映画『スルース』の概要:1972年製作の「探偵スルース」をマイケル・ケイン&ジュード・ロウ主演で2008年にリメイクした作品。ほぼ2人芝居の形式で傑作サスペンスが甦ります。シェイクスピア劇の演出に定評のあるケネス・ブラナー監督作。
映画『スルース』 作品情報
- 製作年:2007年
- 上映時間:89分
- ジャンル:サスペンス
- 監督:ケネス・ブラナー
- キャスト:マイケル・ケイン、ジュード・ロウ etc
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映画『スルース』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『スルース』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『スルース』のあらすじを紹介します。
犯罪小説家アンドリュー・ワイク(マイケル・ケイン)の館を訪れた、俳優マイロ・ティンドル(ジュード・ロウ)。マイロは、アンドリューの妻マギーと不倫中。離婚してほしいとアンドリューに話すが、彼はすんなり承諾せず、離婚の条件として、時価100万ポンドの宝石を盗んで欲しいと言う。
最初は罠だと思ったマイロだったが、マギーとお金が手に入るチャンスだと言われ、宝石を盗みだすことに。
ゲーム1:「時価100万ポンドの宝石を盗み出せ!」
マイロは、アンドリュー・ワイクの口車に乗せられて、天井から侵入。だが、非常用の梯子が下りてこない。やっとの思いで、2階にたどり着くが、アンドリューのシナリオどおり、宝石を盗み出したのち銃弾に倒れてしまう。
ゲーム2:「ブラック刑事の活躍」
マイロが失踪した3日後、アンドリューの屋敷にブラック刑事がやってきます。彼は、アンドリューにマイロとの関係を問いただす。否認するアンドリューに銃を向けて、脅す。”死体はどこに隠したんだ?”と。宝石を手に入れたブラック刑事の正体はマイロだった!
ゲーム3:「最終デス・ゲーム」
”君みたいな魅力的な泥棒は初めてだよ”とマイクを称賛するアンドリュー。そして、2人はゲスト・ルームから寝室へ。狡猾な老作家は、自分の金を自由に使わせてやる代わりにこの部屋に住まなければならないと条件を付けた。”マギーは?””マギーは放っておけ”と笑う。
狡猾な老作家は狂っているのか。途中、アンドリューの妻・マギーから屋敷へ向かうとの連絡を受けた。その直後、マイロは黒いコートを翻して2階の手すりから落ちて死ぬ。
映画『スルース』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『スルース』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
2人の心理戦~狡猾な老作家VS売れない俳優
ジョセフ・L・マンキウッキ監督の「探偵スルース」(72)を新たにマイケル・ナイン&ジュード・ロウ主演でリメイクした作品です。1972年のオリジナル版「探偵スルース」では、ローレンス・オリビエ&マイケル・ナインが主演。本作「スルース」では、マイケル・ナインが老作家役を、ジュード・ロウが俳優役を演じています。
ほぼ2人芝居の形で進んでゆくので、まるで舞台を観ているかのよう。後半には少し飽きてきます。しかし、現代風のおしゃれな内装や2人用のエレベーターなど雰囲気や美術はとても凝っていて美しい。老作家のおもちゃ箱みたいな館で、一体何が起きるのかわくわくします。特に老作家を演じる、マイケル・ケインの存在感といやらしさが際立っています。
犯罪作家らしく、売れない俳優で妻マギーの愛人、マイロを周到に追い詰めるのですが、寸前で手を緩めてしまう点が憎めないところ。一方、売れない俳優マイロは色気と無鉄砲さがあり、愛人マギーとの結婚を夢見る一途さが特徴。見方を変えれば、浮気相手マギーとその夫に踊らされているだけなのかも。物語の前半、ゲーム1までの展開は興味をそそります。
ところが後半の2ゲーム以降になると、展開が読める上にどちらかが犠牲になるだろうと容易に予測がつきます。派手な映画が多いなかで、ワン・シチェーション、ロング・ショットの多用というシンプルな形式では観客を楽しませるのは限度があると思います。例えば、老作家が売れない俳優と手を組み、マギーに復讐するといった物語なら現代的で面白いのではないでしょうか。
現代の光源氏!ジュード・ロウの魅力
ジュード・ロウは脇役から主役までこなし、少ない出番でも強烈な存在感を残す俳優です。また浮名も多く流し、「アルフィー」(04)で共演した女優シエナ・ミラーと婚約・破局したりと話題に事欠きません。最近では、元恋人に子供が出来て、(これで5人目!)別れているものの、子供の面倒などはこれからもみてゆくそうです。そんなところが光源氏みたい。どの人にも分け隔てなく愛情を注いでゆくのでしょう。
これからもそんなジュード・ロウが見逃せません。さて、ジュード・ロウの代表作といえば、「太陽がいっぱい」をリメイクした「リプリー」(99)。前半しか出演はないものの、不良息子デイッキー役を演じ、主役を喰うほどの存在感を魅せつけました。共演者は、マット・ディモン、グイネス・パルトロウなど。共演者がこんなに豪華ではなかなか目立つのが難しいですよね。
脇役でこそ輝く稀有な才能と色気を持つところが魅力。「リプリー」以外には、「コールド・マウンテン」(03)のインマン役やウェス・アンダーソン監督の「グランド・ブタペスト・ホテル」(14)の作家役で活躍。特にダメ男やコメディをやらせたら素晴らしいのです!最新作は、「ブラック・シー」(14)。潜水艦が舞台の海洋サスペンス。2015年8月15日から新宿武蔵野館などで公開中です。
私の一番好きな映画である『アルフィー』。マイケル・ケインとジュード・ロウは主人公のアルフィーを演じた2人で、私の大好きな俳優でもあります。それだけでも期待値が上がってしまった今作ですが、ストーリーもとにかく最高で文句なしの作品でした。
マイケル・ケインは優しいけど行動力のある、頼りになるおじいちゃん的な役どころが多いですが、今作の場合はかなりクセのある老作家を演じていて、行動も考えていることも読めないんです。彼に対抗するジュード・ロウの純粋なキャラクターもすごく素敵でこのまま2人が仲良くなってしまえばいいのになんて感じてしまいました。(女性 30代)
映画『スルース』 まとめ
一味違ったサスペンス映画が楽しみたい人に「スルース」はおすすめです。濃厚な心理劇に引き込まれ、ジュード・ロウのセクシーさやマイケル・ケインの存在感に圧倒されます。欲をいえば、予測のつかないストーリーだともっと楽しめたかもしれません。見どころは、前半の1ゲーム。そして2ゲームの最後で、ブラック警部の正体を明かすシーン。絶対、ジュード・ロウだよねと分かっていても面白いと思いました。
またジュード・ロウは、マイケル・ケイン主演作に関心があり、「アルフィー」(04)という作品でも、ジュード・ロウ主演でリメイクしています。役者だけでなく、製作として映画に関わるなど活動を拡げています。筆者は、ジュード・ロウが脇役で出演している作品に出会うのが楽しく、意外な役を見つけるのにハマッています。例えば、「ヒューゴの不思議な発明」での父親役など、ほんの一瞬しか出ない役でもいいのです!
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