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映画『天命の城』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『天命の城』の概要:1963年冬、朝鮮で起きた丙子の役を映画化。清の臣従を拒んだ朝鮮の王、仁祖は清によって攻め入れられ南漢山城へ避難。和睦か交戦かで揺れる内情、厳冬の寒さと飢えを凌ぎ幾つもの策を弄した47日間の籠城戦を描いている。

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映画『天命の城』の作品情報

天命の城

製作年:2017年
上映時間:139分
ジャンル:ヒューマンドラマ、時代劇、歴史
監督:ファン・ドンヒョク
キャスト:イ・ビョンホン、キム・ユンソク、パク・ヘイル、コ・ス etc

映画『天命の城』の登場人物(キャスト)

チェ・ミョンギル(イ・ビョンホン)
和睦派を支持する吏曹大臣。武力よりも言葉を尽くすことで、事の解決に当たろうとする。文官タイプ。非常に潔く冷静で穏やか。普段は寡黙なことが多い。
キム・サンホン(キム・ユンソク)
交戦派を支持する礼曹大臣。言葉よりも武力行使を好む激情家。武将タイプで冷徹な面もある。その反面、臣下や兵士を思いやる厚い志も持っている。
仁祖(パク・ヘイル)
朝鮮王朝第16代王。ミョンギルとサンホン双方の案を公平に採用。愛情深く世子ばかりではなく、国と民を思いやっている。手の平を返し、意見を変えてばかりいる大臣達に辟易としている。
ソ・ナルセ(コ・ス)
鍛冶屋。国や朝廷のためではなく、民のために行動しようとする青年。過去に妻と幼い娘を亡くし、南漢山城へと逃れて来る。あらゆる武器を使いこなす腕前を持っている。
イ・ジベク(パク・ヒスン)
守御使。軍隊長のような存在。謹厳実直で誠実。忠心に厚く名誉を得るよりも、目の前の敵を屠って守ることに重きを置いている。

映画『天命の城』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『天命の城』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『天命の城』のあらすじ【起】

17世紀、北東アジアを巡って明と覇権を争っていた清が朝鮮に臣従を強要。だが、朝鮮は明への義理を理由に抵抗の意を示した。これに不服を覚えた清は1636年12月14日、朝鮮へと大軍を向かわせる。後の「丙子の役」の勃発である。そのため、逃亡先であった江華島への道を絶たれた朝鮮王朝第16代王、仁祖は南漢山城へと逃れることに。その年はいつにない厳冬で、大雪が絶えず降った。

仁祖が山城へ入る頃、和睦を支持する吏曹大臣のチェ・ミョンギルは、清との交渉へたった1人で出向いていた。清側は朝鮮に対し、新たな盟約を結びたいと考えている。しかも、盟約を結ぶ条件というのが、東宮である世子を人質に送れというものだった。
この案に猛反対したのが、交戦派を支持する礼曹大臣、キム・サンホンである。彼が一声を上げると他の大臣も次々に意見を翻し、ミョンギルとサンホンは真っ向から対立することになった。

城内に残っている兵士は掻き集めても1万3千人。12万の大軍を率いる清軍と比べるべくもなく圧倒的に不利。幸い山城は自然の要塞でもあるため、凌げないわけではないが、問題は寒さと飢えである。城内に残された食料も節約したとして、もって1カ月弱。
仁祖は清の要求に思い悩む。ミョンギルは自らが単独で敵陣へ赴き、打開策を探すことにした。

だが、清は世子を送れの一点張り。ミョンギルは死を覚悟で命乞いをしたが、徒労に終わった。おめおめと山城へ戻ったミョンギルに対し、サンホンと他の大臣が徒党を組んで逆臣扱い。仁祖は臣下を叱りつけながら、世子だけは絶対に送らないと宣言。そこで、サンホンは全国の近衛兵に檄文を送り、助けを求めてはどうかと提案した。

早速、檄文を小隊に持たせ山城から送り出した仁祖。ところが、山城に至る山道は全て清軍に押さえられており、襲撃されてしまう。その兵の中には鍛冶屋のソ・ナルセがおり戦闘になった際、銃が古く命中しないことをサンホンへ訴えた。サンホンが朝議で仁祖に訴えると、ナルセを中心に武器の整備をすることになる。その間にも清軍は徐々に包囲網を狭め、山城へ迫っていた。

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映画『天命の城』のあらすじ【承】

銃身を整備したお陰で、命中率が上がり抵抗力も上がる。翌日の戦闘では、敵軍隊長の首を上げ一時、朝鮮軍の士気も上昇するのだった。
だが、山城の民への食糧も行き届かない中、馬も飢え死にが相次ぎ兵士に与えていたむしろを餌にするため、取り上げるという事態が発生。

数日後、見回りにより、晒されていた首が檄文を託した兵のものであることが判明。檄文が届かなかったことが分かる。幸い、手紙が敵軍へ渡ることなく事なきを得たが、包囲網が狭められている中、前回の時とは状況が違い再び檄文を送るには難しくなっていた。

そこで、仁祖は籠城戦を続けるため、食料として馬を何頭か解体することに。
同じ頃、清軍が三田渡へと集結していることが分かる。清の皇帝が来るという話だった。そこで、ミョンギルは正月の贈り物を届けるという名目の元、再び単独で清軍へ向かい偵察して来ると進言。仁祖は彼を疑っている領議政も一緒に向かわせることにした。

ところが、清軍は贈り物を受け取らず、突き返されてしまう。戻ったミョンギルと領議政は、敵軍が城壁を登るためのはしごを作っていたこと、西洋の大砲を所持していたことを報告。サンソンは檄文を送るという案が失敗したことで、ミョンギルの潔さを知り、彼を擁護する側へ回り今は臣下と王が一丸となって城壁を守るべきだと進言。更に北門付近の包囲が手薄のようだとのことで、領議政を中心に先手を打つ案が採用された。

王命により意気込んだ領議政は、守御使イ・ジベクのアドバイスも聞かず精鋭隊を送り出す。ジベクは敵の気配が全くないことを危惧していたが、案の定、精鋭部隊は荒野へ出たところで大砲の雨に晒された挙句、騎馬部隊に襲撃される。状況を見たジベクは領議政の命に背き自軍に退却を命じるも、時すでに遅く貴重な戦力が失われてしまうのだった。

映画『天命の城』のあらすじ【転】

山城の近くまで朝鮮軍が来ていることを知ったサンソンは、檄文を再び送る計画を練った。山城に残された食料は見積もっても正月の15日まで。それ以上はどうあっても持ちこたえられない。失敗を懸念したサンソンは、この案をジベクと仁祖にしか明かさなかった。

サンソンは仁祖から了承を得た後、檄文を届けるという重要任務をナルセに託すことにした。思慮深く武器の操作にも長けた彼なら、どうにか逃げ延びて檄文を届けられるだろうと考えたのである。ナルセはサンソンとジベクに見送られ、ひっそりと出発した。
その日の朝、サンソンはミョンギルの自宅を訪ね、檄文が城の外へ送り出されたことを密かに知らせるのであった。

清軍には清の皇帝がすでに到着し、鎮座している。皇帝は山城を攻め落とすのではなく、自分がいることで中から仁祖が出て来るのを待っていると言う。そうすることで、皇帝としての権威と威厳を天下に知らしめようとしている。そうして、とうとう仁祖へ向けて書状を送り付けた。

その手紙はことごとく仁祖を見下し降伏しろというものだったが、返書の件でまたも朝議が揺れる。仁祖はサンソンに書けと命じたが、サンソンは命乞いをするくらいなら戦って死ぬと言う。その意志を尊重するべきだと進言したのは、なんとミョンギルで彼が返書を書くと自ら進み出るのだった。

その頃、檄文を持ったナルセは一昼夜、追手から山を逃げ回りとうとう朝鮮軍の駐屯地に保護される。檄文は彼が意識を失っている間に、隊を率いる都元帥へ届けられたと聞かされるのだった。

サンソンが秘密裏に檄文を出していたことが明るみに出たことで、大臣達がまたも騒ぎ出す。そんな中、ミョンギルが返書を書き上げて来た。ところが、その内容は清へ降伏するというもので、サンソンとミョンギルは再び討論を展開。誇り高くあれと説くサンソンと、地を這ってでも生きることを説くミョンギル。どちらも間違ってはいないし、どちらを選んでも志一つで歴史に名を遺す王となれる。だが、仁祖にはどちらも選べず苦悩を抱えることに。

映画『天命の城』の結末・ラスト(ネタバレ)

同じ頃、朝鮮軍では檄文について討論がされ話し合いの結果、檄文は受け取らなかったことに。あとは人知れずナルセを屠れば、事が完了する。だが、ナルセは疑り深く暗殺を回避。逃走中に清軍と遭遇したので助かったが、そのせいで朝鮮軍の居場所が知られてしまい、朝方には全滅してしまうのだった。

ナルセが逃走している頃、ミョンギルは仁祖の部屋を訪ねていた。彼は返書を清書し、自らが逆臣の汚名を被ることで王と国を救うことにした。このことは仁祖とミョンギルしか知らず、王も覚悟を決めた様子。ただ一つ、ミョンギルが望んだことは、サンソンだけは決して手放さず、重用して欲しいということだった。彼はミョンギルも認めるただ1人の忠臣だからと。

翌早朝、返書を携えたミョンギルが山城を出発。ところが、返書がないことに焦れた皇帝が進軍を命令したことにより、山城への攻撃が開始される。大砲の音で状況を察したミョンギルは道を急ぎ、山城では激しい交戦が各地で行われた。
ミョンギルは清の皇帝と対面を果たし、涙ながらに攻撃を止めて欲しいと言い募る。仁祖が屈する覚悟を決めたことで、皇帝は気を良くして進軍停止の命を下すのだった。

戦後処理に臣下達が忙しく働く中、サンソンが職を辞してしまった。そこで、ミョンギルは彼の元へ。清の臣下になる条件として、ミョンギルは王を廃位せず都へ戻して欲しい旨と、臣下と民を害しないよう書き綴っていた。皇帝はその条件を飲み、攻撃をやめたのである。サンソンの策は失敗に終わったが、辛抱強く事を成したミョンギルの策は成功したのだ。

朝鮮の王、仁祖は清の臣下へ下ったことで屈辱的な扱いをされ、山城を後にした。そして、清の皇帝の前で臣下の礼を取らされる。それは一国の王としては、涙を呑む行為であった。
同じ頃、山城に残っていたサンソンは、崩壊した自宅で自ら腹を切って絶命するのだった。

丙子の役は47日後の1637年1月30日に終結。50万人の朝鮮人が清へと連行されたが、生き残った民には平穏な暮らしが戻った。

映画『天命の城』の感想・評価・レビュー

今作は丙子の乱に注目し制作されているが、歴史上ここに至るまで清との間に紆余曲折があった。全ては仁祖の身から出た錆びのような結末である。故に、仁祖に対して、民はあまり良い印象を持っていなかったらしい。

作品の肝になるのは、籠城中の交戦か和平かの対立である。ミョンギル役のイ・ビョンホンが静であるなら、対するサンホン役のキム・ユンソクは動。どちらも優れた俳優であり、それぞれに渾身の演技を見せている。中でもキム・ユンソクは交戦を支持しながらも愛情深い面を見せるという難しい役どころをこなし、イ・ビョンホンはさすがと言うべきか、セリフがないシーンでも圧倒的な存在感を放っている。重厚で素晴らしい作品。(MIHOシネマ編集部)

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