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映画『鉄道員(ぽっぽや)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『鉄道員(ぽっぽや)』の概要:北海道にある、廃止が決まっている幌舞線の終着駅、幌舞駅。ここの駅長、佐藤乙松は、幼い娘を亡くした日も、愛する妻に先立たれた日も、駅に立ち続け、職務を全うしていた。雪が降る正月の幌舞駅で起こった奇跡を描く、感動作。

映画『鉄道員(ぽっぽや)』の作品情報

鉄道員(ぽっぽや)

製作年:1999年
上映時間:112分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:降旗康男
キャスト:高倉健、大竹しのぶ、広末涼子、吉岡秀隆 etc

映画『鉄道員(ぽっぽや)』の登場人物(キャスト)

佐藤乙松(高倉健)
幌舞駅の駅長。幼い娘と愛する妻を亡くし、孤独に生きる人物。定年間近で、廃線が決まっている幌舞駅の小さな街で、静かに暮らしている。
佐藤雪子(-)
乙松と静江の娘。17年前、生後2ヶ月で亡くなってしまう。
佐藤静枝(大竹しのぶ)
乙松の妻。彼女もすでに亡くなっている。
3人の少女(幼少期:山田さくや、小学校6年生:谷口沙耶香、高校生:広末涼子)
幌舞駅にやってきた少女たち。近所の住職の娘だと言うが、本当は雪子の幽霊で、乙松に17年間の成長を見せていた。
杉浦仙次(小林稔侍)
美寄駅の駅長を務める乙松の同僚。駅が廃止されたあと、ともにホテルで働こうと乙松を誘うが、断られてしまう。

映画『鉄道員(ぽっぽや)』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『鉄道員(ぽっぽや)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『鉄道員(ぽっぽや)』のあらすじ【起】

北海道、幌舞駅。駅長の佐藤乙松は、雪が降り頻る中、今日も駅のホームに立っていた。乙松は来年の春に定年を迎える予定だ。そして、乙松が駅長を務める幌舞駅も、同じ頃に廃止になることが決定していた。寡黙に、そして実直に職務をこなす乙松に、家族はいなかった。17年前、幼い娘はわずか2ヶ月で病死。最愛の妻にも先立たれ、孤独に暮らしていた。2人が亡くなった日も、乙松は職務をこなし、最期を看取ることができなかった。それほど、乙松にとって、鉄道員の職務は、使命にも近いものだった。

正月、同僚の杉浦仙次が幌舞駅にやってきた。彼は美寄駅の駅長で、長年一緒に働いている同僚だった。彼は、幌舞駅が廃止になったあとの乙松を心配し、一緒にホテルへ再就職しようと持ちかける。しかし、乙松はその誘いを断った。今まで鉄道員として職務をこなしてきたため、それ以外の職業に就く自分など想像できなかった。

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映画『鉄道員(ぽっぽや)』のあらすじ【承】

正月、いつも通り業務をこなす乙松の元へ、ひとりの少女がやってくる。少女は人形を抱え、駅にやってきた。正月休みのためこの街にやってきたと話す。しばらくして、少女は帰っていった。しかし、少女は抱えていた人形を置き忘れてしまったのだ。乙松は、その人形を見て、不思議に思った。最近のものではないし、見たことがある。かつて乙松が娘にプレゼントした人形と酷使していたのだ。

その日の午後、少女の姉だという小学6年生の少女が現れた。先ほど、妹が置き忘れた人形を取りに来たという。彼女は人見知りをせず、不器用な乙松に対しても、気さくに話しかけた。彼女は帰り際、乙松の頬にキスをして帰っていった。その様子を見ていた杉浦は、乙松を茶化すが、乙松は嬉しそうにしていた。

映画『鉄道員(ぽっぽや)』のあらすじ【転】

杉浦も帰り、ひとり駅に残っていた乙松。そこへ、高校生くらいの少女が現れた。乙松は「また姉さんかい」と話しかける。彼女によれば、これまで尋ねてきたのは自分の妹達で、彼女らは、近所の住職の孫だという。彼女は鉄道が好きだといい、他に誰もいない駅舎の中で、2人は会話を弾ませていった。さらに、彼女は乙松に鍋を作り、ふるまったのだった。その様子に感極まった乙松は、思わず「このまま死んでもいい」と口にする。

その時、電話が鳴った。乙松が電話を取る。電話の主は、近所の住職だった。乙松は住職に「孫が遊びに来ている」と告げる。しかし、住職は、孫は帰ってきていないという。ではこの少女たちは一体だれなのか。乙松は驚きを隠せなかった。

映画『鉄道員(ぽっぽや)』の結末・ラスト(ネタバレ)

改めて少女の顔を見た乙松は、それまでにやってきた姉妹も含め、その既視感に確信を持った。「雪子か?」乙松がそう言うと、少女は雪子であることを認めた。死んだ雪子が幽霊となって、乙松に17年間の成長過程を見せに来たのだった。少女が持っていた人形も、乙松が雪子にプレゼントしたものだった。乙松は感極まり、雪子を抱きしめる。雪子もそっと微笑み、抱き返した。

やがて雪子は乙松を残して、駅から去っていった。乙松は、毎日書いている日誌を開く。「異常なし」それ一言だけを綴っていた。翌日の朝。駅のホームには、冷たくなった乙松の亡骸が雪に埋もれていた。

映画『鉄道員(ぽっぽや)』の感想・評価・レビュー

雪が降り頻る寒い街で、孤独な男性の身に起こった小さな奇跡。寡黙で、あまり表情を変えない高倉健の演技は、乙松の哀愁を見事に表している。駅を訪れた少女が雪子だと分かった時の、なんとも言えない表情は、乙松の孤独な心を慰めてくれているのがよく分かる。乙松と、彼を支える人達の交流は、人間味溢れる暖かさがあり、感動せざるをえない。(MIHOシネマ編集部)


不器用で物静かに、鉄道員としての仕事をこなす。娘、奥さんを失うことの悲しみは計り知れない。それでも駅に立つ。高倉健さんの醸し出す哀愁は演技を超えています。最愛の人、同僚、知人との関係一つ一つが感動的であり心温まります。ラストは少し神秘的。本当に感動して泣けました。そして、前調べせずに観たので志村けんさんの登場に驚きました。演技というよりコント、でもそれで良いのです。本当に亡くなったんだなぁと寂しさもこみ上げました。いろいろな気持ちで観れる、素敵な作品です。(男性 20代)


大人のファンタジー、鉄道ファンにも響く一本。主役の高倉健は口数少ない実直な仕事人といった「らしい」役どころで王道感が漂う。しかしそれだけで終わらないのが今作。一つ間違うと下世話なファンタジーになってしまうところが嫌みなくまとまっていて好感が持てた。また親友役の小林稔侍の友を思うまなざしの優しさに愛情を感じ温かい気持ちになった。
廃線寸前の駅と定年間近の駅長は日本から消えていく何かを示唆しているのかもしれない。(男性 40代)


乙松を演じた高倉健が彼のイメージにぴったりすぎて、乙松は高倉健なんじゃないかと錯覚してしまうほどでした。
寡黙で不器用な乙松ですが、愛する家族や友人に対する心はとても温かく、雪の降る街の景色と相まってまっさらな気持ちで作品に入り込めた気がします。
雪子が現れたことは、奇跡のようなことですが彼のこれまでの功績や勤勉さを考えると人生のご褒美のような出来事だったのかなと胸が熱くなりました。多くの人に見てほしい日本が誇る傑作です。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー

  1. りかぶん より:

    高倉健さんの鉄道員(ポッポや)がBSでやると…
    ずっと気になっていた作品を前調べなく観ました。
    哀しい結末だったけど、小林稔侍さんとのやりとりは、ほのぼのしていて心温まりました。

    今は亡き高倉健さん、田中好子さん、志村けんさん、それぞれの個性が光った傑作でした。