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映画『水の中のつぼみ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『水の中のつぼみ』の概要:友人が出場するシンクロの大会を見学に行ったマリーは、選手としてその場に居合わせたフロリアーヌに恋をする。同性に恋をしてしまったという困惑と、嫉妬に板ばさみになった彼女は、意を決して声をかけるが……。

映画『水の中のつぼみ』の作品情報

水の中のつぼみ

製作年:2007年
上映時間:85分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:セリーヌ・シアマ
キャスト:ポーリーヌ・アキュアール、アデル・エネル、ルイーズ・ブラシェール、ワラン・ジャッカン etc

映画『水の中のつぼみ』の登場人物(キャスト)

マリー(ポーリーヌ・アキュアール)
華奢な身体にコンプレックスを持っている少女。フロリアーヌに憧れる。
アンヌ(ルイーズ・ブラシェール)
太っている身体にコンプレックスを持っている少女。マリーの友人。
フロリアーヌ(アデル・ヘネル)
シンクロの選手。美貌の持ち主だが、男を受け入れられないでいる。

映画『水の中のつぼみ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『水の中のつぼみ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『水の中のつぼみ』のあらすじ【起】

水着姿で控室に集まった少女たち。彼女たちはシンクロの選手。仲間の着替えを手伝ったり、振り付けを確認しながら、みんな同じリズムを口ずさむ。本番が始まった。世代別に演技を始める少女たち。幼年組の演技が終わり、次のグループの演技が始まると、観客席から演技を見ていたマリーはフロリアーヌを見つけ、思わず立ち上がる。後ろの席の観客に座るよう宥められたマリーは席に着くが、興奮を抑え切れず、食い入るように演技を見た。

選手の控室前で友人のアンヌが現れるのを待っていたマリー。すると、彼女の前に憧れのフロリアーヌが現れた。声をかけようと思ったマリーだが、勇気が出せず見送ってしまう。小さくなっていくフロリアーヌの背をマリーは静かに見つめた。

他の選手が帰る中、アンヌは水着のままベンチに座っていた。他の選手よりも大きな自分の身体を気にしてのことだった。他のみんなが帰ったのを見計らって着替えるアンヌ。裸になったそのとき、もう全員帰ったと誤解して男性が入ってきてしまう。アンヌは裸のまま絶句した。

アンヌとマリーは自転車で二人乗りをして帰った。家に着くとマリーはバスタブの中でシンクロの真似事をした。

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映画『水の中のつぼみ』のあらすじ【承】

シンクロスクールへの入学を決意したマリーは受付で申請をする。しかし、スクールの決まりで募集期間は限られていて、最短でも一か月も待たなければならなかった。マリーは諦めて家に帰る。

アンヌの仲介でシンクロの選手が参加するパーティに出席したマリー。二人は目一杯着飾る。しかし、そのパーティ会場で、アンヌは意中の男がフロリアーヌとキスしているのを目撃し、マリーはフロリアーヌが男とキスをしているのを目撃し、落胆して家に帰った。

シンクロスクールの前でフロリアーヌを待っていたマリーは、彼女がやって来ると練習を見学させてほしいと頼み込んだ。根負けしたフロリアーヌはマリーの見学を許した。

控室で水着に着替えようとしたマリーだが、華奢な自分の身体に自身が持てず、他の選手が控室を出て行ったのを確認してから一人で着替えた。マリーがプールサイドで練習を眺めているとフロリアーヌが入ったらどうだと誘ってきた。マリーは水の中に潜ってフロリアーヌが練習に励む様子を眺めた。

フロリアーヌの家に呼ばれたマリー。マリーが喜んで彼女の家に向かうと、フロリアーヌは外を歩こうと誘った。彼女について行くと、そこにはフロリアーヌの恋人がいた。マリーは家族の眼を盗んで男と会う口実に利用されていただけだった。帰り際、マリーはシンクロの大会に誘われる。そこでフロリアーヌたちのチームは賞を手にした。

映画『水の中のつぼみ』のあらすじ【転】

久し振りに会ったアンヌとマリー。どこに行っていたのかと問い詰めてくるアンヌにマリーは従姉と会っていたと嘘を吐き、フロリアーヌと会っていたことを隠した。

近所のお婆さんから犬を借りて、散歩をしていたふりをして、意中の男を待ち伏せするアンヌ。偶然を装って話しかけるが、アンヌは男に無視されてしまった。

男と逢引する口実にされていたマリーは意を決してフロリアーヌにもう彼女の家に行かないと宣言する。立ち去るマリーをフロリアーヌは慌てて追う。フロリアーヌはマリーに、自分は誰とも寝たことはないと弁明する。色んな男と寝たとチームメイトに自慢していた彼女だが、それは自分を嫌うチームメイトに対する見栄だと語った。仲直りをしたマリーとフロリアーヌ。フロリアーヌは改めてマリーを自分の家に誘った。二人は一晩を共にした。

フロリアーヌと寝た後、マリーは自分の身体を気にすることがなくなった。代わりに、男と仲良くするフロリアーヌを見て一層嫉妬していくようになる。

男とセックスをする寸前になると嫌な気分になるとマリーに打ち明けたフロリアーヌ。このままでは恋人に処女であるとバレてしまうと焦った彼女は、その気分を克服するためにディスコで他の見知らぬ男とセックスをしようと考える。マリーについて来てほしいと頼んだ。ディスコで男について行ったフロリアーヌだが、結局セックスはできなかった。

映画『水の中のつぼみ』の結末・ラスト(ネタバレ)

フロリアーヌはマリーに男のように自分の処女を奪ってくれと頼み込む。マリーはそれを断った。

久し振りに会ったアンヌとマリー。アクセサリーショップで万引きをしたり、ハッピーセットを食べたがる幼稚なアンヌに辟易したマリーは、彼女に絶交を宣言する。

アンヌは意中の男に万引きしたペンダントをプレゼントした。しかし、そのペンダントは彼の恋人であるフロリアーヌの手に渡ってしまう。

今夜、彼が家に来るとマリーに打ち明けるフロリアーヌ。マリーは以前の頼みを引き受けるとフロリアーヌに言った。マリーはフロリアーヌの処女を奪う。それからフロリアーヌと彼女の恋人を二人きりにしてフロリアーヌの家を出たマリーは、彼女のことを思って涙した。家に帰ると、マリーはフロリアーヌとの思い出の品を全て捨ててしまった。

アンヌの部屋に意中の男が現れる。ペンダントの礼を言うと男はアンヌの身体を弄った。アンナは男のことを受け入れた。次の日、アンナはマリーの家に行き、昨晩のことを話す。アンヌの話からマリーは、結局、フロリアーヌは彼とセックスをしなかったと知る。

自分の気持ちをフロリアーヌに打ち明けようとしたマリー。しかし、臆病な彼女は最後まで自分の好意を打ち明けることができなかった。

映画『水の中のつぼみ』の感想・評価・レビュー

本作は、3人の少女の恋愛観をリアルに描いたセリーヌ・シアマ監督によるフランス映画。
少女特有の危うい距離感や歪んだ愛情表現、残酷さを生々しくもサラッと描いているところに独特の雰囲気があって好みだった。
また、思春期の少女の繊細さが丁寧に描かれていて、言葉にせずとも視線や表情で伝わってくる感じに、リアリティーがあってストーリーに入りやすかった。
残酷な現実を通過する女の子は、本監督しか描けないのではないかと思う程美しかった。(女性 20代)

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