映画『バンブルビー』の概要:『トランスフォーマー』シリーズのスピンオフ作品。お馴染みのバンブルビーを主人公に、『トランスフォーマー』へと至る始まりの出来事を描いている。18歳のヒロインが誕生日祝いに獲得したビートルは、実は人型に変形するトランスフォーマーだった。
映画『バンブルビー』の作品情報
上映時間:114分
ジャンル:アクション、アドベンチャー、青春
監督:トラヴィス・ナイト
キャスト:ヘイリー・スタインフェルド、ジョン・シナ、ホルヘ・レンデボルグ・Jr、ジョン・オーティス etc
映画『バンブルビー』の登場人物(キャスト)
- チャーリー・ワトソン(ヘイリー・スタンフェルド)
- 18歳の少女。元飛び込みの選手であったが、実父を心臓発作で亡くし引退。その後、実父の車を修理することで、寂しさを紛らわせているが、そのせいで家族とも馴染めない。バンブルビーと出会い、前向きになっていく。
- バーンズ(ジョン・シナ)
- 米軍に所属している少佐。バンブルビーが地球に来た際、戦いに巻き込まれ右の額から頬にかけて傷を負う。トランスフォーマーは全てが敵だと思い込み、バンブルビーを執拗に追う。
- メモ(ホルヘ・レンデボルグ・ジュニア)
- チャーリーの近所に住む同い年の少年。実はチャーリーに恋心を抱いているが、距離を縮められずにいる。偶然、バンブルビーを目撃してしまったことで、チャーリーに協力することになり、信頼関係を深める。
- バンブルビー(ディラン・オブライエン)
- 機体名B-127。オートボットの優秀な斥候だったが、地球に到着後、軍隊とディセプティコンの追手による戦闘で甚大な損傷を負う。チャーリーと出会った当初は記憶セルも損傷しており、記憶喪失になっていた。心優しく、人に近い考え方を持っている。
- オプティマス・プライム(ピーター・カレン)
- オートボットの総司令官。カリスマ性のある人物で高潔な心と正義感を持っている。普段はトラックに変形し移動。地球を守るため、ディセプティコンと戦い続けている。
映画『バンブルビー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『バンブルビー』のあらすじ【起】
惑星サイバトロンでは、反乱軍ディセプティコンとオートボットが激しい戦争を繰り広げていた。だが、オートボットは劣勢に立たされサイバトロンが陥落。オートボットの総司令官、オプティマス・プライムは仲間を脱出させ、有能な斥候B-127に地球へと向かい、情勢を整えるための拠点を設け、敵から地球を守るよう命令するのだった。
地球の米軍が訓練している森へ不時着したB-127だったが、米軍は攻撃されたと思い彼へ反撃。坑道がある広場へ逃げたものの、そこへディセプティコンの追手が現れてしまう。ディセプティコンの攻撃のせいで米軍は全滅。反撃したB-127は音声機能を破壊されつつも、どうにか敵を倒した。だが、度重なる戦闘によりコアシステムが故障し記憶セルにも障害が発生。彼は機能停止寸前に近くのキャンプ地に停車されていたフォルクスワーゲン・ビートルをスキャンし、その身を車に擬態させ機能を停止させるのだった。
1987年、18歳になる誕生日を翌日に控えたチャーリー・ワトソンは母と継父、弟と暮らしている。彼女の現在の趣味は車いじりで遊園地のアルバイトの後、ボートの修理工場へ向かい車のパーツを探す。そんな中、偶然片隅に置いてあったビートルを発見。故障しているようだが、付属のラジオは起動するようだ。
その日は一旦、帰宅し自宅のガレージにて亡き実父の車を修理。だが、自分の腕ではまだ上手く修理ができず、チャーリーは父が生きていたらと寂寥感に襲われた。
誕生日の朝、母からはバイクのヘルメットをもらい、継父からは啓発本をもらったが、現状に不満を抱いているチャーリーにとって、嬉しいプレゼントではなかった。そこで、彼女は昨日、発見したビートルが欲しいと修理工場の経営者へと交渉。すると、経営者は誕生日だからとただで車をくれるのだった。
早速、ビートルの状態を確認して修理。夕方にはエンジンがかかる。彼女は満面の笑みを浮かべ、車で自宅へと帰った。ところが、ガレージへ入れたところで車から何かの部品が落ちる。不思議に思って車の下へ潜ったチャーリー。良く見ると顔のような部分があり、目の部分が突然、青く光りビートルがロボットに変形した。
唖然としていたチャーリーだったが、ロボットは小さく縮こまり隙間にしゃがみこむ。酷く怯えた様子だったため、敵意がないことを示し自己紹介。名前がないようだったので、彼女はマルハナ蜂のような音をさせる彼にバンブルビーという名前をつけるのだった。
映画『バンブルビー』のあらすじ【承】
同じ頃、バンブルビーもとい、B-127がチャーリーによって起動したことにより、彼の救難信号が宇宙へと自動的に発信。それを受信したディセプティコンが2機、地球へとやって来てしまう。
翌朝、人気がない砂浜にて状況を説明する。ロボットに変形するバンブルビーの存在が知られてしまったら、大変なことになる。そこで、チャーリーは自分以外の前ではロボットに変形しないよう約束させ、2人でその練習をした。
2機の金属生命体が地球へ飛来したことを察知したセクター7は、地球に来た目的を聞くことにする。隊を率いるのは以前、トランスフォーマー同士の戦いに巻き込まれ、多くの仲間を失ったバーンズ少佐と科学者だった。2機のディセプティコンは平和維持部隊だと偽り犯罪者捜索のため、協力して欲しいと要請。更に奴らは衛星を使ってバンブルビーを捜索しようと考え、セクター7の基地へと向かった。
一方、バンブルビーはコアシステムの故障と記憶セルに障害が発生していたため、一時的な記憶喪失となっていた。そこで、チャーリーが部位の修理を行うと、オプティマス・プライムからの受信映像が再生されるのだった。
バンブルビーが状況説明をしたいようだったため、ビートルに付属されているラジオを交換。カセットも再生できるようになったため、彼が気に入る音楽を流すことにする。ところが、そこへ近所に住む同年代の少年、メモがやって来る。咄嗟のことでバンブルビーの姿を目撃されてしまい、チャーリーは誤解されないよう慌ててバンブルビーを紹介した。
チャーリーがメモと共にバンブルビーでドライブしていた頃、セクター7ではディセプティコンに協力することにし、通信と衛星システムの使用許可を出す。彼らは優れた技術を持つディセプティコンが目的を遂げたら、破壊してパーツを奪おうと考えていた。
映画『バンブルビー』のあらすじ【転】
前夜にスピード違反で追われたため、バンブルビーに乗車することを控え遊園地のバイトへ向かったチャーリー。その頃、自宅にて暇を持て余したバンブルビーは飼い犬に誘われ、ガレージから家の中へ入ってしまう。見る物、触る物に興味津々のバンブルビー。コーヒーメーカーに触れてコンセントを発見。彼はそうと知らず、コンセントへと指を突っ込んでしまい、セクター7の通信網に引っかかってしまうのだった。
異変に気付いたメモから連絡を貰い帰宅したが、室内は嵐が過ぎ去ったかのような状態である。そこへ、運悪く母と弟が帰宅してしまい大騒ぎになる。そのせいで、母と大喧嘩になったチャーリーは家を飛び出すのだった。
しかし、山道を走っているとバーンズ率いるセクター7の部隊に止められてしまう。危険を察したバンブルビーはチャーリーを守るため、ロボットに変形し逃走。2機のディセプティコンまで現れ、バンブルビーはセクター7による電撃で動きを封じられる。しかも、助けようとしたチャーリーも感電してしまい意識を失ってしまうのだった。
気が付くと自宅のベッドで横になっていたチャーリー。リビングではバーンズが両親に状況説明を行っていたが、バンブルビーを戦争マシンだと言う。チャーリーは断固、否定したが、誰も彼女の言うことを信じない。そこで、彼女は家からこっそり抜け出し、弟に協力を仰ぎメモと共に軍が集結する基地へと向かった。
一方、基地にて拘束され、ディセプティコンにより拷問されていたバンブルビー。投げ飛ばされた拍子にオプティマス・プライムの映像が流れる。その場に同席していた科学者は映像を目にし、ディセプティコンこそが地球の敵だったと気付く。彼はバーンズへと急いで連絡を入れたが、奴らによって殺害されてしまうのだった。
その後、ディセプティコンはサイバトロンへ通信を送るため、付近にある通信塔を検索。バンブルビーを破壊後、飛行機とヘリに変形して基地を飛び去った。
映画『バンブルビー』の結末・ラスト(ネタバレ)
一部始終を目にしていたチャーリーとメモは、急いで電撃銃によるバンブルビーの蘇生を試みる。何度か電撃を与えると、バンブルビーが復活。それと同時にリセットがかかり、システム異常と記憶の修復が行われた。
しかし、そこへバーンズの隊が到着してしまい、バンブルビーを拘束しようとする。その流れでチャーリーに危害を加えられたため、バンブルビーは憤怒し隊を全滅させてしまう。チャーリーはどうにか彼の怒りを解き、ディセプティコンを止めるため、通信塔へ。メモはその場に残り、追手を止めることになった。
その頃、ディセプティコンは通信塔から衛星を使って、サイバトロンへメッセージを送る。惑星は遠方にあるため、通信が終了するまでには時間を要する。
通信塔に到着したバンブルビーとチャーリー。バンブルビーは1機を相手に激しい戦いを展開。そこで、チャーリーは危険を回避しつつ塔を登り、通信を止めようと考える。ところが、そこへ戦闘ヘリに乗ったバーンズが登場。塔に残っている1機のディセプティコンへと攻撃を加えた。
だが、戦闘ヘリがトランスフォーマーに勝てるはずもなく、バーンズは反撃され墜落。幸い、バンブルビーがヘリの爆破を止めてくれたため、助かった。その間、チャーリーは通信塔にて通信を解除。残った1機はバンブルビーとの戦闘へ突入。バンブルビーは捨て身で海との隔壁を破壊し、ディセプティコンを水没させた。
塔の上から事の顛末を見ていたチャーリーは、バンブルビーを助けるべく海へと飛び込む。すると、バンブルビーは彼女を助けるために気を持ち直し、海から上がってくれる。バンブルビーが敵ではないと悟ったバーンズは、2人に逃げろと促すのだった。
夜が明け、橋が見渡せる崖へと辿り着いた2人。バンブルビーは一緒に行こうと誘うが、チャーリーは家族がいるから行けないと断る。2人は互いに別れを惜しみそして、バンブルビーはカマロへと擬態し、チャーリーと別れた。
その後、帰宅したチャーリーは家族との絆を取り戻し、メモとの信頼を深めるのであった。
映画『バンブルビー』の感想・評価・レビュー
『トランスフォーマー』シリーズでも人気の高いバンブルビーを主人公にしたスピンオフ作品。当初、彼が地球にやって来た頃はビートルを擬態していた。シリーズでもそれとなく、ビートルの話が出るが、今作ではスキャンするに至る詳細な経緯が描かれている。
時代背景としては『トランスフォーマー』の20年前の出来事となっており、当時人気のあった音楽と共にストーリーが展開する。一時的な記憶喪失となったバンブルビーが、非常に人間的であるため、愛着が湧く。(MIHOシネマ編集部)
『トランスフォーマー』シリーズの本編の時系列からすると、どう考えても辻褄が合わない作品ではあるがパラレルワールドとしては十分楽しめる。そして、少女とバンブルビーの友情にスポットを絞ったのも良い作用を及ぼして、初見でも家族での視聴でも耐えられる映画になった。
ドラマ『ホークアイ』にも出演するヘイリー・スタンフェルドの飾らない等身大の演技がとても良かった。アクションも迫力があって、気楽に見られるエンターテインメント作品として良作だ。(男性 30代)
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