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映画『ロケットマン(2019)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ロケットマン(2019)』の概要:ロックスター、エルトン・ジョン誕生の秘話を描く伝記映画。彼のド派手な衣装やプレイスタイル、多くのスキャンダルの裏にどんな物語があったのかを紐解く。監督は『ボヘミアン・ラプソディ』のデクスター・フレッチャー。

映画『ロケットマン』の作品情報

ロケットマン

製作年:2019年
上映時間:121分
ジャンル:伝記、音楽
監督:デクスター・フレッチャー
キャスト:タロン・エガートン、ジェイミー・ベル、ブライス・ダラス・ハワード、リチャード・マッデン etc

映画『ロケットマン』の登場人物(キャスト)

エルトン・ジョン / レジナルド・ドワイト(タロン・エガートン)
田舎育ちの内気な少年。音楽好きの父から愛されたいがためにピアノを始める。ゲイであることを母に打ち明けたが、受け入れられなかった。トップミュージシャンの仲間入りをしてからは、酒やドラッグに溺れた。
バーニー・トーピン(ジェイミー・ベル)
作詞家。自分の曲に歌詞を付けるのが苦手なエルトンに代わり、作詞を担当する。エルトンがデビューしてからの50年間、共作は続いている。
ジョン・リード(リチャード・マッデン)
人気絶頂のエルトンを自身のプロダクションに引き抜いたマネージャー。エルトンとは体の関係を持っており、エルトンは本気でジョンを愛していたが、彼にとってエルトンは仕事の道具でしかなかった。
シーラ(ブライス・ダラス・ハワード)
エルトンの母。エルトンの実父スタンリーと離婚し、浮気相手だったフレッドという若い男性と再婚する。息子のスキャンダルやゴシップに耐えられず国外へ引っ越した。

映画『ロケットマン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ロケットマン(2019)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ロケットマン』のあらすじ【起】

心に不安を抱える人々が集うグループセラピーに、ステージ衣装のエルトン・ジョンが乱入した。彼は自分がアルコール依存症、コカイン中毒、セックス依存症、買い物依存症、癇癪持ちであることを告白。現状を良くしたいと願う彼は、どんな子供時代を過ごしたかと聞かれ、過去を振り返る。

レジーと呼ばれたレジナルド・ドワイト少年は、父親からの愛に飢えていた。音楽が好きな父、スタンリーに認めて貰おうとピアノの練習をするも、一切見向きはされなかった。それでもひた向きに音楽を勉強したレジーは、幼くして王立音楽院でレッスンを受けられる程の力を付けた。

レジーは、初めて聴く曲を楽譜無しで演奏できるようになっても尚認めてくれない父親に絶望した。さらに、母シーラの浮気が原因でスタンリーが出て行ってしまい、レジーは祖母へ「別な人間になりたい」と泣き付いた。

ロックと出会ったレジーは、新しい父親、フレッドの髪型を真似、シーラとフレッド、祖母に連れられ訪れたパブで演奏を始めた。成長したレジーは、家族からの応援の甲斐もあって、ソウルミュージックのプロモーターからバックバンドのオファーを受けた。

バンドのツアーにピアニストとして同行したレジーは、ボーカルを務めていたロドニー・ジョーンズと出会い、名前を変えて活動することを提案された。その日からレジーは自らを「エルトン・ディーン」と名乗った。

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映画『ロケットマン』のあらすじ【承】

アーティスト募集の広告を見つけたエルトンは、早速エージェントのオフィスを訪れた。彼の即興の曲に感動したエージェント、レイ・ウィリアムズは、エルトンにフルネームを聞く。エルトンはオフィスに飾ってあったビートルズのポスターが目に入り、咄嗟に自身を「エルトン・ジョン」と名乗った。ウィリアムズはエルトンに歌詞を付けて来いと言い、作詞家のバーニー・ドーピンを紹介した。

バーニーとエルトンはすぐに意気投合した。バーニーは彼の曲を聴くとスラスラと歌詞を書き、エルトンもまた、バーニーが持って来る歌詞を見て曲を作った。毎日のように朝から晩まで音楽と向き合った2人は、ウィリアムズのボスであり社長のルルに新曲を披露した。

曲を聴いたルルは2人に同居を命じ、新たに「老人が口笛で吹ける程の名曲を書け」と依頼した。引っ越した先で、エルトンは管理人のアラベラと交際したが、エルトンと親交を深めていたロドニーは彼がゲイであることを見抜いており、「ロックに生きろ」とアドバイスをした。エルトンがアラベラにゲイであることを告白すると、バーニー諸共アパートを追い出されてしまった。2人は、エルトンの実家で作曲する生活を始めた。

ルルに新しい曲を聴かせると、彼はハリウッドのトルバドールでデビューライブをすることを決めた。「ロンドンから来た新星」としてライブを行ったエルトンは、一夜にしてアメリカ中から注目されるようになり、一気にスーパースターへの階段を駆け上がった。

エルトンの可能性に目を付けたジョン・リードは、彼と一夜を共にして心を奪い、専属のマネジメント契約を結んだ。

映画『ロケットマン』のあらすじ【転】

デビューから2年で億万長者になったエルトンは、ジョンのアドバイスを受け、ライブだけでなく生活も派手になっていった。ジョンは、世間に2人の関係がバレたら終わりだとエルトンに告げ、彼の両親には本当のことを告げるよう促した。

エルトンがスタンリーの元を訪れると、彼は新しい家庭で息子達に愛情を注いでいた。エルトンはゲイであることを打ち明けられず、自分には決して向けられなかった父の眼差しを目の当たりにしてショックを受けた。

エルトンがシーラへ、電話でゲイであることを伝えると、彼女は「一生独りぼっちで愛されずに終わる道を選んだ」と彼を見放した。本当の愛を得られないエルトンは、バーニーにきつく当たってしまう。

シーラに本当の自分を受け入れられず、最愛のジョンとも喧嘩別れしたエルトンは、コカインと酒に溺れるようになった。薬物で錯乱した彼は、ホームパーティの最中プールに飛び込み自殺を図ったが、すぐに助けられ一命を取り留めた。

エルトンの破天荒な振る舞いに愛想を尽かしたバーニーは、一時的に田舎へと帰った。

映画『ロケットマン』の結末・ラスト(ネタバレ)

エルトンは、唯一自分の内面を理解できたミキサーのレナーテと結婚したが、女性を抱くことができずすぐに離婚した。シーラとフレッドは、スキャンダルの絶えないエルトンに付き合いきれず、国外へと引っ越してしまった。

エルトンの元に戻って来たバーニーは「自分を大切にしろ。助けを求めてもいいんだ」と救いの手を差し伸べたが、エルトンは彼の善意を拒絶。2人は本当に決別してしまった。

いよいよ薬物から離れることが困難になったエルトンは、ついに肺感染症で倒れてしまう。しかし、ジョンは公演を中止するどころか追加した。ジョンにも自分にもうんざりしたエルトンは、ステージ衣装のままライブ会場の額やから逃げ出し、精神病院へと駆け込んだ。

自分の半生を語ることで過去にケジメをつけたエルトンは、病院へ見舞いに訪れたバーニーと昔のように会話をした。バーニーは歌詞を置いて病院を去り、エルトンは彼の言葉に曲を付け、依存症から立ち直ることができた。

エルトンはその後28年間禁酒を続けており、現在は夫のデヴィットと共に2人の息子の育児に専念している。

映画『ロケットマン』の感想・評価・レビュー

アーティストが派手なステージ衣装を纏うようになった先駆け、エルトン・ジョン。彼の少年時代は、恐らくナイーブな内容になると思っていたが、本作では彼のヒット曲に絡めてエピソードが展開されているので非常に観やすかった。

ボヘミアン・ラプソディ』からあまり間を置かずに公開された伝記映画であるため、どうしても二番煎じ感は否めない。しかし、エルトン・ジョン好きには堪らない衣装やステージ、名曲の誕生秘話などが盛り沢山で見応えは非常にあった。(MIHOシネマ編集部)


天才と称されたエルトン・ジョンの半生が描かれています。自身の容姿にコンプレックスを抱き、親の愛情で満たされなかった青年時代を経て、エルトンは世界的なヒット曲を量産し賞賛を受けます。それでも彼の人生は満たされることはありませんでした。自身の愛に迷い、破滅に追いやられる姿まで描き切られています。彼を築いた環境が真っすぐ表現されるも、淡々とではなくミュージカル調で上手な構成で、非常に見応えがあります。才能が商売により振り回されるも、それでも立ち上がるエルトンの姿に勇気をもらえます。(男性 20代)


エルトン・ジョンの半生が彼の曲の歌詞とマッチするように描かれている部分もあり、ストーリーが切なく響いてきた。アルコールと薬物に支配される痛々しいエルトンも、シンガーとして魅力的なエルトンもどれも本物だった。

『キングスマン』が好きだったからこのキャスティングは最高だ。「goodbye yellow brick road」の曲とシーンが好きすぎて何回も聴いたし何回も観た。そしてこれからも聴き続ける。(女性 20代)


エルトン・ジョンは何曲か聴いたことがあるだけで、派手な衣装でステージに立つことも知りませんでした。「エルトン・ジョン」の「ジョン」はジョン・レノンから取ったこと、ザ・フーの『ピンボールの魔術師』をカバーしていたことなど、意外な事実を知ることができて興味深かったです。

ストーリーに関しては、彼の半生があまりに孤独で辛くなりました。現在は幸せに暮らしているようですが、多くの人を魅了している裏であんな苦悩を抱えていたのかと思うといたたまれなくなります。重い気持ちになる部分が多かったのですが、「Your Song」が出来上がるときにその場にいたみんなが聞き惚れているシーンはとても感動的でした。(女性 40代)

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