この記事では、映画『地雷を踏んだらサヨウナラ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『地雷を踏んだらサヨウナラ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『地雷を踏んだらサヨウナラ』の作品情報

上映時間:111分
ジャンル:ヒューマンドラマ、戦争
監督:五十嵐匠
キャスト:浅野忠信、川津祐介、羽田美智子、市毛良枝 etc
映画『地雷を踏んだらサヨウナラ』の登場人物(キャスト)
- 一ノ瀬泰造(浅野忠信)
- フリーランスの戦場カメラマン。佐賀県武雄市出身の25歳。明るく人当たりが良く、子供達に人気がある。戦争にて失われる命に深い悲しみを抱きつつ、その真実を撮影し続けアンコールワットを目指す。
- ティム・ヒル(ロバート・スレイター)
- 米国の戦場カメラマンで泰造とは友人。同じ戦場にて駆け回っている。泰造がベストショットを撮影した戦場にて、流れ弾に当たり息を引き取る。戦場カメラマンとして戦場で死ぬのは本望と断言し、ベトナムの土となることを望む。
映画『地雷を踏んだらサヨウナラ』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『地雷を踏んだらサヨウナラ』のあらすじ【起】
1972年4月、カンボジア。戦場カメラマンの一ノ瀬泰造は、音を立てないよう静かに目的の場所へ向かっていた。戦場に於いて、一ノ瀬のような報道記者は中立の立場として攻撃してはいけないという暗黙のルールがある。とは言え、いくら暗黙のルールがあっても銃弾や砲弾が飛び交う中を駆け回るのだから命の補償などどこにもなく、流れ弾に当たればもれなくあの世行きとなってしまう。早々に戦地と化した山野で逃げ惑う泰造。流れ弾が頭部に直撃し一瞬、意識を奪われるもヘルメットのお陰で命拾いした。
そうして命を懸けて撮った写真はUPI通信社へ持ち込まれ、使える部分のネガを渡し相応の収入を得る。当然、苦労して撮影したところで、使える写真がなければ収入は少ない。だが、泰造にはどこか躊躇いがあり、決定的な瞬間を撮れずにいた。同じ戦場には同業者である米国のカメラマン、ティム・ヒルもいる。彼と友人関係にあった泰造は、共に故郷を懐かしみながら毎日、命を懸けて撮影へと臨むのであった。
ベトナム戦争にて戦いが激化するカンボジアには、解放軍武装組織クメール・ルージュがアンコールワットを支配し、捕虜を容赦なく処刑している。その決定的な証拠を撮影した同業者は、カンボジアからの追放と引き換えに1枚の写真で6000ドル稼いだらしい。それを聞いた泰造は、自分もスクープを撮るべく解放軍が聖域と称するアンコールワットへの潜入を考えた。もし、そこでの写真が撮れたなら2万ドルは稼げるようだが、記者は敵とみなされ既に10人以上が行方不明になっていると言う。非常に危険な場所であるが故に、奇跡的に撮影ができたならピュリッツァー賞も夢ではないのだった。
戦場からホテルへ戻った泰造。激化する戦場とは違い、滞在する村はとても長閑で、子供達とも和気藹々と交流。だがそんなある時、流れ弾の砲弾が村を直撃。子供の遊び場でもあったバスへ着弾してしまう。このことで、村は騒然となり子供達は儚い命を散らすことに。愕然とした泰造だったが、それでもカメラを構え悲劇を撮影してしまうのだった。
映画『地雷を踏んだらサヨウナラ』のあらすじ【承】
村にいた子供達は戦争で両親を失った戦争孤児でもある。泰造はアンコールワット攻略戦に従軍させてもらうよう政府軍の部隊長へ懇願。そうして、彼は思わず遠目に見える壮大なアンコールワットを撮影するのであった。しかし、そこへ軍の兵士が現れ撮影の許可は出せないと本部へ連行されてしまう。泰造は軍事機密であるアンコールワットを撮影したとして、銃で脅されフィルムは没収。従軍もさせてもらえなかった。
軍にたてついてしまった泰造は、滞在先に迷惑をかけてしまうことを恐れ、荷物をまとめて村から出ようとする。だが、高校教師の友人は毅然とした態度でここにいても良いのだと言ってくれる。友人の言葉に勇気を得た泰造。話によると、友人の兄も解放軍に参加しているらしく、もし追われて来たとしても匿うだろうとのだった。
その日の夜、泰造は単独で戦地を掻い潜り、アンコールワットを目指した。木陰に身を潜めその場で夜を明かす。翌朝、解放軍の親子兵に発見され捕縛された泰造。引き会わされた隊長らしき人物は、警告だけして今すぐに去れと言う。だが、ここで引き下がるわけにはいかない。友人の兄の名を出し、会わせて欲しいと頼み込んだ。しかし、銃で脅されてしまい、泰造は荷物を持って早々にその場を去るのであった。
逃げる姿を政府軍に目撃された泰造は、またも捕縛され国外追放となってしまう。教師の友人は必死に弁明し庇ってくれたが、銃で脅されてしまえば手を上げるしかない。泰造は必ず戻って来ると約束しカンボジアを去った。
同年、ベトナムのサイゴン市。泰造は日本へ帰国せず、サイゴンのUPI通信社で世話になることにした。
従軍した隊にはティムもおり、久しぶりに挨拶した2人。だが、その直後に砲弾の襲撃が始まりただちに撮影へ。しかし、泰造がベストショットを撮った際、流れ弾がティムに当たってしまう。泰造は衛生兵を必死に呼んだが、ティムは最期の言葉を友に託し息を引き取ってしまうのだった。サイゴンへ戻った泰造は、ティムの行きつけのバーへ向かい彼を偲んでビールを傾けた。
映画『地雷を踏んだらサヨウナラ』のあらすじ【転】
その時に撮った泰造のベストショットはワシントンポストの一面を飾った。だが、戦場で命を落としても何の補償もなく実名も載らず、全てUPI通信社提供として掲載されてしまう。そのことに憤りを感じ、フリーランス記者の立場があまりに軽すぎると主張。だが、それこそがフリーランスなのだと言われてしまえば、反論もできないのだった。
怪我をしても戦場で病気になって命を落としても、全ては自己責任。それがフリーランスである。ただし、制約がほとんどないので自由に撮影することはできる。泰造は様々な写真を撮り提供し続けた。それは、日本の雑誌や新聞にも掲載され、佐賀県の武雄市に住む彼の両親も息子の写真を目にすることで、泰造が頑張っている様子を影ながら応援している。
サイゴン市に部屋を借り、そこを拠点に活動を始めた泰造。そんなある日、ティムの行きつけだったバーに泰造を訪ねて毎日新聞の社員がやって来る。彼から解放軍取材の要請を受けるも、泰造は軍に目をつけられている。そこで、カンボジアへ入るための方法を聞き出し、韓国の弾薬輸送船に乗せてもらうよう交渉。紆余曲折を経て船に乗せてもらうことになった。
姉が祝言を上げるとのことで一時、日本へ帰国した泰造。久しぶりに家族との団らんを楽しみ、束の間の平和を満喫。しかし、彼は姉の結婚式へ参加せず、当日の朝になってベトナムへと向かってしまう。そうして、ベトナムの港にて密かに恋焦がれていたバーのウェイトレスと別れの挨拶を交わし、カンボジアへ出発。彼女は別れ際、必ず生きて帰ってと涙ながらに送り出してくれるのだった。
映画『地雷を踏んだらサヨウナラ』の結末・ラスト(ネタバレ)
輸送船にて2日目の夜、襲撃に遭う。泰造は船上の様子を必死に撮影。翌朝、船はどうにか無事にカンボジア対岸の港へ到着。船長は夜が明けて税関が来る前に泰造を船から降ろしてくれるのだった。川を泳いで対岸へ渡り、先に来ていた毎日新聞の社員と合流。彼の伝手で待望のアンコールワットへ向かうことになった。
予定では出発は翌日と言われていたが、教師の友人が結婚するという手紙を受け取る。泰造は出発を延期してもらうよう頼み、友人のために結婚式へ。そして、彼とその妻の幸せそうな笑顔を何枚も写真に収めた。戦争のため、悲惨で残酷なことが多い中、数少ない幸せで楽しい出来事であった。
しかしそんな時、目をかけていた幼い子供が姿を消したと聞かされる。どうやら近くの村でロケット弾の攻撃が始まったらしい。泰造は必死になって子供を探したが、幼子はなぜか地雷が幾つも埋まっている畑の向こうにいた。子供はとても泰造に懐いており、彼の姿を見つけると一目散に駆けて来る。兵士や泰造たちは必死に来るなと叫んだが、無邪気な子供は地雷を踏んでしまい、無残な死を遂げてしまう。泰造は泣きながら子供の亡骸を抱き、畑を横切るのだった。
翌朝、友人夫婦と会いフィルムと記事を託した泰造。10日以上戻らなかったら、プノンペンへ届けてもらうよう頼む。そして、彼は地雷を踏んだらサヨウナラだと笑って告げ、アンコールワットへの取材に向け出発した。
その後、解放軍の一般兵と出会った泰造は、彼らに握り飯をご馳走し党の人に会わせてくれるよう頼む。2人の兵と共に山道を進むと以前、彼を脅した隊長と思われる人物と会う。すると、隊長は問答無用で泰造を痛めつけ、彼を連れて来た2人の兵士を処刑してしまう。
その後、泰造は数人に囲まれ銃を突き付けられる。そして、国の肥やしになるのだと後ろ手に拘束された。だが、彼は諦めずにアンコールワットの方角を聞き、隙を突いて逃走。奴らは銃を発砲しながら追いかけて来たが、どうにか逃れとうとうアンコールワットへ辿り着くのだった。壮大な遺跡を目にした彼は息を飲み、カメラで撮りたいと口にしたが、荷物は兵士に取り上げられ何も持っていない。すでに追手は背後に迫り、泰造を狙っている。彼は焦燥感に駆られ、叫びながらアンコールワットへと走り出した。
1973年11月22日、一ノ瀬泰造は単身、アンコールワットへ向かい消息不明となる。それから9年後の1982年。アンコールワット近くのプラダック村にて彼の遺体が発見され、両親により確認がされた。泰造の遺骨の一部は今も尚、アンコールワットを望む菩提樹の木陰に眠っている。
映画『地雷を踏んだらサヨウナラ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ベトナム戦争へ一ノ瀬泰造が向かった当時、25歳と若かった。作中では彼がいかに穏やかで明るく人好きのする性格であったかが描かれ、どこへ行っても子供達に囲まれ笑顔を見せる。一ノ瀬泰造を演じた浅野忠信も撮影に臨んだ当時、同じ年であったらしい。故のフレッシュさであり、当時の一ノ瀬を体現できたのかもしれない。
ベトナム戦争により埋められた地雷は今も尚、除去作業は続けられているらしいが、その作業にも子供達が駆り出されていると聞く。フリーランスの戦場カメラマンであった一ノ瀬が見た戦場もまた悲惨で残酷なものであり、故に彼は解放軍の本拠地であるアンコールワットを目指し、戦争を終わらせようと足掻いたのだろうと思う。(MIHOシネマ編集部)
浅野忠信が本物の一ノ瀬泰造に感じられるほどリアルで緊張感があり、身近にある死の恐怖を感じました。
一生平凡に生きていきたいと思っている私は、泰造のように知らない土地を訪れ、何かを感じ、得ると言う前向きな行動をすることはないと思います。と言うか、する勇気がありません。
だからこそ、このような作品で「疑似体験」をしてみたかったんです。
しかし、そこに広がる世界は想像を遥かに超えるものでした。死に対する恐れはもちろんあったと思いますが、あの絶望的な場面でさえもアンコールワットを目指した泰造の勇気に涙が零れました。(女性 30代)
戦場カメラマンとしての使命と、一人の人間としての恐怖や葛藤がリアルに描かれていて胸に刺さった。主人公が危険を承知で現場に向かう姿には強い信念を感じるが、その先に待つ地雷による最期はあまりにも突然で重い。彼が見ていた世界と、私たちが普段見ている日常とのギャップに考えさせられる。死を覚悟しながらシャッターを切る意味とは何なのか、深く問いかけてくる作品だった。(30代 男性)
実話をベースにしているからこそ、最後の結末がより現実的でつらかった。カメラマンとして戦場の現実を伝えようとする姿は尊いが、地雷によって命を落とす瞬間はあまりにも無情。彼が撮ろうとしていた「現実」が、そのまま彼自身を飲み込んでしまう構図に強い皮肉を感じた。観終わったあと、報道の裏側について考え込んでしまった。(20代 女性)
戦争映画というよりも、一人の人間の生き様を描いた作品だと感じた。主人公の軽さや無鉄砲さが前半では目立つが、現地での経験を通して変化していく様子が丁寧に描かれている。だからこそ、地雷を踏んでしまうラストは余計に重く響いた。自分の選択が命に直結する状況の怖さを強く実感させられた。(40代 男性)
戦場の描写がリアルで、観ていて息が詰まるような感覚になった。主人公は決して英雄的ではなく、どこか人間臭さを持っているところが印象的。その分、最後の地雷のシーンは衝撃的で、現実の残酷さを突きつけられる。彼が見たかったもの、伝えたかったものが何だったのかを考えると、胸が締め付けられた。(30代 女性)
この作品は、戦争の恐ろしさだけでなく「伝えること」の意味を問いかけてくる。主人公が命を懸けて現場に立ち続けた理由を考えると、最後の結末がより重く感じられる。地雷を踏むというあまりにも突然の死は、戦場の現実そのもの。安全な場所から情報を受け取る側として、考えさせられることが多かった。(50代 男性)
観終わったあと、静かに心に残る作品だった。派手な演出は少ないが、その分リアルさが際立っている。主人公の無鉄砲さに少し危うさを感じていたが、それが現実となるラストには言葉を失った。戦場の恐怖はもちろんだが、人がなぜ危険を冒してまで真実を伝えようとするのか、その動機に興味を持たされた。(20代 女性)
前半の軽快な雰囲気から一転、後半に向けて徐々に重くなっていく構成が印象的だった。主人公が現場に慣れていくほどに危険も増していき、最終的に地雷によって命を落とす展開は避けられない運命のようにも感じた。現実を伝えるために命を賭けるという選択の重さを強く実感させられる作品だった。(30代 男性)
戦争の現実をカメラ越しに切り取るというテーマが非常に興味深かった。主人公はどこか無邪気さも残しているが、その無邪気さが戦場では通用しないことが徐々に明らかになる。地雷を踏むラストはショッキングだが、決して誇張ではない現実として描かれている点に説得力があった。重い余韻が残る作品。(40代 女性)
映画『地雷を踏んだらサヨウナラ』を見た人におすすめの映画5選
戦場のピアニスト
この映画を一言で表すと?
極限の戦場で、生きることを選び続けた男の記録。
どんな話?
ナチス占領下のポーランドで、ユダヤ人ピアニストが家族と引き裂かれながらも必死に生き延びる姿を描いた実話。破壊された街の中で、食料も希望も失いながら、それでも音楽と生への執念を支えに過酷な日々を乗り越えていく。
ここがおすすめ!
静かな演出の中で描かれるリアルな戦争体験が、観る者の心に深く刻まれる。派手な戦闘ではなく、人間の尊厳や孤独に焦点を当てた点が魅力。主人公の繊細な演技と音楽の力が融合し、観終わった後に強い余韻を残す作品。
ハート・ロッカー
この映画を一言で表すと?
一歩踏み外せば死という、緊張の最前線。
どんな話?
イラク戦争下で爆弾処理班として活動する兵士たちの日常を描いた作品。地雷や即席爆発装置の処理という極限状態の中で、常に死と隣り合わせの任務に挑む彼らの心理と葛藤がリアルに描かれている。
ここがおすすめ!
緊迫感あふれる映像とリアルな音響が、まるでその場にいるかのような臨場感を生む。爆発の恐怖だけでなく、戦場に身を置く人間の感情や依存性にも踏み込んでおり、戦争の別の側面を強く印象づける作品。
フルメタル・ジャケット
この映画を一言で表すと?
人間が兵士へと変わる、過酷な現実の記録。
どんな話?
ベトナム戦争を背景に、新兵訓練と実戦の両面から兵士の変化を描いた作品。厳しい訓練の中で人格が変わっていく様子と、戦場での混乱や狂気が対照的に描かれ、戦争の本質に迫る。
ここがおすすめ!
冷徹な視点で描かれる戦争のリアリティが圧巻。人間が戦争によってどのように変わるのかを深く掘り下げており、観る者に強烈な印象を残す。心理描写の緻密さと演出の鋭さが光る名作。
ホテル・ルワンダ
この映画を一言で表すと?
一人の決断が、多くの命を救う希望の物語。
どんな話?
ルワンダ紛争を背景に、ホテル支配人が避難してきた人々を守るため奔走する姿を描く実話。民族対立による暴力が広がる中、限られた資源と交渉力を武器に、多くの命を救おうとする。
ここがおすすめ!
戦争の残酷さと人間の勇気を同時に描いたバランスが秀逸。極限状況でも他者を守ろうとする姿に心を打たれる。実話ならではの重みと、緊張感あふれる展開が最後まで観る者を引き込む。
プライベート・ライアン
この映画を一言で表すと?
命の重さを突きつける、戦場のリアル。
どんな話?
第二次世界大戦中、戦死した兄たちに代わり唯一生き残った兵士を救出する任務を描く物語。ノルマンディー上陸作戦から始まり、仲間を失いながらも任務を遂行する兵士たちの姿が描かれる。
ここがおすすめ!
圧倒的な臨場感で描かれる戦闘シーンが特徴で、戦争の恐怖と混乱をリアルに体感できる。単なるアクションではなく、命の重さや仲間との絆を深く描いており、観る者に強い感情を残す作品。



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