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映画『46億年の恋』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『46億年の恋』の概要:同じ日に刑務所へ入所した、有吉と香月の二人。互いに惹かれ合う二人だったが、有吉が香月の首を絞めている姿を発見される。「僕がやりました」と主張する有吉だったが、捜査が進むにつれ、事件の謎は深まっていく。

映画『46億年の恋』の作品情報

46億年の恋

製作年:2005年
上映時間:84分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:三池崇史
キャスト:松田龍平、安藤政信、窪塚俊介、渋川清彦 etc

映画『46億年の恋』の登場人物(キャスト)

有吉淳(松田龍平)
ゲイバーの客に性的暴行を受け、逆上し殺害した罪により服役。香月を殺したのは自分だと主張している。
香月史郎(安藤政信)
何度も服役経験があり、暴力的な性格。親にネグレクトされて育ち、幼い頃から窃盗を繰り返していた。盗むのは、ジャムパンばかり。
雪村澄男(窪塚俊介)
刑務所内で、自分にとって有益になる奴と身体の関係を結ぶ。香月との関係も疑われたが、香月とは関係を持っていない。
土屋誠(渋川清彦)
雪村と身体の関係にあり、彼に執着している。
高津所長(石川凌)
妻を香月に暴行され、その後自殺によって亡くしている。香月の目には、高津の背後に、妻と思われる女の亡霊が見える。
警部(石橋蓮司)
事件を捜査している。
警部補(遠藤憲一)
事件を捜査している。

映画『46億年の恋』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『46億年の恋』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『46億年の恋』のあらすじ【起】

物語冒頭、少年と老人とが対峙しているシーンが映る。老人は少年に対して「大人になる儀式」を受けるよう指示する。次に、全身に刺青の入った勇者が現れ、力強さを踊りで見せつける。「大人になる儀式」とは、勇者の精を受け止めることで、その力を受け継ぐというもの。この少年は、幼き日の有吉の姿だ。

場面は変わって、刑務所内、殺人事件が起こる。加害者は有吉淳、被害者は香月史郎。香月の身体に跨り、有吉が首を絞めているところを発見される。「僕がやりました」と主張する有吉。二人は、共に殺人の罪で服役、同日に刑務所に入所した。刑務所に入所した罪状は、有吉は、勤め先のゲイバーの客に性的暴行を受け、逆上し殺害。香月は、その凶暴な性格から何度も犯罪を犯し、刑務所に収監されている。

二人は同じ雑居房に入れられる。しかし早々に暴力沙汰を起こす香月。そんな香月であったが、所長の高津に対しては、怯えた様子を見せる。香月の目には、高津の背後に女の亡霊が見えるのだった。

皆が寝静まった頃、有吉は壁に小さな穴を見つける。穴を覗いた彼の目に映ったものは、巨大ロケット。

翌日から、香月は農作業へ、有吉は洗濯班の労働へと回される。洗濯をしていた有吉は、ピラミッドを発見して驚く。同じく洗濯班の雪村が「てっぺんまで行けば天国に行けるらしい」と教えた。

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映画『46億年の恋』のあらすじ【承】

再び穴からロケットを見つめている有吉に、香月が声を掛ける。重なった手には、幼き日に見た勇者と同じ刺青が浮かび上がっている。刺青は、有吉にしか見えないようだ。

絡まれている有吉を庇うように、香月は暴力を振るって、彼を守った。そんな彼に惹かれていく有吉。しかし香月には、肉体関係を持っている人物が他にいることを知らされる。

事件について捜査が進む内に、有吉の供述に矛盾が指摘される。有吉は手で首を絞めていたが、首には紐状の痕。凶器が見つからないのだ。

洗濯中、互いの性癖について有吉と雪村が話している。「男とやると吐き気がする」と話す有吉。自身はノンケだが、自分が優位になる為なら男に身体を貸すという雪村。そんな雪村に対し、有吉は「気持ち悪い」と吐き捨てる。そこへ、雪村と身体の関係のある土屋が彼を呼びに来る。

捜査は進み、香月を殺す動機のある人物が浮かび上がる。それは、高津所長であった。高津の妻は、かつて香月に強姦され、自殺を遂げている。しかし、高津は犯行を否定。

他に疑われる人物として、肉体関係を持っていたと噂される雪村の名が挙がる。本人は、犯行も香月との関係も否定。

映画『46億年の恋』のあらすじ【転】

香月の幼少時代が明らかになり、生活環境の悪い中、親にネグレクトされ育ち、窃盗を繰り返していたようだ。盗むのは、いつもジャムパン。

生前の香月と有吉は、プラミッドを見に行ったことがあった。「天国と宇宙どちらに行きたい」という問いに、香月は宇宙を選び、有吉は天国を選ぶ。有吉は香月に「僕じゃ駄目かな」と関係を迫るが、香月は「狂わせたら、悪い」と関係を拒む。

ある日、香月は高津に呼び出される。妻の亡霊が香月を心配していると言うのだ。背後にいる女の亡霊が香月を睨みつける。

その後、ピラミッドを眺めていた有吉の元へ香月が姿を現す。香月は、酷く狼狽している様子だった。二人は、空にかかる三重になった虹を見つける。泣き出した香月を抱き締めようとするが、香月はそれを拒絶して、その場を去った。

映画『46億年の恋』の結末・ラスト(ネタバレ)

そして、明らかにされる事件の全貌。それは、香月を殺害した土屋が、自殺未遂を図ったことで、解明されていく。

以前から、肉体関係にあった雪村と土屋。嫉妬深い土屋は、雪村と香月との関係を疑って、何度も問い詰めていた。

自暴自棄になった土屋は、自殺しようという思いに至って、香月を襲ったのだ。彼を襲えば、返り討ちに遭って、自分を殺してくれるだろうと思ったからだ。

土屋が紐を使って香月の首を締めようとすると、返り討ちに遭うどころか、香月は紐を掴み、さらに自分の首を絞め上げた。つまり香月は、自分で自分を絞殺したのだ。

慌てて逃げる土屋と入れ替わりに、部屋へ入ってきた有吉は、動かなくなった香月を見下ろす。「僕がやってあげたのに」「他の奴にやらせなくたって」そう言葉を吐き、香月の首を絞める。せめて彼を殺してやるのは自分でありたかった、そういった思いが「僕がやりました」という言葉に含まれている。

刑務所の外では、ロケットが高く打ち上がる。空にかかった虹を幼き日の香月が眺めていた。

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