映画『私が愛した大統領』の概要:1933年から1945年にかけてアメリカで4期も大統領に選ばれたフランクリン・ルーズベルト。彼の愛人だった女性の日記を基に、あまり知られていない大統領の素顔を描く。2012年公開のイギリス映画。
映画『私が愛した大統領』 作品情報
- 製作年:2012年
- 上映時間:94分
- ジャンル:伝記、ラブストーリー、コメディ
- 監督:ロジャー・ミッシェル
- キャスト:ビル・マーレイ、ローラ・リニー、サミュエル・ウェスト、オリヴィア・コールマン etc
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映画『私が愛した大統領』 評価
- 点数:55点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『私が愛した大統領』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『私が愛した大統領』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『私が愛した大統領』 あらすじ【起・承】
第二次世界大戦前のアメリカ。ニューヨーク州北部のハイドパークに暮らすデイジー(ローラ・リニー)は、裕福な家庭に育ったが現在は没落し、叔母の世話をしながら慎ましく暮らしている。デイジーは現アメリカ大統領のフランクリン・ルーズベルト(ビル・マーレイ)のいとこだが、もう彼とは何年も会っていなかった。
ある日、デイジーは近所に住む大統領の母から、大統領の相手をして欲しいと呼び出される。暗い世界情勢と多忙な日々に疲れていた大統領は、素朴なデイジーに安らぎを感じ、地元へ帰るたびに彼女と会うようになる。
2人は自然な流れで男女の関係となり、大統領はデイジーと過ごすために建てたと言って森の奥の隠れ家を彼女に見せる。彼女もいつしか大統領を深く愛するようになっていた。大統領にはエレノアという正式な妻がいたが、彼女は別の場所で暮らしており、デイジーは大統領の実家でなじみの顔になっていく。
英国王室のジョージ6世とエリザベス王妃がアメリカを訪問することになり大統領はハイドパークで国王夫妻を迎えることにする。活発化していく欧州の戦争に巻き込まれるのが嫌で、大統領はわざと国王夫妻を田舎へ招待したのだった。
エレノアも姿を見せ、国王夫妻を迎える。国王夫妻は自分たちがあまり歓迎されていないと感じており、微妙な空気の中、晩餐会が始まる。デイジーは晩餐会には招待されず、後で大統領と会う約束をしていた。しかし秘書のミッシーから帰っていいと言われ、仕方なく家へ帰る。
映画『私が愛した大統領』 結末・ラスト(ネタバレ)
晩餐会終了後、大統領とジョージ6世は2人でお酒を飲み、様々な話をする。ジョージ6世は、兄がアメリカ人女性と結婚するために退位したことで国王となったが、常に兄と比較され、さらに吃音であることに苦しんでいた。そんなジョージ6世に車椅子生活をしている大統領は“吃音がなんだ、自分は小児麻痺だ”と言い、2人は意気投合していく。そして大統領は“戦争になればイギリスを助ける”とジョージ6世に約束する。
その夜、デイジーは大統領が恋しくてたまらず、あの隠れ家へ行く。しかしそこで大統領とミッシーの密会を目撃してしまい、さらにミッシーから大統領には他にも愛人がいると聞かされる。ミッシーに“分かち合うのよ”と説得され、大統領からも謝罪されるが、デイジーはその事実をすぐに受け入れることはできなかった。
翌日のピクニックで、デイジーは大統領夫妻や国王夫妻の座る席に招かれる。ジョージ6世はその席でホットドックに食らいつき、大喝采を浴びる。
屋敷への呼び出しを断り続けたデイジーを、大統領本人が迎えに来る。結局デイジーは大統領の思惑通り愛人に戻り、さらにミッシーとも親交を深め、その後は平穏に過ごす。
3年後、大統領は病気になるが、国民には決して弱った自分を見せなかった。そして大統領はジョージ6世との約束を守り、第二次世界大戦でイギリスとともに戦った。
映画『私が愛した大統領』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『私が愛した大統領』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
不倫関係というほどのことでもない
歴代のアメリカ大統領の中でも特に人気の高いフランクリン・ルーズベルト大統領。後年、彼の愛人だったデイジーという女性の日記と手紙が見つかり、本作はその内容と歴史上の事実などを混ぜ合わせて話が進む。
と言っても、大統領にはデイジー以外にも数名の愛人がいたらしく、それを妻のエレノアも周囲のスタッフもみんな黙認していたようなので、2人の不倫関係に緊張感のようなものはない。さらに大統領も晩年を迎えた頃の話だし、デイジー自身もそれなりにいい年をした地味な中年女性なので、愛人というような生々しさもなく、不倫という言葉がしっくりこない。2人は本当にそんな関係だったのだろうか?と疑いたくなるような、非常に色気のないカップルだ。
それよりもエレノアという正妻のキャラの濃さや、母親の過干渉ぶりに驚いた。大統領の子を6人も産み、自分にも愛人がいたという自由主義者のエレノアにとって、デイジーの存在など、どうでもよかったのだろう。その感じはよく出ていた。そんなエレノアと大統領の関係を描いたほうが、面白かったのではないだろうか…。
大統領と国王
本作で一番興味深かったのは、第二次世界大戦直前の緊張感の中、アメリカ大統領のルーズベルトと英国王のジョージ6世が男同士の信頼関係を築いていく様子だ。
ジョージ6世の人物像と吃音に関しては「英国王のスピーチ」という映画でもクローズアップされたので、ご存知の人も多いはず。そのジョージ6世を本作ではサミュエル・ウェストが好演しており、英国王夫妻訪問のシークエンスは、なかなか見応えがあった。ジョージ6世がホットドックを食べるのかどうかはかなり気になったし、彼がホットドックに食らいついた瞬間が、本作で最も心が動いた瞬間でもある。
この時に築いた2人の信頼関係が第二次世界大戦に多大な影響を与えていくのだから、政治の裏側というものは面白いものだ。大統領と国王とはいえ、結局は人間同士なのだというこの部分の脚本と演出はよかった。
本作は、アメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領の遠い従兄弟で愛人のデイジーの日記を基に2人の恋模様や彼の素顔に迫ったコメディー作品。
大統領にとってデイジーは、気を張らずに素顔を見せれる相手だったのだと感じられた。
デイジーにとっては人生で一度きりの恋で、彼女の芯の強さや人を思いやる心に感心した。ただ、彼女ならもっと幸せになれたのではないかと思う部分もあった。
彼女目線で、歴史的事実をユーモア満載に描いているところは好きだった。(女性 20代)
映画『私が愛した大統領』 まとめ
ヒロインのデイジーを演じたローラ・リニーには非常に気の毒だが、ストーリー的にも演出的にもデイジーはあまりに地味すぎるヒロインで印象が薄々だ。映画のキャッチコピーは“愛は、政治より複雑だ”だし、ポスターもビル・マーレイとローラ・リニーのツーショットなのだが、本作はラブストーリーとしては全くの駄作だろう。
重度の障害を負ったルーズベルト大統領を演じたビル・マーレイの芝居と、英国王夫妻訪問のシークエンス以外、残っているのは田舎の風景の美しさくらいだろうか。
デイジーは99歳まで生きて、彼女の死後、大統領とのことを書いた手紙や日記が発見されたらしい。デイジーにとっては生涯に一度だけの恋だったのだろう。知らないけど。何にしても、秘密の日記や手紙はなるべく早く処分しておかないと、勝手に読まれて勝手に映画にまでされてしまうので大変だ。それがただの妄想日記だったりしたら、恥ずかしすぎて死んでも死に切れない。さすがにデイジーは違うと思うけど…。
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