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映画『最低。』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『最低。』の概要:人気AV女優の紗倉まなによる同名連作短編小説を映画化。かつてAV女優だった母に育てられたあやこ、夫との淡白な性生活に耐えきれずAVの扉を叩く美穂、AV女優として忙しく仕事をしている彩乃の3人の人生が交錯する。

映画『最低。』の作品情報

最低。

製作年:2017年
上映時間:121分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:瀬々敬久
キャスト:森口彩乃、佐々木心音、山田愛奈、忍成修吾 etc

映画『最低。』の登場人物(キャスト)

あやこ(山田愛奈)
港町で絵を描いているときが一番自分らしいと感じている高校生。幼い頃に母に連れられて、祖母のいるこの町へやってきた。母は、かつてAV女優をやっていた。美穂と異母姉妹でもある。
美穂(森口彩乃)
夫との性生活に不満を持ち、AVの世界に足を踏み出す。夫に嘘をつき、泊まり込みの撮影に挑むが、撮影中に父親が他界してしまう。
彩乃(佐々木心音)
専門学校に通いながらAV女優を続けている。しかし、家族にその事実がバレてしまい、実家から母と妹がやってくる。AV女優が自分のやりたいことだと、家族に告白をする。
日比野(森岡龍)
AVに申し込みをしてきた美穂の面接を受け持ち、彼女の宣材用のヌードを撮影するAV女優事務所のマネージャー。彩乃のマネージャーでもある。柔らかな物腰だが、しっかりと女優たちを守っている。

映画『最低。』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『最低。』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『最低。』のあらすじ【起】

朝、自室で絵を描くあやこ。幼少期の頃のことを思い出す。母に連れられ、今住んでいる、祖母の家、実家に連れてこられたのだった。あやこの母、孝子は10年ぶりにこの家に帰ってきたようだ。母一人子一人、あやこの祖母もまた孝子を一人で育てたのだった。

朝、朝食をとりながら夫と話す美穂。子どもが欲しいと言ってみるが、美穂の夫は、妻に隠れてAVを見るくせに、美穂を抱こうとはしないのだった。

AV女優の彩乃は、誘われてこの世界に入った。しかし、性に合っているのか、今では男優たちに自分は鉄マンだから、少々ハードなプレイでもいけると笑いながら話すのだった。

美穂は、満たされない日々を解消するため、AV女優に申し込みをする。そして、物腰の柔らかな日比野に、プロフィール用の写真のため、裸を撮影される。

AVの撮影中、彩乃の携帯が鳴る。親からの着信が何件もあり、留守番電話を再生する。メッセージの内容から、親にAVに出演していることがバレたようだった。彩乃の頬に、一筋の涙が流れるのだった。

あやこは、自転車で港町を走り、祖母のやっている喫茶店へ行き、バイトをする。バイト中に母が訪れ、あやこの自転車に勝手に乗って、何処かへ行くのだった。

美穂の父は昏睡状態が続いていた。姉の美沙と二人で父の病室で思い出話をする。二人はかつて、父の部屋でHなビデオを見つけてしまったことを話すのだった。

彩乃は一人、バーで飲んでいる時に、オカルト雑誌の編集者の男と知り合う。彼の仕事のグチを聞きながら、話に花が咲くのだった。

あやこは、風呂上がりに自分の描いた絵の前に座り、ある画集と見比べる。そして、自分の絵をひっくり返してしまうのだった。

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映画『最低。』のあらすじ【承】

土曜日の朝がやってくる。制服姿のあやこは、朝帰りの母が乗って帰ってきた自転車で、学校へ行く。学校に着くと、あやこの描いた絵の受賞報道された新聞記事が張り出されているのだった。

美穂は、夫に嘘をついて、初めてのAV撮影の現場へと向かう。何も知らない夫は、美穂を優しく送り出すのだった。

彩乃の部屋、起きると隣に昨夜の男がいる。男は、彩乃の部屋から仕事に行こうとする。彩乃は、男を呼び止め、一緒に出かけるのだった。

美穂は、日比野の運転する車に乗って、撮影現場のコテージへ向かう。現場に着くと、日比野は、スタッフに美穂を紹介して、帰ってしまうのだった。

彩乃が、部屋に帰ってくると、釧路から出て来た母と妹が部屋の前で待っていた。彩乃に、AVのことを問いただす母。彩乃は、母に何も答えない。母は、仕事に行こうとする彩乃の頬を打つ。妹の「姉ちゃんどうなりたいの?」という問いに、彩乃は「なりたいものになってる」と答え、部屋を出ていくのだった。

学校では、あやこの母がAV女優だったというラインが回っていた。それを見て、卒倒するあやこ。保健室で目を覚ましたあやこは、進路希望に関して母がどう思っているのかと問われるが、「母は関係ない」と答え、保健室を出て行くのだった。

美穂は、メイクをされ、初めての撮影が始まる。服を脱ぎ、露店風呂で若い男との絡みのシーンを撮るのだった。

あやこは、帰り道、クラスの女子たちに囲まれ、母のことでいじめを受ける。逃げ出す彼女を心配して、追いかけてくる男子生徒。彼は「大丈夫か?」あやこに声をかけるが、彼女は「影で笑っているんでしょ?」と言いながらその男子にキスをする。唇を放し、「気がすんだ?」というあやこに、男子生徒は「バカにするな」と言い捨て去るのだった。

映画『最低。』のあらすじ【転】

あやこが家に帰ると、母の姿がなかった。不安に思ったあやこは、自転車で駅へと向かう。あやこが駅についた時、電車は出た後だった。呆然と立ち尽くすあやこに、背後から母が声をかける。二人は自転車で家に帰るのだった。

美穂たちが撮影に使っているコテージの隣には、家族連れが泊まっている。その姿に目がいく美穂、そして頬を涙がつたうのだった。

あやこは母に、海岸で海を見ながら「AVやってたの?」と聞く。母は、あやこが産まれる前までやっていたと答える。あやこは父のことも問うたが、母は、それには答えず、祖母のところへ向かうのだった。

彩乃は、撮影中に誤ってプールに落ち、溺れ意識を失う。

美穂の父が死ぬ。そのことを知らず、美穂は撮影中を続けていた。美穂は、自分の腹の上に男優の精液を受けるのだった。

美穂の父親が入院していた病院に、彩乃は担ぎ込まれる。彩乃の担架の横で電話をかける美穂の姉。撮影がひと段落した美穂にようやく電話が繋がるのだった。

土曜の夜になる。意識の戻った彩乃は、退院をする。彩乃に付き添うのは、美穂のマネージャーでもある日比野。その日比野に、美穂から父が死んだことを告げる電話がかかってくるのだった。

撮影を切り上げ、実家に駆けつけた美穂は、父の遺体と対面する。美穂は姉から喪主を頼まれる。そして姉は、不倫の子ができたかもしれないと、美穂に泣きながら話すのだった。

美穂は、夫と一緒に喪服を取りに家に帰る。そして、夫に「今から抱いて」と言いながら、夫を押し倒すのだった。戸惑っていた夫も、その気になり、美穂の自慰を見せて欲しいと言う。それに応じる美穂は、夫の前で自慰を始める。そして、交わる二人。行為の後、美穂はAVの撮影に行っていたことを告白するのだった。

映画『最低。』の結末・ラスト(ネタバレ)

例の男とバーで飲んだ彩乃は、彼にタクシーで送ってもらう。今日は帰るという男。一人で部屋に戻ると、母から「いつでも帰ってこい」と書いてある置き手紙があった。母を探すために走り出す彩乃。母を見つけ、「もう帰れない、そういう仕事をしている」と告げる。母は、その彩乃の抱きしめるのだった。

美穂は、夫に言われ、葬儀の準備を始める。彩乃の母は、バスで帰る。そして、あやこは母に見送られてバスに乗るのだった。

日曜の朝、あやこが美穂の父の家にやってくる。あやこと美穂は異母姉妹だったのだ。あやこは、線香をあげる。美穂は「父のことを恨まないで欲しい」とあやこに話す。あやこは、母がAVをやっていたこと、死んだ人間には興味がないため葬儀にこなかったことを、美穂に話す。あやこの手をみて絵を書いていることを察した美穂は、彼女に父の絵を見せる。そして、その絵のある書斎には、あやこも持っている画集と同じものが置いてあるのだった。その事実に驚き、画集の絵が好きだというあやこ。そのあやこを抱きしめる美穂は、静かに泣くのだった。

遺品を整理する姉夫婦、その階下の縁側で空を見つめる、美穂とあやこ。二人は、一緒に横になり、あやこはそっと美穂に寄り添うのだった。

彩乃は、ビルの屋上に上がり、携帯を取り出し、男に電話をかける。「あたしね」と、自分のことを話し出す彩乃の姿があった。

映画『最低。』の感想・評価・レビュー

群像劇ですから、登場人物が多く最初はストーリーが分かりにくいかもしれません。3人の女性の物語です。AVに出演した本人たちよりも、家族が大いに苦悩しているようでした。一度でも出演したなら、永遠に周囲の目を気にしながら生きていかなければならないことや、体調面においてもハイリスクな職業であることを痛感しました。ただし『最低。』だとは思いません。佐々木心音が、普通の女性っぽいのに妙にセクシーで可愛くて魅力満点でした。(女性 30代)


AV女優という仕事に対して全く偏見がない私。何故ならそこには需要があってしっかりと仕事として成り立っているから。そういう仕事をしている人たちに対して最低だと思うことはありません。しかし、私のような考え方はごく少数なのだと感じました。
自分の娘が、自分の母親がAVの仕事をしていたら…。私個人的には仕事として認めてあげたいですが、周囲からの偏見などを考えると全力で応援してあげられるか考えてしまいます。
いやらしさのない、温かい作品でした。(女性 30代)

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