映画『恋は雨上がりのように』の概要:17歳の女子高生、橘あきらは45歳の中年店長、近藤正己に恋をしていた。あきらから気持ちを伝えられた近藤は、お付き合いはできないと断る。だが、あきらの気持ちは変わらず、思いは強くなるばかりだった。
映画『恋は雨上がりのように』の作品情報
上映時間:112分
ジャンル:ラブストーリー、コメディ、青春
監督:永井聡
キャスト:小松菜奈、大泉洋、清野菜名、磯村勇斗 etc
映画『恋は雨上がりのように』の登場人物(キャスト)
- 近藤正己(大泉洋)
- ファミリーレストラン・ガーデンの店長。バツイチで子持ち。いつも客に謝ってばかりいる姿から、同僚から少し頼りなく思われている。大学時代から小説家を目指しており、45歳になった今でも、その夢を捨てきれていない。
- 橘あきら(小松菜奈)
- ガーデンで働く女子高生。あることがきっかけで近藤を好きになり、一緒にいたくてガーデンでバイトしている。陸上部に所属しており、100mを11秒台で走り切るスプリンター。だが、怪我が原因で今は陸上から離れている。
映画『恋は雨上がりのように』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『恋は雨上がりのように』のあらすじ【起】
17歳の高校生、橘あきらはファミリーレストラン・ガーデンでアルバイトをしていた。美人だが目つきが悪い。なぜ接客業を選んだのか周りは不思議がったが、あきらはどうしてもガーデンで働きたかった。
あきらはガーデンの店長・近藤正己に恋をしていた。近藤は45歳、バツイチで子持ちだったが、あきらは近藤に夢中だった。
あきらは、以前は陸上部のホープだったが練習中にアキレス腱を断裂してしまう。その怪我で臆病になり、陸上からは離れてしまっていた。
足を治療中、病院の帰りに雨宿りでガーデンに立ち寄ったあきらは、雨が上がらず長居してしまう。そんなあきらを見た近藤は、コーヒーをサービスした。近藤のさりげない優しさに癒されたあきらは、それ以来、近藤に恋い焦がれていた。
ある日、客が携帯を忘れていった。相手は自転車だったため、簡単には追いつけない。近藤は戻ってくるのを待つことにするが、あきらは携帯を受け取ると、すごいスピードで走っていき、自転車に追いついた。近藤はあきらの俊足を褒めたが、無理をしたせいであきらは倒れこんでしまう。
病院に運び込んだ近藤は、その時、あきらに足の怪我があることを知った。
映画『恋は雨上がりのように』のあらすじ【承】
足を悪化させてしまったお詫びを持って、近藤があきらの住む町にやってきた。二人はファミレスに入るが、そこであきらは思い切って近藤に好きですと告白する。だが、近藤はそれが恋愛感情だとは思わず、ライクだと勘違いし、ありがとうと返事をしてしまう。がっかりするあきら。
足のせいでバイトに行けないあきらは、陸上部を覗いてみた。親友のはるかや後輩たちは喜んだが、日々成長している彼女たちの姿を見て、複雑な気持ちになってしまう。
雨の中、ずぶ濡れでガーデンにやってきたあきら。それを見て驚く近藤に、彼女は改めて、あなたが好きですと告白し、静かに去って行った。翌日、いつもと変わらない顔であきらは現れたが、昨日の告白は本気だと近藤に迫り、返事を聞かせてくれと言った。
あきらを送って行きながら、近藤は、君の気持ちに応えることはできないと返事をした。親子ほど歳も違うし、僕はからっぽの中年だと説明する。だが、あきらは諦めなかった。そして、あきらに押し切られ、近藤はデートをしなくてはならなくなる。
デートを楽しみに待つあきらだったが、ガーデンの同僚・加瀬に近藤のことが好きだとバレてしまった。加瀬は内緒にする代わりに、自分ともデートしてほしいと言いだす。仕方なくデートに行くが、あきらは終始不機嫌な顔だった。去り際、加瀬から店長と君では絶対に上手くいかないと言われ、ますます気分を害された。
近藤とのデートの日がきた。あきらは綺麗に着飾っていた。近藤と一緒ならどこでも楽しかった。近藤の行きたいところに連れて行ってほしいとお願いすると、図書館に連れて行かれた。あきらは近藤が本好きで、学生の頃から小説を書いていることを知る。
映画『恋は雨上がりのように』のあらすじ【転】
近藤は未だに小説家の夢を諦めておらず、原稿用紙に向かっていた。だが、最近は一言も書けていなかった。
はるかと夏祭りに行ったあきらは、そこで息子を連れた近藤を見かける。近藤に挨拶する姿に、彼が好きなのだと気がついたはるか。年齢差にびっくりしたはるかは、陸上もしないで何をしているのだと思わず言ってしまった。あきらは、はるかには関係ないし、もう前のようには戻れないと言いだす。ショックを受けたはるかは、泣きながら帰ってしまった。
近藤は学生時代の同級生で、今や売れっ子作家となった九条ちひろと再会。思い出話に花を咲かせた。はるかと喧嘩して落ち込むあきらに、学生時代に一緒に過ごした時間は、時が経っても消えたりしないとアドバイスを送る。仲直りできないかも、と心配するあきらに、もし諦めてしまうのだったら、ずっと立ち止まったままになると近藤は言った。
中学陸上の記録保持者・倉田みずきがあきらのところにやってきた。彼女もアキレス腱断裂を経験していたが、あきらと戦うことを目標に、リハビリに耐えて回復したのだそうだ。みずきはあきらの陸上復帰を願っていたが、あきらにその気はなかった。
近藤は、何かやりたいことがあるなら、バイトよりもそっちを優先するべきだとあきらに言ったが、あきらは、そんなものはありません、と頑なな態度だった。
映画『恋は雨上がりのように』の結末・ラスト(ネタバレ)
近藤が夏風邪で店を休む中、はるかがガーデンを訪れた。みずきが大会で自己新記録を更新し、そのタイムはあきらがたたき出したタイムと同じだと告げる。
あきらは加瀬のことを避けていたが、これ以上、近藤を困らせないほうがいいと加瀬から言われた。そして、近藤のためにも自分のためにも、好きならちゃんと決着をつけるべきだと語っていった。
雨の中、あきらは近藤の部屋を訪れた。色々考えたが、やっぱり近藤のことが好きだと言う。迷惑ですか、というあきらに近藤は、一緒にいるとかけがえのない財産を思い出せる、感謝していると返事を返した。だが、近藤にとってあきらは友達で、好きという気持ちには応えられないときっぱりと断った。
近藤はあきらに息子に走りを教えてくれないかと頼むと、タクシーを呼んで帰らせた。近藤からの連絡を受け、ちひろが看病しにやってくる。小説家になれないと分かっているのに、諦められず未練でいっぱいだと呟く近藤に、それは未練でなく執着だ。好きで仕方ないのなら執着するしかないだろう、とちひろは答えた。
あきらが息子に走りを教えにきた時、近藤は、もうシフトは入れなくていいとあきらに告げた。近藤の気持ちを理解したあきらは、笑顔で頷いた。
あきらは陸上に戻り、近藤も執筆を再開した。あきらの陸上復帰に、みずきは闘志を燃やす。あきらの抜けたガーデンは、ますます忙しくなった。近藤の小説は書きあがり、仕事も昇進することになる。
河原で練習中、偶然に近藤と再会したあきらは、私たちは友達ですよね、と前置きすると、店長とメールがしたいですと言った。近藤は笑顔で頷いた。あきらの瞳は涙で濡れていたが、その時に見せた笑顔は、雨上がりのように清々しかった。
映画『恋は雨上がりのように』の感想・評価・レビュー
原作ともアニメとも違うオリジナルな終わり方をするが、とても良かった。長い原作を二時間に落とし込むには、大胆な取捨選択が必要になるが、本作はだいぶ頑張った印象。大泉洋と小松菜奈のキャスティングは一番評価できる部分だ。中年男性と女子高生の恋愛を描くには、キャスティングが非常に重要だと思われる。下手をすると生々しくなりすぎたり、滑稽さばかりが目立ってしまったりするが、この二人のおかげで絶妙なさじ加減が生まれていると感じた。(MIHOシネマ編集部)
努力や苦悩、葛藤というのは、決して青春の真っ只中を生きる若者だけの言葉ではない。最期の展開が若干唐突にも思えたが、思いがけない出会いから、あきらも店長ももう一度走り出していくラストに感動した。女子高生のまっすぐな言葉にタジタジな冴えない中年店長を演じる大泉洋が何だかリアルで、これが普通のイケメン俳優だと現実味がないので、彼が演じているのがよかった。女子高生のあきらが、挫折や諦めを彼女の何倍も経験しているであろう店長に惹かれる気持ちはなんとなくわかる気がする。(女性 20代)
小松菜奈が大泉洋に恋!?絶対にありえない!と思って鑑賞した今作でしたが、とにかく良かったです。ファミレスの冴えない店長・近藤を演じる大泉洋と近藤に恋をするバイトのあきらを演じる小松菜奈。女子高生とバツイチ子持ちのおじさんの恋愛なんて絶対に成り立たないと思っていましたが、この作品は恋愛と言うよりも、自分の大切なものを忘れずに、正直に突き進んでいく情熱を教えてくれる素晴らしい作品でした。
あきらの恋は叶わなくても、近藤に出会えたことはきっと忘れないし青春時代の素敵な思い出になるだろうと感じました。(女性 30代)
漫画『恋は雨上がりのように』の実写映画作品。以前アニメを少し観たときには、あまり好きになれず序盤で観るのを辞めたのだが、キャストの良さもあり退屈せず最後まで観ることが出来た。ファミレスでバイトをしている時の愛想の悪いあきらも、学校で楽しそうに話すあきらもとにかく綺麗で可愛い。そして、何より磯村勇斗演じる加瀬さんがたまらなく格好いい。原作のキャラではもっと嫌なことを言うキャラのようだが、調理中の姿やあきらへの優しさ、全てが格好良い。決してキュンキュンするような恋愛映画ではないが、キャスト含め雰囲気が好きな作品。(女性 20代)
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