映画『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩』の概要:「ピアノレッスン」のジェーン・カンピオン監督が描く、18世紀のロマン詩人ジョン・キーツの伝記映画。ベン・ウィショー主演。共演は、アビー・コーニッシュ。2009年イギリス・オーストラリア映画。
映画『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩』 作品情報
- 製作年:2009年
- 上映時間:119分
- ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、伝記
- 監督:ジェーン・カンピオン
- キャスト:アビー・コーニッシュ、ベン・ウィショー、ポール・シュナイダー、ケリー・フォックス etc
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映画『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩』のあらすじを紹介します。
18世紀、ロンドン。ハムステッド村。ロマン詩人ジョン・キーツ(ベン・ウィショー)は、親友ブラウンの家に下宿していた。その隣りに住む、服作りが好きなファニー・ブローン(アビー・コーニッシュ)と出会い、恋に落ちます。
ファニーには、弟サミュエル(トーマス・ブロディ=サンクスター)と妹がいた。キーツにも弟がいたが、結核で亡くなってしまう。ファニーは、キースの弟の為に枕カバーを縫った。
ジョン・キーツは、1817年に4巻4千行にも及ぶ叙事詩「エンデミィオン」を出版。しかし、悪意のある批評をされて落ち込んでしまう。ファニーは、キーツの事をもっと知りたくて、様々な詩集や文学作品を読みふけります。美しい自然のなかで、2人は愛を語り、キスを交わす。
巧みな自然描写を得意としたキースにとって自然のなかに身を置くことは最大の喜びだったのです。夏。ワイト島で詩作をすることになったキースは、ファニーに何通も手紙を書き、”いっそ僕らが夏の3日間を生きる蝶であったなら、平凡な50年を生きるより深い歓びの日々になる”と彼女を讃えるのだった。
ファニーも気持ちは同じだった。キースからの手紙に一喜一憂し、彼の不在感を埋めるように部屋を美しい蝶で満たすのだった。そんな娘の様子を見て、母親はダンスパーティーで結婚相手を見つけることを薦めます。
ワイト島から戻ってきたキースは体調を崩し、やがて結核を発病します。ある日、大量に吐血して、命の限りを悟るキーツ。ファニーは、新しい詩集を書いてと彼を献身的に支えます。同じ頃、キースの親友ブラウンがメイドを妊娠させ、病気のキースを置いて消息を絶ちます。
キースは、医師と友人セヴァンのすすめにより、イタリアで転地療養をすることになります。2人の婚約後、キースはイタリアへ旅立つ。”この世で君と会うことはもうないだろう・・”とキースは悟っていた。
1921年2月23日。最高のロマン詩人と詠われたジョン・キースは25才の短い生涯を閉じた。
映画『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
魔性の魅力をもつ、ベン・ウィショー
ベン・ウィショーが、ロマン詩人ジョン・キースの生涯を演じた伝記映画です。”愛は神聖なもの”とうたい、自然描写とロマンチックな感情が湧き上がる詩が素晴らしい。
ジョン・キースが活躍したのは、1817年から、結核で亡くなる1921年までのわずか5年間でした。
彼のミューズとなった、ファニー・ブローンとの恋、ワイト島での詩作など人生で1番輝いた日々でもありました。ベン・ウィショーは、ジョン・キースを時に自由奔放に、また繊細に演じています。例えば、木の上でキースが寝転ぶシーンやファニーと歩きながらキスを交わすシーンがとても美しい。
まるで、キースの詩の一遍を観ているかのようです。本作の題名にもなっている、”輝く星よ”(「ブライト・スター」)とファニーに向けて書いた詩には、キースの彼女に対する熱烈な恋情があります。ぜひエンドロールで流れる”輝く星よ”の詩にも注目して下さい。
人気急上昇中!ファニーの弟役を演じる、トーマス・ブロディ=サンクスター
「ラブ・アクチュアリー」の子役でデビューした、子犬系のキュートな少年です(撮影当時)。本作では、ファニーの弟サミュエルを台詞は少ないものの、温かく見守る守護天使のように演じています。
声がとても魅力的なので、もう少し声を聴きたかったとファンなら感じているでしょう。ヴァイオリンを弾くシーンなど音楽に関わる場面では説得力があります。静かで温かい雰囲気が全編を通してあります。
また窓辺から観る風景が多かったように感じます。ファニーやサミュエル、その妹などが森で遊ぶのを眺めていたり、窓辺に座ってファニーが手紙を読むシーンなどです。光と風に揺れる具合がとてもきれいで、まるでファニー達が妖精のように見えるのです!
女性監督ならではのセンスではないでしょうか。
「ブライトスター いちばん美しい恋の詩」を経て、青年へと成長したトーマス。彼の最新作は、「メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮」です。チームの頭脳役ニュートを演じています。ぜひご期待下さい。
映画『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩』 まとめ
ジョン・キースは、イギリス・最高のロマン詩人であったと言われています。そのキースが恋人ファニーに宛てた手紙に添えた詩を紹介します。”いっそ僕らが夏の3日間を生きる蝶であったなら、平凡な50年を生きるより深い歓びの日々になる”と。(ジョン・キースの詩集より)
5年という短い作家人生で花開き、ひっそりと死んでいったことを思うと切なさが増してきます。ファニーとの恋もプラトニックで終わってしまったのですから。そんなキースを文学性高く演じたベン・ウィショー。ロマンチックな言葉も完璧です!もっと筆者に語学力があったなら深く味わえるのにと思います。
ぜひ語学に自信もしくは詩に興味のある方は、キースの詩集を読んでみて下さい。
ジェーン・カンピオン監督の作品は、自然描写が美しく、静かで濃密な2人の悲恋に涙が止まりません。
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