映画『華氏911』の概要:2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件を軸に、ブッシュ政権の批判をしているドキュメンタリー映画。監督はマイケル・ムーア。第57回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール(最高賞)を受賞した。
映画『華氏911』の作品情報
上映時間:112分
ジャンル:ドキュメンタリー、戦争
監督:マイケル・ムーア
キャスト:マイケル・ムーア、ジョージ・W・ブッシュ etc
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映画『華氏911』の登場人物(キャスト)
- ジョージ・W・ブッシュ
- 第43代アメリカ合衆国大統領。不正な選挙で大統領に就任し、イラク戦争に至るまでの彼の問題行動が本作で明らかとなる。
- マイケル・ムーア
- アメリカのジャーナリストでドキュメンタリー映画監督。本作でブッシュ大統領を痛烈に批判している。
映画『華氏911』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『華氏911』のあらすじ【起】
2000年アメリカ合衆国大統領選挙。ゴアがフロリダの得票数で当選確実となり、ゴア陣営はお祝いムードである。しかし、アメリカの大手テレビ局の一つ、FOXだけはジョージ・W・ブッシュの当選を報道した。ブッシュはコネを駆使し、不正に得票数を稼いでいた。
アフリカ系議員たちがブッシュの大統領就任に異議を唱えるが、上院議員の署名がないという理由で次々と却下される。白人だらけの上院議員の中に彼らを助けてくれる人はいなかった。
ブッシュ大統領就任の日には、抗議の人々が殺到した。車を降りホワイトハウスまで歩くという伝統は実行不可能となり、大統領を乗せたリムジンは逃げるように走り去った。
ブッシュは大統領就任から9.11事件発生までの間、実に42%もの割合で休暇を取っていたという。彼は大統領別荘で静養し、一族の別荘でヨットに乗り、テキサスの牧場でカウボーイになった。
2001年9月10日、ブッシュ大統領は弟が州知事を務めるフロリダ州へと向かった。
映画『華氏911』のあらすじ【承】
2001年9月11日、二機の飛行機がワールドトレードセンターに突入し、ニューヨークの街は騒然としている。この大規模なテロ事件により、3000人が殺された。
事件当時フロリダの小学校にいたブッシュ大統領は、飛行機突入のニュースを聞かされても判断がつかず、何も行動を起こさなかった。
9.11以降しばらくは全ての飛行機が運行中止となっていたが、事件の容疑者であるビンラディン一族は、プライベートジェットでアメリカから出国していた。
2004年、マイケル・ムーアがブッシュ大統領のテキサス州知事時代の無許可離隊を批判すると、政府は軍務記録を公開した。すると、その軍務記録には元々記載のあったJ.R.バスの名前が黒く塗りつぶされていた。
ブッシュとバスはテキサス州空軍時代の親友であった。バスは除隊後ビンラディン家の投資運用係となり、その金をブッシュの経営する石油会社に回していた。ブッシュはサウジ王国から多大な支援を受けていたのである。
ハイジャック犯の内15人はサウジ人であったのにも関わらず、9月13日にブッシュ大統領とサウジ大使は夕食会を開いていた。
映画『華氏911』のあらすじ【転】
ブッシュは、テロ対策担当者に「9.11にイラクが関わっている証拠を持って来い」と命令をした。イラクは以前からの標的であった。
9.11から4週間後、アメリカは報復のためにアフガン空爆を開始した。しかし、現地へ送った兵士の数はマンハッタンの警官の数より少なく、ブッシュは消極的な行動しか起こさなかった。
アメリカ政府はテロの可能性を報道して国民の不安を煽り、混乱を生み出した。
平和について語り合う団体にテロ対策の保安官がスパイとして送り込まれ、ジムでブッシュ政権の悪口を言った老人の家にはFBIが来た。9.11を口実に愛国者法が施行され、国民の人権が奪われていった。
驚くべきことに、下院議員のほとんどが法案を読まないまま愛国者法を可決をしたのだという。マイケル・ムーアはソフトクリームの販売車に乗り込み、マイクを通して彼らに愛国者法を読み聞かせた。
空港にて、ある母親は母乳を毒物と疑われ、瓶の半分以上を飲まされたという。しかし、マッチやライターの機内持ち込みは許されている。明らかに「誰か」の都合が関係しているのである。
映画『華氏911』の結末・ラスト(ネタバレ)
2003年3月19日、アメリカはイラクへの侵攻を開始した。イラクはアメリカを攻撃したことがなく、攻撃すると脅したこともない。
何の罪もない民間人が次々と殺され、町中に死体が転がっている。米軍の若い兵士は、ゲーム感覚で戦争をしている。
ブッシュ政権発足当初、政府はイラクには大量破壊兵器の開発能力はないとしていた。しかし、9.11事件後になると、イラクは大量破壊兵器を所有し、サダム・フセインはアルカイダと通じていると繰り返し主張した。そうすることで、テロの脅威を国民に信じ込ませたのである。
戦争は締結したが、任務更新者は減少し、いつになっても帰れない兵士たちの不満が募っていった。そして、軍は兵士を増やさなければいけなくなった。
軍の募集官は、貧しい街を中心に若者集めに奔走した。マイケル・ムーアの故郷・フリントもその街の一つである。しかし、政府の嘘で戦争へ連れて行かれた若者は、精神的にも肉体的にも傷を負うことになるのである。
イラクで息子を亡くした母親は、アルカイダではなくブッシュの嘘によって息子が殺されたことにやっと気づいたと言い、泣いている。
映画『華氏911』の感想・評価・レビュー
ブッシュ政権や9.11同時多発テロ事件、イラク戦争に着目した、マイケル・ムーア監督による批判的なドキュメンタリー映画。
これが本当のことなのか、と目を疑うほどの衝撃を受けた。
トランプ大統領がどのようにして政権を勝ち取ったのか、彼の周辺人物との関係や、アメリカが抱える問題が語られている。
政治に関心を持って、積極的に参加する姿勢を持つことで、国の発展に繋がるのではないかと考えさせられた。我が国の現代人こそ観るべき作品だ。
きっと、政治と社会に対する見方が変わるであろう。
それは、決して他人事ではないということを教えてくれる。(女性 20代)
ドキュメンタリーではあるが、そこはマイケル・ムーア。一定のエンターテイメント性が担保されている。
内容自体は賛否があるだろう。しかしこれはあくまでも映画だ。正しい・正しくないで語るものではないし、全て信じるのも反論するのも違うだろう。
ただ「こういうことも可能だ」という警戒心は持ちたい。そして今身近に起きていることも、表に出ていることが全てではないという想像力を持ち続けたい。
一つ確実なのはどこの国でも「戦争やむなし」とした議員が、自分の子供を喜んで戦地に送ることはないということだ。(男性 40代)
マイケル・ムーア監督が作るドキュメンタリー作品。アメリカの政治やテロ事件など世界が注目する問題の「真実」を明らかにするため当時のブッシュ政権を痛烈に批判した今作。
昨今話題になっているトランプ対バイデンの大統領選での「不正票」問題。日本国民である私としては「ありえない」と感じるような行為やそれに対する国民のデモが行われ、死者も出ています。そんな、日本では「ありえない」こともアメリカでは「当たり前」なのだと教えてくれた今作は、アメリカ政治の世界の闇を見せてくれると同時に、日本国民の政治への無関心さを物語っている気がして、何も知らない自分が恥ずかしくなりました。(女性 30代)
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