映画『ロマンスX』の概要:1999年に公開されたフランス映画。監督のカトリーヌ・ブレイヤは、本作で女性の本能的な欲求をストレートに描き、女性が持つ性への認識を大胆に表現している。エロティックなシーンが話題を呼んだが、あくまでストーリーのドラマ性が重んじられている。
映画『ロマンスX』の作品情報
上映時間:95分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:カトリーヌ・ブレイヤ
キャスト:キャロリーヌ・デュセイ、サガモア・ステヴナン、フランソワ・ベルレアン、ロッコ・シフレディ etc
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映画『ロマンスX』の登場人物(キャスト)
- マリー(キャロリーヌ・デュセイ)
- 小学校で教師として働いている女性。恋人・ポールとの関係に悩まされ、肉体的にも精神的にも不満を抱いている。マゾヒストの傾向がある。
- ポール(サガモア・ステヴナン)
- マリーの恋人。マリーとは付き合って3ヶ月になる。欲求不満のマリーから体を求められるが、応じようとしない。
- ロベール(フランソワ・ベルレアン)
- マリーが勤める小学校の校長。ハンサムではないが、口が上手いので女性にモテる。
- パオロ(ロッコ・シフレディ)
- 深夜のバーでマリーと出会った男性。マリーが初めて浮気相手に選んだ人物。
映画『ロマンスX』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ロマンスX』のあらすじ【起】
カフェで重苦しい雰囲気を漂わせる1組のカップルがいた。女性はマリー、男性はポールという名前だった。
彼らは付き合ってからまだ3ヶ月しか経っていないが、セックスレスに陥っていた。原因は、ポールがセックスに嫌悪感を示すようになったからだ。
マリーは「浮気してやれば良かった」と感じる一方、ポールの愛を理解できないことに悲しみを覚えていた。
帰宅し、同じベッドで寝る2人だったが、ポールは衣服を身に纏い、マリーとのセックスを頑なに拒む。マリーは「私を嫌っているの?」と問うが、ポールは「違う、その気になれないだけだ」と語る。そのポールの言葉を聞き、マリーは惨めな気分を味わった。
“愛しているのに愛してくれない”という絶望を抱え、耐えきれなくなったマリーは、深夜に部屋を飛び出し、バーへ向かう。そこでパオロと名乗る男性と出会い、談笑した後、2人は秘密のキスを交わす。元々“見知らぬ男に抱かれたい”という願望があったマリーだったが、その夜はキスだけで終わる。
翌日、夜更かしをしたせいで、マリーは教師として通う小学校を遅刻してしまう。校長のロベールのフォローもあり、なんとか授業を進める。
帰宅後、珍しくポールがマリーに迫るが、「子供が欲しい」と言うだけで、結局彼女を抱くことはなかった。
ある日、ポールと共にバーへやってきたマリーは、ポールに熱い視線を送りながら、彼を束縛し、いつも一緒にいたいと考える。マリーが強い独占欲を向けるのは、それだけ彼を愛しているからだった。
映画『ロマンスX』のあらすじ【承】
その後、マリーはパオロと再会し、薄暗い部屋の中で彼と情事に耽る。“夫がいる”という嘘を吐き、浮気をしたマリーだったが、ポール以外との子供は欲しくなかったため、パオロにはしっかりと避妊具を着けさせ、行為に及んだ。
マリーは、「夫は私を抱いてくれないの」と切なげに語る。正しくは夫ではなく恋人なのだが、そんな嘘も気にならなくなる程、マリーはパオロと共に快楽に溺れる。
パオロとキスをしている時、一瞬だけポールの存在がマリーの頭から消え去った。しかし、一番愛しい相手はポールであることを思い出し、以後彼女はパオロと会うことはなかった。
帰宅後、マリーはベッドの上でポールと会話を始めると、そろりと彼の下半身へ手を伸ばす。しかし、ポールはそれを嫌がり、マリーはショックを受ける。
翌日、小学校で国語の授業をしていたマリーは、授業後、校長のロベールに呼び出される。ロベールとの会話で、自身が失読症の疑いがあることを知る。
その後、ロベールはマリーを自身の書斎へ招待し、独自の男女観を述べる。ロベールはハンサムではないが、口が達者な男で、今まで抱いた女性は1万人を越えると語った。
映画『ロマンスX』のあらすじ【転】
ロベールは、“女性とは何か”という内容が書いてある本を取り出すと、マリーに読ませようとするが、彼女に拒否される。
マリーは心の中で、女を知り尽くしているロベールのことを“不快な男”だと称した。しかし、ロベールに迫られ、快感を抱いた彼女は、されるがままに彼に体を許す。
猿ぐつわを噛まされ、全身を縛られたマリーは、突然死の恐怖に襲われ、泣き出してしまう。元々縛られたい願望はあったものの、初めての経験にショックを受けてしまったのだ。
ロベールはマリーに謝罪し、「綺麗だったよ」と優しい声で告げる。マリーは涙を流しつつも、落ち着きを取り戻していく。
パオロとの浮気、ロベールとの遊戯、マリーは大きな秘密を抱え、まるで生まれ変わったような気分を味わっていた。一方、ポールは何も変わらないままで、孤独を楽しんでいた。
ある夜、暗い道を歩いていると、マリーは怪しい男に声をかけられ、痛々しい暴行を受ける。号泣するマリーだったが、見知らぬ相手に辱められたいという願望があったため、悲しみと悦びが入り混じる感情を抱いていた。
ポールに言えない新たな秘密を抱えたマリー。しかし、もうポールが独りを楽しんでいようと、何をしていようと、彼女は気にしていなかった。
映画『ロマンスX』の結末・ラスト(ネタバレ)
マリーは再びロベールの書斎に訪れ、危ない遊びを始める。ロベールは、箱の中身を探り、マリーを縛るための道具を取り出す。両肘と両手首を縛られたマリーを見て、ロベールは「美しい」と溜め息を漏らした。
ロベールとマリーの関係は不思議なもので、2人は情事の後にレストランに赴き、楽しく食事を摂ることが当たり前となっていた。
帰宅後、いつもは乗り気でないポールが、珍しく積極的になり、マリーに迫る。マリーは、今までの恨みを返すかのように、「私、今夜はそんな気分じゃないの」と言い返す。マリーの挑発は終わらず、「私が男で、あなたが女、私があなたを抱くの」と言い放つと、ポールは激怒し、ベッドから彼女を突き飛ばしてしまう。
その後、マリーが妊娠していることが発覚し、ポールは誰よりもそのことを喜んだ。しかし、その頃からポールの様子が豹変し、毎日酔いつぶれるようになり、マリーを悩ませた。
出産の日、マリーは慌てて病院へ行く支度をする。ポールは1人でベッドに寝ころび、何も手伝おうとしなかった。そんな彼に怒りを感じたマリーは、家のガス栓を開き、そのまま家を出る。
無事出産したマリーだったが、自宅にはガスが充満し、大きな爆発が発生。酔いつぶれて眠っていたポールは、その爆発に巻き込まれ死亡。これは全てマリーが仕組んだことだったが、真相を知る者は誰もいなかった。
映画『ロマンスX』の感想・評価・レビュー
物語序盤のマリーは、ポールに依存していたかのように描かれていたが、ストーリーが展開していくのと同時に、彼女の心に自由が生まれ、彼から自立していく様子を見ることができる。この映画には正義や悪が存在しないが、もし仮に悪役を選ぶのであれば、それはポール一択だろう。彼は最初から最後まで自己中心的に物事を考え、マリーを心身共に追い詰めていた。ラストで、マリーの復讐に遭ったポールは亡くなるが、悲しさは微塵も感じられず、逆に心がスッキリする仕様となっている。(MIHOシネマ編集部)
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