12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『恋とさよならとハワイ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『恋とさよならとハワイ』の概要:3年間同棲した恋人との終わり方が掴めない主人公の女性。恋人関係は終了したものの「気楽な相手」として一緒に暮らし続けている。互いに明確な別れを切り出せないままの繊細で複雑な感情を紡ぐ一作。

映画『恋とさよならとハワイ』の作品情報

恋とさよならとハワイ

製作年:2017年
上映時間:94分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:まつむらしんご
キャスト:綾乃彩、田村健太郎、鮎川桃果、福永朱梨 etc

映画『恋とさよならとハワイ』の登場人物(キャスト)

リンコ(綾乃彩)
大学時代から3年間付き合った恋人・イサムと別れたものの、同棲を解消できずにいる女性。思い付きやメディアの情報に流されやすいが、イサムがいつも寄り添っていてくれたことに別れてから気付かされる。
イサム(田村健太郎)
リンコの元恋人。大学院で日本文学を専攻し、卒業後の将来に不安を覚えている。同棲は解消していないが、ゼミの後輩から好意を持たれていることで新たな恋に興味を持ち始めている。
カスミ(加藤葵)
イサムのゼミの後輩。男子生徒の中ではヒロイン的存在。実はイサムに好意を寄せていて、手紙で気持ちを伝えている。
アスカ(鮎川桃果)
トモミの妹。恋人が元彼女と連絡を取っていることを知り、疎ましく思っていたリンコに救いを求めてしまう。強気なタイプの未成年。
トモミ(亀田梨紗)
リンコの友人。長らく遠距離恋愛をしている。別れているイサムと同棲解消しないリンコの力になろうと、いつも声をかけ助けてくれる存在。

映画『恋とさよならとハワイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『恋とさよならとハワイ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『恋とさよならとハワイ』のあらすじ【起】

小さなワンルームの両端に布団を敷いて寝るリンコとイサム。仕切りは、リンコの洋服ラックと雑多に置かれた荷物である。いくら目覚まし時計がなっても起きないリンコ。実はこの日は約束していた早朝のウォーキングの初日だった。寒いという理由で断念しようとしたリンコを引きずり起こしたイサム。

何枚も着込んで渋々外に出たリンコは、翌日から夜に歩こうと言い出す始末である。近所に有名な心霊スポットがあることから、イサムは夜歩くことを断った。唐突に「朝に豆乳を飲むと痩せる」と根拠の見えない発言をするリンコ。納豆嫌いなリンコの納豆ダイエットに付き合ったこともあるイサムは、いつもの事だと思い聞き流す。しまいには急にレースを吹っ掛け、ドーナツをねだるのだった。

リンコが家の中で携帯を失くしても、動揺することなく対応するイサム。リンコが仕事終わりに「ハワイ」があると言い、イサムは大学終わりに「あれ」があると予定を伝え、それぞれの一日が始まるのだった。

映画『恋とさよならとハワイ』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『恋とさよならとハワイ』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『恋とさよならとハワイ』のあらすじ【承】

イサムは大学院で日本文学を専攻している。マドンナ的存在のカスミや気の知れた仲間も居る学校生活は充実している。一方ですでに働いているリンコは親友の結婚式を控え、初めてのハワイに浮かれている。友人のマキ・トモミと結婚式の余興でフラダンスを披露するつもりで、練習に励んでいた。実は半年前にイサムとは別れていることを初めて二人に告白したリンコ。別れても一緒に暮らしているのは急ブレーキをかけたくないからだと、帰り道トモミに話すのだった。

スーツケースを借りようと妹のミカコと喫茶店で会ったリンコ。イサムと別れたことはずっと母親に隠していたのだが、ついにバレてしまったと知る。別れているのに一緒に住んでいるのは変だと言われたリンコは、言葉にはできない居心地の良さをどう表現していいのか悩む。さらに引っ越し費用をアスカから渡され、納得いかないまま帰宅するのだった。

夜な夜な論文の書きなおしに勤しむイサム。学生時代、演劇に没頭していたリンコは夢中になることがあるイサムを少し羨むのだった。卒業してからも研究を続けたらいい、とイサムにアドバイスするが現実的なイサムは自分の未来に悩んでいた。立ち位置の違いから何も声をかけられなくなったリンコは、別れていることを痛感させられ眠りにつくのだった。

映画『恋とさよならとハワイ』のあらすじ【転】

イサムとの思い出の写真を削除していたリンコ。その日はイサムの誕生日だった。ふと思い返し、合コンの誘いも断ってイサムの好物を懸命に用意する。テーブルの上を片付けているとき、カスミという女性からイサム宛ての手紙を見つけてしまった。思わず読んでしまったリンコは、食事中に正直に打ち明けるのだった。

喜んで料理を食べてくれたイサムは、カスミと付き合うかもしれないと話した。彼女になるかもしれないカスミには「妹と住んでいる」と嘘をついていると知ったリンコは、思わず強い言葉でイサムを責めてしまった。早く家を出るべきだと今の状況を卑下するのだった。

リンコは急遽楽しみにしていたハワイを諦めた。マキとトモミを見送った後、これまでのダイエットを無駄にしようと、トモミの家でやけ食いをするのだった。するとトモミの妹・アスカとその恋人が訪ねてきた。気まずい状況なうえ、可哀そうと言われているのを聞いてしまったリンコは荷物を持って家探しを始めた。

宿なしのリンコはミカコを頼るが、新潟に免許の合宿に行っていると言われ断られてしまう。仕方なくイサムの家の前に来てしまったが、ハワイに行っていない理由もどこに寝泊まりしているのかも正直に言うことができなかった。

映画『恋とさよならとハワイ』の結末・ラスト(ネタバレ)

行く当てもなく公園で時間を潰していたリンコに、アスカが連絡してきた。実は恋人が旅行を切り上げ元カノに会いに帰ってしまったというのだ。ヤケ酒するアスカを連れてトモミの家に戻ったリンコ。「イサムのどこが好きか、自分をさらけ出せ」と言われ、一緒に過ごした3年間を思い返すのだった。

イサムに想いを伝えようと会いに行ったリンコ。しかし、家には片付けをするカスミが残っていた。嘘に合わせリンコは妹のフリをした。しかしカスミは、リンコが元カノであることを知っていた。そしてイサムがまだ未練があることも。リンコの気持ちを確認しようとカスミが問いかけると、「限りなく好きに近い」とリンコはようやく本音を言えたのだった。

リンコとイサムはウォーキングに出た。競争してリンコが勝ったらヨリを戻そうと賭けをする。結果はイサムの勝利。二人は完全に決別する意思を固めた。リンコの引っ越しの日、初めてデートしたカレー屋に向かうも店は無くなっていた。どこまでも格好のつかないふたりだが、「達者で暮らせよ」とリンコは別れの言葉を伝えそれぞれの道に歩み出すのだった。

映画『恋とさよならとハワイ』の感想・評価・レビュー

恋愛だけは教科書や参考書には頼ることができない。「恋の終わらせ方」に苦心するリンコの姿は、実に共感深かった。ユーモアで包んでくれているからいいものの、悲壮感を出されたならばこの物語は鑑賞できなかっただろう。YeYeの優しい楽曲も気持ちを前向きにさせる魔法に拍車をかける。素直になれない自分や、相手の新たな門出を応援できない余裕のなさに塞ぎ込みそうになることは誰にでも訪れるはずだ。少しだけ背中を押して欲しい時に、もう一度見てみたい。(MIHOシネマ編集部)


恋愛って始まる時よりも終わらせる時のほうが何倍もエネルギーを使うと思うんです。
長く連れ添った相手なら尚更で、離れなくて済むのなら、どうにかして一緒にいられる方法は無いのかと悲しい想いをせずに過ごせる方法を考えてしまう方も少なくないでしょう。
しかし、この作品を見ると別れる勇気を貰えて未来への希望をほんの少し感じることが出来ました。
別れることはダメなことばかりでは無いのだと思います。相手を好きだった事実は一生変わりません。(女性 30代)

みんなの感想・レビュー