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映画『評決のとき』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『評決のとき』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『評決のとき』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『評決のとき』の結末までのストーリー
  • 『評決のとき』を見た感想・レビュー
  • 『評決のとき』を見た人におすすめの映画5選

映画『評決のとき』の作品情報

評決のとき

製作年:1996年
上映時間:150分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス、ミステリー
監督:ジョエル・シューマカー
キャスト:マシュー・マコノヒー、サンドラ・ブロック、サミュエル・L・ジャクソン、ケヴィン・スペイシー etc

映画『評決のとき』の登場人物(キャスト)

ジェイク・タイラー・ブリガンス(マシュー・マコノヒー)
ミシシッピ州の弁護士。娘を強姦されたカールから「白人は黒人を強姦しても有罪にならないのか」と相談を持ちかけられる。復讐に燃えるカールに復讐はしないよう忠告するも、カールは裁判所で娘を強姦した青年2人とその場に居合わせた警察官に発砲。殺人罪と警官への傷害罪で起訴され、ジェイクがカールの弁護をすることになった。
カール・リー・ヘイリー(サミュエル・L・ジャクソン)
白人青年2人に娘を強姦された父親。かつて兄の弁護をしたことのあるジェイクに相談し、彼に復讐を止められるも裁判所にて青年2人を殺害。そして、その場に居合わせた警官にも発砲し怪我を負わせたため殺人罪、傷害罪で起訴されることとなった。
エレン・ロアーク(サンドラ・ブロック)
死刑反対の姿勢を貫く法学生。この裁判でカールが死刑になる可能性を感じ、ジェイクに裁判を手伝わせてほしいと近づく。ジェイクに過去の判例を渡したり、豊富な知識を武器にジェイクの補佐を務めている。父親は有名な弁護士。
ルーファス・バックリー(ケヴィン・スペイシー)
カールの裁判の担当検察官。次の州知事を狙っており、知名度を上げるため担当することになった。
フレディ・リー・コブ(キーファー・サザーランド)
カールの娘を強姦した青年2人のうちの1人、ビリーの弟。カールにビリーを殺されたことで復讐するため白人至上主義者KKKに近づいてジェイクやエレンを脅かしていく。
ルシアン・ウィルバンクス(ドナルド・サザーランド)
ジェイクの恩師である弁護士。有能な弁護士だが、今は酒浸りの生活を送っている。

映画『評決のとき』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『評決のとき』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『評決のとき』のあらすじ【起】

アメリカ・ミシシッピ州のクラントン。いまだ人種差別が根強いこの地域で、黒人労働者カール・リーの娘であるトーニャが買い物帰り、白人青年2人にレイプされ、激しい暴行を受けてしまう。知らせを聞いたカールはすぐ自宅に戻り娘を抱きかかえるも、トーニャは変わり果てた姿になっていた。トーニャは一命を取り留めたものの、激しい暴行を受けていたため子供を産めない体になってしまう。

カールは以前兄の弁護をしたことのあるジェイクの元へ足を運び、ジェイクに相談する。カールはジェイクと話し、人種差別が根強いこの地域では青年2人が無罪になる可能性があることを知ってしまう。

その後、カールはジェイクに止められるも、裁判所で娘に暴行をはたらいた白人青年2人を射殺。同行していた警察官ルーニーにも発砲し、彼は右足を失ってしまった。

カールは即刻逮捕され、殺人罪と傷害罪で起訴されることになった。ジェイクはカールの弁護をすることとなり、恩師のルシアンを訪ねる。

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映画『評決のとき』のあらすじ【承】

ジェイクは人種差別が根強いクラントンでの裁判は公平さに欠けるため、裁判初日にすぐさま裁判所の変更を裁判長に申し入れるも、却下されてしまう。するとそのとき、誰かがジェイクの椅子に資料を置いていった。その資料とは、以前裁判地変更が許可された判例の資料だった。ジェイクはその判例を使って裁判長に打診し、次回までに裁判地変更の理由を書類にまとめ提出するよう指示をもらう。(その後、やはり裁判地の変更は受け入れられず、クラントンでの裁判が決定)

翌日、法学生のエレンがジェイクに近づき、「昨日の判例は役に立った?」と訪ねてくる。彼女こそがあの判例をジェイクに差し出した張本人だったのだ。エレンは死刑制度に反対の姿勢を取る法学生で、父親は有名な弁護士。彼女はジェイクの裁判を手伝いたいと申し入れ、ジェイクは受け入れることにした。

映画『評決のとき』のあらすじ【転】

カールに射殺された白人青年の1人、ビリーの弟であるフレディは黒人であるカールに兄を殺されたとして復讐するため白人至上主義者の集まりであるKKKに近づく。そして、フレディはクライトンでのKKKの支部長を任され、カールの弁護をするジェイクやエレンに嫌がらせを始めるのだった。

ジェイクの元で働いていた女性エセルの夫は殺され、ジェイクの家には爆弾まで仕掛けられてしまう。危険を察知したジェイクは妻と子供を実家に帰らせ、エレン、ルシアン、そして友人で同じく弁護士であるハリーと協力して裁判の準備を進める。

人種差別が根強いこの地域での人種差別問題を含むこの裁判は話題となり、街全体が白人対黒人で対立が深まっていき、混乱に陥る。裁判所の前でも両者が暴動を起こす騒ぎが発生し、ジェイクも負傷してしまう。

エレンに手当てをしてもらったジェイクは自宅へ帰るが、自宅は放火され全焼してしまう。それでもカールは裁判を諦めることなく、挑んでいくのだった。

法廷でジェイクは、カールは青年2人を殺害した際、心身喪失状態だったと主張するも、敵対する検事ルーファスの巧みな尋問によって殺意を認める証言をしてしまい、廷内は騒然とする。

そのとき、エレンはフレディが率いるKKKに拉致され激しい暴力を受け重症を負ってしまう。ジェイクはエレンの身に起こったことと、これまでの執拗な嫌がらせや脅迫で苦しむも、実家から妻が戻ってきて、ジェイクの信念を理解し、支えていくのだった。

映画『評決のとき』の結末・ラスト(ネタバレ)

最終弁論が近づいたある日、ジェイクはカールと面談する。カールはジェイクに対して、「ジェイクも所詮白人で、ほかの白人たちと同じように自分を黒人としてしか見ていない。友人でもないし、自分の娘を俺の娘と遊ばせるか?」と言い放つ。

最終弁論当日、ジェイクは法廷内にいる人々に目を閉じてもらい、全員の心に語りかけるように話し始めた。「幼い少女が男2人からレイプされ、激しい暴行を受けたため子供を産むことができない身体になってしまった。その少女が白人だと想像してくれ」と全員に訴えかけた。

このジェイクの弁論でカールは無罪を勝ち取った。同時に、ジェイクやエレン、その家族に執拗な嫌がらせをしていたフレディのこれまでの悪行が露見し、逮捕されたのだった。

カールの家ではパーティが開かれ、そこにはカール一家も参加していた。そこではカールの娘とジェイクの娘が一緒に遊び始める。ジェイクはカールに「子供たちが一緒に遊べると思って連れてきたよ」と話しかけ、ふたりは微笑み合うのだった。

映画『評決のとき』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

人種問題について、正義についてとても考えさせられる作品。21世紀を迎えてもなお、人種問題がたびたび起きる現代の若い世代の人たちにもぜひ鑑賞してもらいたい作品のひとつ。冒頭から少女が強姦されるという目を覆いたくなるような描写があるが、現実にもそういった非人道的な事件が発生しているのは事実。そして、この作品のテーマである「白人は黒人を強姦しても無罪になる」といった事例は実際に数えきれぬほどあったと思われる。現代は大幅に改善されて人種間の衝突が少なくなったとは言え、それでもゼロではないのも事実。最終弁論でのジェイクの「被害者が白人だと想像してみてください」というセリフ。この一言には、たくさんの意味が含まれていると見受けられる。人種、民族、国や文化、宗教。人それぞれ異なる部分があるのは当たり前で、それを否定することなく互いに受け入れ尊重することが大切だと痛感させられる作品。(MIHOシネマ編集部)


アメリカ南部の深い闇――それをこれほど正面から描いた映画は少ない。黒人の娘が白人に暴行され、父親が復讐のために加害者を射殺する。彼を裁く法廷は、正義と偏見の狭間で揺れる。マシュー・マコノヒー演じる弁護士の情熱的な弁論は圧巻で、特にラストの「目を閉じて想像してみてください」という演説には鳥肌が立った。法の下の平等がいかに脆く、しかし希望を持てるかを描いた重厚な法廷ドラマでした。(20代 男性)


見終わったあと、胸に重くのしかかる作品。娘を傷つけられた父親が復讐する――その行為は法的には罪だが、人として責められるのか。サミュエル・L・ジャクソンの演技が素晴らしく、怒りと悲しみを同時に抱えた父の苦悩が伝わってくる。法廷シーンでのマシュー・マコノヒーの涙の弁論には、感情が抑えきれなかった。単なる正義と悪の物語ではなく、「人間の正義とは何か」を観る者に突きつける傑作。(30代 女性)


この映画は、法律ではなく“人間の感情”で裁かれる物語だと思う。黒人差別が根深い南部で、父親が正義を貫こうとする姿は痛々しくも誇り高い。白人の弁護士が人種の壁を超えて彼を弁護する姿には、理想主義と現実主義のせめぎ合いが見えた。終盤の陪審員への訴えは、まさに魂の叫び。単なる法廷劇ではなく、社会問題を真正面から描いた社会派ドラマの名作です。(40代 男性)


「もしその子が白人だったら?」――この一言にすべてが凝縮されている。人種差別が蔓延る中で、正義は果たして平等なのか?という問いが最後まで突き刺さる。裁判の緊張感、群衆の暴動、そして父親の静かな決意。全てがリアルで息苦しいほど。ラストで陪審が無罪を下した瞬間、涙が溢れた。希望は小さくても、確かに存在する。人間の尊厳を信じたくなる映画だった。(20代 女性)


この映画は、正義と復讐の境界を問うだけでなく、アメリカの根深い差別構造をえぐり出す。娘をレイプされた父親が銃を取る――その行為の是非を簡単には決められない。マコノヒーの演じる弁護士が、法よりも“共感”で陪審員を動かす展開は感動的だった。正義とは何か、平等とは何かを、観る者に問う作品。今観ても色あせない、社会派映画の金字塔だと思う。(30代 男性)


正義の意味を徹底的に考えさせられる映画でした。サミュエル・L・ジャクソン演じる父親は、娘のために自らの人生を投げ打つ。その愛と怒りがあまりにも真っ直ぐで、観る側の心を打ちます。マシュー・マコノヒーの若さあふれる弁護士役も好演で、理想に燃える姿が眩しい。ラストの評決シーンでは涙が止まらなかった。裁かれるべきは誰なのか、人間の倫理を深く掘り下げた作品。(40代 女性)


最初は単なる法廷劇かと思いきや、物語が進むにつれて人種問題の根深さに圧倒された。白人社会の偏見と暴力の中で、黒人の父親が娘の尊厳を守るために立ち上がる姿は、まさに現代の英雄のよう。裁判の過程で明かされる真実の重さと、それを受け止める弁護士の葛藤が心に響いた。ラストの無罪判決はカタルシスであると同時に、社会の現実を痛感させる瞬間でもあった。(50代 男性)


物語の中心にあるのは“父の愛”。娘を守るために法を越える決断をした男の姿には、善悪を超えた普遍的な感情がある。暴力のシーンは凄惨だが、そこから生まれる父の行動には人間の根源的な衝動が描かれている。マコノヒーの演説シーンでは涙を堪えきれなかった。裁判の勝利は単なる法律上のものではなく、人としての誇りを取り戻す瞬間だった。(30代 女性)


白人と黒人の対立を描いた法廷ドラマの中でも、本作は特に「感情のリアリティ」が強い。正義は誰のためにあるのか? 父親の復讐を非難できる者などいるのか? 観る者にそう問い続ける。マシュー・マコノヒーの弁論は圧巻で、観客をも陪審員にしてしまうほど説得力がある。最後に法廷が静寂に包まれる瞬間、すべての感情がひとつに収束する。心を震わせる人間ドラマ。(40代 男性)

映画『評決のとき』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『評決のとき』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

評決(原題:The Verdict)

この映画を一言で表すと?

落ちぶれた弁護士が“正義”の意味を取り戻す、魂の法廷ドラマ。

どんな話?

かつては優秀だったが、今ではアルコールに溺れた弁護士フランク(ポール・ニューマン)。しかし医療過誤事件の依頼をきっかけに、失われた信念を取り戻そうと奮闘する。巨大な病院と教会を相手に、孤独な戦いが始まる――。

ここがおすすめ!

『評決のとき』と同様、法の正義と人間の良心の狭間で葛藤する弁護士の姿を描いています。派手な演出はないものの、静かに燃える情熱が胸を打つ。ポール・ニューマンの名演と、ラストの余韻の深さは映画史に残るレベルです。

ミシシッピー・バーニング(原題:Mississippi Burning)

この映画を一言で表すと?

人種差別の闇を暴く、実話ベースの社会派サスペンス。

どんな話?

1964年、アメリカ南部のミシシッピー州で、3人の公民権運動家が行方不明になる。FBI捜査官の2人(ジーン・ハックマンとウィレム・デフォー)が調査を進める中で、街に蔓延る差別と暴力の実態が明らかになっていく。

ここがおすすめ!

『評決のとき』と同じ南部を舞台に、人種差別という根深いテーマを真正面から描いた傑作。怒りと悲しみが渦巻く物語の中で、それでも人間の良心を信じる姿勢が胸を打つ。社会の闇を暴く映画として今なお強烈なメッセージを放ちます。

12人の怒れる男(原題:12 Angry Men)

この映画を一言で表すと?

たったひとつの「疑問」が人の命を救う――究極の法廷劇。

どんな話?

殺人容疑で起訴された少年の有罪・無罪を決める12人の陪審員。ほとんどが「有罪」とする中、ひとりの男が「本当にそうだろうか?」と異議を唱える。その一言から、12人の議論は激しくぶつかり合い、やがて真実が浮かび上がっていく。

ここがおすすめ!

『評決のとき』が描いた“法の下の平等”という理念を、極限まで純化した作品。舞台はわずか1室、セリフだけで緊迫感を作り出す構成は映画史に残る名演出。人間の偏見と正義が交錯する瞬間に、誰もが考えさせられます。

フィラデルフィア(原題:Philadelphia)

この映画を一言で表すと?

差別と偏見に立ち向かう、人間の尊厳を描いた法廷ドラマ。

どんな話?

HIV感染を理由に解雇された弁護士アンドリュー(トム・ハンクス)が、不当な扱いに抗うため裁判を起こす。偏見を抱いていた黒人弁護士ジョー(デンゼル・ワシントン)とともに、社会の差別に挑む姿を描く感動作。

ここがおすすめ!

『評決のとき』と同様に、偏見と闘う人々の強さと人間の尊厳をテーマにしています。法廷での緊張感と、2人の絆が深まっていく過程が胸を打つ。トム・ハンクスの演技は圧巻で、観る者すべての心を震わせます。

リンカーン(原題:Lincoln)

この映画を一言で表すと?

理想と現実の狭間で“正義”を貫いた政治家の物語。

どんな話?

南北戦争末期、アメリカ大統領リンカーンは奴隷解放を実現するため、激しい政治的駆け引きに挑む。国家の未来を懸けた闘いの中で、彼は信念と妥協のはざまで苦悩する――。スティーヴン・スピルバーグ監督による重厚な歴史ドラマ。

ここがおすすめ!

『評決のとき』が描いた“正義と倫理のせめぎ合い”を、政治というスケールで描いた作品。ダニエル・デイ=ルイスの神がかった演技が、信念を持つことの重さを教えてくれます。静かで力強い説得力を持つ社会派ドラマです。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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