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映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の概要:福士蒼汰、小松菜奈のW主演で送る、切なく美しい青春ラブストーリー。小説家・七月隆文の原作を、美しいドラマにして再現。時間を超えて、時空を超えて、愛する人に愛を伝える2人の1ヶ月の恋物語。

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の作品情報

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

製作年:2016年
上映時間:110分
ジャンル:SF、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:三木孝浩
キャスト:福士蒼汰、小松菜奈、東出昌大、山田裕貴 etc

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の登場人物(キャスト)

南山高寿(福士蒼汰)
京都の美大に通う20代の青年。5歳の頃に1度池に溺れた過去がある。電車で偶然出会った愛美に一目惚れする。
福寿愛美(小松菜奈)
高寿が一目惚れした20歳の女性。かわいらしく明るい性格で、食べ物にはこだわりがある。とても涙もろい。
上山正一(東出昌大)
高寿の親友で、幼稚園に入る前からの付き合い。高寿が愛美と付き合えるように、恋愛の指南をする。

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』のあらすじ【起】

大学へ向かう京阪電車に乗る“僕”、南山高寿は、吊革に掴まり車窓を眺めていた。だが、ふと視線を別の方向へ向けたとき、高寿はその視線の先にいた女性に一目惚れをしてしまう。

電車を降りた女性の後を追い、意を決して「一目惚れをしました」と声をかけた。携帯電話を持っていなかったその女性・福寿愛美は、はにかみながらも高寿の話を聞く。愛美は電車を乗り違えたため、反対のホームで電車を待つ間、高寿と話をする。

おどおどとしながらも一生懸命話をする高寿だが、電車が来てしまったために2人の会話は途切れてしまう。高寿の「また会えますか?」の問いに、愛美は突然涙を流しながらも、「また明日」と声をかけた。

大学へ行った高寿は、親友で幼馴染の上山に今しがた自分の身に起きた出来事を話す。連絡先を交換しなかった高寿にダメ出しをしながらも、上山はどこか嬉しそうであった。

次の日、高寿は「また明日」と言った愛美の言葉を信じて、同じ時間同じ車両の電車に乗る。だが、愛美には会えなかった。高寿は美大の課題のスケッチをするため、動物園を訪れる。そこで絵を描いていると、背後から愛美が「それ、廊下に張り出されるやつ」と微笑みながら声をかけてきた。

突然の再会に喜ぶ高寿。「どうしてここにいるの?」と問いかける高寿に、愛美は「昨日言ってた」と言葉を返した。そして愛美は、昨日の会話の続きをする。宝ヶ池が高寿のお気に入りの場所だと知ると、愛美は今からそこへ行こうと提案した。

高寿にとって、宝ヶ池は思い出の場所だった。高寿がまだ5歳の頃、桟橋から落ちて溺れたことがあった。愛美はその話を聞いて、自分も5歳の頃に死にかけたことがあると言い、2人はお互いの偶然に微笑み合った。

高寿は勇気を振り絞って連絡先を聞く。愛美はメモ用紙に自身の電話番号を書いて渡した。

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映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』のあらすじ【承】

親友の上山は、連絡先を聞いただけの高寿を再びダメ出しをする。一目惚れをしているにも関わらず、その後の約束もしなかった高寿に対して、今すぐ電話してデートに誘うよう強く申し出る。上山の勢いに押され、高寿は愛美に電話をかけた。コール音にドキドキしながらも、電話に出た愛美に対して驚き、高寿は更におろおろとする。その横で上山が、カンニングペーパーにデートの内容や待ち合わせ場所を指定する。

次の日、授業が終わって急いで帰ろうとする高寿に、すれ違った学友は課題が廊下に貼り出されていたと告げる。高寿は、動物園で描いた自分のスケッチが廊下に貼り出されていたことに幾ばくかの違和感を覚えた。

待ち合わせの時間前、上山にデートのアドバイスを受けた高寿は京都の街を歩き、自分のおすすめの場所や愛美に食べさせたいものなどを物色する。そして愛美と待ち合わせた高寿は、自分のおすすめの場所を愛美に一つ一つ紹介していく。愛美はどれも楽しそうで、2人の笑顔と会話は尽きなかった。

夜になり、2人はイルミネーションの灯っている場所を訪れる。愛美はそこで、高寿とのデートが人生で初めてで、ずっと高寿を見ていたと告げた。運命を覚えた瞬間、高寿は愛美に告白をする。愛美ははにかみ、涙を流して受け入れた。

翌日、高寿は引っ越しのため新居に上山と荷物を運び入れる。そこへやって来た愛美に親友の上山に紹介し、3人は夕方までかかって荷物を運んだ。上山は気を遣って、荷物を入れると部屋を後にした。

荷ほどきの最中、高寿はこれまで呼んでいた「福寿さん」から「愛美ちゃん」に呼び方を変えたいと申し出た。「愛美ちゃん」と「高寿くん」と呼び合うと、愛美は少しだけ涙を浮かべた。

愛美がある段ボールを開けると、中に小箱が入っていた。その箱は、5歳の頃高寿を助けてくれた恩人から渡されたものだと言う。夜遅く、愛美を送るために夜道を歩く高寿は、愛美に手を繋ごうと言い、2人はギュッと手を握った。その最中、愛美は再び涙を浮かべた。

2人は毎日のようにデートを重ね、愛美が高寿の家でご飯を作っている姿を高寿は写真に収める。愛美は夕食にビーフシチューを作り、高寿はその味が実家の味にそっくりだと驚いた。愛美が、隠し味がチョコレートだからと言うと、高寿は「え?」と驚く。そんな話をしたことが、今までに一度もなかったのだ。

以前、動物園のスケッチが廊下に貼り出されることを言い当てたことがある愛美。高寿は愛美に「予知能力があるの?」と聞くと、思いのほか愛美は真剣な顔をして「予知能力があったらどうする?」と聞き返す。高寿はそれ以降、話をはぐらかした。

高寿の家で愛美は、高寿の髪を切る。その途中、会話の流れで高寿は愛美のことを「愛美ちゃん」から「愛美」と呼び捨てにする。愛美は、髪を切りながら「高寿」と返した。2人は何度も名前を呼び合う。そして、愛美がまた涙を浮かべていることを、高寿はからかった。

その夜、映画を見終えた2人は自然と寄り添い、キスを交わし抱き合った。ベッドで横になっていた愛美は、また泣きそうに見えた。

愛美の12時の門限に間に合うように、2人は駅に向かう。ホームで別れのキスを交わした。

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』のあらすじ【転】

愛美を送り、家に戻って来た高寿は愛美がメモ帳を忘れていることに気付く。悪いと思いながらも中を見てみると、1ページ目に今から半月も先の予定が書かれていた。ページをめくっていくと、どんどんと日付が遡っていく。

疑問に思っているところに、愛美から電話がかかって来る。電話に出た愛美は、とても真剣な声で、メモ帳について言及する。困惑している高寿に、愛美は次の日朝6時、大学に「例の箱」を持ってくるように告げた。時計が12時を回った瞬間、愛美の言葉は途切れた。

次の日の朝、大学の教室に向かうと愛美は既に中で待っていた。そして、高寿に愛美は自分が高寿の世界の隣にある世界から来たと告げる。そこでは、高寿の世界と時間の流れが違い、高寿にとっての未来は、愛美にとっての過去であった。

信じられない表情の高寿だったが、愛美は「例の箱」のカギを取り出し、2人は一緒に箱を開ける。中には、高寿と愛美、そして高寿のご両親と映っている写真が入っていた。そして、高寿が10歳の頃に箱を託した人が、30歳の愛美だということも、5歳の頃に溺れた高寿を救ったのも愛美だということを同時に知った。

2人は5年に一度、月が満ちて欠ける1か月の間だけ会える運命だった。更に、愛美が5歳の死に掛けたとき、35歳となった高寿が救ったことも知る。愛美が持っていたメモ帳は、25歳のときの高寿が15歳の愛美に話した内容であった。

高寿にとっては話が飛躍しすぎていて、とても思考が追い付かなかった。理想的で、何もかもがうまくいっていると思っていた。だがそれは、愛美がメモ帳に従って行動していたに過ぎないものだと知り、高寿は自分の気持ちが愛美から離れていくのを知った。

帰り際、高寿は愛美にメモ帳に書かれた内容に従わなくても良いんじゃないかと提案する。2人が今まで一緒に過ごしてきた思い出を愛美が知らないことに、高寿の心が張り裂けそうだった。引き留める愛美に、高寿はひどい言葉をかけ去っていく。

その夜、高寿がコインランドリーで洗濯物を回していると上山がやって来た。元気のない高寿を見て、上山はケンカしたのかと聞き、高寿は「すれ違い」とだけ答える。すると上山は、高寿に月と太陽はすれ違い、同じところを回り決して会えないんだと告げる。それが恋人同士だったら、どれだけ辛いかとも言われると、高寿は皮肉交じりに月は毎年4センチずつ離れていると言った。

上山はニヤッと笑い、じゃあ話し合うのは今だと言い残して去っていった。高寿はふと、愛美と過ごしてきたことを思い出す。愛美はいつも、不思議なタイミングで泣いていた。愛美にとっては、1つ1つが最後だったのだ。愛美は恋人同士から始まり、段々と恋人でなくなり他人行儀にしていかなければならなかった。それでも愛美は笑っていたと言うことを思い出し、高寿は居ても立っても居られず家に走って帰る。

そして、愛美に電話で「ちゃんと乗り越えられたから」と告げる。2人は電話越しで愛を伝え合った。電車が動く始発で、愛美は高寿の最寄り駅にやって来る。迎えに来た高寿は、愛美を見て強く抱きしめた。

高寿の家で、愛美は自分が5歳の頃の出来事を語る。35歳の高寿が救ってくれた、高寿にとっては未来の話、それが愛美にとっての運命の始まりだった。

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の結末・ラスト(ネタバレ)

それから2人は、残された時間を大切に過ごすことにする。毎日メモ帳に従い、京都の色々なところに赴き、思い出作りをする。上山に誘われたバーベキューに2人で参加し、愛美は上山と初めて会うが、会ったことがあるように振る舞う。

上山は愛美と仲直りした高寿を褒め、2人はグータッチをする。帰り道、愛美は覚悟を決めたと高寿に告げ、2人は頑張る同士だとグータッチをした。そして、高寿はおもむろに愛美に愛していると告げた。

次の日、愛美にとっては2日目、高寿にとっては29日目、2人は高寿の実家に向かう。バスを降り、馴染みのたこ焼き屋でたこ焼きを大人買いする。たこ焼きを頬張る愛美の姿に、高寿は過去に出会った恩人を思い出した。

自転車屋を営む高寿の実家では、高寿の父が自転車を治していた。ぶっきらぼうな父親に困惑しながらも、高寿と愛美は挨拶をする。高寿の母は、夕食を食べて行くように勧め、4人は食卓を囲む。そこで、高寿の好物のビーフシチューを食べ、隠し味がチョコレートだと教えてもらった。

愛美が、高寿と父親が似ていると話すと、父親は照れ臭そうに、母親は嬉しそうにしていた。食後、愛美は高寿の家族と一緒に写真を撮る。4人の表情は笑顔だった。

帰りのバス、外を眺めていた高寿はふと「どうして愛美とは家族になれないんだろう」と言う」。そのときの高寿の言葉は震えていた。愛美がつい謝ると、高寿の瞳から堰を切ったように涙が溢れ出ていた。

最後の日、2人は高寿の大学の教室で待ち合わせる。やって来た愛美はどこかぎこちなく、高寿は愛美をモデルにスケッチを始める。愛美をどれだけ愛していたかの思いを込めて。そのとき愛美は、高寿に記憶が鮮明なうちにもっと細かい内容を教えて欲しいと申し出た。

2人の出会いを語りながら、高寿は愛美をキャンバスに描き起こす。愛美との思い出を話していると、高寿は徐々に悟る。自分が今まで楽しかったり苦しかったり色々感じられたのは、愛美がずっと頑張ってくれていたおかげだと言うことを。

夜の12時間際、終電を待っている高寿に、愛美は「楽しかった?」と聞く。笑顔で楽しかったと答える高寿に、愛美は不安を覚えた。これから先愛美は、高寿と恋人同士ではなくなり、他人になっていくのだと落ち込む。高寿は、2人で1つの命だと愛美の手を握りしめながら強く言った。

時計が12時を告げたとき、高寿の目の前から愛美の姿は消えていた。

高寿が25歳、愛美が15歳の頃、高寿は愛美に会いに行く。そして、高校生になったばかりの愛美に、自分が最後の日に描いた愛美の絵を見せる。そこには、高寿に愛されて満ち足りている愛美が描かれていた。愛美は、20歳になったら高寿に会いに行こうと心に誓う。

そして愛美が20歳になったとき、愛美は高寿の大学に会いに行く。そこから、愛美の高寿との生活が始まる。愛美は1つ1つを写真に収めていく。月日が流れるたびに、少しずつ関係が薄くなっていくことに涙を流しながら、それでも大切な思い出を歩み続ける。そして高寿が初めて「一目惚れしました」と話しかけてきた日、愛美は高寿と別れてから電車の中で涙を流した。もう二度と、会うことのない別れだと。

高寿と会える最後の日、愛美はまだ「入居者募集中」になっている、これから高寿が住むはずのアパートを訪れる。鍵のかかっている木製の扉に触れ、「よし」と意気込むと、その足で高寿に会うために京阪電車の駅に向かう。

吊革に掴まり、車窓を眺めていた高寿が、ドア付近で本に視線を向けている愛美を見つけ、恋に落ちた。

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の感想・評価・レビュー

原作の小説と映画では、設定に多少の異なりが見られるが、それでも時間の流れ方が図説されていたり、複線も巧妙に仕上げられていたりと、とても見応えがある。主人公の南山高寿を福士蒼汰が演じるとあって、「南山高寿」がイケメン過ぎないかとの懸念もあったようだが、愛美を演じた小松菜奈同様、驚くほどはまり役で見ていても全く違和感がない。原作を知らない人でも、映画の作り方が分かりやすく、何度見ても切なくなれるラブストーリーである。(MIHOシネマ編集部)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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