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映画『帰ってきたムッソリーニ』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

カルト的人気を博した2012年の映画、『帰ってきたヒトラー』。そんな作品のムッソリーニ版が誕生!ヒトラーとはまた違った方法で現代を征服していく様子が、恐ろしくも興味深い。

映画『帰ってきたムッソリーニ』の作品情報

帰ってきたムッソリーニ

タイトル
帰ってきたムッソリーニ
原題
Sono tornato
製作年
2018年
日本公開日
2019年9月20日(金)
上映時間
96分
ジャンル
コメディ
サスペンス
監督
ルカ・ミニエーロ
脚本
ニコラ・グアッリャノーネ
ルカ・ミニエーロ
製作
マルコ・コーエン
ベネデッド・アビブ
ファブリツィオ・ドンビート
製作総指揮
ダニエル・カンポス・パボンチェッリ
キャスト
マッシモ・ポポリツィオ
フランク・マターノ
ステファニア・ロッカ
製作国
イタリア
配給
ファインフィルムズ

映画『帰ってきたムッソリーニ』の作品概要

2012年に映画化され、そのシュールかつギリギリの内容で大きな話題を呼んだ『帰ってきたヒトラー』。そのムッソリーニ版が今年爆誕!ヒトラーと同じく独裁者であるムッソリーニが、果たしてどのように人心を掌握していくのか。独裁者が独裁者である理由がわかる一本。コメディ映画でありながら、よくよく考えてみるとかなり怖い、決して単なるお馬鹿な映画では終わらない作品。この夏注目の映画。

映画『帰ってきたムッソリーニ』の予告動画

映画『帰ってきたムッソリーニ』の登場人物(キャスト)

ベニート・ムッソリーニ(マッシモ・ポポリツィオ)
イタリアのかつての独裁者。何故か現代のローマに突如として蘇り、再び国を制覇するため動き出す。
カナレッティ(フランク・マターノ)
売れない映像作家。たまたま蘇ったムッソリーニを見つけ、彼のドキュメンタリー作品を作り映像作家として成功しようと企む。
カティア・ベッリーニ(ステファニア・ロッカ)
TV局の新米編集局長。カナレッティが持ち込んだムッソリーニの企画、ムッソリーニ自身に興味を抱く。

映画『帰ってきたムッソリーニ』のあらすじ(ネタバレなし)

ムッソリーニとは、1920年代から1940年代にかけて、イタリアの首相を務めていた人物。そして、時は流れ、なんと独裁者ムッソリーニが現代のローマに突如蘇った!?最初にムッソリーニを発見したのは、売れない映像作家だった。我が目を疑う作家だったが、突如彼の脳裏に妙案が浮かぶ。ムッソリーニのドキュメンタリー作品を制作し、映像作家として一花咲かせようと考えたのだった。それから、行動を共にすることとなったムッソリーニと作家。持ち前のカリスマ性と話術で次々と信者を増やし、確実に人気を獲得していくムッソリーニ。そんなムッソリーニは、再び国を征服しようと企み始める。一方、作家はそんなムッソリーニに次第に恐怖を抱くようになり…?

映画『帰ってきたムッソリーニ』の感想・評価

ムッソリーニの見事なまでの手腕

ベニート・ムッソリーニは、言うまでもなく悪名高い独裁者である。しかし、誰もが独裁者になれるわけではない。かつてのドイツの独裁者ヒトラーも同様であるが、彼らを独裁者と世間に認めさせるなんらかの魅力が彼らにはあるのである。ヒトラーにも、彼を崇拝する忠実な部下がいたと言う。ヒトラーは演説に非常に長けており、その話術で人々を次々と懐柔した。そんな能力が、ムッソリーニにもあるのである。その能力は、現代に蘇っても変わらない。その能力で次々と人心を掌握していき、自らの熱狂的ファンを作り上げていく一連の手腕はまさに見事の一言。感動を覚える一方で、少しの恐怖を覚える一本。

ムッソリーニの名言の数々

ムッソリーニの魅力の一つであるのが、その眼を見張るトーク力。数多く行ってきた演説の中にも高く評価されているものが多く、言葉選びのチョイスもピカイチ。作中にも、『選択に責任を取るリーダーが必要だ』、『政治家が嫌い?私を好きになればいい』など数多くの名言を言い放っている。しかも、ムッソリーニはこれらの言葉を上辺だけでなく、本心から言っているため、聞いている側の心にビシビシと刺さっていく。現代の政治家にはあまり見られない強気な発言、圧倒的なカリスマ力。そんな能力があったからこそ、彼は当時独裁者として長年君臨していられたのかもしれない。聞いていると、あなたも思わずそんなムッソリーニに陶酔してしまうかも?

映画『帰ってきたムッソリーニ』の公開前に見ておきたい映画

映画『帰ってきたムッソリーニ』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『帰ってきたムッソリーニ』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

帰ってきたヒトラー

最新作のベースとなっている2015年の作品。元々は2012年にティムール・ヴェルメシュが発表した風刺小説。ストーリーはまさしく、本作の『ヒトラー』バージョン。アドルフ・ヒトラーは、誰もが知る独裁者の代表格であり、類稀なる話術で次々と人々を魅了していった。最終的には自害したとされるヒトラーだが、なんと、そんなヒトラーが現代に蘇った。技術の進歩が目覚ましい現代に戸惑いながらも、ヒトラーの現代での生活が始まる。そんなヒトラーをたまたま見つけたのが、テレビ会社をクビになったばかりの男、ザヴァツキ。『ヒトラーそっくり』であるその男をキャストとし、自主動画を制作することを決めたザヴァツキだったが…?ヒトラーがカリスマと呼ばれた理由がわかる一本。

詳細 帰ってきたヒトラー

愛の勝利を ムッソリーニを愛した女

ムッソリーニは、イタリアでは知らぬ者はいないほど有名な独裁者。同様な独裁者であるヒトラーも非常に有名であり、彼に関連した作品がこれまでに数多く制作されている。そして、本作はムッソリーニを題材とし過去に制作された作品。ムッソリーニは、イタリアの独裁者でありファシズムの創始者。そんなムッソリーニを、昔から愛し続ける一人の女性がいた。その愛は、ムッソリーニが徐々にファシストに傾倒していき、彼が昔とは変わってしまってもその愛は変わることがなかった。イーダというその、女性は身も金銭も、持てる者は全てムッソリーニに捧げた。しかし、ムッソリーニには正妻がいた。そんなムッソリーニは、徐々にイーダを自分から遠ざけるようになるのだった。

詳細 愛の勝利を ムッソリーニを愛した女

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男

歴史上の人物を主役に描いた作品は数多いが、近年最も成功を収めたのは本作ではないだろうか。第二次世界大戦中にイギリスの首相に就任したウィンストン・チャーチルを主役としており、そんなチャーチルを演じたのは名優、ゲイリー・オールドマン。数多くの俳優に崇拝されている実力派でありながら、これまで無冠だった彼がとうとうアカデミー賞で主演男優賞を手に入れるキッカケになった作品である。第二次世界大戦初期、ナチスドイツの過激な進行によってフランスは危機に陥っていた。ヨーロッパ中の運命は、とある一人の人物に託されることとなった。その男の名前は、英国首相の座に就いたばかりのウィンストン・チャーチル。果たしてチャーチルは、ヨーロッパを守りきることができるのか。

詳細 ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男

映画『帰ってきたムッソリーニ』の評判・口コミ・レビュー

映画『帰ってきたムッソリーニ』のまとめ

独裁政治、存在は知っていても多くの日本人は一度も経験したことがないだろう。ヒトラーなど、歴史上に名を残す独裁者は数多くいる。そして、本作の主人公であるムッソリーニもその一人。歴史を学んでいて、自分はこんな独裁者を信奉するはずが無い、と思っている人も多いに違いない。しかし、実際に現代にもし彼らが蘇ったらどうなるのか。当時彼らを独裁者の位置までに伸し上げたスキルが、現代でも十分に通用することが本作を通じてよく理解できる。もしも、彼らが生まれたのが過去の時代ではなく現代だったら。想像するだけで恐ろしいストーリー。

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