映画『がじまる食堂の恋』の概要:平良みずほは沖縄で、亡き祖母から引き継いだ食堂(「がじまる食堂」)を経営していた。ある日、旅行中の城島隼人に声を掛けられ、金を貸して欲しいと頼まれる。強引な隼人に振り回される形で、みずほはお金と寝床を提供することになった。
映画『がじまる食堂の恋』の作品情報
上映時間:98分
ジャンル:ラブストーリー、青春
監督:大谷健太郎
キャスト:波瑠、小柳友、竹富聖花、桜田通 etc
映画『がじまる食堂の恋』の登場人物(キャスト)
- 平良みずほ(波瑠)
- 沖縄で亡き祖母から引き継いだ食堂(「がじまる食堂」)を経営している。客に対しても、強気な姿勢は崩さない。
- 城島隼人(小柳友)
- 東京にあるIT会社の社長。自分の本心を隠すのが上手く、人を傷つけないために嘘を吐く。
- 菅田莉子(竹富聖花)
- 22歳。隼人の元婚約者。隼人の気持ちが見えず、結婚式当日に逃げ出してしまう。それでも隼人のことが諦めきれず、よりを戻すために沖縄にやって来る。
- 島袋翔太(桜田通)
- みずほの幼馴染。元彼。絵を描いており、個展を開く予定。みずほと寄りを戻したいと思っている。
映画『がじまる食堂の恋』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『がじまる食堂の恋』のあらすじ【起】
平良みずほは亡き祖母がやっていた食堂(「がじまる食堂」)を引き継ぎ、1人で店を切り盛りしていた。「おばあのがじまるそば」というメニューがあったのだが、みずほは手間がかかると言って作ろうとはしなかった。常連客は「おばあのがじまるそば」を食べられないことを残念がり、作ろうとしないみずほに困惑した。
みずほがバス停で立っていると、見知らぬ男性ににこやかに声を掛けられる。お金が無くて困っているので、貸して欲しいと言うのだ。みずほは突然のことに困惑しながらも、見知らぬ人に貸すのは嫌だとはっきり断った。しかし、男性がみずほににこやかに話し掛けているせいで、男性が乗っていたタクシーの運転手はみずほのことを男性の友人だと誤解していた。男性は貸してくれないならこのまま逃げると脅し、そうすればタクシー代を払わなければならなくなるとみずほに伝えた。みずほは釈然としない気持ちを抱えるが、仕方なくお金を貸してあげた。
みずほは男性に食事を御馳走することになった。その男性の名前は城島隼人。荷物を全部盗まれてしまったらしい。みずほがその状態でタクシーに乗ったことを皮肉ると、隼人はあっけらかんとした態度で、何とかなると思ったからと答えた。みずほは楽天的な隼人に唖然とした。隼人は店に現金書留が届くよう知人に連絡すると、そのまま店に泊まりたいとみずほに訴えた。みずほは嫌がるが、結局隼人に押し切られてしまう。
映画『がじまる食堂の恋』のあらすじ【承】
みずほが家に帰ると、元彼の島袋翔太が待っていた。みずほは翔太に会いたかったと言われ困惑した。しかも、街の風景を描くのに、しばらく家に泊めて欲しいと言われる。みずほは家を飛び出し、店に戻った。隼人は突然現れたみずほに驚きながらも話しを聞き、元彼との微妙な距離感で悩んでいることに気づく。みずほは翔太にフラれており、未練がある様子だった。隼人はそんなみずほを見て、彼氏の振りをしようか提案した。みずほはその提案に乗り、翔太に隼人のことを紹介した。家に泊まるのは不味いことを伝えるが、夜も遅かったため追い出すこともできず、隼人も自宅に泊まってもらうことにした。
翔太は風景画を描きたいと言っていたにも関わらず、モデルの募集をした。そして、東京からの旅行者である菅田莉子という女性が面接にやって来る。みずほは仲睦まじい翔太と莉子の様子に嫉妬し、美しい莉子を羨んだ。すると、隼人からみずほはチャーミングだと慰められる。みずほがその言葉に驚いていると、翔太に自宅を貸してくれと頼まれる。文句を言う前に、翔太は莉子を連れてさっさとみずほの自宅に向かってしまった。
隼人はみずほにお金を返すが、もう少し恋人関係を続けさせてほしいと頼み、沖縄の地に留まった。食堂の手伝いをしていると、手書きのレシピブックを発見する。だが、「おばあのがじまるそば」の欄は空白だった。
隼人とみずほは莉子に誘われ、翔太と共に海に遊びに行くことになった。みずほは断ることもできたのだが、翔太のことが心配で拒否することができずにいた。莉子は元々彼氏と旅行に来る予定だったのだが、ドタキャンされて1人で来ていた。みずほは翔太が騙されているのではないかと心配していた。
映画『がじまる食堂の恋』のあらすじ【転】
隼人はレシピブックの「おばあのがじまるそば」の話をみずほにした。みずほはあのレシピブックを、祖母が亡くなった後に見つけたことを明かした。そして、祖母にとってとても大切な料理だった「おばあのがじまるそば」のレシピが空白だったことから、店を継がせる気がなかったのではないかと思っていることを話した。隼人はそれを否定した。そして、みずほが一生懸命頑張っているから客が来るのだと慰めた。
莉子は半年前に挙式をする予定だったことを、みずほに明かした。莉子は怖気づき、結婚式を逃げ出してしまっていた。その時、みずほは浜辺を歩こうとして、足を怪我してしまう。買い物から戻って来た隼人はそれに気づき、みずほの足の手当てをした。
翔太はみずほに連絡を取り、母校の美術室を訪れた。学生だった頃、翔太は弓を引くみずほの姿を描いたことがあった。みずほはそれを見て、嬉しそうに笑っていた。翔太はそんな思い出の場所でみずほにキスをして、やり直したいことを伝えた。みずほは何も返答できぬまま、部屋を飛び出した。一方、莉子は隼人に会いに行った。莉子がかつて結婚を誓い合った恋人は、隼人のことだった。だが、隼人は何も莉子に話すことはなく、そのまま立ち去った。
みずほが店に戻ると、隼人がいた。みずほは雨で濡れた髪を拭いてもらいながら、翔太にキスされたことを明かした。そして、翔太が嘘吐きだから、寄りを戻しても上手くいかないことが分かると心情を漏らした。みずほは翔太が上京したての頃、誕生日に会いに行ったことがあった。その時、翔太が女性を部屋に招き入れるところを見てしまったのだ。その日、翔太はバイトだと言っていた。隼人は泣くみずほを抱き締めようとするが、腕をそっと下ろして泣き止むのを待った。
映画『がじまる食堂の恋』の結末・ラスト(ネタバレ)
みずほはお祭りの屋台で料理を出すために、隼人と共に仕込みを行った。その時、「がじまるそば」を作ってみてはどうかと、隼人に提案される。祖母は自分の「がじまるそば」を作らせるためにあえてレシピを残さなかったのではと言われ、みずほは考え込んだ。その時、隼人から東京に戻るつもりであることを告げられる。みずほは寂しく思うが、引き止めることはできなかった。
みずほ達が屋台を切り盛りしていると、莉子がやって来た。莉子は隼人に思いの丈をぶつけた。莉子が結婚式から逃げ出したのは、隼人に追いかけてきて欲しいからだった。恋が始まったのも結婚を決めたのも、全て莉子からだった。隼人はそれを受け入れているだけで、莉子はそのことが不満だった。隼人は莉子の勝手な言い分に腹を立て、屋台を飛び出した。みずほは翔太に後のことを任せ、隼人のことを追いかけた。隼人はみずほに慰められ、彼女に捨てられ傷ついた胸の内を明かした。
莉子はみずほに会い、隼人の気持ちが信じられなくても傍にいたいことを明かした。その後、みずほは隼人に会い、わざわざ沖縄まで旅行に来たのは莉子に会うためではないのか尋ねた。隼人はそれに返答せず、翔太が浮気していなかったことを明かした。あの時、みずほが見た女性は翔太の同級生で、画集を借りに来ただけだった。
みずほは翔太からやり直したいと告白される。しかし、みずほはもう翔太との関係は過去のこととして受け入れており、やり直すことはできなかった。その時、翔太はみずほが隼人のハンカチを握りしめていることに気づく。翔太は隼人の元に行けるよう、みずほの背中を押してあげた。みずほは勇気をもらい、空港へと急いだ。しかし、隼人の傍には莉子の姿があった。みずほは声を掛けることができず立ち去った。
みずほがガジュマルの木に手を当てていると、隼人が傍に立っていた。隼人は「今幸せですか」と尋ねた。それを聞いたみずほは、昔目を瞑ってベンチに座っていた自分の頭を撫でていった謎の人物が、隼人だと気づく。隼人は出張で名護を訪れたときに、ガジュマルの木に呼ばれた気がしてこの場所に立ち寄ったことがあった。その時、みずほが目を瞑りながら、「今幸せですか」とガジュマルの木に問い掛けている姿を見ていたのだ。隼人はまるで自分に問いかけられているように感じていた。その時、隼人は莉子との将来が描けない自分の気持ちに気づく。それでも結婚しようとしたが、莉子は立ち去っていったのだ。
みずほと隼人は想いを通じ合わせ、ガジュマルの木の下でキスをした。
映画『がじまる食堂の恋』の感想・評価・レビュー
物語の冒頭で、平良みずほに声を掛けお金を貸してもらう城島隼人の押しの強いところに驚いたが、その理由がきちんと物語の最後で描かれているので納得できた。
城島は過去に辛いことがありそれを乗り越えようとしている人で、ただの明るい人という設定ではないところが良かった。平良もお店のことや元彼のことで悩みながらも、前を向いて歩く芯の強い部分に好感が持てた。
物語の舞台となった沖縄・名護の雰囲気が温かくて、全体的に優しい雰囲気の作品だと思う。(女性 20代)
最初から結末が見えてしまっているストーリーがとても苦手でした。冒頭、かなり強引にみずほにお金を借りた隼人。この時点で結局は2人が結ばれるのだろうと結末が見えてしまいました。
大きな盛り上がりや、ワクワクするようなシーンも無いので「ドラマ」を見るような感覚で見ていましたが、一度離れたと思いきや、やっぱり結ばれるという展開は無理に引っ張っているような気がして好きになれませんでした。
沖縄を舞台にした作品なので、景色や空気感はとても素敵でしたが、おばあのがじまるそばや食堂のことについてはあまり語られないのでとても勿体なく感じました。(女性 30代)
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