映画『ナインイレヴン 運命を分けた日』の概要:2001年9月11日、アメリカ合衆国で発生した同時多発テロ。その現場となったワールドトレードセンターでは、偶然乗り合わせた男女5人が、エレベーター内に閉じ込められてしまう。
映画『ナインイレヴン 運命を分けた日』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:ヒューマンドラマ、歴史
監督:マルティン・ギギ
キャスト:チャーリー・シーン、ウーピー・ゴールドバーグ、ジーナ・ガーション、ルイス・ガスマン etc
映画『ナインイレヴン 運命を分けた日』の登場人物(キャスト)
- ジェフリー・ケイジ(チャーリー・シーン)
- 仕事を優先してきたことから、妻から離婚を切り出されてしまった実業家の男性。離婚の話し合いがうまくいかないまま、妻とともにエレベーターに閉じ込められてしまった。
- メッツィー(ウーピー・ゴールドバーグ)
- ワールドトレードセンターで働くビル保全のオペレーター。エレベーター内に閉じ込められた人たちに声をかけ、外の状況を説明する。
- イヴ(ジーナ・ガーション)
- ジェフリーと離婚調停中の妻。いつも仕事ばかりで家庭を顧みない夫に嫌気がさし、離婚を決意していた。ジェフリーと共にエレベーターに閉じ込められてしまう。
- エディ(ルイス・ガスマン)
- ビルの保全技術者。ジェフリー達と共にエレベーターに閉じ込められてしまう。オペレーターのメッツィーと仲が良く、彼女に借金をしている。
- マイケル(ウッド・ハリス)
- バイクメッセンジャーの男性。たまたまエレベーターに乗り合わせ、閉じ込められてしまった。妻と幼い娘がおり、早く帰ると約束をしている。
- ティナ(オルガ・フォンダ)
- ロシア人女性。ジェフリー達の乗るエレベーターに乗り込み、エレベーターに閉じ込められてしまう。年上の男性と不倫関係にあるも、別れようと考えている。
映画『ナインイレヴン 運命を分けた日』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ナインイレヴン 運命を分けた日』のあらすじ【起】
2001年9月11日の朝。ニューヨークのワールドトレードセンター。実業家のジェフリーは、いつも仕事ばかりで家庭を顧みないことから、妻のイヴに見限られてしまい、離婚について話し合っていた。ジェフリーは今後、行動を改めると言ってイヴを説得するも、話し合いはうまくいかないまま、2人はエレベーターに乗り込んだ。
同じエレベーター内には、ビルの保全技術者であるエディ、バイクメッセンジャーのマイケル、ロシア人女性のティナが同乗していた。5人を乗せたエレベーターは、いつも通り何の問題もなく動いていた。しかし、エレベーターが38階あたりに差し掛かると、エレベーターは大きく揺れ、停止した。エレベーター内にいた5人は戸惑い、驚きを隠せないでいた。
同時多発テロが発生した瞬間である。ワールドトレードセンターに飛行機が衝突したのだった。
映画『ナインイレヴン 運命を分けた日』のあらすじ【承】
5人はエレベーターが停止したことで、非常事態が起きていることは理解したが、それがテロだとは気付いていなかった。同じ頃、オペレーターのメッツィーは、テレビ中継で同時多発テロのことを知る。彼女はすぐにエレベーター内と連絡を取り、彼ら5人が閉じ込められていることを知る。メッツィーは、彼らにテロ攻撃があったことを伝えた。閉じ込められた5人は、外の状況が全くわからず、頼りになるのは、オペレーターのメッツェーのみだった。
同じ頃、イヴの母、ダイアンもテレビ中継でテロの事実を知った。彼女はジェフリーとイヴの息子、JJを預かっていた。ダイアンは急いでイヴに電話をかける。イヴがダイアンからの電話を取り、夫のジェフリーも一緒に、エレベーターに閉じ込められていることを伝えた。そして、同じくエレベーターに閉じ込められている人たちの家族に連絡を取ってほしいと伝え、ダイアンは彼らの家族の連絡先を書き留めた。ダイアンは2人の状況を知り、絶望してしまうが、JJを不安にさせてはいけないと考え、JJに詳しい状況は伝えず、きっと大丈夫と励ましの言葉をかける。イヴは電話越しにJJと話し、必ずあなたの元へ帰ると約束をした。
映画『ナインイレヴン 運命を分けた日』のあらすじ【転】
エレベーターに乗り合わせ、閉じ込められてしまった5人は、それぞれに約束があった。ジェフリーはビジネスで成功し、美しい妻と息子に恵まれ、完璧な人生を送っていた。しかし、仕事にかまけているうちに、妻に寂しい思いをさせ、離婚を切り出されてしまった。そのことから、今後は自分の行動を改め、必ずやり直すと約束していた。イヴもまた、自分を心配してくれている息子の元へ、必ず帰ると約束していた。バイクメッセンジャーのマイケルには、妻と幼い娘がいた。彼は、家族に対し、今日は早く帰ると約束していた。ビルの保全技術者エディは、オペレーターのメッツィーに借金をしていた。今まで積み重ねてきた借金を返済するため、今度こそ競馬で勝つ、と自分に約束していた。ロシア人女性のティナは、金持ちの年上男性の愛人だった。しかし、そんな自分の人生を見つめ直すため、彼と別れることを決意していたのだ。
映画『ナインイレヴン 運命を分けた日』の結末・ラスト(ネタバレ)
閉じ込められたエレベーターの中では、それぞれが身の上話をしていた。それまで赤の他人だった5人は、話を積み重ねるにつれ、理解を深めていった。
エレベーター内では、5人で力を合わせ、自力で脱出することを決意。エレベーターのドアを力ずくで開け、壁に穴を開けてフロアに脱出できるようにした。人一人分が通れるほどの大きさの穴を開けることができた。最初にイヴが穴から脱出。しかし、その直後、エレベーターのワイヤーが切れる音がした。イヴは一緒でないと行かないと言うが、ジェフリーは、先に行くように言って、イヴから返されていた結婚指輪を渡した。その後、エレベーターのワイヤーが再び切れ、エレベーター内に残された4人はエレベーターと共に落下してしまう。
落下したエレベーターは、途中で停止。4人はかろうじて生きていたが、崩れた瓦礫のせいで脱出することができなかった。先にエレベーターから脱出していたイヴは、救助活動をしていた救急隊に、4人がエレベーターに閉じ込められ、脱出できないことを伝えた。すぐに救急隊がかけつけ、ひとりずつ脱出させる。最後に残ったジェフリーが出ようとした時、再度エレベーターが動いてしまい、こじ開けたドアからの脱出はできなくなってしまった。イヴはジェフリーを置いて行けないと言うも、ジェフリーに皆を任されたマイケルに半ば無理やり連れていかれた。そして、残った救助隊員がドアからエレベーターの上に移動し、脱出ハッチからジェフリーの手を掴んだ。しかし、再度エレベーターのワイヤーが切れ、ジェフリーと救急隊員は、覚悟を決めたように視線を合わせ、物語は終わりを迎えた。
映画『ナインイレヴン 運命を分けた日』の感想・評価・レビュー
同時多発テロで実際に起こった話。登場人物が少なく、エレベーター以外の描写は少ない。しかし、ほとんどのシーンがエレベーター内であることから、自分も閉じ込められている感覚になり、登場人物への思いが強まっていった。また、エレベーター内と外の世界を繋ぐオペレーターのメッツィーは、閉じ込められた5人にとって、唯一残された頼みであり、観ている立場からも、彼女の活躍は英雄に値すると感じられる。(MIHOシネマ編集部)
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