる…。ロビンソン夫人はさておき、エレインの父親には結婚を猛反対されて当然だ。自分の妻と娘に手を出した最低の男と可愛い一人娘を結婚させたい父親がどこにいる。エレインも純粋というより少し頭が悪いのかなと思ってしまうようなお嬢様で、彼女にも感情移入できない。
そういうわけであの有名なラストも全く心に響かず。親の金に頼り切って生きてきた無職の男と無知なお嬢様が後先考えずに逃げ出してこれからどうする?当面はベンジャミンの親に仕送りしてもらうのか?というくだらないことを考えてしまうほど、どうでもいい話だった。とりあえずみんなセレブなので暇なんだな。
会話しているようでしていない、聞こえているようで聞こえていない、伝わっているようで伝わっていない、そんな気持ち悪いコミュニケーションが描かれている。人と人を繋ぐものがない、そんな社会を浮き彫りにした傑作にして最高の青春映画。
モンタージュで伝えてくる感情の数々と、与えられた中でしかもがくことができない若者の息苦しさが、何度も流れる「The sound of silence」と共に終始滲んでいた。(女性 20代)
エイレンの両親がクソすぎて本当にイライラしました。夫人の誘惑に逆らえず、関係を持ってしまったベンジャミンも確かに悪いのですが、自分の娘が幸せになろうとしている時にそれを邪魔する親がどこにいますか。
いつまでも自分が人の親であることを自覚せずに、女として見てもらいたいと思っている夫人は正直気持ち悪かったです。
しかし、最後の2人の表情を見るとこれから2人がどうなるのかがめちゃくちゃ気になります。世間知らずの2人が駆け落ち同然で親元を離れてしまったら一体どうなってしまうのでしょう。(女性 30代)
映画『卒業』 まとめ
あまりにメジャーな映画なのでいいのだろうと思い込んでいたが、完全に肩透かしを食らった。サイモン&ガーファンクルの音楽以外何も残らない。アメリカン・ニューシネマは決して嫌いではないので時代とか作風が合わないのではなく、単純に退屈でつまらない映画だったということだ。
むしろ愛の逃亡劇を繰り広げたベンジャミンとエレインのその後が見たい。短期間で2人の関係は破綻し、それぞれの実家に帰って親のスネをかじっていそう。この単細胞な2人には絶対に親の世話にはならないという覚悟はなさそうなので。
みんなの感想・レビュー
ミセス・ロビンソンのアン・バンクロフトとダスティン・ホフマン、6歳しか違わない。キャサリン・ロスとも9歳しか違わない。撮影当時35,6とは思えないおばさんぶりでビックリしました。
ロビンソン夫人、ミスターロビンソン、最悪の両親。エレインが可哀想。自分がまだまだイケてる女か確かめたくてベンジャミンを誘惑するロビンソン夫人、それに応えるベンジャミンもベンジャミンだけどそもそも最初にベンジャミンをロビンソン夫人が誘惑しなければこんなことにはならなかった。それから毎日のようにロビンソン夫人と情事を重ねるベンジャミン、エレインが家に戻ってからと言うもの、ロビンソン夫人からの(娘を誘わないで)とうるさいまでの忠告、しかし結局エレインに一目惚れをしエレインをデートに誘うベンジャミン。エレインを迎えに来たベンジャミンにロビンソン夫人は再び(娘を誘わないで。誘ったら私とあなたのことをすべて娘にぶちまける)と脅迫、結局それでロビンソン夫人とベンジャミンのことがエレインにばれてショックを受けたエレイン。誰か一人でもベンジャミンの言葉を信じてあげればいいのに。誰一人信じてはくれずベンジャミンは四面楚歌状態。自分の保身のためにベンジャミンを加害者にした身勝手なロビンソン夫人、夫人を愛しているのか知らないけど夫人の言うことしか信じずベンジャミンを責めることしかしないミスターロビンソン。一番可哀想なのはやっぱりベンジャミンとエレインだわ
ベンジャミンも悪いが一番悪いのはロビンソン夫人だと思いました。それとわからないのはミスターロビンソン。もとはと言えば夫人と大学で知り合い、デキ婚。夫人はミスターロビンソンのことは愛していなかったがお腹の子供のために結婚、出産。エレインが生まれ夫人はミスターロビンソンのことは愛していないがエレインのためにミスターロビンソンと暮らす。エレインが成長し短大へ。ロビンソン夫人は娘のために愛していない男と何年も暮らした、そろそろ自分にも日の目があたってもいいのではないかと思い始め、たまたま目についたベンジャミンを勝手に不倫の相手と決め、ベンジャミンに(奥さんのことが好きです)と言われたことをいいことにベンジャミンを誘惑、成功し、情事が始まる。その間夫人はベンジャミンに(娘を誘わないで)とうるさいぐらいに言っていたがエレインが家に戻った途端エレインに一目惚れをしエレインをデートに誘うベンジャミン。夫人はベンジャミンとエレインの仲を引き裂くために(娘と付き合うのなら私とあなたのことをすべて娘にぶちまける)と脅迫、ベンジャミンがそれに応じずデートしたために(私はベンジャミンに犯された)と娘に大嘘をつく夫人。娘はショックを受けベンジャミンのもとを去り、両親の勧める結婚を承知。結局夫人は自分の大切な娘を不幸にし、娘と娘の愛するベンジャミンとの仲を引き裂いた!最初にあなたがベンジャミンを誘惑しなければこんなことにはならなかったのに!いくら子どもは親を選べないって言ってもひどすぎます!
私は自分の息子ほど年の離れた青年に恋愛感情を抱くのがおかしいと思います。私は本で読んだのですが、エレインの母親が悪いと思う。いくら自分がまだまだ女としてイケるのかどうか知りたかったとしても、わざわざ夫の親友の息子を選ばなくてもいいのではないかと。エレインと青年がいい仲になりそうになると途端に嫉妬して、青年に犯されたとか大嘘をでっち上げて。被害者である青年を自分の保身のために加害者にして、被害者ぶって!いい年してみっともない。最終的に愛し合ってる2人(娘と青年)を強引に引き離すためにエレインの父親や青年の父親にも嘘を吹き込んで!まあ最後には青年とエレインは結婚できるみたい、ハッピーエンドだから良かったけど
この映画はこれでいいの!この映画の雰囲気は今の映画には出せない良さがあり、昔はこれが名作だったのか・・と思いながらこの映画の造られた時代を回想しましょう。
ストーリーより、sound of silent の意味合いが気になる。
沈黙の音ではなく、密やかな情事?
この映画をテレビで初めて観たのは、確か高校1年生の頃だったと思います。もちろん、あの頃はカッコいい、王子様が迎えに来てくれないかな?なんて思ったものです。バブル期にエリートと結婚しましたが、やはり窮地に立たされると、どうしようとオロオロ情けなかった。きっとエリートだったベンジャミンも金がない、やりたい仕事はなんだ?って顛末だったかも。親のすねかじりして、なんとなく学校行って、勢いでデキちゃった、どうしようっていう今時の若者と一緒ですね。2度目の夫はまるで戦後の雑草のごとく、1人で切り抜けて来た人。ぬくぬく育った男なんて当てになりません。この年になって改めて観ると「アホ臭い」の一言で終わっちゃいます。
たまたま今日BSで流れていたのでみましたが
ニューシネマ当時は言われてました。
今見るとやはり音楽が良かった。サイモンとガーファンクルが最高。それ以外はただモラルもない
馬鹿な大学生としか。。二人の未来は多分
散々でいっ時の激情のみかな。