映画『ゾンゲリア』の概要:ゾンビ映画でありながら、いわゆるゾンビ映画とは違う、ミステリー作品としても一流の本作。後に『バタリアン』を発表して一躍有名になる、ダン・オバノが脚本を務めている。この町で起こっている謎を、あなたは解き明かせるか。
映画『ゾンゲリア』の作品情報
上映時間:94分
ジャンル:ホラー、サスペンス
監督:ゲイリー・A・シャーマン
キャスト:ジェームズ・ファレンティノ、メロディ・アンダーソン、ジャック・アルバートソン、デニス・レッドフィールド etc
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映画『ゾンゲリア』の登場人物(キャスト)
- ダン(ジェームズ・ファレンティーノ)
- 小さな港町、『ポッターズブラフ』で保安官を務める男性。立て続けに起きる不可解な事件に頭を抱えることとなる。
- ジャネット(メロディ・アンダーソン)
- ダンの妻。教師をしており、殺された被害者とたまたま接点があった。
- ジョージ・ルモイン(クリストファー・オールポート)
- 港町で撮影をしていた青年。何者かにオイルをかけられ殺されかけたが・・・?
- ドップス(ジャック・アルバートソン)
- ポッターズグラフで葬儀屋を営む男。常に事件に何らかの形で関わっており、今回の一連の事件の鍵を握る人物。
映画『ゾンゲリア』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ゾンゲリア』のあらすじ【起】
ニューイングランドにある小さな港町。そこで、写真を撮り続けている青年がいた。そんな青年に、一人の若い女性、リサが声をかける。リサは青年を挑発的に誘い、青年は彼女に言われるがままその後をついていく。すると、青年は港の舟置場までやってきていた。そこで、青年はリサの写真を夢中になって撮り続ける。
しかし、そんな時だった。突如として何者かが青年を襲ったのだ。抵抗する間も無く拘束されてしまった青年は、なんと頭からオイルをかけられ、火を放たれてしまったのだ。火はあっという間に燃え広がり、青年を包んでしまう。
その夜、保安官のダンが道路で横転した車を発見する。そして、その中を覗き込むと、なんと黒焦げになった人間が乗っていたのだった。青年を殺した犯人達は、青年が交通事故で命を落としたように見せかけたのだった。しかし、葬儀屋を営んでいるドップスがその死体を調べようとした時だった。なんと、黒焦げのその男が声をあげたのだ。
映画『ゾンゲリア』のあらすじ【承】
奇跡的に、青年はまだ生きていたのである。しかし、やはり重傷であった男は、そのまま病院に入院することになる。ダンがその男について調査した結果、男がジョージ・ルモインという人物であることを突き止めた。彼がこの町の住人でなかったことから、ダンはジョージが宿泊していた宿へと向かうが、有益な情報は聞くことができなかった。
そして、その夜、新たな殺人事件が起きていた。ターゲットとなったのは、仕事のためにこの街へやってきた漁師だった。そして、その男もまた、謎の女に誘われ、そのまま襲われたのだった。しかし、今回は事件の目撃者がいた。葬儀屋の助手、ジミーである。ジミーは名乗り出ず、ダンは再び手がかりのない状態で調査を始めることとなった。
一方、ジョージ・ルモインについて思いがけないところから新たな手がかりが見つかった。なんと、ダンの妻であるジャネットが、たまたまジョージと接触していたのだ。ジャネットは学校の教師をしており、なんとジョージが撮った写真を、学校で使う教材として買い取ったのだという。
映画『ゾンゲリア』のあらすじ【転】
そこで、ダンはジャネットの勤務する学校を訪れた。しかし、なんと校長は、そんな写真など知らない、との一点張りだったのだ。その頃、病院でジョージが昏睡状態から目覚め、意識を取り戻していた。その一報を聞いたダンは慌てて病院へと向かうが、ジョージの部屋に一人の看護師が入っていく。それは、例の夜、ジョージと漁師を誘惑したあの女だった。そして、看護師に扮したその女は、ジョージの目玉に注射器を突き刺したのだ。
さらに事件は続く。とある旅行中の家族がガソリンスタンドに立ち寄ると、そこで死んだはずのジョージの姿を見たのだ。また、一人の少女がヒッチハイクをしていた。そして、止まってくれたトラックに乗り込むと、なんと運転手はあの漁師だったのだ。そして、少女は漁師に顔を潰され殺されてしまう。殺された少女の遺体は、とある人物の元へと運ばれた。葬儀屋のドップスである。そして、ドップスは遺体を見ると、嬉しそうにその修復を開始するのだった。
映画『ゾンゲリア』の結末・ラスト(ネタバレ)
一方、事件に行き詰まったダンが、ドップスの元を訪れた。そんなダン相手に、ドップスは現在この街で起きている本当のことを話し始める。なんと、ドップス曰く、この町の住人は全員が既に死者であるというのだ。そして、それらの遺体をドップスが綺麗に修復し蘇らせる、といった行為をずっと続けていたのだ。
ダンの妻、ジャネットも死者だった。ドップスは、ダンにジャネットが誰かを殺している様子を映写機で見せつける。怒ったダンはドップスを殺そうと追いかけるが、途中ジャネットが、ダンに自分を埋めて欲しい、と懇願してくる。そして、最愛の妻の頼みを聞いて、ダンは彼女を埋めるのだった。
ふらふらと、ダンは葬儀屋へと戻っていく。そこには、先程まで流れていた映像がまだ写っていた。映像の中のジャネットが殺していたのは、他でもない、ダンだった。ダンもまた、死者の一人だったのだ。襲いかかる現実に泣き叫ぶダンの身体は少しずつ崩れかかっていた。
映画『ゾンゲリア』の感想・評価・レビュー
1981年に公開された本作品。ダン・オバノ監督といえば、当時のトラウマ映画として話題をさらったバタリアンの監督でもある。しかし、本作品は単なるゾンビ映画とは、一線を画す展開となっており、主人公でさえも、自らが実は死んでいたという恐るべきオチが付いている。シックスセンスなども自分の死に気付いていない主人公が、様々な伏線を立てて、ラストにいわゆるどんでん返しをするという楽しみ方があるが、本作品もなかなかの衝撃を受けた。さすがに当時の映像技術では限界がある部分も否めなくはないが、ホラー映画ファンなら押さえておくべき作品である。(男性 30代)
本作は、平凡な港町で立て続けに起こった奇怪な殺人事件を担当する保安官が体験した恐怖を描いたホラーサスペンス映画。
カルトやゾンビの要素も含まれていて、本作に登場するゾンビは人を食べない王道ゾンビ映画とはひと味違う変わり種ゾンビ。
眼球注射、顔面溶解などの特殊メイクを駆使したシーンは思わず目を覆いたくなった。
シチュエーションや演技が素晴らしく、物語は淡々と進行していく。
当時としては新しい、どんでん返しのある斬新な終わり方で面白かった。(女性 20代)
ゾンビ映画だと思って油断して見るとラストのまさかの展開に騙されてしまうであろう今作。ストーリー的にはサスペンス要素が強く、田舎町で起きる奇妙な殺人事件を捜査していくうちに街に隠された謎が少しずつ明らかになっていくという展開なのですが、過激な描写がかなり多いので苦手な方は驚くでしょう。
ブードゥー教というワードも登場して、この町のモデルはニューオーリンズかな…と思ったりしながら楽しんで見られました。しかし、最後の展開は全く予想していなかったので良い意味で期待を裏切られた作品です。(女性 30代)
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