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映画『マーウェン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『マーウェン』の概要:ヘイトクライムの被害に遭い記憶を失った男性が、治療の代わりに架空の村をミニチュアで作り創作活動を介して回復していく様を追う。実在するイラストレーター・ミニチュア模型写真家の実話に基づく一作。

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映画『マーウェン』の作品情報

マーウェン

製作年:2018年
上映時間:116分
ジャンル:ファンタジー、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:ロバート・ゼメキス
キャスト:スティーヴ・カレル、レスリー・マン、ダイアン・クルーガー、メリット・ウェヴァー etc

映画『マーウェン』の登場人物(キャスト)

マーク・ホーガンキャンプ / ホーギー大尉(スティーヴ・カレル)
イラストレーターとして活躍していたが、酒の場で自分の嗜好を語ったことが原因ヘイトクライムの犠牲となった過去を持つ。事件以前の記憶を失い、空想の世界に没頭しながら現実と向かい合う。
ニコル(レスリー・マン)
マークの向かいの家に引っ越してきた女性。とても心優しく、マークの特殊な嗜好にも共感してくれる存在。マークの恋愛感情に気付き、拒絶してしまう。
デジャ・ソリス(ダイアン・クルーガー)
マークの作った「マーウェン」という仮想世界で恐れられる魔女。ホーギー大佐(マーク)に好意を寄せる女性を追い払おうとする存在。
ロバータ(メリット・ウェヴァー)
マークがよく通うフィギュアショップの店員。密かにマークに好意を寄せているが、相手にされずにいる。現実世界でマークを支える存在の一人。

映画『マーウェン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『マーウェン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『マーウェン』のあらすじ【起】

第二次世界大戦中、アメリカ軍パイロットのホーギー大佐の乗った軍機はドイツ軍の攻撃で撃墜されてしまった。運よく命は助かったホーギー大佐は、ドイツ軍の車の近くに落ちている一つのバッグを見つける。その中にはフリルの女性用下着とハイヒールが入っていた。おもむろにハイヒールを履いたホーギー大佐は気に入ってしまい、そのまま草むらを進む。ドイツ軍と遭遇しホーギー大佐は袋叩きにされそうになるが、女性軍のウェンディ達に助けられるのだった。…ここまではマークの作り上げた空想で、3年かけて撮影した物語である。

撮影に使うフィギュアを大切に扱うマーク。特に崇拝しているのはデジャという青髪のフィギュアである。向かいに女性が引っ越してきた様子を一緒に見守った。ヘルパーのアナが訪ねてきて栄養状況や薬の過剰摂取がないか確認をする。アナはマークをアーティストと呼び、フィギュアを使った作品の個展を開くように促すのだった。実はマークは過去に大きな事件に巻き込まれ、リハビリを要す怪我を負っていたのだ。

マークはフィギュアの世界を「マーウェン」と名付けている。ホーギー大佐は、女性軍にエルザという女性を紹介した。そこへドイツ軍の襲撃があり、惜しくもエルザは命を落としてしまった。守れなかったことを悔やむホーギー大佐の前に、デジャが現れ愛を囁く。そしてエルザの姿を消すのだった。その一連の様子を見ていた女性軍は、ホーギー大佐に近づきすぎるとデジャの報復があるのではないかと予測し始めていた。

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映画『マーウェン』のあらすじ【承】

マーウェンの撮影に没頭したマークは、弁護士からのメッセージで現実に引き戻される。それは、マークを暴行した犯人に関する裁判に出て欲しいというものである。事件のことを思い返すとマーウェンの世界で銃撃戦に巻き込まれる妄想と混同し、マークはパニックに陥ってしまう。夢の中でもデジャが愛を囁き、マークに付きまとうのだった。

事件に巻き込まれたマークを発見したのは酒場で働く同僚のウェンディという女性だった。ウェンディはもう酒場にはおらず、カルフォルニアに引っ越してしまっている。仕事帰り、向かいに越してきた女性に似せた赤毛のフィギュアを買いに行ったマーク。この店のロバータはマークに好意を持っているため食事に誘うが、マークは素っ気なく返答する。会話に困ったロバータが見せた新作のドイツ軍親衛隊のフィギュアを見たマークは震えが止まらなくなる。それは暴行犯の一人によく似ていたのだ。さらにニュースで暴行犯が収容される映像を見たマークはパニックを起こし、店を飛び出してしまった。

心配したロバータがマークの家を尋ねると、向かいの赤毛の住人も訪ねて来た。彼女の名前はニコル。ロバータはマークを写真家だと紹介し、マーウェンの世界について説明をする。マーク自身はニコルには話しかけず、ニコルと名付けた赤毛のフィギュアに綺麗なハイヒールを履かせ話しかけるのだった。

翌日、ニコルがマーウェンの世界を見に来た。町の住人から事件のことを聞いたニコルは、優しく話しかけマーウェンの世界で起こっている拷問について教えてもらうのだった。

ホーギー大佐が親衛隊に拷問を受けていると気づいた女性軍。そこへニコルも合流し、ホーギー大佐を救いに行くのである。助け出してくれたニコルとホーギー大佐は恋に落ちるのである。お気に入りのハイヒールを履いてホーギー大佐とニコルは踊り明かすのだった。

映画『マーウェン』のあらすじ【転】

前夜の出来事をカラーラに報告するマーク。ニコルのモデルについては内緒にした。酒場へ弁護士から連絡があるが、やはりマークは避けてしまう。帰宅後、自宅の片付けを頼まれたマークはフィギュアを家の前に置いて、ニコルの家を訪ねた。靴に「女性のエッセンス」を感じ集めている話や、事件前はイラストレーターをしていたが事件後記憶を失っていることを丁寧に話した。全てを受け入れてくれるニコルに安堵したが、家の外で待ち構えていたニコルの元カレ・カートの立ち振る舞いに恐怖心を煽られるのだった。

逃げ続けるマークにしびれを切らし、弁護士が直接訪ねて来た。加害者を刑務所に入れるため、記録を読むだけでいいと説得されたマーク。デジャを眺め、ついに法廷に出向くことを決心した。裁判の日はロバータが付き添ってくれた。ホーギー大佐だけを連れて出廷したマークだったが、暴行犯の腕に刻まれたナチスマークの刺青を見た瞬間に恐怖心を抑えきれず法廷から逃げ出してしまうのだった。判決は延期となったが、マークの恐怖心は今まで以上に膨れ上がってしまった。

カートが怖がらせてしまったお詫びに、ニコルはハイヒールをプレゼントしてくれた。マークのコレクションを見たニコルは、マーウェンの世界に登場する人物のモデルについて尋ねる。自分も登場人物の一人であると知ったニコルは、木曜日にお茶をする約束をして家に戻っていった。浮かれるマークだったが、夢の中で嫉妬したデジャに脅されタイムマシンを作る約束を交わすのだった。

マーウェンの世界はまるでメロドラマのようにロマンチックな写真が多くなった。ホーギー大佐はニコルのために、ティーハウスを用意し勲章を捧げプロポーズをしたのだ。その写真をニコルに見せたマーク。ニコルは「ロバータから個展のことを聞いた」と話題を変えようとするが、プロポーズについてのマークの話は止まらない。まるで、マーウェンの世界を再現するように勲章をかかげ、マークはプロポーズをした。ニコルは動揺しつつ丁寧に断るが、マークはショックを隠せず鬱々とする。さらに写真の中にデジャの姿を見つけ、すぐに自宅に戻るのだった。

映画『マーウェン』の結末・ラスト(ネタバレ)

デジャの念に負けたマークは、希望通りタイムマシンを贈呈した。その頃、ニコルは傷つけてしまったお詫びにロバータのおすすめでフィギュアを買い、マークの家の間に置いたのである。それは、以前に見たドイツ軍親衛隊のフィギュアだった。袋を開けたマークは恐怖で狂い、事件の日を思い返していた。

マーウェンの世界でもニコルが銃撃され重傷を負ってしまう。ニコルの無事を祈るホーギー大佐にドイツ軍親衛隊が襲いかかった。命を落としかけたホーギー大佐をタイムマシンに乗ったデジャが救い出すが、デジャの正体はナチスのスパイだと知るのだった。ホーギー大佐はデジャを殺害し、目を覚ましたニコルとキスをする。満を持してニコルと結婚したホーギー大佐。

現実でも、デジャの呪縛から解かれたマークは法廷に出向き証言をした。個展も無事に開催し、手伝ってくれるロバータに一つの報告をした。それはホーギー大佐とニコルの結婚を機に、マーウェンを「マーウェンコル」(ニコルの名前をもじった)に改名したということ。ニコルはそのメッセージを受け取るが、個展でマークに声をかけることができなかった。マークもニコルの存在に気付いたものの、声をかけることはできなかった。ただ、一歩踏み出すために、これまで気にかけてくれたロバータを食事に誘うのだった。

マーウェンコルの住人は200人を超え、尚もマークの心の支えとして存在している。

映画『マーウェン』の感想・評価・レビュー

名監督ロバート・ゼメキスが手がけた実話ベースのヒューマンドラマは、心洗われるというよりはゾッとする事実を突きつけられるものだった。ヘイトクライムによる悲劇よりも、人間として回復していく様子を紡いだフィクションである。実際の事件では暴行後、瀕死の状態から九日間の昏睡状態を超えている。そして成人期以降の記憶を失ったという惨劇には深く触れず、心の変化に寄り添っているのだ。希望を持たせる展開は少し都合がいいように思えるが、物語としてはとても温かい良作であった。(MIHOシネマ編集部)

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