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映画『名探偵コナン ゼロの執行人』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『名探偵コナン ゼロの執行人』の概要:劇場版「名探偵コナン」シリーズ22作目。2016年公開の過去作「名探偵コナン 純黒の悪夢」で劇場版に初登場し、原作でも人気のあるキャラクターの安室透をキーパーソンに据えた。コナンと安室、互いの信じる正義がぶつかり合う重厚なストーリーでシリーズ最高興行収入を更新した。劇場版シリーズ特有の派手なアクションシーンも見せ場の1つ。

映画『名探偵コナン ゼロの執行人』の作品情報

名探偵コナン ゼロの執行人

製作年:2018年
上映時間:110分
ジャンル:アクション、サスペンス、アニメ
監督:立川譲
キャスト:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、古谷徹 etc

映画『名探偵コナン ゼロの執行人』の登場人物(キャスト)

江戸川コナン(高山みなみ)
高校生探偵として名を馳せた工藤新一が、黒ずくめの組織の闇取引に巻き込まれて薬で縮まされた姿。卓越した推理力を持つが、普段は小学1年生として毛利探偵事務所に居候している。今作では安室の謀略により陥れられた毛利小五郎を救うため安室と対立し奔走することとなる。
安室透 / 降谷零(古谷徹)
毛利小五郎の一番弟子を自負する私立探偵。普段は毛利探偵事務所の1階にある喫茶ポアロでアルバイトをしている。その正体は公安警察所属の捜査官である降谷零。サミット会場で起きた爆発をテロ事件として立件するため、毛利小五郎を陥れる。
毛利蘭(山崎和佳奈)
名探偵毛利小五郎の娘で、工藤新一のガールフレンド。空手の達人でもあり、その戦闘力はピカイチ。嵌められた父を救うため、別居中の母で敏腕弁護士の妃英理に助けを求める。
毛利小五郎(小山力也)
「眠りの小五郎」として世間に名を馳せている私立探偵。しかし、その推理のほとんどは小五郎を麻酔銃で眠らせて変声機で声を変えたコナンが行っている。サミット会場へのテロという無実の罪を着せられ逮捕されてしまう。
妃英理(高島雅羅)
毛利小五郎の別居中の妻で、蘭の母親。世間でも名の知れた敏腕弁護士。冤罪をかけられた小五郎のため奔走する。
目暮十三(茶風林)
コナンや蘭とは既知の仲の警部。毛利小五郎が警察官だった頃は上司でもあった。元部下に突然かけられたテロ容疑に強い不信感を抱いている。
阿笠博士(緒方賢一)
コナンと灰原の正体を知りながら保護してかくまっている発明家。今作では趣味で作ったドローンが劇中で重要な役割を果たすことになる。
灰原哀(林原めぐみ)
本名は宮野志保。元は黒ずくめの組織の仲間だったが、組織を裏切って死ぬために飲んだ薬でコナンと同じく身体が縮んでしまった。
風見祐也(飛田展男)
警視庁公安部所属の警察官で、降谷零の部下。
橘境子(上戸彩)
自分の事務所を持たず足で仕事を取る所謂「ケー弁」の弁護士。公安警察が絡む事件を頻繁に担当しているが裁判には負けてばかり。以前は事務所を持っていたが、当時事務員だった羽場二三一が起こした窃盗事件が原因で事務所を畳んだ過去を持つ。
羽場二三一(博多大吉)
橘境子の事務所で事務員をやっていたが、窃盗事件を起こし逮捕された男。公安検事である日下部誠の協力者であり、獄中で公安警察に異例の取り調べを受けた直後に自殺した。
日下部誠(川島得愛)
サミット会場爆破事件を担当することになる検事。界隈では名の知れた敏腕検事で、担当した裁判では無敗を誇っている。自分の協力者であった羽場二三一の自殺をきっかけに公安警察に強い恨みを持っている。
岩井紗世子(冨永みーな)
日下部の上司である総括検事。日下部誠と同期だが、羽場二三一の事件を担当したことがきっかけで昇進した経歴を持つ。

映画『名探偵コナン ゼロの執行人』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『名探偵コナン ゼロの執行人』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『名探偵コナン ゼロの執行人』のあらすじ【起】

東京サミットの開催を間近に控えた4月末、公安警察による事前点検中だったサミット会場の「エッジ・オブ・オーシャン」が爆発する事故が起こる。公安警察官の降谷零として現場にいた安室透はこの爆発がテロだと気付いたが、現場の状況からこのままでは事故だと判断されると考え、テロとして立件するために毛利小五郎を容疑者にでっち上げた。

一方、テレビで爆発現場の中継を見ていたコナンと灰原は、カメラに一瞬爆発に巻き込まれる安室の姿が映っていることに気付く。安室の身を案じるコナンが毛利探偵事務所に戻ると、毛利小五郎が先のテロ事件の被疑者として家宅捜索を受けていた。公安警察の風見によって連行される小五郎の潔白をコナンと蘭は証明しようとするが、抵抗虚しく小五郎は逮捕されてしまう。

この冤罪事件に公安警察が絡んでいると踏んだコナンは、タイミングよく喫茶ポアロから出てきた安室透を問い詰める。しかし、安室はしらばっくれるばかりで質問には答えようとしない。激昂したコナンに「どうしてこんなことするんだ」と問われてようやく安室は「命に代えても守るべきものがあるから」とだけ答え、その場を去った。

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映画『名探偵コナン ゼロの執行人』のあらすじ【承】

小五郎を救うため、コナンも独自に捜査を進める。阿笠博士の持つドローンで爆発現場に散らばった瓦礫や破片を撮影し、発火元を特定しようとするが、灰原の検証によって特定されたのは施設内のレストランの厨房にあったIoT圧力ポットであった。発火元が爆弾でなかったことを知ったコナンは焦りを見せる。コナンにしては珍しく動揺している様子を訝しむ阿笠博士と灰原に、コナンは証拠多数によって毛利小五郎が起訴されたことを告げるのだった。

蘭は小五郎の弁護を頼むため、別居中の母で優秀な弁護士でもある妃英理の事務所を訪れていた。しかし、肉親による弁護はかえって不利になることから、妃には弁護ができない。母娘で代わりの弁護士を探すも、毛利小五郎が世間に名の知れた有名人であることから皆尻込みしてしまい、弁護人探しは難航していた。そんな折、橘境子と名乗る弁護士が小五郎の弁護をしたいと妃の事務所を訪ねてくる。公安事件を多く担当してきたが勝敗は負けが続いているいまいち頼りない橘に蘭は不安を持つが、あまり優秀でない弁護士の方が自分が口を出せると考えた妃は、橘の申し出を受け入れることにした。

一方その頃、東京地検で毛利小五郎の裁判を担当することになった日下部検事は、証拠の多さに比べて動機があまりにも薄すぎることに違和感を覚え、総括検事である岩井に詰め寄るも一蹴されてしまう。岩井の強硬な態度から毛利小五郎の起訴に強く公安警察が絡んでいることを察した日下部は、自力で警視庁に掛け合い追加の捜査を行うよう頼んでいた。

独自に調査を進めるコナンは、目暮警部から捜査の状況を聞くため警視庁を訪れる。しかし、そこに偶然を装って現れた安室により話は遮られてしまい、明らかに意図的な捜査妨害にコナンは安室に対する疑念をさらに深めた。同じく偶然を装って現れた風見がすれ違いざま安室に何か伝達しているのを見て、コナンは風見の服に盗聴器を仕込む。

同じ頃、橘は妃の事務所に日下部が申請した証拠一覧を持って訪れていた。何か手がかりがないか隈なくチェックしていたコナンは、証拠として申請されていた黒いガラス片に既視感を覚える。その時、担当弁護士である橘に公判前整理手続の連絡が届いた。

映画『名探偵コナン ゼロの執行人』のあらすじ【転】

東京サミットの当日、公判前整理手続のため裁判所を訪れていたコナンは、昨日風見に付けた盗聴器が反応していることに気付く。距離の近さから同じ建物内にいると判断したコナンが音声を効いていると、盗聴器から橘の携帯の着信音が聞こえた。相当な至近距離にいないと聞こえてこないはずのその音に、コナンは橘と風見に何かしらの繋がりがあることを確信する。

その後、コナンが風見に付けた盗聴器を使って警視庁の捜査会議を盗聴していると、今回の爆破テロに「Nor」と呼ばれる不正アクセスソフトが使用されていることが報告された。風見が急な召集で捜査会議を途中離席したのと同時刻に、盗聴中のコナンの背後にまたしても安室が現れた。警戒するコナンの目の前で安室は、呼び出されて来た風見にコナンがつけた盗聴器の存在を教え、「それでよく公安が務まるな」と詰る。盗聴器を破壊し、風見とコナンを残したまま安室は去った。

風見は盗聴器を付けたのがコナンだと気付き、年齢不相応な振る舞いを見せ自らを探偵と名乗るコナンに対して安室という男について話し始める。安室が去年拘置所で取り調べた男を自殺に追い込んでいるという事実を知ったコナンは、安室に対する警戒をさらに強めた。

その頃、都内ではインターネットに接続している家電や電子機器が次々と発火する事件が発生していた。爆破テロの際に発火元として使われた圧力ポットがIoT家電であったことに気付いたコナンは、この一連の事件が真犯人によるIoTテロだと推理し、目暮警部に自分の推理を伝える。コナンの携帯に仕込んだ盗聴アプリでその推理を聞いていた安室も、事件の収束に向けて動き出していた。

このIoTテロによって、事件発生当時収監されていた小五郎の嫌疑は晴れる。重要証拠品として押収されていた小五郎のパソコンが真犯人による不正アクセスの被害にあっていたことも判明し、小五郎は無事釈放された。しかし、追加の調査で判明した橘と羽場の関係を知り、コナンは事件がまだ終わっていないことに気付く。真犯人の計画を止めるためスケートボードで走り出したコナンの後方を、安室の乗った車が付けていた。

付けてきている安室に気付いたコナンは、その場で安室に犯人の真の目的について話す。IoTテロの裏で行われていたハッキングにより、今日地球に帰還する予定だった無人惑星探査機「はくちょう」を東京に落とすつもりの真犯人を確保するため、安室とコナンは警視庁へ急ぐ。

映画『名探偵コナン ゼロの執行人』の結末・ラスト(ネタバレ)

警視庁に着いた安室とコナンは、携帯で無人探査機に不正アクセスをしている最中の日下部を取り押さえる。IoTテロもハッキングもすべて日下部による犯行で、動機は公安警察への恨みからだった。自分の協力者だった羽場を公安によって殺されたことで恨みを募らせた日下部は、公安警察の威信がかかったサミットの当日に無人探査機を警視庁の上に落とし、公安警察の地位を失墜させるつもりだったのだ。

不正アクセスをして書き換えた無人探査機の操作コードについて一向に口を割ろうとしない日下部に、コナンは死んだはずの羽場が警視庁の屋上にいる中継映像を見せる。羽場は生きていた。当時取り調べをした安室の采配で、戸籍上は死んだことにして公安警察の保護のもと身を隠していたのだ。羽場に語りかけられ自分の行いが間違っていたことに気付いた日下部は、不正アクセスで書き換えたコードを言う。

すんでのところで衛星の墜落の軌道を変えられたかと思われたが、高度の関係で操作不能になる直前でコードが判明したため無事に軌道が変わったのかどうか分からないままであった。そしてやはり、衛星から分離した地上帰還用カプセルは軌道変更が間に合わず警視庁を目指して落下していた。

警視庁への衝突を避けるため、コナンが思いついた大量の爆薬を使ってカプセルのすぐ近くで爆風を起こし軌道を太平洋側まで逸らすという作戦に安室が乗った。公安警察で押収した爆薬を阿笠博士のドローンを使ってカプセルの近くまで運び爆発させる無茶なミッションを、安室とコナンは互いに協力し合いなんとか成功させる。

テロの容疑者として警察に連行される日下部と入れ違いに、風見と橘が安室とコナンのもとに駆けつけた。実は橘は風見の協力者であり、羽場の恋人だったのだ。死んだと思っていた自分の恋人が生きていて、しかも公安検事の協力者であった事実に打ちひしがれる橘。風見は橘を協力者から解放し羽場の連絡先を渡そうとするが、自分の人生をすべて公安に操られることがこれ以上許せなかった橘に強く拒まれる。去っていく橘の背を見ながら、風見は公安として責任を持って今後も橘の身の安全を保護することを安室に誓った。

これにて一件落着かと思った安室の携帯に、先程太平洋まで飛ばしたはずのカプセルの一部分が分離していて、このままの軌道では市民が多数避難している「エッジ・オブ・オーシャン」に衝突してしまうとの一報が入る。時を同じくして蘭からそのエッジ・オブ・オーシャンに避難しているとの連絡を受けたコナンは、安室と共にエッジ・オブ・オーシャンへ急ぐ。

カプセルを止めようと策を練る安室とコナンは、衝突予定箇所であるカジノタワーと同じ高さである隣接した建設途中のビルから安室の車に乗って全速力で飛び出し、ベルトから出したボールを思い切り蹴ってカプセルにぶつけ対消滅させる作戦を決行する。カプセルが迫り来る中、建設中のビルの中でスタンバイした安室の車の中で、コナンは安室に前から気になっていた「彼女いるの?」という質問をぶつける。安室はハンドルに手をかけながら「僕の恋人はこの国さ」と答え、カプセルを止めるためアクセルを踏み切る。

全速力でビルから飛び出し空中に投げ出された車の中で、コナンは予定通りボールをカプセルにぶつけ対消滅させることに成功する。しかし、ボールを蹴った衝撃で車外に投げ出されてしまったコナンを車から飛び出した安室が抱え、なんとか2人で下の階に飛び込み九死に一生を得る。すべての謎を解いて被害を最小限に食い止めたコナンを安室が称えると、コナンはまだ1つ解けていない謎があると答えた。「どうして毛利小五郎を巻き込んだのか」というコナンの質問に、安室は「毛利小五郎を巻き込めば、必然的にコナンを自分の協力者にして全力の力を借りることができると思ったから」と答える。それを聞いたコナンは曖昧に笑うと、「買い被りすぎだよ」とだけ答えた。確かな信頼関係で結ばれた2人は、そのまま何も言わずに振り向くと互いに反対方向へと歩き去っていった。

映画『名探偵コナン ゼロの執行人』の感想・評価・レビュー

この映画は、安室さんメインの作品で、当作品を観て彼を好きになった人は数知れず。検察のややこしい組織図と警察との関係、ラストのやるせなさ、国民的アニメ映画で、ここまでリアルさを追求している作品は、『名探偵コナン』以外にありません。安室さんは超のつくほど仕事人間で、淡々と自身のミッションをこなし、時には周りを裏で操ったりと、黒い面も併せ持っていますが、最終的には「この人良い人だな」と感じさせる不思議な魅力があります。安室さんは勘が鋭そうなので、コナン君の秘密もいつか知られてしまいそうだと感じます。(女性 20代)


最初は赤井のライバルキャラとして生まれたキャラクターだった安室透。これほど人気が出るとは作者も思っていなかったことでしょうね。運動能力はもちろん、洞察力や推理力もあり料理やギターの腕前、加えてレーサー並みの運転技術も。RX-7の運転は危険すぎる気もしますが。本職は公安で降谷零、黒の組織のバーボンでもあり、普段はポアロのアルバイト安室透。2足のワラジならぬ、3足のワラジで働く何でもできちゃう超人ですね。(女性 40代)


安室さんがメインの映画と言ってもおかしくないでしょう。原作やアニメを観ていない人からしたら誰?ってなるんでしょうが、公安の人で黒ずくめの組織にスパイとして潜り込んでいたりと色んな顔があります。その公安が爆発の犯人に毛利さんを仕立てようとします。こうも見事に次から次に証拠が見つかり、逆に警察は不自然じゃないと思わなかったのかと思うぐらいです。

今回は、少し大人向けに作られていました。ただ、蘭ちゃんのお母さんと毛利小五郎の絆が深まったり、蘭ちゃんの取り乱しように新一が焦ったりと。見所はたくさんありました。(女性 30代)


人気キャラクターの安室透をフォーカスした今作。警察や検察の組織の前情報があればもっと楽しめたのかもしれません。鑑賞後に調べた方も多いのではないでしょうか。今回の事件は凄く時代に沿った最新技術が使われていて、こちらに関しても勉強になりました。ラストに見せるわかる人だけわかる原作へのリードは秀逸です。
毎度のことながら現実離れしたアクションが凄すぎます。カーアクションには笑ってしまいました。(女性 20代)


コナンシリーズの映画は毎年映画館へ足を運び観に行っています。今作は安室さんを持ち上げた作品だろうと思ってあまり期待をしていなかったのですが、警察組織の内部事情なども描かれていて、観てみるとすごく面白かったです。もしかしたら子供には少し難しい作品かもしれませんが、あまり深く考えずに観ることができるのはコナンシリーズの良さでもあると思いました。また観る時は推理性を重視して、じっくり観たいと思います。次回のメインは伝説のスナイパー。今からとても楽しみです。(男性 20代)


今作は「江戸川コナン」ではなく「安室透」のための作品です。この作品を観た女性は皆、安室透を好きになり、安室透の女になるはず。前半のストーリーは公安警察や公安検察など難しい仕組みのお話で、置いていかれそうになりましたが、後半は安室透のカーアクションが中心。ストーリー全体が大人向けで、子供は飽きてしまうかもしれません。
コナンの作者、青山剛昌先生は安室透と同じRX7に乗っているそう。車好きだからこそ、エンジン音にも拘っているのですね。分かる人にしか分からないお話。(女性 30代)

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