文芸雑誌「木蓮」編集部に小説が届いた。その小説の作者の名前は鮎喰響、15歳の高校生だった。彼女は低迷する文学界に、彗星のごとく現れた。編集者の花井ふみは、響に作家としての才能を見出した。
映画『響 HIBIKI』の作品情報
- タイトル
- 響 HIBIKI
- 原題
- なし
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2018年9月14日(金)
- 上映時間
- 不明
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
- 監督
- 月川翔
- 脚本
- 西田征史
- 製作
- 市川南
竹中幸平 - 製作総指揮
- 山内章弘
- キャスト
- 平手友梨奈
アヤカ・ウィルソン
高嶋政伸
柳楽優弥
北村有起哉
野間口徹
小松和重
黒田大輔 - 製作国
- 日本
- 配給
- 東宝
映画『響 HIBIKI』の作品概要
柳本光晴原作の漫画『響 〜小説家になる方法〜』を元に作られている。漫画は「2017年マンガ大賞」を受賞しており、累計発行部数100万部突破する人気作となった。主人公の鮎喰響を演じたのは、アイドルグループ「欅坂46」に所属し、6作連続でセンターを務めたことで話題になっている平手友梨奈である。平手は映画初出演となる本作で、主演デビューを果たすことになった。北川景子や小栗旬など、そうそうたるメンバーが脇を固めている。
映画『響 HIBIKI』の予告動画
映画『響 HIBIKI』の登場人物(キャスト)
- 鮎喰響(平手友梨奈)
- 15歳。女子高生。小説を書くのも読むのも好き。自分の信念を曲げない。不良に立ち向かっていく勇猛さがある。
- 祖父江凛夏(アヤカ・ウィルソン)
- 響の先輩。文芸部の部長。祖父は世界的に人気の作家。自身も小説家を目指している。作家として才能がある響に嫉妬する。
- 花井ふみ(北川景子)
- 文芸雑誌「木蓮」編集部に勤める、若手編集者。響に作家としての才能を見出す。
映画『響 HIBIKI』のあらすじ(ネタバレなし)
文芸雑誌「木蓮」編集部に小説が届いた。新人賞に応募するために送られたその小説は、応募要項を一切無視した状態で書かれていた。本来なら破棄されるはずなのだが、編集者の花井ふみはその小説を手元に残しておいた。作者の名前は鮎喰響、15歳の高校生だった。彼女は低迷する文学界に、彗星のごとく現れた天才だった。
可憐な見た目をしている響は、普通の女子高生ではなかった。自分のことを脅してきた不良の指を平然と折るような、ぶっ飛んだ部分を併せ持っていた。そんな響が書いた小説は、芥川賞と直木賞の候補に選ばれた。マスコミはこぞって響を追いかけ、才能を褒め称えた。そんな響に、記者や売れない小説家など多くの人達が翻弄されていく。それでも、響は自分自身を曲げない強さを持っていた。
映画『響 HIBIKI』の感想・評価
平手友梨奈
文芸の才能溢れた主人公を演じたのは、アイドルグループ「欅坂46」に所属する平手友梨奈である。平手は2015年に1期生としてオーデションに合格して以来、6作連続でセンターを務めている。主人公の響と同じように、素晴らしい才能と圧倒的な存在感を放つ人物である。
本作品が平手にとって映画初出演であり初主演となった。テレビドラマやCMなどで演技の経験はあるが、まだまだ経験が浅く荒削りの部分は残っていると思う。だが、普通の女子高生とは違いカリスマとして呼ばれる響を演じるのは、平手以外にいなかったのではいかと思えるほど役にぴったりと嵌っている。高嶋政伸や北川景子など、ベテラン俳優・女優達が多数出演している。だが、平手の存在感はそんな彼らに負けておらず、画面の中でも一際目を引くオーラを放っている。
個性的なキャラクター達と彼らを演じる豪華な俳優陣
主人公の響が強烈な個性を放っているが、そんな彼女に関わる登場人物達もまた個性的な者達が集まっている。響の才能にいち早く気づき、サポートを行うのは若手女性編集者の花井ふみである。花井役は実写ドラマの『美少女戦士セーラームーン』で、セーラーマーズを演じたことで有名になった北川景子。そんな花井の上司として、高嶋政伸演じる神田が登場する。高嶋は最近悪役を演じるときの迫力ある怪演が話題を集めているが、この神田も利益を優先させるようなあくどい男なので、どんな演技を見せてくれるかとても楽しみである。
その他にも、響の才能に嫉妬する小説家を目指す少女や駄作しか書けないことで悩んでいる作家などが登場する。小栗旬や吉田栄作など、主役を演じてもおかしくない人達が脇役として登場する豪華な作品になっている。
直木賞・芥川賞
直木賞・芥川賞は普段小説を読まない人でも、一度は耳にしたことがあるほど有名な賞である。だが、あまり詳しく知らない人も多いのではないだろうか。物語でもこの2つの賞が絡んでくるため、賞の内容を知った方がより楽しめると思う。
芥川龍之介賞(通称、芥川賞)は純文学の新人に与えられる賞である。純文学とは読者の娯楽的興味ではなく、作者の芸術意識に重きを置いて書かれた文学のことをいう。芥川龍之介の友人である菊池寛が、彼の業績を記念してこの賞を創設した。選考対象になっているのは、新人作家が公開している短編・中編の作品である。
直木三十五賞(通称、直木賞)は大衆作品に与えられる賞である。初めは新人作家に与えられていたが、現在はキャリアに関係なく賞に選ばれることがある。大衆小説とは純文学とは真逆で、娯楽性に重きを置いて書かれた文学のことである。こちらもまた、直木三十五の友人である菊池寛が創設した。
映画『響 HIBIKI』の公開前に見ておきたい映画
探偵はBARにいる3
北川景子がヒロインの岬マリ役で出演している。大泉洋×松田龍平が主演を務めたことでも話題を集めた作品で、映画『探偵はBARにいる』シリーズの3作品目に当たる。東直己原作の小説『ススキノ探偵シリーズ』を元に作られている。『ススキノ探偵シリーズ』は累計発行部数が160万部突破している人気作。
それは、ありふれた人探しの依頼のはずだった。探偵は相棒である高田の後輩に頼まれ、失踪した恋人の麗子の行方を探すことになった。調査の過程で、麗子が働いていたモデル事務所のオーナーであるマリに話を聞くことになる。だが、マリの手下に襲われてしまう。この失踪事件の裏には、裏社会が絡んだ大きな闇が潜んでいた。探偵達は無事に依頼を解決することができるのだろうか。
詳細 探偵はBARにいる3
黒崎くんの言いなりになんてならない
月川翔監督作品。累計発行部数100万部越えの人気作、マキノ原作の漫画『黒崎くんの言いなりになんてならない』を元に作られている。学園恋愛物語で、中高生の女の子を中心に支持されている。主演を務めたのは、ジャニーズアイドルグループ「Sexy Zone」に所属する中島健人。ヒロイン役は映画『渇き。』(14)の演技で「第38回日本アカデミー賞・新人俳優賞」に輝いた小松菜奈。
イケてない中学生活を送っていた赤羽由宇は、転校した高校で生まれ変わることを決意する。それから、無事に高校デビューを果たして1ヶ月が経過した。赤羽は友人と遊んだりデートをしたりして、高校生活を満喫した。そんな中、ドSな「黒悪魔」こと黒崎晴人に目をつけられてしまい、奴隷として扱われるようになる。赤羽の高校生活は一体どうなってしまうのだろうか。
詳細 黒崎くんの言いなりになんてならない
パコと魔法の絵本
アヤカ・ウィルソンがヒロインのパコを演じている。彼女にとってこれが女優デビュー作となった。後藤ひろひと原作の舞台『MIDSUMMER CAROL ガマ王子 vs ザリガニ魔人』を元に作られている。その後、映画のスピンオフ作品として、『いつもワガママガマ王子』がテレビアニメで公開された。ナビゲーターとしてアヤカもパコ役で実写出演している。
これは一風変わった人達が集まる、とある病院でのお話である。病院中の嫌われ者である入院患者の大貫は、パコという名の少女に出会う。実は、パコは交通事故の後遺症で、1日しか記憶が保てなかった。そんなパコが、たった1つだけ覚えていたことがあった。それは、大貫がパコの頬を「触った」ことだった。大貫はパコのために何かしてあげたいと思うようになる。
詳細 パコと魔法の絵本
映画『響 HIBIKI』の評判・口コミ・レビュー
響-HIBIKI-観ました。
1時間程度に感じる程の構成展開とテンポの良さに驚かされ、また主演の平手さんについて、TVの各種プロモーションと合わせてみても、これまでありがちな単なる「アイドルの子の主演作品」とは一線を画しており、底知れない圧倒的なセンスを感じさせるものがありました。 pic.twitter.com/iykqyVPD4v
— たかちん (@Kashi1117) 2018年9月15日
響-HIBIKI- 見てきました!
原作での鮎喰 響と実写化で平手友梨奈さんが演じた鮎喰 響がほぼ同じ雰囲気でテンション上がった!
監督と月川 翔さんもすごくいい作品ができたと思っているでしょう。
本当にこれは見るべきです!
興奮、感動、そして本当に最高の映画です!#響応援— 欅/ソラシド (@nAhHyOGVfgmj8s4) 2018年9月15日
原作読んでてハマったので「響」映画見てきました。
なんというか原作が爽快すぎるからかなんか物足りない印象。
もっと響と編集者とリカちゃんだけの関係性だけではなくりょうたろうくんや家族とかの描写がもう少しあっても良かったかなと。
ま2時間だからそこまでむりか。#響HIBIKI— Shinkun (@maimai329_46) 2018年9月15日
映画『響 -HIBIKI-』を観てきました。
原作は以前からオススメされていたのですが、中々タイミングが合わず未読。結果的に映画で観られてよかったかな。黒髪&ミステリアスキャラ好きです。R18の音声作品でもそうですが、創作をやっている人には刺さるのではないか、と。 pic.twitter.com/pgfh3sqMi6
— きよみみっくす@秋M3 P-04b (@kiyo33x) 2018年9月15日
『愛しのアイリーン』も『響 -HIBIKI-』も、女どうしの戦いの映画といってもよい。しかもその格闘場面がスゴい。アイリーンと木野花の確執。平手友梨奈とアヤカ・ウィルソンの本の入れ替え、殴り合い(突き飛ばされる北川景子)。そういえば『累 -かさね-』も女が争う映画だった。秋の邦画は女の戦い。
— 硬いお砂糖 (@happy_dragons) 2018年9月15日
映画『響 HIBIKI』のまとめ
アイドルグループに所属する人が主役を演じることに、女優や俳優として専門的に活動している人達に比べてどうしても抵抗感が生まれやすい。しかし、本作品で主役を演じた平手友梨奈は、そんな抵抗感を吹き飛ばすほど強い存在感を放っている。目の力強さやちょっと乱暴な動きなど、「普通」とは違う女子高生の役がぴったりと当て嵌っている。この主人公の響は「特別」な存在なのだということが、画面を通して分かりやすく伝わってくる。
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