映画『エンゼル・ハート』の概要:謎の紳士から依頼を受け、失踪した有名歌手の行方を追う私立探偵のエンゼル。次々と凄惨な事件が起こる中、エンゼルは失踪の真相には不気味な宗教儀式が隠されていることに気付く。洗練された映像と音楽が、一層恐怖感を煽る。
映画『エンゼル・ハート』の作品情報
上映時間:113分
ジャンル:サスペンス、ミステリー、ホラー
監督:アラン・パーカー
キャスト:ミッキー・ローク、ロバート・デ・ニーロ、リサ・ボネ、シャーロット・ランプリング etc
映画『エンゼル・ハート』の登場人物(キャスト)
- ハリー・エンゼル(ミッキー・ローク)
- ブルックリンに事務所を構える、冴えない私立探偵。飄々としており、非常時でも動じないマイペースな色男。第二次大戦中に戦場へ赴くも、諸事情により本国に送還された。ニワトリが大の苦手。謎の男サイファーの依頼を受け、戦前の有名歌手ジョニーの消息を追う。
- ルイ・サイファー(ロバート・デ・ニーロ)
- 優雅な物腰の謎の紳士。かつて面倒を見ていた歌手ジョニーの行方を追うよう、ハリーに高額の報酬で依頼する。美しく長い爪を持ち、逆五芒星の指輪を身につけている。
- エピファニー(リサ・ボネット)
- ジョニーの愛人であった黒人女性イバンジュリンの娘。17歳だが、父親のわからない子供が一人いる。ルイジアナの片田舎で暮らし、ブードゥー教の巫女として儀式に参加している。
- マーガレット・クルーズマーク(シャーロット・ランプリング)
- ジョニーの婚約者。ルイジアナの大富豪の一人娘。幼い頃から呪術や宗教に傾倒し、社交界では敬遠されていた。現在はニューヨークからルイジアナに戻り、手相占い師をしている。
- イーサン・クルーズマーク(ストッカー・フォンテリュー)
- マーガレットの父親。ルイジアナでも指折りの名士。子供の頃から呪術にのめり込んでいるマーガレットを案じており、ジョニーの失踪についても情報を握っている
- トゥーツ・スウィート(ブラウニー・マギー)
- 戦前、ニューヨークでジョニーと同じ楽団に所属していたギタリストの黒人男性。現在はルイジアナでバンドを結成し、クラブで演奏している。ブードゥー教信者で、エピファニーと同じく儀式に参加している。
- ファウラー(マイケル・ヒギンズ)
- かつてのジョニーの主治医。戦場で負った傷が原因で記憶喪失になったジョニーを担当していた。老齢のため、現在は非常勤。モルヒネ中毒者。
- ワインサップ(ダン・フローレク)
- サイファーの顧問弁護士。ハリーにサイファーを紹介する。
- スパイダー(チャールズ・ゴードン)
- ジョニーとトゥーツが所属していた楽団の団長。現在は老人ホームで暮らしている。
- コニー(エリザベス・ホワイトクラフト)
- ハリーのガールフレンド。タイムズ誌に勤務する有能な美人記者。付かず離れずの関係のハリーに協力して、ジョニーについての情報を提供する。
映画『エンゼル・ハート』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『エンゼル・ハート』のあらすじ【起】
1955年のニューヨーク。ブルックリンの私立探偵ハリーは、小さな依頼をこなしながら生計を立てている。ある日、ハリーは弁護士ワインサップから連絡を受け、謎の紳士サイファーを紹介される。
ハリーは、サイファーが待ち合わせに指定した建物へ行く。ホールではキリスト教団体の集会が行われており、別の部屋はある男が自殺したため血まみれになっている。ハリーは、サイファー、ワインサップと対面し、依頼の詳細を聞く。
戦前、サイファーは歌手ジョニー・リーブリングに目をかけて世話をしていた。一躍有名になったジョニーは、戦地で頭と顔に大怪我を負い、記憶喪失になり帰国した。サイファーは、1942年にジョニーが入院した病院から毎年ジョニーの生存証明を受け取っているが、現在はジョニーの生存を怪しんでいる。サイファーは、ジョニーの生死の確認をハリーに依頼する。
ハリーは、ジョニーが入院していた病院へ行き、ジョニーが1943年に転院していることを知る。記録が1943年には流通していなかったボールペンで書かれていることから、ハリーは、何者かが最近になって新しく記録を書き加えたのだと考える。
ハリーは、ジョニーの主治医であったファウラーの自宅に侵入し、帰宅したファウラーにジョニーについて問う。12年前、ケリーと名乗る男と連れの女が病院に現れ、ジョニーを連れて行った。ケリーはファウラーを買収し、ジョニーが生きてずっと入院しているかのように偽装するよう命じていた。
ハリーは、モルヒネ中毒の症状が出たファウラーを置いて、一度外に出る。戻ったハリーは、射殺されたファウラーの遺体を発見する。ハリーは家中を拭いて自分の指紋を消す。
ハリーはサイファーに、ジョニーがケリーによって連れ去られていたことを報告する。殺人が起き、事件が手に余ると感じ始めたハリーは、サイファーに調査の辞退を申し出る。サイファーは報酬額を釣り上げ、断れないハリーは調査を継続する。
映画『エンゼル・ハート』のあらすじ【承】
ハリーは、初めてサイファーと会った建物へ行き、サイファーと対面した部屋の戸棚の中に不気味な祭壇を発見する。ホールでは、全身を黒い布で覆った人物が椅子に腰掛けている。ハリーがその人物に近づいた途端、複数の男達がハリーに殴りかかる。男達を振り切り、ハリーは自宅に逃げ帰る。
ハリーは、女友達のコニーの調査から、戦前にジョニーは『スパイダー楽団』に所属しており、ギタリストのトゥーツと親しかったこと、マーガレットという婚約者がいたことを知る。
ハリーは、老人ホームに入っているスパイダーを訪ね、ジョニーの愛人イバンジュリンの存在を知る。
ハリーは、マーガレットに会うためにルイジアナへ向かう。マーガレットは自宅で手相占いをしており、ハリーは客を装ってマーガレットに接近する。ハリーはジョニーについてマーガレットに尋ねるが、正体がばれて追い出される。ハリーは、マーガレットが逆五芒星のペンダントをつけていることに気付く。
ハリーは、ルイジアナの片田舎に住んでいるイバンジュリンを訪ねる。イバンジュリンは既に他界しており、ハリーはイバンジュリンの娘エピファニーに接近する。エピファニーから有益な情報は得られなかったが、心惹かれたハリーは連絡先をエピファニーに教える。
夜、ハリーはトゥーツが出演するクラブへ行き、トゥーツにジョニーについて質問するが、トゥーツはハリーを相手にしない。食い下がったハリーは、警備員達に店から叩き出される。
ハリーは、店を出たトゥーツの跡を尾け、その先でブードゥー教の儀式を目撃する。トゥーツと同じく、エピファニーも儀式に参加しており、輪の中で狂乱的に踊っている。
ハリーは自宅に帰ったトゥーツを問い詰め、エピファニーはブードゥー教の巫女であることを知る。トゥーツは、逆五芒星が彫られた差し歯をつけている。ハリーはトゥーツに連絡先を伝え、その場を後にする。
映画『エンゼル・ハート』のあらすじ【転】
翌朝、ホテルで寝ているハリーのもとへ刑事達がやってくる。昨夜、トゥーツは何者かによって殺害された。トゥーツがハリーの連絡先を手にして死んでいたことから、警察はハリーを疑っている。ハリーは警察に事情を説明するが、依頼主のサイファーの名は伏せておく。
マーガレットを再訪したハリーは、心臓を抉られて死んでいるマーガレットを発見する。マーガレットに関わっていたことを隠すため、ハリーは触れたものから指紋を拭き取り、マーガレットのスケジュール帳から自分の予約が書かれたページを破りとる。帰路、ハリーは、マーガレットの父親の使いだと名乗る男達に襲われ、町から立ち去るよう脅される。
ハリーはエピファニーを訪ね、ジョニーがエピファニーの父親だと知る。
ハリーは、ルイジアナへ来たサイファーに調査報告をする。3人が殺害され、ハリーは事件の異様性をサイファーに訴える。ハリーは、ジョニーが昔の知人を次々と殺していると推測している。
ハリーがホテルへ戻ると、エピファニーが部屋の前でハリーの帰りを待っている。ハリーはエピファニーを招き入れ、二人は関係を持つ。
翌朝、マーガレット殺害の件でハリーを事情聴取するため、刑事達がホテルへやってくる。刑事達は、しらばっくれるハリーに腹を立てる。
再びイーサンの手下に襲われ、ハリーは町の競馬場まで直接イーサンに会いに行く。ケリーの正体はイーサンだと見抜いたハリーは、12年前に何故ジョニーを連れ出したのか尋ねる。イーサンは、マーガレットからジョニーを引き離すため、ジョニーを誘拐してニューヨークの雑踏に置き去りにしたことを打ち明ける。
映画『エンゼル・ハート』の結末・ラスト(ネタバレ)
悪魔崇拝者のジョニーは、名声を得る代償に悪魔に魂を売り渡した。有名になったにもかかわらず、大戦で負傷して記憶喪失になったジョニーは、人生を取り戻すために悪魔に同い年の男性を生贄として捧げようとした。ジョニーは、ニューヨークの雑踏の中で戦地から戻った兵士ハリー・エンゼルに目をつけ、人知れず殺し、ハリーの名と立場を乗っ取った。
マーガレット、イーサン、トゥーツやエピファニーも悪魔崇拝者であり、4人はジョニーの秘密を隠し通してきた。
イーサンの話から、ハリーは自分がジョニーであることに気付く。ショックを受けたハリーがトイレで嘔吐する間、イーサンは何者かによって殺害される。
ハリーはマーガレットの家を漁り、ハリー・エンゼルと書かれた軍用ネームプレートを発見する。自分がジョニーであると確信して絶望するハリーの前に、突如、サイファーが現れる。
『ルイ・サイファー』とは魔王『ルシファー』のもじりであり、サイファーこそが真の悪魔であった。ハリーは、一連の殺人はサイファーによるものだと思い込んでいたが、実はジョニーの人格に戻ったハリーが4人を殺していた。サイファーは悪魔の教義を説き、ハリーは自分がジョニーであることを受け入れる。
突如、サイファーは姿が消す。ホテルに戻ったハリーは、エピファニーの血まみれの遺体を目にする。ハリーは、実の娘であるエピファニーと関係を持ち、その後自らの手で殺していた。既に現場捜査を始めていた刑事達は、ハリーを逮捕する。
警察が連れてきたエピファニーの幼い息子は、悪魔の形相でハリーを指差す。
映画『エンゼル・ハート』の感想・評価・レビュー
ブルックリンの冴えない私立探偵エンゼルを演じるミッキー・ローク。彼と言うと体格の良いおじさんのイメージでしたが、若い頃は可愛らしいお顔でかなりかっこいいです。そんなエンゼルに高額な報酬と引換に、失踪した人気歌手の捜索を依頼する謎の男サイファーを演じるのはロバート・デ・ニーロ。ちょっと「吸血鬼」のような雰囲気のある男ですごく好きな世界観でした。
謎解きだけでなく、サスペンスやオカルト要素もあり、見応え抜群でとても面白かったです。(女性 30代)
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