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映画『ベロニカは死ぬことにした(2005)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ベロニカは死ぬことにした(2005)』の概要:自殺願望を抱く女性が、風変わりな精神科病院にて再び生きようとするまでを描いた作品。パウロコエーリョの小説を、舞台を日本に移し映画化した作品。韓国人俳優イ・ワンの存在感と真木よう子の大胆な濡れ場が、話題となった。

映画『ベロニカは死ぬことにした』の作品情報

ベロニカは死ぬことにした

製作年:2005年
上映時間:107分
ジャンル:ファンタジー、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:堀江慶
キャスト:真木よう子、イ・ワン、風吹ジュン、中嶋朋子 etc

映画『ベロニカは死ぬことにした』の登場人物(キャスト)

トワ(真木よう子)
自殺願望を抱える若い女性。充実した生活を送っているように見えるが、睡眠薬の過剰摂取による自殺未遂を起こす。それにより精神科に入院する。
クロード(イ・ワン)
病院内でトワを見つめる美しい男性患者。言葉を発することはほとんどなく、絵を描いたり夜の森を踊って過ごしている。家族との確執から統合失調症を発症し、4年前から入院している。
ショウコ(風吹ジュン)
落ち着いた雰囲気で常にサングラスをかけている女性患者。実際には精神疾患はほとんど治癒しており、病院を退院することも可能だが留まっている。人助けすることを望み、トワに対しても優しく接する。
サチ(中嶋朋子)
病院でトワと同室の女性。明るい性格でトワとも積極的に関わろうとする。性的に奔放だが愛情深い女性。
婦長(荻野目慶子)
トワが入院する病院の婦長。勤務時間外は入院患者とお酒を飲む破天荒な看護婦。リストバンドで隠した腕には、深い傷跡が多数ある。
院長(市村正親)
トワが入院する病院の院長。外見にこだわらず、白衣のボタンを掛け違えていることもある。独自の治療方針を持ち、院内のスタッフや患者から慕われている。

映画『ベロニカは死ぬことにした』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ベロニカは死ぬことにした(2005)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ベロニカは死ぬことにした』のあらすじ【起】

トワは図書館で司書として働く若い女性。眼鏡をかけ地味な服装で真面目に働いている。仕事中は本に囲まれ、誰とも話すことなく淡々と事務的な作業を行う。

夜になるとトワは仕事中と雰囲気を変える。眼鏡を外し、華やかなドレスに身を包み、豪華なバーで男性と過ごす。トワは笑顔で男性とお酒を飲んでいる。そして、赤いバラを一輪持ち、酔っ払って機嫌よさそうに帰宅する。

一見すると順調で何の問題もない生活を送っているトワだが、自殺願望を抱えている。部屋には瓶に詰めたものと処方袋にため込んだ大量の睡眠薬の錠剤がある。

バーから帰宅したトワはドレスのまま眼鏡をかけ、錠剤を机に規則正しく並べ始める。時間をかけてその錠剤を一粒ずつ飲み、朦朧としていくトワ。大半の錠剤を飲んだところで、支えきれなくなった体を机に預けながら、“大嫌いな自分”への手紙を書こうとする。しかし筆が進まず、便箋を握りしめる。夜明けの空のなか、ついにトワは意識を失う。

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映画『ベロニカは死ぬことにした』のあらすじ【承】

森の中の病院の広々とした部屋で治療を受けるトワ。
その風変わりな病院は、高原のホテルのような広々としていて、開放的な雰囲気である。
青いガウンを着た患者たちは、院内で自由に過ごしている。拘束されている患者はおらず、各々ガウンを好きに着こなし、好きに振る舞っている。
院長や婦長をはじめとした医療スタッフや、更に食事スタッフも個性が強く、それぞれが自分らしく働いている。

トワは院長の初診で、睡眠薬の過剰摂取により心臓が傷つき、あと1週間から10日で死に至ることを知らされる。

トワの余命を知る患者たちの多くはトワと関わろうとしない。トワが他の患者に近づこうとすると、敵意を向けられる。驚き相手を平手打ちしてしまうトワ。患者たちの間に混乱が広がるが、一方のトワも初めて他人に手をあげたことで混乱していた。

他の患者とは距離があるが、積極的にトワに近づく同室のサチや、精神疾患からはほぼ回復しているショウコとは交友を深める。更にトワを見つめる美しい青年クロードの存在にトワは気づく。

映画『ベロニカは死ぬことにした』のあらすじ【転】

診察を受ける中で、トワは自殺未遂に至った理由を語る。28歳の自分はすでに変わるには遅すぎて、この先退屈な毎日がずっと続くことが耐えられないと言う。余命わずかであっても、自分の手で人生を終わらせたいと主張する。

ショウコに頼み院外へ連れ出してもらうトワ。街で睡眠薬を入手した後で、ショウコが精神疾患を発症した映画館へ二人で向かう。自分のやりたいことを周囲から否定され続け、パニック障害を患い、それにより仕事も家族も失ったショウコ。再び映画館でパニックを起こし絶望するショウコを、トワはすぐに立ち直ったと慰める。

病院に戻ると、サチが治療中に意識を失い騒ぎになっていた。サチが回復したのちに、サチに病気になった経緯を尋ねるトワ。サチは報われない愛をいつまでも求めるから、産んだ子供のこともうまく愛せないと聞かされる。トワは愛する者のあるサチのことを慰める。

母親が病院を訪ねてきたことをきっかけに、親からの愛情を欲し期待に応えるばかりだったトワのこれまでの人生が明かされる。母親の期待に応えようとピアノを弾いてきたが、結局望む愛情を得られずピアノを弾くことができなくなった。

トワは言葉を発しないクロードの過去を看護婦たちから聞く。更に自殺未遂を繰り返していた過去をもつ婦長からも、過去の話を聞く。婦長はトワに、自分を好きになることで自殺願望を捨てられたことを伝える。

映画『ベロニカは死ぬことにした』の結末・ラスト(ネタバレ)

ショウコとサチから、たとえ余命は短くとも楽しいことを今するべきだと勧められるトワ。トワは、クロードと本当に幸福で満たされた性的関係で結ばれたいと願う。そして、最後の恋人になって欲しいとクロードに伝える。

夜グランドピアノの前で一人自分を慰めるトワのことを、クロードは見つめた。その後トワはクロードにピアノを教え、二人で楽しく弾く。トワとクロードに気づいた他の患者やスタッフたちが集まり、入り乱れてパーティーが行われる。

院長の診察で、永遠に続く毎日などないと教えられるトワ。そして余命は24時間以内と伝えられる。

残り少ない人生を、自分の意思で過ごすためにクロードと病院を抜け出すトワ。その夜、自分を見つめ続けてくれたクロードと結ばれる。トワは幸福の中でついに満たされ、自分を見つけることができた。

トワへの余命宣告はトワを生きさせるための嘘であった。クロードと結ばれた翌朝、トワは残りの人生をもう一度生きることを決める。

映画『ベロニカは死ぬことにした』の感想・評価・レビュー

まるで舞台を見ているような作品だった。他の映画にはないオリジナリティがあり、ハマる人はハマると思う。個人的にはストーリーの展開や登場人物の心情に疑問が残る部分が多く、ハマらなかった。
ストーリーはシリアスかと思えばコメディになったりと掴みづらい。それゆえに感情移入が難しく、どうしても作品に集中できない。自分がハマらなかった大きな要因はここにあるのだろう。
真木よう子の体を張った演技は素晴らしかった。女優魂を見せつけられた。(男性 20代)

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