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映画『となり町戦争』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『となり町戦争』の概要:2007年公開の日本映画。三崎亜記のデビュー作である同名小説を映画化した作品で、突然隣町同士で戦争が行われていることを知った主人公が、戦争に翻弄されながら大事な物に気がついていく物語。

映画『となり町戦争』の作品情報

となり町戦争

製作年:2006年
上映時間:114分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ミステリー、ラブストーリー
監督:渡辺謙作
キャスト:江口洋介、原田知世、瑛太、飯田孝男 etc

映画『となり町戦争』の登場人物(キャスト)

北原修路(江口洋介)
舞阪町のアパートに暮らす旅行会社に勤めるサラリーマン。平凡だが正直で真面目、芯が強い男である。
香西瑞希(原田知世)
舞阪町の役場に勤める戦争推進室事務吏員。任務に忠実でポーカーフェイスだが、次第に人間らしさを取り戻していく。

映画『となり町戦争』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『となり町戦争』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『となり町戦争』のあらすじ【起】

北原は舞阪町のアパートから森見町を車で通過し、職場の旅行会社に向かう毎日。
独身で取り立てて楽しみの無い彼は、毎週火曜と木曜はバッティングセンターに行き何となくの日常を過ごしている。
ある日、自宅で何気なく新聞に目を通すと、隣町の森山町と舞阪町が戦争を開始するという広告を目にした。
その時はさほど気にしていなかった北原だったが、その後周りから少しずつ戦争の話題を聞かされるようになり意識し始める。
しかし身の回りで変わったことは何も無かったし、戦争が行われていることなど実感もできなかった。

ある日、自宅に帰ると電話が鳴った。
出ると舞阪町の役場からで、手紙は来ていないかというものだった。
その時は何も送られていなかったため、何のことを言っているかわからなかったが、後日役場から書類が送られて来る。
内容は北原を隣町の偵察係に任命するというものだった。

彼は役場を訪れ、話を聞こうとした。
するとそこにいたのは香西という女性のスタッフで、自分のことを戦争推進実事務吏員と紹介する。
簡単な戦争の内容や、北原にやって欲しい任務を説明すると義務ではないので返事を聞くと言った。

内容とは職場に行く途中に通過する森見長で見聞きしたことを伝えて欲しいと言うもので、所謂スパイだった。
彼はよくわからなかったが任務を了承したのだった。

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映画『となり町戦争』のあらすじ【承】

深夜夜更け、香西が突然北原の自宅に来た。
眠そうに出た北原は、無理矢理香西に役所に連れて行かれる。
その車には、戦争特任車両と書かれており、交通法を無視したスピードで走ることが認められている。

役所に着くと町長から新たな任務が命ぜられた。
それは舞阪町の森見町分室に移動になることである。
香西と紙状だけで結婚をし、怪しまれないように森見町で暮らす。
前よりも敵の懐に入ってスパイすることを求められた。

朝7時までに到着しなければいけない任務で、急いだ北原。
その日は戦争説明会が役場であったため、北原も参加する。
しかし実際には要領を得ない集会で、戦争は止めることができないということを植え付けられただけだった。
あくまで町の効率的な戦争事業であると言うのである。

開戦から35日目の朝。
北原は香西を連れて大きな杉の木を観に行った。
その木に付けられた名前は「闘争心育成樹」。
しかし北原はこんな名前をつけたことで、この名前だけが大切になってしまっている。
戦争推進室という肩書きが無くても、あなたは存在するのだと香西に言った。
しかしその場にはもう彼女の姿は無かった。

映画『となり町戦争』のあらすじ【転】

ある日、会社に居る先輩が戦争に巻き込まれて死亡したと聞かされた北原。
葬儀に参列し自宅に帰ると電話が鳴った。
香西からだった。
内容は戦況が変わり状態が良くないため、すぐに自宅を離れろということである。
既に前坂町の軍隊は撤退していた。

北原がすぐに出ると辺りは戦争をしている様子など無かった。
しかし次第に雰囲気が変わる。
普段は明るいはずのトンネルが真っ暗で検問をしているというのだ。
スパイを探すため。

北原は用水路を歩き何とか前坂町に向かっていると、後ろから兵隊に腕をつかまれる。
あまりに驚いて叫ぶ北原に「味方だ」とその軍服の男が言った。
話を聞くと彼は香西の弟であると言う。
彼の出現は心強く、北原は先導されて無事に歩くことが出きる道まで連れていってくれた。

その道で出会ったのが、会社の上司である。
彼は志願して森山町の傭兵として雇われており、北原に「おまえは戦争と無関係だと思っているだろうが手を汚していないだけで、戦争をしている」と言われてショックを受けた。

映画『となり町戦争』の結末・ラスト(ネタバレ)

自宅に居ると香西が帰って来た。
弟が死んだことを知り、ようやく遺骨をもらい逢えたと言う。
森山町で戦死した弟はゴミ焼却炉で焼かれ、他の遺骨と共に混ざって帰ってきたのだった。
それを聞いて言葉も出ない北原。
しかしこの状況で本当に良いと思っているのかと香西に問う。
だが思ったような答えの返らない香西に嫌気が差し、家を出て行く北原だった。

その後2人は弟の思い出を探しに町を散策する。
香西が公園から学校を北原に説明しているとき、電話が鳴る。
上司からだった。
特別任務に移動になった香西は、森山町の役場に偵察員として潜入することになったのだ。
それを受け入れた香西を信じられないとがっかりする北原。

移動の日。
15時までに森山町に入らなければならない香西を送っていく北原は、無言で何も話さない。
最後の乗り換えの時、車内に乗った香西に「本当に良いのか?」と聞いた。
そして「俺は諦めたくない。」と香西を諦めたくないと告げた。
北原は香西に手を差し出した。
香西はその手を握り、電車を飛び降りた。
北原と一緒に生きていくことを決めた瞬間だった。
その時、前坂町にあがったバルーンの垂れ幕に本日攻撃開始と書いてあった。

映画『となり町戦争』の感想・評価・レビュー

世にも奇妙な物語的な異質さと魅力ある設定からの凡庸極まりない展開。ベースとなるストーリーはけして悪いものではないが、映画的な見栄えするシーンが少ない。戦争を否定することは芸術の役目だと思うが、この映画で否定される戦争はひどく概念的で抽象的なものでしかなく、それでは現実の脅威に抗うすべにはならないのではないかと思う。現実の戦争はもっと巧妙にもっと切実になされている。(男性 30代)


「戦争」と名打っているものの、それっぽいシーンはほぼない。街中もごく普通の風景で、戦争というものの現実味はない。意図してそうしているのか、はたまた予算の都合なのかは分からないが、良し悪しは別としてどこか舞台演劇のような感覚が漂う。
理由も良く分からずとなり町と戦争が始まったり終わったりするのは、リアリティがあるのかないのか良く分からない。唯一もしかしてリアルなのかもと思えるのは、岩松了の台詞「おまえは戦争と無関係だと思っているだろうが手を汚していないだけで、戦争をしている」だった。(男性 40代)


突然、隣町との戦争が始まるという、奇妙な設定の物語。ずっと現実味がなくて、どこかフワフワした気持ちのまま見終わってしまった。振り返っても、何だかよく分からない作品。映画としては万人受けしないだろうなと思う。ただ、ハッとさせられるセリフが随所に散りばめられていて、深く考えさせられるところが所々あった。
本当に戦争をやっているのか疑問を抱く北原修路に対して、香西瑞希の返答が役所らいしい形式的な対応だなと思った。北原と関わるにつれて、香西の様子が変わっていくのが良かった。(女性 30代)

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