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映画『沈まぬ太陽』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『沈まぬ太陽』の概要:国民航空の労働組合委員長である恩地は、労働環境の改善を訴え続けた結果海外へ左遷された。10年にも及ぶ僻地勤務を終え帰国した彼だったが、未曾有の大事故、123便墜落事故が起きてしまう。

映画『沈まぬ太陽』の作品情報

沈まぬ太陽

製作年:2009年
上映時間:202分
ジャンル:歴史、ヒューマンドラマ
監督:若松節朗
キャスト:渡辺謙、三浦友和、松雪泰子、鈴木京香 etc

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映画『沈まぬ太陽』の登場人物(キャスト)

恩地元(渡辺謙)
正義感が強く、多数意見に流されることなく筋を通す人物。行天と共に労働組合を率い、過酷な労働条件と低賃金によって起こる人災を未然に防ごうと尽力した。その結果、海外の僻地へと左遷されてしまう。10年にも及ぶ理不尽な人事に負けず信念を突き通したが、帰国するなり自社のジャンボジェット機123便が墜落、乗客524人の内520人が亡くなってしまう。
行天四郎(三浦友和)
かつて恩地と共に経営陣と戦っていた同僚。しかし、彼の決断力に付いて行けずその後の彼の処遇にも絶望したため、労組を離れて経営陣に媚びる小狡い生き方に染まってしまう。愛人である美樹を使い、国航ジャンボジェット機123便墜落事故の遺族を黙らせ上層部の機嫌を取ろうと奔走する。昇進するため不正にも手を出すようになる。
三井美樹(松雪泰子)
国民航空に勤めるスチュワーデス。元労組組合員。母が入院したため、後輩の樋田恭子にフライトを代わって貰ったことで墜落事故を免れた。しかし、実際は愛人である行天との逢瀬のために仕事を抜け出しており、以降罪悪感に苛まれている。
八馬忠治(西村雅彦)
国民航空の子会社、国航開発の代表取締役。後に国航商事会長へ上り詰める。恩地の前任労組委員長であり、彼に委員長を押し付けたところ自身が媚びていた経営陣に噛み付かれてしまい、行天を手籠めにして恩地へ不当人事を言い渡す。不透明な資金繰りでニューヨークのホテルを買収する。
八木和夫(香川照之)
恩地を厚く支持する労組組合員。後に労組委員長となり経営陣と真っ向から戦うが、恩地同様理不尽な人事を言い渡された挙句、行天に丸め込まれて不正の片棒を担いでしまう。
国見正之(石坂浩二)
関西紡績株式会社の会長。総理大臣から国航の立て直しを期待され、新しい会長として就任する。恩地と同じく正義感が強く、不正を暴き安全なフライトを実現するため尽力する。

映画『沈まぬ太陽』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『沈まぬ太陽』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『沈まぬ太陽』のあらすじ【起】

恩地元は、自身の務める国民航空の創立35周年を祝う式典へ、かつて世話になったケニア大使をエスコートしながら出席した。八馬は目の仇である恩地が会場へ入ったことに腹を立て、彼を追い出した。行天常務は、参列した各界の要人へ子息の裏口入社を手引きしたり、満席である筈のファーストクラスの航空券を約束したりと、工作にいとまがなかった。

一方、三井美樹は急遽母が入院したため、後輩の樋田恭子にフライトを代わってもらっていた。彼女が搭乗した国航ジャンボジェット機123便は、離陸からしばらくして原因不明のトラブルに見舞われ、524人の乗客を乗せたまま群馬県の御巣鷹山へ墜落した。

墜落から一夜明け「国航機墜落事故現地対策本部」が設置されたが、国航の職員は“加害者”であるとして捜索への参加は禁止された。遺族係として現地に派遣された恩地は、次々と運び込まれる無残な死体と、遺体を確認する遺族らの悲痛な声に絶望した。

1962年、冬。恩地委員長と行天副委員長率いる国航労働組合は、経営陣へ、パイロットやスチュワーデスをはじめとする現場の人間の労働条件改善を求めた。八馬や次期社長・堂本は賃金交渉へ難色を示し、痺れをきらした恩地はストライキを決行すると宣言。恩地が指定した日は総理帰国のフライトのある日だったため、現職の社長は労組の訴えを受け入れた。

この一件で、行天は恩地の決断力に付いていけないと判断した。八馬は弱気になった行天を取り込むと、恩地への報復を開始した。

映画『沈まぬ太陽』のあらすじ【承】

群馬から一時的に帰宅した恩地は、妻と子供達に迎えられた。フィアンセのいる娘・純子は、彼の両親から「赤の娘は貰えない」と結婚を反対されたと恩地へ報告した。

1964年、冬。恩地は社長へ、自分のカラチ勤務について問い質した。報復目的の不当な人事ではあったが、当時の仲間には処分を下さないという条件の元、恩地はパキスタンへ飛んだ。八木が委員長を務める労組は恩地の処遇が不当だと声高に訴えたが、行天が経営陣の側に付き根回ししていたため訴えは届かなかった。

カラチを訪れた八馬は恩地の元を訪ね、詫び状を書けば戻してやると迫った。しかし、恩地は「間違ったことはしていません」と反抗。後日テヘラン支店へ飛ばされることとなった。カラチの支店長である和光は、恩地の力になれないことを悔やんだ。

母危篤の一報を受け一時帰国した恩地だったが、死に目には間に合わなかった。葬儀に参列した行天は八馬同様、会社へ詫び状を書けと迫った。尚も恩地が謝罪を拒んだため、行天から報告を受けた堂本は恩地をケニアへ飛ばすと決めた。

労組解散後の新生労組を訪れた恩地は、人事差別を受けた彼らが名前だけで仕事のない部署へ追いやられていると知った。現在は経営陣の御用組合が仕切っており、前労組を率いていた八木などは仕事を一切与えられず、窓口に座り呆ける日々を過ごしているという。恩地は社長へ直談判に向かったが、彼は頭を下げるばかりだった。

ケニアで働き始めた恩地は、ナイロビの雄大な自然に圧倒されながら、国航のケニア就航許可を得た。大きな業績に喜ぶのも束の間、本社から「ケニア政府との航空交渉は打ち切り」との電報が届き恩地は壊れてしまった。

映画『沈まぬ太陽』のあらすじ【転】

現在。現職の社長である堂本は遺族への謝罪に追われ、責任を取って辞職することが決定していた。彼の右腕として付いて回る行天は、愛人の美樹へ遺族会の名簿を入手しろと命じた。美樹は、乗客の遺族とスチュワーデスの遺族が会社を批判するのを防ぐために必要だと言う彼に失望した。

利根川総理と竹丸副総理は、国航の次期会長に関西紡績株式会社会長、国見正之を指名した。国航の立て直しに責任感を持って取り組もうとする彼は、会長室を設けて乱立した社内組織を統合するため、実力のある恩地を右腕として迎えようとした。しかし、恩地は現場で遺族に寄り添いたいとオファーを断り、彼の正義感に胸打たれた国見は恩地を再び遺族係に任命した。

1986年。経営陣に上手く取り入ってきた行天は、次期社長だと噂されていた。彼が八馬や運輸局交通管理局課長らをクルーザーで接待している間、国見と恩地は飛行機整備場を視察し、安全のための投資を進めていた。

行天はマスコミに国見の悪評を書かせ、彼に対する社内の不満を煽った。経営陣が国見を叩こうと暗躍する中、行天に命じられようやく「仕事」を与えられた八木は、航空券を金券ショップへ持ち出し大金を作っていた。その金は、行天から竹丸副総理へ手渡された。

国見は、恩地と和光を引き合わせた。和光はカラチで力になれなかったことを恩地へ謝罪すると、社内に蔓延る不正を暴く資料を提示した。一件はドルの先物予約、もう一件はホテルの買収に関する資料であり、国見から命を受けた恩地はニューヨークのホテルの購入ルートを調査し始めた。

映画『沈まぬ太陽』の結末・ラスト(ネタバレ)

八馬が管理するニューヨークのホテルを訪れた恩地は、弁護士に国航がホテルを買い取った時の価格を尋ねた。すると、ホテルの価格には9億円が上乗せされており、その行く末は不明瞭であった。

帰国した恩地は、八木に呼び出され喫茶店に入った。しかし、彼は恩地の顔を見るや一言二言交わしただけで店を後にした。

行天は、八木に行わせていたドルの先物予約をわざとリークした。その結果、閣議決定により「先物予約は国航独自の経営判断」と結論付けられた。八木は、これまで行天に指示されたことを事細かに書き出して東京地方検察庁へ郵送すると、行天へ「常務のところに近いうち、良い報せが届きますから」とだけ告げて自殺した。

国見は、総理からの指示で辞職に追いやられた。国航立て直し半ばで退任を余儀なくされた彼は、会長室解散の日、八馬主導の乱脈経理に関する調査書を提示し八馬を追放した。

八馬が去った後実権を手にした行天は、「目障りだか」という理由から恩地へナイロビ行きを言い渡した。人事を受け入れた恩地は、行天へ「お前、寂しい男になったな」と言い残しアフリカへ向かった。

恩地がナイロビから墜落事故の遺族へ手紙を書いている頃、行天の元へは東京地検特捜部が訪れ、彼は会社へ一瞥をくれるとパトカーに乗り込んだ。

恩地は、自分のこれまでの理不尽な処遇など、遺族の絶望と比にならないと綴った。彼は、壮大な地平線の彼方に浮かぶ夕陽がまるで明日を約束する存在のように感じ、煌々と輝く沈まぬ太陽に向かって車を走らせた。

映画『沈まぬ太陽』の感想・評価・レビュー

“航空史上最大のジャンボ機墜落事故”の背景でどのように人が動いていたか、または動かなかったかを示す史実に基づいた映画であった。

ここで描かれる不当人事や人事差別、海外勤務を“左遷”と呼ぶ理不尽な会社の在り方すら、取材に基づく事実だというから驚きだ。上に媚びれば昇進が約束されるなど都市伝説だと思っていたが、思い返せば、前の職場にも仕事はさしてできないのに肩書きのある人物の腰巾着としてへらへらしている上司がいた。胸糞悪いが、力のある人物に業績以外で「気に入られる」のも出世の鍵なのだろうか。

映画とはいえ、この世の見たくないものを全て詰め込んだような話だった。(MIHOシネマ編集部)


社会ってこんなに理不尽で報われないものなのかとなんとも言えない気持ちになりました。
今作で描かれたのは「飛行機事故」によって明らかになる組織や政治の闇でしたが、これは私達が勤める会社にも同じことが言えると思いました。何かあった時に動いてくれない、何かが起きた後にも、自分のことしか考えていない、そんな会社の上層部にうんざりしながらも、これが真実なのかもしれないと日本の社会の「嫌な部分」が全面に押し出された作品でした。(女性 30代)

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