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映画『海難1890』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『海難1890』の概要:1890年に起こったエルトゥールル号遭難事件と1989年イラン・イラク戦争時のテヘラン救援劇から、日本とトルコの間の友情を描く。日本とトルコの友好125年を記念して、共同制作された。

映画『海難1890』の作品情報

海難1890

製作年:2015年
上映時間:132分
ジャンル:ヒューマンドラマ、時代劇、歴史
監督:田中光敏
キャスト:内野聖陽、ケナン・エジェ、忽那汐里、アリジャン・ユジェソイ etc

映画『海難1890』の登場人物(キャスト)

田村元貞(内野聖陽)
和歌山県大島の医者。困っている島民を放っておけず、報酬がなくとも診察する。英語が堪能。
ハル / 春海(忽那汐里)
ハルは1890年頃の島に住む若い女性。田村の手伝いをしている。口を利くことができない。
春海は1980年にテヘランで日本人学校の教師をしている女性。
ムスタファ/ ムラト(ケナン・エジェ)
ムスタファは1890年頃のオスマン帝国の海軍将校。エルトゥールル号に乗って日本を目指す。
ムラトは1980年の在イラクのトルコ大使館職員。
信太郎(大東俊介)
島の漁師の青年。正義感が強い。

映画『海難1890』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『海難1890』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『海難1890』のあらすじ【起】

時は1889年。田村は和歌山の大島の医者である。数年前から島に診療所を開いている。貧乏な島民のため、たとえ無報酬であっても診療をし、島民から慕われている。
田村の診療所には、手伝いをするハルがいる。

一方その頃、遠く離れたオスマントルコではムスタファ達が日本に向けた航海の準備をしていた。この航海は、世界情勢で欧米に押され始めたオスマントルコが、威信と栄光を取り戻すため重要なものであるとされていた。しかし、遠く日本への航海は大きな危険が伴う。重要で危険な航海を前に、乗組員たちは家族との別れを惜しんでいた。

日本へは、蒸気機関と大きな帆の両方を持ったエルトゥールル号に乗って向かう。エルトゥールル号には618名の乗組員が乗船した。

1898年7月にエルトゥールル号はイスタンブールを出港した。航海は順調ではなかったが、事故なく日本へ近づいていた。

1890年6月についに日本へ到着し、天皇への謁見を行う。このトルコ使節団の来日は新聞でも大きく報道された。大島の田村も、新聞からこのことを知る。

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映画『海難1890』のあらすじ【承】

天皇謁見という任務を完了したトルコ使節団であったが、エルトゥールル号はまだ横浜に停泊していた。乗組員の間でコレラが流行してしまい、出航を遅らせていたのだ。
その間にムスタファは、航海の間には交流の少なかった、位の異なる乗組員とも親交を深める。

1890年9月、ついにエルトゥールル号は帰国のため横浜港を出港する。乗組員はそれぞれ、家族への日本土産を購入し、家族への気持ちを募らせていた。

その頃、和歌山の大島には台風が近づいていた。島民は台風に備えている。

台風が襲ったのは大島だけではなかった。出航したばかりのエルトゥールル号は台風による大時化に遭う。強風のためマストが折れ、高い波が船内に侵入する。舵も効かなくなり、蒸気機関だけで最も近い神戸港を目指そうとする。

ムスタファは横浜停泊中に親しくなったボイラー室の船員と共に、ボイラー室で蒸気機関を動かす。燃料の石炭も水に濡れてしまい、止む無く家族のためのお土産も炉にくべる。しかし、座礁により蒸気機関も故障してしまう。

蒸気機関の爆発が迫る中、ムスタファは他の船員にボイラー室を追い出される。ムスタファは自らの役割を果たすため、荒れる船内に爆発の危機と退艦を伝えて回る。

映画『海難1890』のあらすじ【転】

台風の真っ只中の夜、大島の島民はエルトゥールル号の爆発音を聞く。明かりを持ち海岸に向かうと、そこには怪我をした船員が多数打ち上げられてた。

島民は命を賭して船員を救助する。漁師の青年信太郎は、危険な夜の海を潜って、ムスタファを救助する。救助した船員を島の小学校に集め、医者の田村を中心に島民一丸となって治療を進める。

一度は心臓が止まったムスタファも、ハルの必死の蘇生処置により息を吹き返す。島民が救った船員は69名で、エルトゥールル号の大半の乗組員はこの海難事故で命を落とした。親しくなったばかりの船員も失い、ムスタファは落胆し怒りを抑えられない。

しかし、他の乗組員たちと島民の間には、強い絆が生まれていた。事故の件はすぐに日本海軍に伝えられ、船員たちは神戸へ移動することとなる。去りゆく船員を島民は心配し、別れを惜しむ。船員達も島民へ感謝を伝えながら、島を去っていた。

将校であるムスタファは、神戸へ移動しなかった。島に残り、遺留品回収と行方不明者の確認を行うこととなる。

島に残ったムスタファも、徐々に島民の真心を知る。田村から信太郎の必死の救助や、ハルの蘇生処置、遺留品を探しそれを磨く島民たちの行動を伝えられる。ムスタファもついに島民を理解し、深い感謝を抱く。ムスタファが島を去る日、彼は島中を周り丁寧に頭を下げて回った。

映画『海難1890』の結末・ラスト(ネタバレ)

時は過ぎ、舞台は95年後のイラン。イラン・イラク戦争が激しくなり、テヘランでも空爆が始まっていた。空爆の中、テヘラン在住の春海はトルコ大使館職員のムラトに出会う。

テヘラン上空を48時間後に航空禁止にするとイラクが発表する。テヘラン在住の外国人は国外退去を試みる。

各国の救援機が到着する中、日本からは救援機が来ないことが伝えられ、春海達日本人はショックを受ける。日本大使達はあらゆる交渉を行い、トルコに救援を依頼する。トルコ首相は、周囲の反対を押し切り、日本人のための救援機を飛ばすことを決める。

トルコを除くすべての国の救援機最終便が出た後も、テヘランの空港には多くのトルコ人が残っていた。春海達日本人は、トルコの救援機にも自分達が乗る余裕はないのではないかと絶望する。
ムラトはエルトゥールル号の話を空港のトルコ人に訴え、日本人を救い自分たちは陸路を選ぼうと説得する。

困っている人を救うことに重きを置くトルコ人は、ムラトの説得を受け入れる。日本人を救援機に乗せ、大人は陸路でトルコへ向かうことに決める。空港の日本人は深い感謝をトルコ人に伝え、救援機に乗り込む。

この救援は、トルコの国民にも支持され称賛された。

映画『海難1890』の感想・評価・レビュー

日本とトルコの間にある「絆」を描いた今作。実話をベースにしたストーリーは日本人とトルコ人の心模様がとても分かりやすく、リアルに描かれていて共感や感情移入してしまうシーンが沢山ありました。
過去に受けた「恩」を忘れずに語り継いでくれたトルコ人に「感謝」の気持ちでいっぱいになると共に、日本でもこういった出来事をしっかりと知り、受け継がなければいけないなと感じました。もっと沢山の人に知ってもらいたい作品です。(女性 30代)

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