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映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の概要:実在の夫婦の著書、『8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら』に基づく物語。結婚を間近に控え幸せの絶頂の中、突如原因不明の難病に襲われ昏睡状態となった花嫁。結婚の約束だけを糧に8年もの歳月をかけて献身的に支え続けた花婿と家族のもとに訪れた奇跡を描く。

映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の作品情報

8年越しの花嫁 奇跡の実話

製作年:2017年
上映時間:119分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:瀬々敬久
キャスト:佐藤健、土屋太鳳、北村一輝、浜野謙太 etc

映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の登場人物(キャスト)

西澤尚志(佐藤健)
自動車修理工で車一筋の青年。健気な姿勢で婚約者の麻衣と彼女の両親と向かい合い続けた物静かで一途な花婿。
中原麻衣(土屋太鳳)
真っすぐで明るい笑顔が印象的な女性だが、急に発病し昏睡状態となる。婚約者の尚志と家族に支えられる。
中原初美(薬師丸ひろ子)
花嫁、麻衣の母親。苦しむ娘に寄り添いながらサポートしていく。
中原浩二(杉本哲太)
花嫁、麻衣の父親。無骨ながら花婿の尚志への配慮とサポートをしていく。
柴田(北村一輝)
花婿、尚志の勤める自動車修理工場の社長。尚志の変化を見逃さず、心の支えとなる存在。

映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』のあらすじ【起】

ぎこちないながらにリハビリに励む麻衣にカメラを向ける尚志。
二人の出会いは、乗り気になれないまま参加した合コン。それは尚志の職場の先輩・室田に誘われた会だった。自動車修理工の仕事一筋で趣味も車いじりである尚志は、合コンの空気に馴染めず、あまりいい顔をせずにその場をやり切っていた。二次会のカラオケに流れようとする群れから離れ、帰ろうとする尚志を追ってくる麻衣。麻衣はふてくされたような態度を注意しにわざわざ来たのだった。そんな麻衣に対して正直に腹痛に耐えていたことを告白した尚志。誤解が解け、麻衣は二次会に合流するためその場を去りかけるが、「腹痛を和らげられるから」と使い捨てカイロを渡すために戻ってきた。路面電車に乗り帰路につく尚志と手を振りながら見送る麻衣、この日をきっかけに二人は交際を始めるようになった。

デートを重ね互いに理解し合う二人。調理師を目指す麻衣が働くレストランへサプライズのプレゼントを届けに行く尚志と、クリスマスプレゼントにマフラーを贈る麻衣。麻衣側の両親への挨拶も済ませ、尚志は以前プレゼントした中指の指輪と交換に薬指へ婚約指輪を付け替える。意味に気づいた麻衣は喜んでプロポーズを受け入れた。
麻衣が憧れる結婚式場に一緒に訪れたある日、キラキラとした目で結婚式を眺める麻衣を見て、尚志はその場で式場のスタッフに予約をお願いする。仏滅である3月17日をした尚志。それは2人が初めて出会った日を指定していた。麻衣は急展開で進む幸せを実感しながらも、頭痛を訴えていた。
結婚式の準備を進める中で、麻衣は以前二人で訪れた場所の記憶がないと言い出す。そして酷い頭痛を訴える麻衣を病院へ連れて行こうとする尚志を前に、麻衣は半狂乱になる。暴れる麻衣の脳内では、全身に無数の虫がつき、腕が黒ずむような幻影を見ていた。なんとか病院へ連れて行ったが、麻衣の両親とともに見守ることしかできなかった。

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映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』のあらすじ【承】

仕事中の尚志の携帯電話に、麻衣の容体が急変したとの連絡が入る。病院へ駆け付けた尚志が目にしたのは、意識不明のまま昏睡状態になった麻衣だった。このままの状態が続くかもしれないと医者に宣告され、不安な両親を見て困惑を隠せない尚志。その矢先、眠っているはずの麻衣が激しく全身を痙攣させ始める。医者が取り押さえる様子を見ながら、尚志は動揺を隠せずにいた。
出勤前に麻衣が入院する病院へ、片道2時間かけて顔を出すのが日課となった尚志。意識は戻らないままだが、手だけは動く麻衣。尚志は麻衣がいつか目覚めたときのためにと、病床日記として動画を撮り始めることにした。
職場の社長に麻衣の病気が300万人に1人の珍しいものだと伝える尚志。社長の柴田は愛情をもって続けろと励ます。その帰り、式場へ状況を伝えにいく尚志。キャンセルせずに日程をキープしたいと伝えるも前例がないことを理由に式場の担当者は困惑してしまう。
麻衣の病状は変わらないが、尚志と麻衣の両親の日常は進んでいく。卵巣摘出の手術を受けることを麻衣の両親から告白された尚志。励ますつもりで「大丈夫」と言ってしまったが、麻衣の母の初美は「家族ではないからそんなことを言える」と繊細な反応を示してくる。
どんなに天候が悪くともバイクで通う尚志の姿を見守る初美。後日、尚志は麻衣の両親に呼び出され、麻衣のことを諦めるように説得される。呆然とし、両親の言葉を受け止めきれないまま職場へ向かった尚志。尚志の異変を感じた社長は、納品をするために小豆島へ同行するように声を掛ける。スポーツカーのメンテナンス後、クライアントに誘われて島の歌舞伎を見に行くことになった社長と尚志。歌舞伎を見ながらも気持ちが落ち着かない様子の尚志に社長が声をかけると、胸の内をぶつける尚志。応援すると背中を押してもらった尚志は、その足で麻衣の病室へと向かい朝を迎えてしまっていた。その様子を見た初美は尚志の意思を再確認し、「ありがとう」と一言伝え、もう拒むことはしなかった。

映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』のあらすじ【転】

麻衣はまだ目覚めないまま1年が過ぎた。尚志と麻衣の出会いのきっかけを作った職場の先輩・室田の結婚式があり、先に結婚すること謝罪される尚志。

尚志がいつも通り付き添っていると麻衣の意識が戻り、目が開いた。しかし、医師から元の状態に戻ったのではなく、0から環境を理解しなければならないと、辛い宣告を受けた尚志と麻衣の両親。麻衣の意識が戻ったと聞きつけた職場の同僚たちから祝福を受け、実感が湧いてくる尚志。麻衣の小さな変化に両親とともに喜び合う日々が始まる。

車いす移動ができるようになり、リハビリ施設へ転院した麻衣。日々の練習の成果は目に余るほどで、年末には一時帰宅できるまでに回復した。紅白歌合戦を見て曲を口ずさむ麻衣を見て両親とともに顔をほころばせる尚志。

病状が回復するのに相反して、尚志のことは一向に思い出せない麻衣。婚約していたという事実とすっぽり抜けたふたりの記憶に戸惑いを隠せない様子を前に、落ち込む尚志。しかし、麻衣は絶対に思い出したいと伝え、出会いからデートの思い出などノートに記入し始めることにした。後日、3時間だけ外出の許可をもらい、よく待ち合わせをしたスーパーなど母と回ったがやはり思い出せない麻衣。最後に、尚志のアパートに向かいたかったものの門限があり断念する。どうしても諦めきれない麻衣は、ひとりで病室を抜け出し向かっていた。母から連絡をもらい尚志は自分のアパートへ急ぎバイクで向かう。母の予想通りアパートの近くまで来ていた麻衣。雨が降る中で車いすから転げ落ちてしまい、どうしようもない状況を助けに来た尚志。身体に負担がかかったのか麻衣は頭痛を訴え、倒れこんでしまう。その姿は発病時を彷彿させ、尚志は辛さを抑えきれなくなってしまう。

映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の結末・ラスト(ネタバレ)

麻衣を連れ出し、プロポーズした高台へ向かった尚志。困惑しながらも自分のために頑張る麻衣に「もう無理しなくていい」と優しさを込めた別れを告げた。両親の元へ麻衣を送り届け、深々と最後の挨拶をする尚志。ひとりになった尚志は、自分の決断と過去の思い出に涙が止まらなくなる。

思い出と決別するかのように小豆島に移り住んだ尚志。島の修理工として細々と働き始めていた。一方で、麻衣は無事に退院し自宅へ戻った。以前に使っていた携帯電話の暗証番号が思い出せず呆然とする。

麻衣のリハビリは進み、本格的な歩行訓練が始まった。脳の検査をしても経過は良好で、医師から結婚や子供が産めるということを聞かされた麻衣は、驚きを隠せなかった。実は母が手術の際に子供が産める状態で行うことを条件提示したのだった。帰り道、母の車を待っていた麻衣の目には、以前予約していた結婚式場が入り込む。当時からの担当者が麻衣に気づき声をかけるが、記憶がない麻衣は誰かも思い出せなかった。さらに担当者から、尚志は一度も式のキャンセルをせずに麻衣の病状に合わせて翌年の3月17日に予約をし続けていたという事実を聞かされる。それを聞いた麻衣は、自分の携帯電話に「0317」と記念日を入力すると予想は当たり、ロックが解除された。そこには500通以上ものメールに尚志が撮り溜めた病床日記が記録され残っていた。

尚志の思いをすべて受け止めた麻衣は、ひとりでフェリーに乗り小豆島へ向かう。麻衣の姿を見つけた尚志は歩み寄ろうとするが、麻衣は自分から尚志の元へ近寄ることを宣言する。決してすべてを思い出したわけではないが、素直な今の自分感情を伝える麻衣。尚志は微笑み「俺はずっと好きでした」と麻衣の感情を受け止めた。「一緒に歩こう」と提案した尚志は、麻衣を抱えこの先もずっと共に歩むことを誓う。

こうして8年目にして、尚志と麻衣は結婚式を挙げることとなった。手を取り笑いあう二人は新たな命も授かった。

映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の感想・評価・レビュー

健気な尚志と麻衣、この二人の世界に浸り気持ちを動かされたことで大いに涙した一作。新郎側の家族事情は見えないが、病気によって当人以外にも生活は大きく変わってしまうという逃れられない現実も含め、愛情に揺さぶられる120分だった。主演の佐藤健がいい意味で大変地味に演じ切っていることで、より一層物語に入り込みやすかったように感じる。ラブストーリーという概念に納まらない誠実なヒューマンドラマ。(MIHOシネマ編集部)


作られた物語なら、中原麻衣さんが目を覚ましたところで幸せな結末を迎えていると思う。でも、現実は残酷な部分があり、目を覚ましても全てが元通りといかないところが苦しいなと思った。
西澤尚志さんも辛かったと思うが、記憶を失くしてしまった麻衣さんも辛かったと思う。本当に様々な困難を乗り越えて、これからの人生を一緒に歩いて行く決断をした二人が、月並みな言葉だが本当に凄いなと思った。彼らを演じた佐藤健さんと土屋太鳳さんは素晴らしく、迫真の演技というのはこういうことなのかなと思った。(女性 30代)

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