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映画『モンスターズ 地球外生命体』あらすじとネタバレ感想

映画『モンスターズ 地球外生命体』の概要:2010年に公開されたSFモンスター映画。脚本・監督・撮影は新鋭ギャレス・エドワーズ。主演はスクート・マクネイリーとホイットニー・エイブル。ちなみにこの二人はこの映画がきっかけで結婚しています。

映画『モンスターズ 地球外生命体』 作品情報

モンスターズ 地球外生命体

  • 製作年:2010年
  • 上映時間:94分
  • ジャンル:SF、ファンタジー、ラブストーリー
  • 監督:ギャレス・エドワーズ
  • キャスト:スクート・マクネイリー、ホイットニー・エイブル etc

映画『モンスターズ 地球外生命体』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『モンスターズ 地球外生命体』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『モンスターズ 地球外生命体』のあらすじを紹介します。

NASAが入手した地球外生命体のサンプルがメキシコ上空でばらまかれてしまうという事件が勃発。メキシコ一帯を地球外生命体の巣窟と化してしまう。その様子に危機感を覚えたアメリカは、メキシコの半分を危険地帯と認定し、大きな壁で封鎖をして隔離をする事にする。

それから6年後。メキシコでスクープを狙うカメラマンのコールダーは、上司の娘であるサマンサをアメリカ国境まで護衛する任務を要請される。

本来の任務とは外れてしまうものの、莫大な報酬に釣られたコールダーはそれを承諾。二人はアメリカ国境までの旅を始める。しかしコールダーのミスでパスポートとチケットを盗まれてしまい、国境を越える事が不可能になってしまう。二日後にアメリカ軍が国境を封鎖してしまうという期限が迫るなか、二人はモンスターが闊歩する危険区域を縦断する道を選ぶ。

世間知らずで生意気な社長令嬢であるサマンサと、一攫千金を狙う貪欲なカメラマンのコールダー。本来なら出会う事もなかった二人は、危険なモンスターの襲撃を逃れる内に次第に心を通わせるようになっていく。

遂に国境を超えた二人は、任務の完了を祝い最後の抱擁を交わす。だがそこに巨大なモンスターが迫る事を二人はまだ知らなかった……。

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映画『モンスターズ 地球外生命体』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『モンスターズ 地球外生命体』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

いわゆるモンスター映画ではないモンスター映画

「モンスターズ」というタイトルが付けられているものの、この映画は決してただのモンスター映画ではない。いわゆる怪獣が暴れまわるようなパニック映画を期待している人は、肩透かしを食う事は間違いないでしょう。なぜならほとんどモンスターが画面に登場しないからだ。

作品自体が低予算であるという事もあるが(なんと製作費は50万ドル)、スピルバーグの「ジョーズ」のようにあえてモンスターを登場させない事で恐怖を演出しているという作品でもない。そもそもこの監督は、モンスターを描きたくて映画を作った訳ではない。
ではこの映画はいったい何を描いているのか。それは極限状態における男女の恋愛模様なのです。

舞台背景としてのモンスター映画

この映画は主人公たちがメキシコからアメリカへ旅するというロードムービーの形式になっています。当然、道中では様々な事件が起き、主人公たちは成長していく。今作の場合はそれが男女として設定されているためラブストーリー色がかなり強くなっています。

つまりこの映画におけるモンスターの役割とは、あくまで男女の恋愛を盛り上げる背景に過ぎない。それが逆にモンスター映画としては斬新だと思う。

予算がないからモンスターのCGにお金がかけられない。だがその苦境を逆手にとり、あえてモンスターを登場させない方向を選んだ。この英断は評価すべきでしょう。

人を選ぶ通好みの作風

モンスター映画なのにモンスターが登場しない、という所からもわかる通り、今作は非常に人を選ぶ作品になっています。まずこの映画、始まってから一時間が経過してもモンスターが登場しない。パニック映画を期待していた観客にとっては、退屈極まりない展開である事は間違いないでしょう。なおかつ、ようやく登場したモンスターが、凡庸ないわゆるイカ型エイリアンであるという所もガッカリ点である。しかもCGの出来が悪いため、あまりリアルに見えない点もマイナス要素だろう。

だが、そういった点を補っても余りある魅力をこの映画は備えている。封鎖されているメキシコの様子は、現代アメリカの移民問題を鋭くついているし(この映画の政治的要素のさりげなさは「第9地区」を軽く凌駕している)、男女間の揺れる気持ちの描き方は極めて繊細で、ただのSF映画の範疇を超えているだろう。

また、せっかく助かった二人がアメリカ空軍の爆撃により死亡してしまうという、救いのないラストには、皮肉が利いていてニヤリとさせられた。トータル的に見ると、監督が後にハリウッド版「ゴジラ」に抜擢されたのも納得の出来だと言えるだろう。

映画『モンスターズ 地球外生命体』 まとめ

「死ぬまでに観たい映画1001本」という本に選出されている事からもわかる通り、世間的には非常に評価の高い作品です(ちなみに同年代で選出されていたのは「ブラックスワン」や「インセプション」)。しかしインディペンデント映画であり、監督が当時はまだ無名であったため、いまでも陽の目を見ない作品である事が残念。個人的には「クローバーフィールド」や「宇宙戦争」よりも評価されるべき映画であると思うため、もっと多くの人に見てもらいたい作品です。

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