映画『クララ・シューマン 愛の協奏曲』の概要:『クララ・シューマン 愛の協奏曲』(原題:Geliebte Clara)は、作曲家ロベルト・シューマンの妻で、後に偉大な作曲家となるヨハネス・ブラームスにも愛されたピアニスト、クララ・シューマンの半生を描く。
映画『クララ・シューマン 愛の協奏曲』 作品情報
- 製作年:2008年
- 上映時間:109分
- ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
- 監督:ヘルマ・サンダース=ブラームス
- キャスト:マルティナ・ゲデック、パスカル・グレゴリー、マリック・ジディ、クララ・アイヒンガー etc
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映画『クララ・シューマン 愛の協奏曲』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『クララ・シューマン 愛の協奏曲』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『クララ・シューマン 愛の協奏曲』のあらすじを紹介します。
音楽家ロベルト・シューマンとその妻でピアニストのクララ・シューマン。二人は演奏家としてヨーロッパ各国を周る忙しい日々を送っていた。満員のコンサートホールでの演奏は拍手喝采を浴び、成功をおさめる。その二人の前に現れたのが若き音楽家ヨハネス・ブラームスだった。クララはこの青年に何かを感じ取り、居酒屋で彼の演奏を聴くとすぐに素晴らしい才能に気付く。
ある日シューマンの自宅を訪ねてきたヨハネス・ブラームスは、その明るい性格でたちまち子供達の人気者となり、彼らと一緒に暮らすことになる。
ロベルトは長い間、持病の頭痛に悩まされていた。それは仕事にも支障をきたすほどで、時にはクララが指揮棒を握ってオーケストラをまとめた。クララはピアノの才能だけでなく指揮者としても存分に能力を発揮するのだった。
ヨハネスは、忙しいクララの支えとなり、楽団とうまくいかないロベルトの一番の理解者となっていた。しかし、次第にクララへの想いを隠すことなく過ごすようになる。しかしクララはその想いに応えることはしない。ヨハネスは耐えられずに一度二人から離れる。
その間、頭痛を紛らわすために酒を飲み、精神的にも疲れ果てていたロベルトは、音楽監督をおろされたことから川に身を投げる。入院した彼はよくなるどころか衰えるばかりで、最期はクララの腕の中で亡くなる。
ロベルトが亡くなる少し前に戻ってきていたヨハネスは、再びクララに求愛する。しかしクララの答えは同じだった。その後も二人の友情は変わらず続いたが、クララを深く愛していたヨハネスは、クララが亡くなった翌年に後を追うように亡くなるのだった。
映画『クララ・シューマン 愛の協奏曲』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『クララ・シューマン 愛の協奏曲』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
有名な音楽家の三角関係
シューマン夫妻とブラームスとの三角関係は、クラシック音楽ファンにとっては有名な話である。そのストーリーを一つの作品として観ることができるのはファンにとっては嬉しい。しかもこの映画は、ヘルマ・サンダース=ブラームスという、ブラームスの子孫が監督をつとめた作品ある。ブラームスの子孫が語るのだから、この三人の物語が確かに真実であることが分かる。
クララとブラームスの関係は、音楽界のタブーとまで言われているが、結局のところ不倫関係になっていたわけでもないので、そこまでいうことか?と疑問に思う。恐らくシューマンはブラームスのクララへの想いに気付いていただろうから、それを許容しているのは限りなくグレーな関係ではあるが。
働く女性、家と仕事の両立
二大有名音楽家の三角関係のストーリーではあるが、やはりこの映画が最も描きたかったのはクララ・シューマンという一人の音楽家その人である。ヘルマ・サンダース=ブラームスはブラームスの血縁にあたるが、それだけではなく一人の女性としてクララを尊敬していたようだ。だからこれほどまでに素敵な女性としてクララを描いたのだと思う。
作曲家として活躍した夫に引けをとらない音楽の才能を持っていた彼女自身も音楽を仕事としていた。そして8人の子供の母でもある。だから妊娠・出産を繰り返していたのだが、そんな中でもクララは演奏旅行をしていたのだ。
映画の中でもそういったクララの強さが見られる。時には夫の仕事の手伝いもし、子供の世話をし、自分自身の音楽活動にも手を抜かない。特にロベルトの調子が悪くなってからは本当に大変だっただろうと思う。家族を支えながらも自分のやりたいことを続けるクララの姿勢は、現代にも通じると思った。
音楽家としての才能はもちろん魅力的でしたが、クララやロベルト、ヨハネスの人柄に物凄く好感を持てました。
体調が悪く、仕事に上手く向き合えない夫のことをそばでずっと支え続けたクララ。ヨハネスからのアプローチに揺らぐことなく、夫婦の愛と絆を貫き続けたのが本当にかっこよかったです。
ヨハネスも、クララへの愛は自分の身勝手だと弁えていて、その気持ちをずっと持ちながらも、叶わないまま亡くなる時まで思い続けるという健気さと決意にグッときました。
苦しみと優しさが共存する素敵な作品です。(女性 30代)
映画『クララ・シューマン 愛の協奏曲』 まとめ
ブラームスの血縁関係にある人物が作っただけあって、作中のブラームスがすごく魅力的に描かれている。ブラームスの音楽は好きでよく聴いているのだが、作曲者本人もこんなに素敵な人だったんだなと新しい発見ができてよかった。
クララを演じたマルティナ・ゲデックは、ピアノが全く弾けなかったという。映画の中で演じるだけなのだから、基本吹替えだし、手元を映さないような撮り方をするものだが、彼女はクララの内面を知るためにピアノを習ったらしい。観ていて不自然ではなかったから、かなり努力して習得したのだと思う。
一人の音楽家としてだけでなく、家族をしっかり支えていた強い女性。そんな人物だからこそ、ブラームスとの関係も噂だけで、いい友人関係でしかなかったんだなと頷ける。夫が亡くなってとても弱っているところに求愛されたらなびいてしまいそうなものを、クララはきっぱりと断っているのだから、本当にカッコいい女性だなあと尊敬した。
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