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映画『女帝 春日局』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『女帝 春日局』の概要:江戸幕府で大奥を築き上げた春日局の半生を描いた作品。権力を欲しいままにした将軍と、将軍の後継問題で勃発する幕府内の抗争。そして、後継を産む役目を担う、大奥にいる女性達。その要にあった大奥の中で、繰り広げられる女同士の戦い。

映画『女帝 春日局』の作品情報

女帝 春日局

製作年:1990年
上映時間:114分
ジャンル:ヒューマンドラマ、時代劇、歴史
監督:中島貞夫
キャスト:十朱幸代、名取裕子、鳥越マリ、草笛光子 etc

映画『女帝 春日局』の登場人物(キャスト)

お福 / 春日局(十朱幸代)
稲葉正成の妻。本名はお福。徳川家康を尋ねるため、京都伏見城に赴いた際、家康に迫られて彼の子供を身篭ってしまう。その後、様々な権力闘争がありながらも、大奥を築き上げた権力者。
民部卿の局(名取裕子)
徳川幕府2代目将軍、家忠の妻お江与の乳母。お江与の産んだ国松こそが正式な跡取りだとし、春日局と対峙する。
大姥の局(草笛光子)
徳川幕府2代目将軍、秀忠の乳母。秀忠の長男の乳母として、お福を推す。秀忠の長男が死産と分かると、お福の子を長男、竹千代とすり替えた。
お江与(吉川十和子)
徳川幕府、2代目将軍、家忠の正室。最初の子を死産してしまう。その後、再度懐妊し、国松を産む。
徳川家康(和歌山富三郎)
徳川幕府、初代将軍。お福が京都伏見城へ来た際、彼女を気に入り、懐妊させる。表向き、竹千代は秀忠の子だが、実際は家康とお福の子。
徳川秀忠(金田賢一)
徳川幕府、2代目将軍。将軍となったものの、実権は隠居している家康が持っていたため彼の死を待ち望んでいる。

映画『女帝 春日局』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『女帝 春日局』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『女帝 春日局』のあらすじ【起】

関ヶ原の合戦で勝利を治めた徳川家康。その勝利に貢献した小早川秀秋とその家臣、稲葉正成に褒美をやるが、2年後に小早川は自害。家臣であった正成は、その後失脚してしまう。

そんな状況を見かねた正成の妻、お福が家康の居城である京都伏見城へ参った。家康に、夫を出世させて欲しいと懇願するが、代わりに床を共にするよう命じた。お福は、夫がいる身であったが、天下の大将軍に抵抗できず、家康と関係を持ってしまう。

お福の家では、元気な子供達が遊んでおり、正成は酒浸りの生活を送っていた。そんな中、お福の妊娠が発覚。長年、正成と夫婦関係のなかったお福は、家康の子であることを確信。堕胎しようとするが、思い留まって帰宅した。家では女中が正成に言い寄り、お福が妊娠して堕胎しようとしていることを暴露していた。お福は、正成に対して「お腹の子は、あなたの子ではない」と告げるも、誰の子かは話さなかった。そして、2人は離縁した。

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映画『女帝 春日局』のあらすじ【承】

江戸城では、徳川秀忠の正室、お江与が懐妊。今まで、産まれてくる子供は女子ばかりだったため、次こそは男子を、と周囲の期待が膨らんでいた。お江与の出産が近づき、江戸城では乳母の候補選びが始まった。そこに現れたのが、お福。子を出産したばかりで、男の子供がいることから、大姥の局の薦めもあり、秀忠の子の乳母となった。

その後、予定より早くお江与の陣痛が始まった。大姥の局、民部卿局も同席して、出産を見守った。しかし、産まれてきた子供は逆子であり、へその緒が首に巻きついていたため、死産となってしまった。次こそ男子を、と期待していた民部卿局は落胆。しかし、大姥の局が猫の耳を噛み、泣き声を皆に聞かせた。猫の泣き声は、産声に似ていることから、皆が元気な子が生まれたと考えたのだ。死産の事実を知っている民部卿局は、これからどうするのか問いただすも、「私に任せてほしい」と言ってその場を立ち去る。大姥の局は、お福の産まれたばかりの子を、死産した子とすり替え、秀忠とお江与の子、竹千代とすることにした。

映画『女帝 春日局』のあらすじ【転】

駿府城で隠居生活を送っていた徳川家康は、老中から現状についての報告を受ける。乳母は、竹千代の食事を、我が子に毒味をさせてから提供するなど、徹底した子育てをしていた。そして、その乳母が、かつて関係を持ったお福だと知った。また、お福が竹千代を秀忠とお江与に会わせていないことを知ると、自分の子かもな、と冗談めいて笑った。

江戸城では、お江与が懐妊したことが判明。産まれた子供は、男子であり、国松と名付けられた。正真正銘、秀忠とお江与の子供が産まれたことで、安心した大姥の局と民部卿局。しかし、表向きは竹千代が長男であり、彼が後継になるのが自然な流れだった。竹千代の出生の秘密を知っている大姥の局は、国松を確実に後継とするため、竹千代の殺害を企てる。竹千代の食事に毒を盛ったが、その瞬間をお福の子供が目撃。彼は身を挺して毒味をし、亡くなってしまった。お福は、我が子が自分を犠牲にしてまで竹千代を守ったことから、必ず竹千代を後継とする決心を固めた。

その頃駿府城では、老中が「竹千代は、お福と家康の子ではないか」と話し始めた。その真偽を確かめるため、家康に使えていた侍女が、お福の元夫、稲葉正成の元へ向かう。正成に、お福の子は正成の子か尋ねると、正成はあっさりと自分の子ではないことを認めた。しかし、お福が浮気するような女ではないことは信じていたため、お福が断れない人物、家康の子ではないかと話した。

その後、家康が病に倒れ、本格的に後継問題が上がってきた。民部卿局は、お福に対して、後継は竹千代ではなく国松を推すことを伝え、お福と子供たちは城から出ていくよう伝えた。しかし、お福はその考えに反対。お江与の最初の男子が死産となり、お福の子とすり替えたことを知っている民部卿局は、お福にその事実を再確認させるも、お福は「何のことか分かりません」と言い放ち、竹千代が自分の子であるとは認めなかった。

後継問題で厄介な存在となってしまった竹千代は、大姥の局に連れていかれそうになる。しかし、お福の侍女が、竹千代を守るため大姥の局を刺し、竹千代を連れて出ていってしまった。侍女によって負傷した大姥の局は、死の床で、「お福には気を付けるように」と言い残し、亡くなってしまった。

映画『女帝 春日局』の結末・ラスト(ネタバレ)

竹千代を連れ去った侍女は、家康のいる駿府城に向かった。家康は病床に伏していたが、竹千代と対面し、自分と似ていることを再認識した。竹千代を追って駿府城までやってきた民部卿局は、竹千代の出生の秘密を暴露し、後継にはふさわしくないと訴える。そして、捕らえられそうになり、自害した。

江戸城では、竹千代の出生に疑問を持っているお江与が、国松を世継ぎとするよう、秀忠を説得していた。そこに家康が到着。秀忠やお江与、老中、そしてお福を集め、竹千代の出生の真偽を確かめた。家康は、駿府城で民部卿局が話していたことを伝え、竹千代は自分の子ではないか、と迫る。しかし、お福は頑なに「竹千代は秀忠とお江与の子である」と主張し、自分の子ではないと言い張った。家康は、お福の言葉を信じたのだ。そして、その後竹千代が正式に後継者に指名され、のちの3代目将軍、徳川家康となった。

映画『女帝 春日局』の感想・評価・レビュー

歴史に詳しくない人でも、名前は知られている春日局。彼女が江戸城に奉公する経緯から、城内で権力を握っていく様は、真の女の強さを感じる。そして、のちに将軍となる竹千代の、出生の秘密は、それまでの常識を覆すものであり、度肝を抜かれた。後継問題で繰り広げられる権力闘争や、様々な思惑、企てなど、人間ドラマとしての面白みも、今作の見どころである。(MIHOシネマ編集部)


女の子戦いって本当に怖いなと思わせる今作。争い事はなるべく避けて生きてきたので、この大奥の時代を生きていなくて本当に良かったなと感じてしまいました。名前だけは聞いた事のあった春日局。彼女がどのようにして大奥を築き上げたのか、彼女の半生と共に描かれた今作ですが個人的には春日局よりもあの有名な徳川家康がただのエロおやじとして描かれていたのに驚きました。
歴史上の知らない部分を真実かは分かりませんが、こうやって勉強できるのはすごく面白かったです。(女性 30代)

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