群馬県高崎市に暮らす5人の幼馴染が高校を卒業した。彼らはそれぞれ将来を決め、夢を持っていた。そんな中、美紀の父が専門学校の入学金を持って行方を眩ませてしまう。5人の幼馴染は、協力して美紀の父の後を追うことにした。
映画『高崎グラフィティ。』の作品情報
- タイトル
- 高崎グラフィティ。
- 原題
- 不明
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2018年8月25日(土)
- 上映時間
- 107分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
青春 - 監督
- 川島直人
- 脚本
- 小山正太
- 製作
- 長坂信人
利光佐和子
松永弘二
木城愼也
井上潔 - 製作総指揮
- 神康幸
- キャスト
- 佐藤玲
萩原利久
岡野真也
中島広稀
三河悠冴
佐藤優津季
冨手麻妙
狩野健斗 - 製作国
- 日本
- 配給
- エレファントハウス
映画『高崎グラフィティ。』の作品概要
『高崎グラフィティ。』は映像制作会社のオフィスクレッシェンドが開催したコンテスト、「未完成映画予告編大賞」でグランプリを獲得した作品から作られた長編映画である。川島直人は本作品で長編映画監督デビューを果たした。将来に対しての悩みや不安な思いを抱えながらも、必死に前に進もうとする若者達の姿が描かれている群像劇。主人公の吉川美紀を演じたのは、蜷川幸雄主宰の劇団に所属していたことがある佐藤玲である。
映画『高崎グラフィティ。』の予告動画
映画『高崎グラフィティ。』の登場人物(キャスト)
- 吉川美紀(佐藤玲)
- 東京の専門学校に行き、服飾の勉強をするのが夢。しかし、父親が入学金を持って行方を眩ませてしまう。
- 阿部優斗(萩原利久)
- 美紀の幼馴染。実家は自動車修理工場。将来的に工場を継ぐものだと思っている。
- 大塚寛子(岡野真也)
- 美紀の幼馴染。バイト先の店長と付き合っている。恋人と結婚するのが夢。
- 関谷直樹(中島広稀)
- 美紀の幼馴染。大学生活を満喫するため、毎日合コンをして女性にモテることを夢見ている。明るくて元気な性格。
- 河合康太(三河悠冴)
- 美紀の幼馴染。秀才。公務員になり恥ずかしくない大人になるのが一番良いと思っている。
映画『高崎グラフィティ。』のあらすじ(ネタバレなし)
群馬県高崎市に暮らす5人の幼馴染が高校を卒業した。5人には夢があった。美紀の夢は、東京の専門学校に行き服飾の勉強をすること。寛子の夢は、恋人とお金を貯めて結婚すること。康太の夢は、公務員になり恥ずかしくない大人になること。直樹の夢は、毎日合コンをして女性にモテること。優斗は特に夢がなく、父が営んでいる実家の自動車修理工場を継ぐことが決まっていた。
美紀の父親が、専門学校に支払う予定だった入学金を持って行方を眩ませた。寛子・康太・直樹・優斗は美紀のために、協力して父親の行方を探すことにした。この捜索を通して、5人は喧嘩をしたり必死になったりしながら少しずつ成長していった。大人達はそんな若者達の日常を「青春」と呼ぶ。美紀達は「青春」を通してどんな未来を歩んで行くのだろうか。
映画『高崎グラフィティ。』の感想・評価
コンテストグランプリ作品
本作品は映像制作会社のオフィスクレッシェンドが開催したコンテスト、「未完成映画予告編大賞」でグランプリを獲得したことにより制作された映画である。応募に使われた映像は、予告編なので3分間しかない。その短い映像から、この青春物語が生み出されているのである。川島直人は本作品で長編映画監督デビューを果たした。
オフィスクレッシェンドは1987年に設立された会社で、堤幸彦や小原信治が取締役として名を連ねている。堤幸彦は仲間由紀恵主演の『TRICK』シリーズを手掛けたことで有名である。小原信治は連続テレビドラマ『サイコメトラーEIJI』やアニメ『サムライチャンプルー』など、数多くの有名な作品の脚本を手掛けている。「未完成映画予告編大賞」はそんなオフィスクレッシェンドが、新たなクリエイターを発掘しようと企画したものである。
群馬県高崎市
物語の舞台になっているのは、関東地方の北西部にある群馬県高崎市である。映画を見るときフランスのパリやイギリスのロンドンなど、有名で華やかな都市だと印象に残りやすいし興味を持つこともある。だが、改めて日本の都市の風景や街並みを感じるのも良いのではないだろうか。
群馬県高崎市は降水量が少なく、日中の気温は高いものの熱帯夜になることが稀で過ごしやすい。タカナシ乳業や大塚製薬など、この地に事業所を置く大企業も多い。高崎市は暮らしやすく、完全に田舎とは言い難い場所である。だが、都会の近くにある街だからこそ抱える若者達の悩みや思いがある。川島直人監督はそこに着目し、高崎市を映画の舞台にしている。日本の都市の中でもあえて高崎市を選んだ川島監督の思いを感じながら、映画をぜひ見て欲しい。
高校生を卒業したばかりの若者
物語の登場人物達は、高校を卒業したばかりの若者達である。社会に出て働いている大人達が昔を懐かしむとき、この頃を思い出す人も多いのではないだろうか。働く人・結婚する人・大学に進学する人など、彼らの将来は無限に広がっている。だが、若者達にとって、一番悩みや不安で揺れ動く時期でもある。
美紀を始め、物語に登場する5人の若者達は将来を決めている。だが、そのまますんなり思い通りに行くわけではない。若者達は初めて現実を目の当たりにすることになるのだ。大人達はそんな彼らの姿が眩しく、また懐かしく感じると思う。彼らと同じ年代の人達は、自分と同じように悩んでいる姿を見て安心できると思う。年代や人によって感じ方が大きく異なる作品である。
映画『高崎グラフィティ。』の公開前に見ておきたい映画
色あせてカラフル
佐藤玲が主人公の奥本カナミ役で出演している。本作品は、東京の下北沢にあるミニシアターのトリウッドと専門学校東京ビジュアルアーツが共同で立ち上げた、「トリウッドスタジオプロジェクト」によって制作された映画で10作品目に作られた作品になる。映画の制作には、30人以上の学生が携わっている。
昔、奥本カナミは顔に痣があることで悩んでいた。現在は手術で除去したため、痣があったことが分からないほどだった。しかし、心に負った傷は消えず、人付き合いも上手くできずにいた。奥本はそんな自分が嫌で仕方がなかった。そこで、自分を変えるため、未経験でもOKな美容室の求人に応募し、人と積極的に関わることを決意する。奥本は過去の傷から脱却し、生まれ変わることができるのだろうか。
詳細 色あせてカラフル
桐島、部活やめるってよ
青春映画。朝井リョウ原作の小説『桐島、部活やめるってよ』を元に作られている。朝井はこの作品を早稲田大学在学中に出版している。この作品は多くの人から人気を集めており、少女漫画雑誌『マーガレット』で漫画化もされている。タイトルにもなっている桐島が、劇中に直接登場しないことが一番の特徴である。神木隆之介が桐島を演じたと思っている人も多いが、主役の神木が演じたのは、映画部に所属する前田涼也である。
ある日、バレー部キャプテンの桐島が突然部活を辞めた。この出来事は生徒達の間で噂になり、瞬く間に校内に広まっていった。教室の中で起こる「格差社会」や、女子同士の争い。桐島が部活を辞めたことで、校内の歯車が狂い始めてしまう。その中で動き出したのは、桐島に一番遠い存在である「彼」だった。
詳細 桐島、部活やめるってよ
ウォーターボーイズ
青春×コメディ映画。文化祭でシンクロナイズドスイミングを発表することになり、男子高校生達が時に喧嘩をしながら必死に練習する様子が描かれている。埼玉県立川越高校の水泳部がモデルになっている。2003年には、映画の2年後となる物語がテレビドラマとして公開された。妻夫木聡や玉木宏など、この映画を通して有名になった俳優も多い。
鈴木智は唯野高校水泳部に所属していた。だが、水泳部は人気がなく、鈴木しか部員がいなかった。ある日、教師の佐久間恵が顧問になった。男子生徒達は佐久間の美しさに惹かれ、約30人の生徒が入部を申し出てきた。しかし、佐久間がシンクロナイズドスイミングを教えたいと思っていることを知り、ほとんどの生徒がすぐに退部してしまう。鈴木は残った部員と共に、シンクロナイズドスイミングを練習することになった。
詳細 ウォーターボーイズ
映画『高崎グラフィティ。』の評判・口コミ・レビュー
高崎グラフィティ。観て来ました。
監督が同じ90年生まれという驚き(見た目で判断していた…笑)
上映前の舞台挨拶を見た影響か、物凄く感情移入していた。
高校生特有の常にある微熱感というか、焦りとか悩みを思い出した。
大人になった今だからこそ、高校時代を懐かしめる映画だったなぁ。 pic.twitter.com/fkvhNmqpbO— しまながしま (@Mister_KDS33) 2018年8月25日
高校卒業からの四月まではなぜ長く感じるんだろう。やることがないと何故か不安で、やることが決まっている同級生を見て焦る。それで何か変わる訳ではない。不安も焦りも根拠のない希望も分け合ってどこにぶつけたらいいかわからない気持ちを叫んでThis is 青春。 #高崎グラフィティ pic.twitter.com/jdPZpLciXf
— おりさー (@ponkotsuflavor) 2018年8月25日
きっと彼女らは数年後望んでいるような幸せな将来になってないだろうし、それぞれが形を変えて似たような悩みを持ち続けて大人になっていくんだろうな、という今の自分にヒットするそんな一本。
寛子もそうなんだけど、同級生の女の子が大人っぽく見える現象に名前をつけよう。#高崎グラフィティ pic.twitter.com/22Ww3hJc2s— こじT (@koji23_02) 2018年8月25日
舞台挨拶付き「高崎グラフィティ」観てきました。
川島監督、出演者のお三人から直接お話聴けて貴重でした。よかった!
荒削りながらも煌めく青春ムービー、堪能しました。#未完成予告大賞#高崎グラフィティ pic.twitter.com/Id4OhRARWt— emi (@_radiodays) 2018年8月25日
自分の生き方と重なりすぎてちくちく刺さる映画だったけれど同時に心が少し軽くなった気もするし玲ちゃんは安定の可愛さでした。これからたくさんの人に届きますよう。公開おめでとうございます。#高崎グラフィティ#佐藤玲 pic.twitter.com/mH5VYmJh3f
— coro (@tpicpi) 2018年8月25日
映画『高崎グラフィティ。』のまとめ
群馬県高崎市に暮らす5人の幼馴染達は、無事に高校を卒業する。普通、物語はここで終わるはずである。だが、『高崎グラフィティ。』はそこから物語が始まる。皆それぞれ決めた将来に向かって行くはずが、問題が次々に起こり対処しなければならなくなる。そんな普通の映画とは違う部分が面白いと思うし、リアリティがあると思う。若者達がどんな将来を歩むことになるのか、とても結末が楽しみな映画である。大人から若い人達まで、幅広く楽しめる作品になっている。
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