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映画『マイ・フレンド・フォーエバー』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『マイ・フレンド・フォーエバー』の概要:一人遊びをしていたエリックの隣家に、同年代の少年デクスターが越してくる。デクスターはエイズ患者で、隣人であるエリックはクラスメイトにいじめられる。エリックも最初はデクスターに差別的な態度を取るが、徐々に二人は打ち解けていく。二人の少年を通して、友情に限らず死や異なるものへの差別などを描く。

映画『マイ・フレンド・フォーエバー』の作品情報

マイ・フレンド・フォーエバー

製作年:1995年
上映時間:100分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:ピーター・ホートン
キャスト:ブラッド・レンフロー、ジョセフ・マッゼロ、アナベラ・シオラ、ダイアナ・スカーウィッド etc

映画『マイ・フレンド・フォーエバー』の登場人物(キャスト)

エリック(ブラッド・レンフロ)
主人公。ナイフを携帯し、口が悪くひねくれた少年。喧嘩早く、気が短い。女性に興味を持つなど早熟。両親は離婚し母と暮らす。家でも学校でも一人で過ごしている。
デクスター(ジョゼフ・マゼロ)
もう一人の主人公。エリックの隣家に越してきた。母と二人暮らしで、庭で一人遊びをしていた。少年ながらエイズを患っており、他の子どもより疲れやすい。宇宙が好きで哲学的な思考をする。
リンダ(アナベラ・シオラ)
若きデクスターの母親。華奢で短髪の女性。少女のように息子と戯れる。デクスターをボクと呼び溺愛しているが、病気が息子の時間を奪うことに恐れてもいる。デクスターと同様の愛情をエリックにも注ぐ。
ゲイル(ダイアナ・スカーウィッド)
エリックの母親でシングルマザー。二つの仕事を掛け持ちして家を空けることが多い。気難しくいつもイライラしている。別れた夫は20代の恋人とニューオーリンズに住んでいる。エリックが時々夫に会いに行くことを認められない。
タイラー(エリーク・イーガン)
エリックのクラスメイトで、男女の取り巻きを連れているガキ大将。エリックをホモと罵り、何かと突っかかる。医者の息子。
ポニー(ニッキー・カット)
エリックたちを乗せた船の持主。若く軟派な青年。少年たちをからかい、エリックの反感を買う。

映画『マイ・フレンド・フォーエバー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『マイ・フレンド・フォーエバー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『マイ・フレンド・フォーエバー』のあらすじ【起】

エリックはクラスでは孤立し、家庭では一人遊びにふけっていた。隣家に越してきたデクスターは、エイズ患者で近所から敬遠されていた。隣人なだけで病気が移ったとからかわれたエリックは、庭の柵越しにデクスターに辛く当たる。だが、デクスターは冷静な態度で、エリックは興味を抱く。空気感染はしないことを知ると、エリックは柵を越えてデクスターと交流を持つようになる。

デクスターは11歳にしては小柄な少年だった。泥んこで砦を造り、エリックと同様一人遊びにふける毎日を送っていた。ただ、シングルマザーのリンダとの仲は良好で、そこがエリックと母ゲイルの関係と真逆だった。

科学好きなエリックは、デクスターの病気を治そうと自分なりに行動を起こす。ペニシリンの発見過程を参考にしたのだ。デクスターにキャンディーを常食させたり、岸辺の野草を片っ端から煎じて飲ませたりした。しかし、逆効果だった。エイズの治療法は確立されていない現実が、エリックの心にのしかかった。

考えあぐねていたエリックは、雑誌でルイジアナの医者がエイズ特効薬を発見したことを知る。この医者を訪ねることにデクスターも賛同する。共にリンダに働きかけるも、主治医の言うことを信じると却下された。

治療薬実験は続いていたが、デクスターが救急搬送される。そのことで、エリックはゲイルにデクスターと仲良くしていることがばれる。激怒したゲイルは定期的な父との面会を禁じ、サマーキャンプへ行けとエリックを責め立てる。

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映画『マイ・フレンド・フォーエバー』のあらすじ【承】

大人に失望したエリックは、デクスターを連れて自分たちだけでニューオーリンズに旅立つ。移動手段はボート一つで、ミシシッピ川を下って目的地へ向かう計画だった。だが旅は困難を極め、結局船に乗らせてもらうことにした。

少年たちを迎え入れたポニーたちは、陽気で軟派な若者のグループだった。途中、若者たちのガールフレンドたちが合流する。思春期でもあるエリックたちは、露出度の高い服装の女性に釘づけになる。

航海に出て数日目の晩。若者たちは船上で賑やかにパーティーを開き、降ろされたエリックたちは陸でテントを張らざるを得なかった。エリックは子ども扱いされたことに腹を立てる。一方のデクスターは寝つけず、異常な量の汗をかいていた。デクスターは暗闇が怖くて、まるで自分は宇宙に浮かんで地上には戻れないんじゃないか、と思ってしまうためだった。エリックは自分のスニーカーの片方を抱かせて、こうすれば恐怖を感じないとデクスターを優しく慰める。

朝が来ても若者たちは布団にくるまっていた。約束通りに動いてくれない彼らに、エリックは痺れを切らす。デクスターは旅の疲れもあり、体調を崩していた。エリックはたまらず船内に侵入し、以前発見していたアダルト誌からへそくりを盗む。そして、若者たちから離れて再び二人だけの旅を始めた。

駅に着くと一息つくが、若者たちがエリックたちを追いかけて窓口に尋ねていた。それを目撃したエリックたちは慌てて逃げるが、若者たちに追い詰められる。エリックは携帯のナイフでポニーを威嚇するが、ポニーは大人の余裕か、同様にナイフで脅す。するとデクスターがエリックのナイフを奪い、前に進み出る。不調な様子はどこかへ消え、瞳に暗い炎を燃やす。デクスターは自分の血は猛毒だぞ、とポニーに迫る。実際、デクスターは刃を皮膚に突き付けて、血を滴らせた。半信半疑のポニーに、エリックがデクスターはエイズ患者であることを告げる。血相を変えた若者たちは、一目散に去って行った。

エリックは勝ち誇った気分になるが、出血させたことでデクスターはより身体の具合を悪くしてしまう。その姿を見て、エリックは故郷に引き返すことを決心する。

映画『マイ・フレンド・フォーエバー』のあらすじ【転】

回復しないデクスターは、病院に入院した。その状態は食事ができないほどで、笑顔を浮かべるが、その表情は儚げだった。リンダから、雑誌で取り上げられた特効薬はインチキだったことを聞かされ、エリックは肩を落とす。

ある時、エリックは泣きじゃくりながら、看護師を呼び出す。デクスターが息をしていないと告げると、看護師は悲しげにいつかはこうなると諭した。しかし、デクスターが息を吹き返すと、看護師たちは胸をおさえて驚いた。これは少年たちの間で流行っている遊びで、死んだ・泣いたふりをして、大人たちをからかうものだった。成功率が高いために笑いが抑えられない二人だが、デクスターは時おり寂しそうな色を瞳に滲ませた。

エリックは病院に通い詰めていた。デクスターは会話もできなくなっており、ますますやせ細っていた。男性医師がデクスターの検診をすると、エリックはふと「死ぬんでしょ?」と看護師に言われたことを問う。医師は曖昧に笑って、デクスターは奇跡を起こす力があると激励する。エリックはその言葉に安堵する。だが、病室を出た医師が例の看護師に「患者に死ぬと言うな」と咎めているのを見て、エリックは失望してしまった。

死んだ・泣いたふり遊びは続行中で、エリックとデクスターは束の間とも思える楽しい時を過ごす。リンダは切なげに、衰弱した息子を見つめた。

映画『マイ・フレンド・フォーエバー』の結末・ラスト(ネタバレ)

外は雨が降っていた。エリックは目を覚ますと、思いついたようにデクスターの家の庭へ行く。雨に打たれた泥の砦は崩れ、おもちゃの兵士たちは辺りに散っていた。その状態を見たエリックは、エリックとの時間がもう長くはないことを悟った。

病室で、少年たちはデクスターの大好きなSF映画を鑑賞していた。デクスターはこれを20回も視聴したという。そのシーンでは、宇宙船の乗組員が一人宇宙に放たれることを決意していた。

死んだ・泣いたふり遊びを再びするため、エリックは手頃な医者を探す。そして通りがかった医者を病室に連れてくると、医者は目を閉じたままのデクスターを診る。いつものように起きることはなく、デクスターは息を引き取っていた。

車での帰り道、リンダは突然すぎる息子の死に感情を溢れさせる。エリックは自分を責める。リンダは、デクスターは病気でずっと一人だったから、エリックが友達になってくれて幸せだったと励ます。優しく抱きしめられ、エリックの目にはうっすら涙が浮かんだ。

家に着くと、ゲイルが怒り心頭でエリックを車から降ろす。リンダが介入して、母親たちだけで話をする。リンダは苦しそうに、エリックの親友が亡くなったから、葬儀に参列させてやってほしいと求める。そしてエリックに手を上げたら許さない、とリンダは泣きながら訴えた。ゲイルは衝撃を受けるが、静かにエリックを家に連れて帰った。

デクスターの葬儀が執り行われる。参列したエリックはデクスターと二人きりになり、親友の安らかな寝顔を見つめる。そして、ある行動を取る。

エリックが帰って、棺の様子を見に来たリンダ。デクスターの手には、エリックのスニーカーの片方が握られていた。さらにデクスターの片足は、靴を履いていなかった。

エリックは、いつかデクスターと遊んだ川辺にいた。こっそりデクスターの靴の片方を持ち出していて、川面に靴を浮かせる。靴は穏やかに流れて行き、エリックはデクスターの永遠の旅立ちを見送ったのだった。

映画『マイ・フレンド・フォーエバー』の感想・評価・レビュー

エイズ患者のデクスターと短気で粗暴なエリックという2人の少年が出会い、友情を育んでいく物語。作中でのエイズはまだまだ未知の病気であり、親を含め、大人側がエイズ患者であるデクスターとの関わり合いを避けるようにと考えている一方、子供ながらにデクスターの病気と向き合おうとするエリックの姿勢に心打たれるものがある。デクスターとの永遠の別れが訪れるが、二人の友情は確かに存在していたものであり、エリックのこれからの人生を考えると、どこか胸が熱くなるような気持ちになる映画である。(男性 30代)


幼いながらもエイズと闘うデクスターと、家庭で辛い境遇にいるエリックとの友情を軸にした作品です。何度観ても涙が止まりません。不器用ながらもデクスターを支えるエリックの優しさが、最期まで観ていて辛いです。気丈に振る舞う母親リンダの心境はいかほどか。それでも息子同然に接してきたエリックを思いやる気持ちが泣けてきます。エイズという、偏見も生まれやすい病気に鋭く切り込んだ作品でもあります。多くの若い人に観てもらいたいです。(女性 20代)


HIVというウイルスに侵されるといずれエイズという病を発症する。この病気は人を死にとても近づけるものだということは誰だって学校で習うはずだが、実際にエイズに罹ってしまった人たちがどのような差別を受けるかというのはこの映画を見て初めて知り、考えるとてもいい機会になった。

友達のために治療法を見つけたいというエリックの純粋な思いや行動に胸を打たれると同時に、病気の難しさを考えるととても切ない気持ちになった。(女性 20代)


男の子二人の純粋な友情を描いた感動作。切ないストーリーだが、ただ泣かせるだけではなく、感染症や差別について考えさせられる作品である。
主人公を病気のデクスターではなく、エリックにしたことに意味があり、病気の人とどう向き合うかというメッセージが込められている。

悲しいラストだが、ずっと独りだったデクスターは、エリックという親友ができて幸せだったと思う。エリックにとっても、デクスターは自分を変えるきっかけとなる、かけがえのない存在であった。
どんなに辛いことがあっても、大切な人と過ごす時間が、人生を豊かにしてくれるはずだ。(女性 30代)


一言で表すと、涙腺崩壊映画である。とにかく泣ける。エイズを抱えているデクスターに対して、主人公エリックが徐々に「デクスターのエイズを治したい」という気持ち一心で行動するようになる。綺麗で儚い友情を描いている。ただ「そんなもの飲ませたらヤバイよ!?」とヒヤヒヤする場面も多々あり、子どもの純粋且つ残酷さも描かれている。

ラスト30分。デクスターの母親とエリックの母親が話すシーンは誰もが泣けるだろう。他人の息子に対して、自分の息子のように守る姿は心を打たれる。そういった点では、親目線で鑑賞すると更に泣けるだろう。(女性 20代)


エリックとデクスターの固い絆で結ばれた友情に涙なしでは見れません。エリックの「デクスターの病気を治したい」という純粋な気持ちと、病気に向き合おうとする姿勢に心を打たれます。ずっと昔に見た作品ですが、眠れないデクスターにスニーカーを抱かせるシーンはとても鮮明に残っています。そしてラスト、エリックが片方のスニーカーを履いていないところで涙腺は崩壊しました。病気との向き合い方や、エイズについてもっと勉強しないといけないと考えさせられる作品でした。映画史上、最も純粋で美しい作品だと思います。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー

  1. hamataro より:

    二人の少年の、瞬きほど短く切ない友情の物語。病気を治そうとお菓子や雑草を試したり、治療薬を貰おうとお手製の船で旅したりなど、少年たちの純粋さに心打たれる。一方、ナイフを所持したり哲学を語ったりする、生意気な二人はより良い悪友ともいえる。お互いのひねくれた部分も受け入れ、心から楽しんでいる様子に、自分もこんな風に遊んでいたなと懐かしさを感じた。

    お別れの寸前まで親友と遊んで過ごせた、この作品のラストは涙なしでは観れない。