映画『ソウルガールズ』の概要:ゲイル三姉妹は素晴らしい歌声を持っていたが、アボリジニ人であるために差別され、コンテストで優勝を逃してしまう。そんな生活に嫌気をさした末っ子のジュリーは、唯一味方をしてくれたコンテスト司会者のデイヴに助けを求める。
映画『ソウルガールズ』の作品情報
上映時間:99分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:ウェイン・ブレア
キャスト:クリス・オダウド、デボラ・メイルマン、ジェシカ・マーボイ、シャリ・セベンズ etc
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映画『ソウルガールズ』の登場人物(キャスト)
- デイヴ(クリス・オダウド)
- 元パブの司会者。結婚しているが、夫婦関係は上手くいっていない。ゲイルと恋に落ちる。
- ゲイル(デボラ・メイルマン)
- しっかり者の長女。アボリジニ人。子供の頃から年長者として、小さな子達の面倒を見てきた。そのため、母のようにジュリー達を口煩く叱ったり注意したりする。
- ジュリー(ジェシカ・マーボイ)
- ゲイルの妹、三女。アボリジニ人。未婚の母。未成年。白人から虐げられる生活に嫌気がさしており、現状を打破するために“歌手とダンサー募集 ベトナムの米軍慰問”のオーディションを姉達と共に受けようとする。
- ケイ(シャリ・セベンズ)
- ゲイルの従妹。アボリジニ人。肌が白かったことから、子供の頃に政府に誘拐され、白人家庭で育つ。自分自身も黒人を差別するようになるが、ベトナムの米軍慰問に参加する内に考えが変わる。
- シンシア(ミランダ・タプセル)
- ゲイルの妹、次女。アボリジニ人。明るく陽気な性格。惚れっぽい性格。元恋人と結婚を約束しており指輪までプレゼントされていたが、結婚式の直前で捨てられる。
- ロビー(トリー・キトルズ)
- アメリカ兵士。黒人。戦地でケイと出会い恋に落ちる。おっちょこちょいな性格。
映画『ソウルガールズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ソウルガールズ』のあらすじ【起】
※この映画は実話に基づく作品である。
1968年オーストラリア、カメラガンジャ居留地。姉のゲイルと妹のシンシアは、タレント・コンテストに出場するため準備を急いでいた。末っ子のジュリーも出場したかったが、未成年なので母親から止められてしまう。ゲイルとシンシアは2人だけでコンテスト会場を訪れた。しかし、ゲイル達がアボリジニ人だったため、観客の対応はとても冷たいものだった。だが、2人はめげずに歌声を披露した。すると、ジュリーが母親の言いつけを破って会場に現れ、2人の歌声に合わせて歌い始めた。3人のハーモニーはとても素晴らしかったが、やはり観客の視線は冷たいままだった。会場の中で一番美しい歌声を披露したにも関わらず、差別され優勝を逃した。
タレント・コンテストの司会者であるデイヴがゲイル達に唯一味方してくれたが、そのせいで司会者の仕事をクビになってしまう。ジュリーは“歌手とダンサー募集 ベトナムの米軍慰問”の広告記事をデイヴに見せ、伴奏をして欲しいと頼んだ。デイヴは一度断るが、週給30ドルと聞き心を動かされる。だが、ゲイル達が歌っていたカントリーミュージックではなく、ソウルミュージックなら伴奏すると提案した。ゲイル達はソウルミュージックを歌うことに難色を示すが、デイヴは勝手に広告記事に載っていた連絡先に電話して、オーディションの約束を取り付けてしまう。
ジュリーに頼まれたデイヴは、3姉妹の母親を説得するが、母親はベトナムで戦争が行われているため、娘達を送り出すことに難色を示した。ゲイル達は白人に差別されていてウンザリしている気持ちや、現状から抜け出すために挑戦する必要があることを必死に訴え、母親を説得した。母親はゲイルとシンシアに対しては許可を出すが、ジュリーはダメだと反対した。ジュリーは母親として、小さな赤ちゃんを育てているからだった。
映画『ソウルガールズ』のあらすじ【承】
ゲイルとシンシアは従兄のケイを仲間に加えるため、会いに行った。だが、ケイは白人の中に交じって生活しており、ゲイル達の来訪を喜んではくれなかった。シンシアはケイを説得して仲間に加えようとするが、ゲイルはケイに幻滅し、家を去って行った。その後、ゲイル達が叔父の家に行くと、ジュリーとケイが訪ねてくる。ジュリーは父と祖母に許可をもらい、母親に内緒で家出をして来たのだ。そのことは、デイヴも知らされていた。ケイも考えを改め、一緒にオーディションを受けるために会いに来ていた。ゲイルは勝手な2人に腹を立てるが、歌を歌って謝罪の気持ちを伝えられたため、許すことにした。
デイヴの指導で4人は歌の練習を行った。ゲイルがリードを担当していたが、デイヴはズバリ4人の中で一番声質が弱いことを指摘し、担当を替えることを伝えた。ゲイルはショックを受けるが、シンシア達も同じことを思っていたことを知り、受け入れることにした。
ゲイル達は歌の他にダンスの練習も行い、衣装の製作も行った。そして、それぞれの役割も決定した。ジュリーが“リード・シンガー”、ケイが“ダンス・キャプテン” シンシアが“セクシー・ガール”、ゲイルだけは決まらず“???”だった。
ゲイル達はオーディションで歌を歌い、無事に採用される。嬉しすぎて興奮が冷めないままベトナムの地に足を踏み入れるが、評判が悪ければ即刻帰らされる過酷なものだった。しかも、歌が上手いだけではだめで、ショーとして成立させなければならなかった。
ゲイル達は“ナイトクラブ ザ・ケイヴ”でショーを行うことになった。そこは、黒人達が集まるバーだった。ゲイル達は緊張しながらも舞台に立ち、歌ってダンスを踊った。すると、観客達も立ち上がり、ゲイル達のショーを盛り上げた。ゲイル達のショーは観客に喜ばれ成功を収めた。
映画『ソウルガールズ』のあらすじ【転】
ケイはホテルで偶然知り合った黒人兵士のロビーとの間に、恋が芽生えようとしていた。その一方で、ジュリーは戦地の状況を聞き、怖くなって泣き出していた。ゲイルが宥めていると、デイヴが心配して声を掛けてきた。だが、ゲイルは白人男性のデイヴにとやかく言われるのが嫌で、口を出さないでくれと突っぱねた。デイヴの方もいつまでも自分の言うことを聞かないゲイルに腹を立てており、口論になってしまう。
ゲイル達はサイゴンに飛び、兵士達がいるテントを回り歌を歌った。兵士達は喜んでくれ、おおいに盛り上がった。だがその一方で、今まさに処刑されようとしている場面や、銃弾や爆撃の音など、戦争の恐ろしい部分も身近に感じるようになっていた。恐怖を抱いて震えるゲイルの手を、デイヴがギュッと握り締めた。2人は身を寄せ合い、無言で手を握り締め合った。
ゲイル達は病院で歌うことになるが、兵士達が酷く怪我をした様子にショックを受け、ジュリーが動揺してしまう。ケイが咄嗟に後を引き継ぎ、歌い切った。ステージ終了後、ケイはロビーから連絡をもらい会うことが決まった。ケイが喜んでいると、ゲイルが“黒人として会うのか、白人として会うのか”問い掛けた。ケイは10年間、白人の元で育てられた過去があった。ケイはどちらも選ぶことができず、“私は私”だと言い切った。だが、ロビーはどう思うか聞かれ、咄嗟にゲイルの顔を殴ってしまう。ゲイルも殴り返すが、ケイの口から血が流れているのを見て動揺してしまう。
映画『ソウルガールズ』の結末・ラスト(ネタバレ)
デイヴはゲイルの様子を心配して、声を掛けた。ゲイルは幼い日の出来事をデイヴに話した。ケイの母親の誕生日に4人が歌を披露していると、政府の車がやって来た。大人達は子供達に逃げるよう叫び、ゲイルは最年長の子供として、小さい子が逃げるのを手伝った。特に肌が白かったケイを注意して見ていたのだが、ケイは雨に打たれて病気になってしまい、病院に入院することになった。そして、母親の知らない間に、ケイは政府に連れ去られてしまったのだ。政府は肌の白い子供を白人にするために家族から離し、施設や白人家庭に預けて黒人の数を減らそうとしていた。ケイは母が亡くなったときに葬儀に来たのだが、白人の考えに染まっており、“魚を釣る暇に働けば稼げるのに”と黒人を皮肉ったのだ。ゲイルはその言葉を言ったケイにも、ケイを守れなかった自分にも腹を立てていた。デイヴは慰めの言葉を掛ける代わりに、ダンスを踊ろうとゲイルを誘った。その後、ケイは黒人としてロビーに会った。色素が薄いことを打ち明けても、ロビーは嫌な顔をせず受け入れてくれた。
ゲイル達は護衛とバンドがいない状況でニャチャンに行くことになった。先週プロモーターがデイヴにそのことを伝えていたのが、デイヴが酔っ払っていて、きちんと聞いていなかったのだ。ゲイル達は護衛役だった兵士から1丁の拳銃をもらい、車に乗ってニャチャンに向かった。その道中で、デイヴが結婚していることが発覚する。ゲイルは怒りを募らせた。
デイヴは自分に居場所を与えてくれた感謝の気持ちと、結婚のことを秘密にしていた謝罪の気持ちをゲイルに伝え、手紙を渡した。ゲイルがデイヴの熱い気持ちに感動していると、突然銃弾が降ってきた。ゲイル達がいるステージが襲撃されているのだ。デイヴはゲイルとシンシアと共にヘリに逃げ込むが、シンシアとケイの姿がなかったため、襲撃場所に戻り必死に探した。ゲイルは飛び立ったヘリから、デイヴが撃たれたのを目撃してしまう。一方、シンシアとケイはロビーと共にヘリで逃げていた。ロビーは怪我を負った白人兵士の手当てをしようとしていたのだが、黒い手で触るなと拒まれてしまう。白人兵士はそのまま息を引き取った。ケイは瀕死の状態でも差別する兵士の考えにショックを受けた。そして、ロビーの手を強く握り締めて慰めた。
ゲイルはホテルで、デイヴからの手紙を読んだ。そこには、初めて会ったときから理想の女性だと思っていたことや、自分の問題を解決したら結婚して欲しいというプロポーズの言葉が書かれていた。ゲイルは泣きながら手紙を読んだ。
デイヴは病院に入院しており、治療を受けていた。ゲイルは会いに行きキスをした。その後、ゲイル達は無事に母達の元へと帰った。ケイも故郷の地に戻ることを決め、ゲイルと和解した。ゲイルはデイヴと結婚することを両親に報告した。両親は2人の結婚を認めた。
映画『ソウルガールズ』の感想・評価・レビュー
観て良かったなと思える作品。
アボリジニへの差別が生々しくショックだった。
主人公4人のサクセスストーリーとしても面白く、当初のカントリーミュージックもその後のソウルミュージックも歌声はとても素晴らしい。
悲しい結末に終わったら嫌だなと思いながら観てしまった。
平和的なラストで心地よく観終えた。(女性 40代)
伝記映画として楽しめる映画。まだほんの数十年前足らず、本当につい最近まであったアボリジニ民族の人たちに対しての人種差別について、時代背景も含めて学ぶことができてよかったな、と思いました。自分が生まれる少し前、現実にあったとは思えないような差別が、今では綺麗に無くなってくれていれば…と願わずにはいられません。
映画のストーリーとしては、あっさりとスカウトされて成功していくので、若干物足りなさも感じるし、彼女たちがどうしてそこまで人気が出たのかがいまいち分からないので、突っ込みどころがあったのは残念でした。(女性 20代)
人種差別を受けて苦しみながらも、腐らずに頑張るゲイル達の姿は本当にカッコ良いなと思った。歌声が本当に素晴らしいし、人前でショーを披露するシーンは、見ていて本当に心を惹きつけられた。実際に彼女達がショーを披露しているところを見に行きたいぐらい。
デイヴとゲイルの恋の行方も気になって、ドキドキしながら楽しめた。ちょっと頼りない感じがするデイヴと、しっかり者のゲイル。二人の相性はとても良いと思う。(女性 30代)
今も尚根深く残る差別の文化。日本で生きてきた私にはよく理解できませんが、この作品を見るとアボリジニの民族が受けてきたひどい差別がリアルに描かれていてショックを受けました。
それでも腐らずに自分の思いを込めて歌う彼女たちの姿は本当にかっこよくて、自然と涙がこぼれてきました。
『ソウルガールズ』と言うタイトルの通り、魂の叫びにも似た彼女たちの歌声を心の底から楽しんで感じて欲しい、勇気や希望を貰える作品です。(女性 30代)
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