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映画『ばかもの』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『ばかもの』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ばかもの』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ばかもの』の結末までのストーリー
  • 『ばかもの』を見た感想・レビュー
  • 『ばかもの』を見た人におすすめの映画5選

映画『ばかもの』の作品情報

ばかもの

製作年:2010年
上映時間:120分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、青春
監督:金子修介
キャスト:成宮寛貴、内田有紀、白石美帆、中村ゆり etc

映画『ばかもの』の登場人物(キャスト)

大須秀成(成宮寛貴)
ごくごく平凡な大学生だったが、額子と出会い人生が変わっていく。額子と別れた後、重度のアルコール依存症になってしまい、更生するまで時間を要してしまう。
吉竹額子(内田有紀)
秀成より年上の女性。自由奔放で気の強い性格。秀成と別れた後、結婚をするが、夫の運転するフォークリフトに巻き込まれ、片腕を失う。その後、離婚をし、一人で「かたしな高原」で暮らす。
山根ユキ(中村ゆり)
秀成の同級生。いつも秀成と一緒にいるので彼女と思われがちだが、そうではない。在学中からデイトレで学費を稼ぐ才覚があった。大学中退後、上京するが振興宗教にハマり、その修行中に命を落とす。
加藤(池内博之)
秀成の友人。大学時代から一緒に連れだって遊ぶ仲だったが、秀成のアル中の症状が酷くなるに連れて、徐々に距離を取るようになる。妻とは大学時代からの付き合い。
額子の母(古手川祐子)
競馬場近くのおでん屋「よしたけ」のママ。額子の母である。アルコール依存症に苦しむ秀成に、酒をやめたいんだろうと声をかける。退院してきた秀成を優しく迎え、額子のその後を伝える。
翔子(白石美帆)
加藤の結婚式で秀成と出会い、その後加藤夫婦の紹介で秀成と付き合うことになる女性教師。秀成に捨てられることを恐れ、いつも自分を責めていたが、アルコール依存症が酷くなった秀成を置いて部屋を出て行く。

映画『ばかもの』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『ばかもの』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ばかもの』のあらすじ【起】

父親が忘れた財布を受け取りに、競馬場近くのおでん屋「よしたけ」に行く、秀成。そこで額子と出会い、これまで飲んだことのなかったビールを無理やり飲まされる。秀成は、平凡な大学生だった。授業やレポートもそこそこ、恋愛もそこそこ、通っている大学もそこそこの平凡な人生。しかし、この額子と出会いが彼の人生を大きく動かすことになる。

ある日、スーパーのバイトが終わった秀成は、額子に声をかけられ、彼女の運転する車に乗せられる。実は、額子も同じスーパーでバイトをしていたのだった。秀成は、初めて飲んだビールのせいか、先日の「よしたけ」でのことをすっかり忘れていた。額子に映画に誘われる。しかし、何故かポルノ映画に連れていかれ、ポルノを観る二人。そして、額子の部屋に連れ込まれ、そこで秀成は童貞を卒業するのだった。

その日以来、秀成は額子の部屋を度々訪れ、セックスを繰り返すようになる。額子に猿と言われながらも、額子の身体を求める秀成。額子との甘い生活が始まったのだ。誕生日プレゼントをもらったり、競馬に一緒に行ったり、そして外でも家でも所構わずセックスをするのだった。

冬のある日、いつものように額子の飼い犬ホシノをベランダに出して、セックスをしようする秀成。しかし、額子に今日は生理だからと拒まれる。先々週も生理って言ってなかった?と問い詰める秀成に、もっと刺激的なことしようと額子は公園に秀成を連れ出すのだった。

冬の夜の公園で、額子は秀成の両手を後ろにして木に縛りつける。手の使えない秀成のズボンを下ろして、彼のモノを咥える。公園の外からカップルが見ている中、秀成はイキそうになる。しかし額子は、そこでフェラチオをやめ、秀成に結婚することを告げる。自分とのことは何だったのか?と問う秀成に額子は、遊びだったと告げ、ズボンを下され下半身丸出しのままの秀成を、木に縛りつけたまま立ち去るのだった。

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映画『ばかもの』のあらすじ【承】

大学4年になった秀成は、留年が決まった。友人の加藤は順調に就職が決まり、彼女と呼べるのか微妙な関係の山根ユキは大学を中退する。額子は、秀成の知らない土地で、新しい生活を始めていた。

ユキはデイトレをやっており、中退後に群馬から東京へ引っ越すことが決まっていた。秀成は、ユキが東京に行く前、彼女とお酒を飲み、彼女の部屋に泊まる。ユキの身体を求めようとする秀成だったが、彼女にまだ額子のことを忘れられないでいることを見透かされ、別々の布団で寝るのだった。

ユキは恵比寿の高級マンションで暮らしていた。加藤の結婚式の帰りにユキの部屋に行く秀成。しかし、彼女の部屋には株式の本などはなくなっており、宗教の本があった。そしてユキは、秀成を押し倒す。驚く秀成に、教祖から多くの男と交わることが必要だと教えられたと言うユキ。ユキは新興宗教にハマっていた。

加藤夫妻は結婚後も時々群馬に帰って来て、秀成と飲んでいた。その席に結婚式で出会った翔子の姿もあった。飲み会の話の流れで、テレビが映らないと言う翔子の部屋に行く秀成。テレビの調整をして、そのまま、一晩を共にする。そして二人は、付き合うようになるのだった。

2年間、翔子と付き合っている秀成は、少しずつ酒の量が増えていた。飲み過ぎで会社も休むようにもなり、加藤からも酒癖の悪さを指摘される。しかし、秀成には覚えなかった。

映画『ばかもの』のあらすじ【転】

自宅でも、酒浸りの秀成。二日酔いで仕事もうまくいかない。翔子はそれでも秀成のことを好きでいる。別れを切り出す秀成だが、翔子は別れられずにいた。

姉の結婚式で、親戚から酒を勧められる秀成。初めは断っていたのだが、断りきれず飲んでしまう。一口飲めば止まらなくなり、やがて泥酔して行く秀成。絡み始め、暴れ出し、結婚式を台無しにしてしまう。自宅を追い出され、翔子の部屋へ転がり込む秀成。しかし、酒の量はさらに増え、翔子の部屋のベランダには、山のようなビールの空き缶が積まれているのだった。事態はさらに悪化する。秀成は、風呂も入らず、酒浸りとなり、再度、加藤に諌められる。「アルコール依存症じゃないのか?」と言われる。しかし秀成は、誰の忠告も聞けなくなっていた。会社も辞めさせられ、翔子の部屋に帰って来ると、彼女の荷物はなくなっていた。

秀成は、ユキを頼って振興宗教の門を叩くが、ユキからも拒絶される。行き場もなく公園で酔いつぶれ寝ていると、犬のホシノと出会う。ホシノの後を追いかけ、辿り着いたのはあのおでん屋「よしたけ」だった。「よしたけ」で額子のことを思い出しながら、ビールを飲む秀成に、額子の母は「本当は酒飲みたくないんだろう」と言う。しかし、どうしても酒を手放すことはできず、そしてとうとう、飲酒運転で事故を起こしてしまうのだった。

秀成は、事故をした日に、犬のホシノが死んだことを、「よしたけ」で聞く。そして、酒をやめることを決意して、アルコール依存症専門病院に入院するのだった。

映画『ばかもの』の結末・ラスト(ネタバレ)

禁断症状に耐えながら、治療を受け、秀成は退院する。家に帰ると、真新しいスリッパが用意されているのだった。そして秀成は、中華食堂でバイトを始める。真面目に働き、姉にも結婚式のことを謝り、家族の日常が戻るのだった。

ある日、秀成は「よしたけ」で、実は額子が事故にあっていたことを聞く。そして今、「かたしな高原」にいることを聞き、会いに行く秀成。バス停で額子は待っていた。しかし、その姿は以前の彼女とは違い、髪の毛は白く、片腕がなかった。片手で運転できる額子の車に乗って、彼女の家に行き、彼女の作る料理を食べる秀成。翌週、再び訪れた秀成は、帰りがけに額子から、自分じゃできないから右腕を洗って欲しいと、それから脇の毛を剃って欲しいと頼まれる。

秀成は、一緒に風呂場へ行き、右手をガシガシ洗ってやる。そして、脇を剃ってやる。風呂から出てきて帰ると言う秀成に、額子はいつセックスするんだ?と問う。額子は、セックス以外でどうやって秀成と繋がっていいのか解らなかったのだ。額子は、泣き崩れ、秀成を好きになることが怖かったことを告白し、あの時も今も、うまくできなくてすまないと泣く。そんな額子を秀成は抱きしめるのだった。

秀成は、中華食堂の親父に娘と一緒になって自分の店を継いで欲しいと言われる。額子との付き合いに自信がない秀成は揺らいでいた。しかし、「よしたけ」で額子の母から、額子の髪の毛が白くなってしまったのは、秀成がアル中になってしまったことを聞いた時だと教えられる。

そして、秀成は家族に額子への想いを正直に話し、中華食堂もやめ、額子のいる「かたしな高原」に向かう。そこで、二人で新しい生活を始めるのだった。

映画『ばかもの』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

原作の小説は未読なのだが、吉竹額子も大須秀成も不器用な人物で、『ばかもの』というタイトルがよく合っているなと感じた。
額子に振り回される秀成が可哀そうだなと思いつつも、人生が一変してしまうほど相手を愛せることができて羨ましいなとも思った。ただ、秀成以上に二人に振り回されて迷惑を被る周囲が大変だなと思った。アル中になってしまった秀成。彼を支えようとする家族も恋人も友人も、それぞれ苦しいだろうなと思いながら見ていた。(女性 30代)


初めて観たとき、こんなに感情を揺さぶられる邦画は久しぶりでした。若さゆえの愚かさと、それに伴う喪失が痛いほどリアルで、共感というより「反省」に近い感情が湧きました。主人公のヒデが、年上の額子にのめり込み、彼女に裏切られ、そして堕ちていく姿は“ばかもの”そのもの。でも彼が立ち直る過程には、どこか救いがあって希望も見えます。人生の回り道に意味があると信じたくなる作品です。(20代 男性)


ラストシーンで涙が止まりませんでした。額子がどれだけ自分を壊して生きていたか、その痛みが伝わってきて、ただの“悪い女”なんかじゃなかったと気づかされました。ヒデにとって額子との恋は決して幸せではなかったけれど、彼が大人になるためには必要だったんだと思います。恋愛の不器用さや自己破壊的な生き方にリアリティがあって、静かな名作だと感じました。(30代 女性)


静かだけど深く刺さる映画でした。ヒデが大学生から社会人へ、そして過去の自分と向き合う姿には、自分自身の若い頃の苦い記憶が重なりました。額子は破滅的だけど、それでも彼女なりに愛していたんだと思います。最終的にヒデが“ばかもの”を脱しようとするラストがとても良くて、人生に遅すぎることはないと教えてくれる映画でした。演技も自然で引き込まれます。(40代 男性)


若い頃に観ていたら理解できなかったかもしれません。歳を重ねてから観たからこそ、ヒデの愚かさも額子の寂しさも、両方が痛いほど分かる。誰も悪者ではなくて、ただみんな不器用だった。そう思える映画です。特に母親との再会のシーンでは、家族という存在のありがたさを再認識しました。静かながら濃密なヒューマンドラマです。(50代 女性)


額子というキャラクターがとにかく印象的でした。強くて自由で美しくて、でもすごく脆い。ヒデが彼女に惹かれたのも無理ないし、その関係が壊れていくのもリアルでした。『ばかもの』というタイトルに込められた意味が、ラストでじんわり響いてきます。恋愛映画としても人間ドラマとしても素晴らしい一本。もっと評価されてもいい作品だと思います。(30代 男性)


この映画を観て、自分の中の“ばかもの”な部分と向き合わざるを得ませんでした。若い頃に逃げたこと、傷つけた人、後悔ばかり思い出しました。でもヒデが最終的に立ち上がる姿には本当に救われました。過去の失敗を悔やむだけでなく、それを抱えて生きていく覚悟が感じられて、今の自分に重なる部分が多かったです。静かで沁みる映画でした。(40代 女性)


初恋の苦さと人生の厳しさが詰まった作品。額子のような存在に心を奪われた経験がある人には刺さると思います。破滅的な愛の中で自分を失っていくヒデに共感してしまい、彼の無気力な日々が他人事とは思えませんでした。でも、再会と赦しの物語としても成立していて、観終わった後は優しい余韻が残りました。派手さはないけど心に残る作品です。(20代 女性)


登場人物それぞれが孤独で、どうしようもなく不器用。そんな人間模様が丁寧に描かれていて、心が揺さぶられました。額子の行動は常識では測れないけれど、それでも彼女の心の傷が見えてくると、ただ責めることはできません。ヒデもまた“逃げていた”だけで、本当は弱い人間だったんだと思います。ラストに希望があってよかった。(50代 男性)


人生の痛みを正面から描いた映画だと感じました。額子との関係に溺れたヒデが、その後立ち直っていくまでの流れがとてもリアルで、実際の人生にもよくあるような感情の流れが詰まっています。心に蓋をして生きてきたヒデが、ようやく“誰かのために”動き出す姿には感動しました。成長物語としても、恋愛映画としても見応えのある作品です。(60代 男性)

映画『ばかもの』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ばかもの』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

愛の渦

この映画を一言で表すと?

「欲望むき出しの男女が、裸の心をさらけ出す一夜限りの群像劇」

どんな話?

舞台は匿名のセックスパーティー。出会った男女が、それぞれの欲望や孤独を吐き出しながら、一夜限りの関係を重ねていく。見た目も職業も年齢も異なる人々が交錯しながら、やがて心の奥底が露わになっていく人間ドラマ。

ここがおすすめ!

『ばかもの』と同様に、人間の弱さや不器用な愛情表現を描いています。全編ほぼワンシチュエーションで進む緊張感と、役者たちの体当たりの演技が見どころ。欲望の裏にある孤独や救いを見事に表現しています。

ナラタージュ

この映画を一言で表すと?

「叶わぬ恋と後悔が織りなす、切なすぎるラブストーリー」

どんな話?

女子大生の泉は、かつて恋心を抱いた高校教師・葉山と再会。過去と現在が交差するなか、2人の間には埋められない距離があることが浮き彫りになっていく。抑えきれない想いと現実のギャップに胸を締め付けられる物語。

ここがおすすめ!

『ばかもの』と同じく、恋愛の“痛み”や“届かない想い”を描いた作品。静かな語り口ながら、感情の揺れが丁寧に描かれています。松本潤と有村架純の繊細な演技が、苦しくも美しい時間を映し出します。

失楽園

この映画を一言で表すと?

「愛にすべてを捧げた男女の、禁断で壮絶な純愛物語」

どんな話?

中年の編集者と人妻が出会い、激しく惹かれ合いながらも道ならぬ関係に溺れていく。やがて2人は社会や倫理を超え、愛の果てに死を選ぶ決断を下す。究極の愛と背徳を描いた濃密な大人の恋愛劇。

ここがおすすめ!

『ばかもの』のように、愛することの愚かさと純粋さを極限まで突き詰めた作品です。自分を壊してでも求めてしまう相手、その先にあるものが何かを描き出す、情念に満ちたラブストーリー。演出も美しく、引き込まれます。

苦役列車

この映画を一言で表すと?

「社会の底辺で生きる若者の、不器用でどうしようもない日々」

どんな話?

高校中退・無職に近い生活を送る19歳の北町貫太が、日雇い労働をしながら日々をしのいでいく。人間関係もまともに築けない中、少しの希望と裏切りが交錯する、青春というには痛すぎる物語。

ここがおすすめ!

『ばかもの』と同様に、自分を持て余している若者のリアルな姿を描いています。登場人物すべてが“うまく生きられない”人たちで、どこか共感してしまう。森山未來の体当たりの演技が圧巻です。

そこのみにて光輝く

この映画を一言で表すと?

「過酷な現実の中にある、わずかな光を描いた愛の物語」

どんな話?

過去に起こした事件で心に傷を負った男が、家庭環境に問題を抱える女性と出会い、次第に惹かれていく。生きることに希望を見出せなかった2人が、やがて互いの存在に光を感じていく様子を丁寧に描いた感動作。

ここがおすすめ!

暗くて重いテーマながら、その中にある人間の温かさや希望が胸を打ちます。『ばかもの』と同じく、喪失や再生、そして“生き直す”ことの尊さを感じられる映画。池脇千鶴と綾野剛の熱演が心を震わせます。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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