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映画『私は、マリア・カラス』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『私は、マリア・カラス』の概要:1977年、突如この世を去ったオペラ歌手マリア・カラス。「20世紀最高のソプラノ歌手」と称された彼女が完成させられなかった自叙伝を再構成したドキュメンタリー。数々の貴重な言葉と映像をふんだんに使用している。

映画『私は、マリア・カラス』の作品情報

私は、マリア・カラス

製作年:2017年
上映時間:113分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ドキュメンタリー
監督:トム・ヴォルフ
キャスト:マリア・カラス etc

映画『私は、マリア・カラス』の登場人物(キャスト)

マリア・カラス
「20世紀最高のソプラノ歌手」と称されたオペラ歌手。教育熱心な両親に育てられ、13歳で国立音楽院に入学する。才能もさることながら努力も怠らない、魅力的な女性。
アリストテレス・オナシス
ギリシャの大富豪であり、マリアの9年来の恋人。出会った当時はともに既婚者であったが、熱量の赴くままに行動していた。40代になり、マリアを捨てアメリカ大統領の娘と婚約する。

映画『私は、マリア・カラス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『私は、マリア・カラス』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『私は、マリア・カラス』のあらすじ【起】

1970年、20世紀最高のソプラノと称されたオペラ歌手「マリア・カラス」は共存する二人の自分を両立させるのは難しいと語る。「プライドのためではなく、調和に満ちた天上の音楽に到達するために歌っている」という言葉を後世に残すのだった。

ニューヨークで生まれ育ったマリア・カラス。教育熱心な両親に育てられ、8歳から音楽教育としてピアノを習い始めたという。1937年、ギリシャに移り住んだマリア一家。学業に専念することは難しかったが、母親の勧めで国立音楽院に進学を決める。当時13歳のマリアには入学資格がなかったが、17歳と偽り「人生初めての嘘」をつくのだった。

当時のマリアを知る恩師・エルビラは歌の才能だけではなく、真面目な生徒だったことを語った。一度躓いた課題も、次の授業にはマスターしてくる努力家である。他の生徒の模範となるような存在は強く印象に残っていると言う。

オペラ歌手として着実にキャリアを積み続けるマリア。華やかな姿を見せる陰で、結婚や出産といった「家庭」への憧れも捨てられずにいた。母親の強い要望でオペラの世界に身を投じるマリアは、代償として憧れを叶えられずにいたのだった。

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映画『私は、マリア・カラス』のあらすじ【承】

情熱的な歌が称賛されニューヨークのメトロポリタン劇場でプリマとして活躍していたマリア。しかし、時折感情的になってしまうマリアをコントロールしきれずにいた。得意とする演目「ノルマ」の完売公演を控えていたマリアはリハーサルまでは好調だったものの、本番前に寒い控室で過ごしたことで調子を崩し公演途中で歌えなくなってしまった。

翌日からは全く声が出なくなってしまったマリア。予定していた公演をいくつかキャンセルすることとなり、マリアを目当てにしていた観客たちは大ブーイングを起こしマスコミも酷くマリアを叩くのだった。

マリアへの個人への強いバッシング攻撃は続き、メトロポリタン劇場もマリアに解雇を言い渡す。マリアは強気で応え、「お馴染みの演目は古い」とメトロポリタン劇場を非難。さらに劇場の怠慢や非を明らかにするのだった。

その後、マリアはヨーロッパの劇場で歌うことになる。すでに世界中で注目を集めていたマリアが出演する公演は常に完売が続いていた。

映画『私は、マリア・カラス』のあらすじ【転】

マネージャーもこなす夫・メネギーニへの不信感が少しずつ募り始めていた頃、マリアはクルーズ船での旅行中にオナシスと出会った。数日間過ごすうちに、オナシスは求めていた男性だと感じるようになったマリア。ともに既婚者であるが、愛を育むのだった。

クルーズ船での旅行からひとり先に帰国したマリアはメネギーニとの離婚を公言した。帰国後もマリアは終日報道陣に追われ、取材を拒否してもマイクとカメラに囲まれ続けた。既婚者との恋愛を公言してしまったマリアに対して新聞からのバッシングは特にひどく、内心傷つくことも多かった。メネギーニは離婚を応じず11年の別居生活が続くのだった。

財力だけではなく人間的にも余裕のあるオナシスは、マリアに無理をさせることはなかった。心も体も休むことなく走り抜けてきたマリアは初めてしばしの休息を選択したのである。

年明け復帰公演に臨んだマリア。それまでになく穏やかな表情でステージに立つマリアは再び大きな拍手を浴びる。その後、マリアはパリへ移り住むのだった。

映画『私は、マリア・カラス』の結末・ラスト(ネタバレ)

返り咲いたマリアはメトロポリタン劇場で再び歌うことになる。ニューヨーク市民は劇場に詰めかけ、チケットは即日完売した。休息と公演のバランスを取りながら、マリアは精力的に舞台に立ち続けた。

41歳になり、マリアは徐々に体力の衰えを痛感し始める。ギリシャに移住したマリアは、オナシスの存在を支えに表舞台に立ち続けていた。しかしオナシスはアメリカ大統領の娘と結婚した。マリアは、オナシスからではなく新聞の記事でこの事実を知り9年の恋にピリオドを打たざるを得なかったのである。

ショックから立ち直れないマリアは仕事に没頭した。女優という新しいフィールドに挑戦し始めた。オナシスとの別れを機に歌から離れていたマリア。数年後、新たな活力を手に入れ輝くマリアの元にオナシスが戻ってきたのである。オナシスと再び時間を共にするようになったマリア。舞台の形ではなく、リサイタルとして世界を回るのだった。

オナシスを看取ったマリアは53歳の時にパリの自宅で心臓発作を起こし亡くなった。マリアは死の直前まで舞台に立つことを目指し、ファンへの感謝を忘れずにいたという。

映画『私は、マリア・カラス』の感想・評価・レビュー

オペラ歌手として人に求められ続けたマリア・カラスを紐解いていくドキュメンタリーとして、今作は見ごたえのある仕上がりであった。スキャンダラスな人生の中で表立つことのない本音や周囲の人間への言葉が、彼女の人生を紡いでいくのである。強い女性に見えるマリアが繊細で弱い部分を包み隠さず語る映像は目を見張った。圧倒的な歌唱力を武器にしたオペラ界の「マリア・カラス」ではなく、エキゾチックな「マリア」という一人の女性を知るにはいいきっかけになる。(MIHOシネマ編集部)

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