映画『英国王のスピーチ』の概要:第二次世界大戦時の大英帝国国王・ジョージ6世には、実は吃音症という悩みがあった。彼の吃音症克服、そして言語療法士のライオネル・ローグとの友情を描く。アカデミー賞で作品賞・主演男優賞ほか主要4部門受賞。
映画『英国王のスピーチ』の作品情報
上映時間:118分
ジャンル:ヒューマンドラマ、伝記
監督:トム・フーパー
キャスト:コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム・カーター、ガイ・ピアース etc
映画『英国王のスピーチ』の登場人物(キャスト)
- アルバート / ジョージ6世(コリン・ファース)
- 大英帝国の第2王子。小さいころから吃音症に悩まされており、演説が苦手。一方で政治に対する責任感は人一倍強く、頑固な側面も。のちにジョージ6世として大英帝国の王位につく。
- ライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)
- オーストラリア出身の言語療法士。精神面にもアプローチしてアルバートの吃音症を治そうとする。シェイクスピア劇の役者になるのが夢。
- エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)
- アルバートの妻。夫の吃音症を治すため、ライオネルのもとを訪れる。王室の一員であることにプライドを持っている。
- デイヴィッド / エドワード8世(ガイ・ピアース)
- アルバートの兄で大英帝国の第1王子。父の崩御に際し、エドワード8世として王位につくが、あまり政治に関心はなく、恋人ウォリスとの愛を優先している。よくアルバートの吃音症を馬鹿にしていた。
- ジョージ5世(マイケル・ガンボン)
- アルバートとデイヴィッドの父で現国王。年老いた身で、王室の行く末を心配している。内心、アルバートに期待をかけ、彼に王位を継いでもらいたいと思っている。
- ウォリス・シンプソン(イヴ・ベスト)
- デイヴィッドの恋人。アメリカ出身で、離婚歴がある上まだ夫と別れていないこと、また何人もの男性との噂があることなどから、周りからは王室の一員になるには不適格と考えられている。
映画『英国王のスピーチ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『英国王のスピーチ』のあらすじ【起】
1925年、大英帝国博覧会閉会式。大英帝国の第2王子、ヨーク公アルバートは、父王ジョージ5世の代わりに演説を行う。しかし、アルバートは小さいころから吃音症に悩まされており、演説はどもってうまくいかなかった。
アルバートのために、妻のエリザベスは何人もの医者に吃音症の治療を頼んでいた。しかしどれもうまくいかない。エリザベスはこれが最後と、オーストラリア出身の言語療法士ライオネル・ローグの元を訪ねる。ライオネルは王子であるアルバートに対しても、自分の治療スタイルを貫き、お互い愛称で呼び合おうとし、アルバートを怒らせてしまう。ライオネルはアルバートに賭けを持ちかけた。大音量の音楽をヘッドホンに流し、自分の声が聞こえない状態で『ハムレット』を朗読させたのだ。朗読途中で怒って帰ろうとするアルバートに、ライオネルは先ほどの朗読を録音したレコードを手渡す。
ジョージ5世はクリスマスのラジオ演説を堂々と行う。彼は第1王子であるアルバートの兄・デイヴィッドより、アルバートの方が王にふさわしいと考えていた。その期待から、アルバートに演説の重要性を説き叱咤する。アルバートは試しに先日のレコードを聴いてみる。すると、そこにはいつもとは違いなめらかに朗読を行う自分の声があった。
映画『英国王のスピーチ』のあらすじ【承】
アルバートとエリザベスは再びライオネルのもとを訪れる。愛称で呼び合うことは認めないながらも、アルバートはライオネルのレッスンを受けるようになる。それは窓に向かって大声を出したり、発音に特化したりと、劇役者を目指すライオネルならではの斬新なものだった。ライオネルは時に、アルバートの過去のトラウマにも切り込んでいく。それに対しアルバートは、自分の生い立ちや弟の死など、プライベートな内容も話すようになっていく。
ジョージ5世は次第に体調を崩し、自分で字も書けないほどになっていた。1936年、ジョージ5世が崩御。第1王子であるデイヴィッドが「エドワード8世」として国王に即位することとなった。しかしデイヴィッドは人妻で離婚歴もあるアメリカ人女性・ウォリス・シンプソンと恋人関係にあった。もともと政治に興味のなかったデイヴィッドは、国王になれば彼女とも結婚できないと嘆く。
父王に先立たれたアルバートは、いたたまれずライオネルのもとを訪れる。訃報を聞き、てっきりレッスンは休みだと思っていたライオネルは、驚きながらも彼を部屋に招き入れた。2人は歌を使いながら、過去のトラウマを語り、ジョージ5世が自分に期待していたと崩御後に知らされたと告白する。
映画『英国王のスピーチ』のあらすじ【転】
アルバートとエリザベスは兄デイヴィッドに招かれ、クリスマスパーティーのためバルモラル城を訪れた。しかし、デイヴィッドはウォリスとの関係を続けており、ウォリスは我が物顔で城内を闊歩していた。エリザベスはそれに憤慨する。議会の面々も、離婚歴があり他の男性との噂も絶えないウォリスは王室にふさわしくない、と不満を持っていた。対外的にもドイツが台頭してきており、国王の力量が求められる時期でもあったのだ。アルバートはデイヴィッドに、ウォリスとの関係について指摘、国王は英国国教会の長だから離婚歴のある女性とは結婚できないと注意する。しかしデイヴィッドはそれに腹を立て、「王位がほしいのか」となじり、アルバートの吃音症をからかった。
アルバートはライオネルに、デイヴィッドの王位継承に対する不安を漏らす。するとライオネルは、アルバートが王位を継ぐべきだと意見した。その発言に腹を立てたアルバートは、ライオネルに絶交を言い渡す。後日、ライオネルは王室を訪ねてみたが、依然腹を立てたままのアルバートは彼に会おうともしなかった。ライオネルは降りしきる雨の中、とぼとぼと家に引き返す。
映画『英国王のスピーチ』の結末・ラスト(ネタバレ)
新しく国王となったデイヴィッドに対し、議会の不満は高まっていた。首相から、デイヴィッドが国王を退位しなければ内閣総辞職だと迫られ、王室は苦渋の決断をすることとなる。デイヴィッドは国王を退位してウォリスとの暮らしを選び、アルバートが「ジョージ6世」として即位することになった。王位継承評議会でアルバートは宣誓をしたが、吃音症が直っておらずうまくいかない。アルバートは再びライオネルのもとを訪れる。
戴冠式が迫っていた。アルバートは大主教の反対を押し切ってライオネルを臨席させる。ライオネルのおかげで、戴冠式は問題なく終わった。アルバートはヒトラーの演説をテレビで見て、彼の演説のうまさを実感する。
1939年、ヒトラー率いるドイツ軍がポーランドを侵攻。イギリスはドイツに宣戦布告することとなった。そのため、アルバートはラジオ放送で全国民に向け、演説を行うこととなる。アルバートとライオネルは2人で放送室に入り、向かい合って演説に臨む。エリザベス妃は緊張の面持ちで、放送を聞いていた。アルバートは吃音症を克服し、堂々たる演説を行った。その演説は、国民の胸に強く響いた。演説を終えたアルバートは、家族や議会の面々に拍手で迎えられる。そして家族と共に、バルコニーから大衆に手を振った。
アルバートとライオネルの友人関係は、その後長きにわたり続いた。
映画『英国王のスピーチ』の感想・評価・レビュー
吃音症の苦しさが理解できます。話し方のもどかしさは、演技と分かっていても聞いていて非常にじれったいです。アルバートが吃音症になった背景にも同情できます。立場上我慢を強いられることが多く、それが吃音症の重症化に繋がったのだと思います。
イギリスの新しい王と、変わり者おじさんの不思議な友情が中心に描かれています。治療の一環なのかどうか分かりませんが、ライオネルのアルバートの怒らせ方が上手いです。本音で語れる友人の存在がどれだけ大切なのかが、この作品を通して学べます。(男性 20代)
吃音症で悩むアルバート王子。そんな彼を治療することとなった、ライオネルは平民で王子を敬えとアルバート、平等な関係を求め手加減のないライオネルとのやり取りは面白く、やがてライオネルのおかげで症状が改善されていくうちに、信頼関係が生まれ、友情が芽生ます。
どのような過程で吃音を克服していくのかとても興味深く飽きることはありません。そしてアルバートは国王ジョージ6世となり戦争が始まることになり、国民に向けたメッセージでは国王の一生懸命さと熱心に国王の言葉に耳を傾ける英国民の姿に国王がどれだけ国民の支えとなっているのかが伺え、胸が熱くなり、久しぶりにいいなと思える作品でした。(女性 20代)
主人公の乗り越えるべき壁の高さと物語の質が比例するのであれば、本作は満点と言って良いと思う。吃音症の英国王がラジオで開戦スピーチしなければならない。惚れ惚れするほど完璧な状況設定だ。あとは主人公の英国王と矯正師の友情を適当に転がすだけで十分面白くなる。とは言え、もちろん適当に転がしてあるはずがなく、コリン・ファースとジェフリー・ラッシュによる気品と技術に溢れた演技で肉付けしてくるものだから、アカデミー作品賞を獲得するのも当然と言える。(男性 30代)
実在した英国王、ジョージ6世が吃音症を克服し英国王に即位、第二次大戦へ向かおうとする世界で英国を導く姿を描く。
後のジョージ6世となるアルバートの治療を担当する言語療法士のライオネルは相手が王室関係者であろうと治療する上では医師と患者であると対等の立場で接する点が興味深い。初めは反発するアルバートもだんだんライオネルに心を開き、立場を超えた友として接するようになる。これは困難に立ち向かう青年とそれを支えた医師の友情の物語であるとも言える。(男性 20代)
上手く話すことのできないアルバートと、言語療法士のライオネルの二人の掛け合いの言葉や、それぞれ身分が違いすぎる中、お互いを必要としていく所など、面白く笑えるシーンや、感動的なシーンがたくさん入っている。様々な苦労やプレッシャーを乗り越え、演説を完璧にやりきった姿は特に感動のシーンである。アルバートとライオネルとの仲だけでなく、妻として夫を支える、エリザベスの気持ちも共感でき、苦手を克服する姿に、勇気をもらえる映画でもある。(女性 20代)
思ったように言葉が出ないという経験はかなりしんどいものである。まして、吃音となるとそれが日常茶飯事に起こる。吃音を経験してからこそわかる苦しみではあるが、この映画はその経験がない人々でもわかりやすいものとなっている。多少の誇張表現はあるが、吃音というのはこの映画が表現しているような感覚である。
映画はラスト20分まではかなりの辛抱をようする。というのも急に治るもではないというのを忠実に再現しているからだ。だがしかし、ラスト20分に差し掛かると今までにない程の感動を体験できる。(女性 20代)
ジョージ6世の伝記物語。ロイヤルファミリーにも一般人と変わらないような悩みもありつつ、ロイヤルファミリーであるがゆえのプレッシャーや苦しみを知ることができた映画。演技なのはわかってはいるはずなのですが、吃音を持ちながらスピーチしている姿には手に汗握りながら、「がんばれ!」と思ってしまいます。ローグとの治療で、国王とは扱わず、一人の人として会話していくところは特に好きで、その方法であったからこそ、ゆっくりと心を通わせていき、国王は弱さに立ち向かえたのだと思います。非常に個人がかっこいい映画でした。(女性 30代)
吃音症という難しい役柄をあんなに違和感なく演じてしまうコリン・ファースが流石すぎる。イギリスの王族といえばお堅いイメージがあったけれども、まんまとイメージがひっくり返った。
身近なテーマだと思うし子供時代にも吃音の子が居たのを思い出した。その人を内気にしてしまうのも分かる気がする。言葉を発するっていう簡単に思えることでも吃音の人にとっては乗り越えるような問題になるんだと分かった。ましてや国王となれば他にもプレッシャーはあるだろうし、こんな時代があったのだとしみじみした作品だ。(女性 20代)
幼いころから吃音症に悩まされていたジョージ6世が、感動的なスピーチを遂行するまでの過程を描いた作品。
近年日本では批判逃れにしか聞こえない答弁や、説得力に欠ける中身のない言葉が国民の怒りに触れ、度々ニュースで取り上げられる。
本作のラストシーンにあるスピーチは、吃音症という背景も相まって、言葉の重みをずっしりと感じられる。言葉の力は偉大であることを再確認できる良作である。
吃音症のジョージ6世を演じるコリン・ファースの演技力も本作品の見どころの一つだ。(女性 20代)
吃音症ではないですが、アルバートのように左利きを矯正された経験があります。それが原因で消極的になってしまうのはとても共感できました。
ライオネルの挑発的な言動は、アルバートを怒らせても無理はないと思う部分もあります。でも、素直に「悪かった」と謝る姿には好感が持てました。
国王という大きな重圧の中、見事にスピーチを終えられたのはライオネルの支えはもちろんのこと、妻や娘たちの存在も大きかったと思います。(女性 40代)
みんなの感想・レビュー
英国王室の第二王子であるアルバートが、吃音症を乗り越え、言語療法士のライオネルと友情を築く物語。英国王室のセットが上品で美しく、コリン・ファースの紳士なルックスも相まって、終始気品に溢れた映像でした。
私はこの作品で吃音症のことを知りましたが、プレッシャーの強い立場の方だけでなく、私たちの周りにも吃音症に悩む方がいるということを知るきっかけになりました。
身分が違うように感じる王室の人々でも、アルバートのように吃音症に悩んだり、デイヴィットのように周りから反対されるような相手に恋をしてしまったり、人生でぶつかる壁や困難は同じなんだなと気づかされました。
王がスピーチできるようになるまでの映画ですが、共感の連続でした。吃音に限らず、何らかのコンプレックスを長年抱えている方にとって胸に響く内容でしょう。言語聴覚士ライオネルとジョージとの友情のような絆が、段々深まっていく様子は必見です。また、大音量の音楽を流しながらスピーチしたり、踊るよう指示したりと、治療法がユニークな点も実に面白かったです。「生まれながら吃音の子なんていない」という言葉には、目から鱗が落ちました。
イギリス国王と一介の市民が、身分も立場も乗り越えて、本当の親友になっていく話。これが嫌いな人はあまりいないだろう。
吃音についても詳しく説明されているので結構勉強になる。
ラストはこれから戦争が始まるという重大なスピーチなのに、主人公もその周りもみんな“いかに吃音せずスピーチを終えられるか”を、固唾を飲んで見守っているのが微笑ましくて少し笑ってしまった。(もちろん私も固唾を飲んで見守った)
主演二人はもちろん、常に夫を傍で優しく支え続けた妻、エリザベス妃を演じたヘレナ・ボナム=カーターの演技が素晴らしかった。
コリン・ファースの吃音の演技が素晴らしく、吃音に悩まされる姿や葛藤をすごくリアルに感じました。
吃音症でなくとも緊張しそうな、大観衆に向けてのスピーチに向け、妻のエリザベスが見つけてきたライオネルのもとで治療を始めたアルバート。治療を通して、一般人のライオネルと王族のライオネルの身分を超えた友情の物語が、話の軸になっています。王族の中で、政治の才はあっても吃音のために肩身の狭い思いをしていたアルバートの心の殻を破り、友情を築いていくライオネルの飄々とした雰囲気がとてもいいです。
立場関係なく、本音でぶつかれる友人がいることの素晴らしさに気づき、吃音を乗り越えていく姿に勇気をもらえる作品です。
主人公アルバートを演じたコリン・ファースが素晴らしい。繊細さと優しさ、必死さ、そして独特の愛らしさに彼を応援したくなる。コリン・ファースでなければできなかったのではとすら思う。
イギリス王室ならではの上品な調度や衣装、美術も楽しい。
困難な壁を努力で乗り越えるストーリーは王道だが、そのプロセスやドラマチックな展開、アルバート自身やスピーチを指導するライオネルとの関係性の変化も感動的だった。いつ観ても勇気をもらえる作品。
望まずして英国王の座に就いた主人公アルバートを悩ますものは、スピーチにおける吃音という障害であった。彼の吃音矯正を買って出た医師ライオネルは、意外な治療法と原因の判明でアルバートを導く。
うまくいかない現状に激昂し、訓練にて下品な言葉を連呼し、そして、王族に生まれたがために先天的な体質も含め、自分らしさを抑え込まれてきたアルバートの姿は、たとえ王族に生まれても、一般の人間と変わらない、きわめて人間的なものだった。
私はとても緊張しいで、人前で話す時は声が震えてしまいものすごく苦手でした。今作はイギリス王室を舞台にしていますが、描かれるのはエリザベス女王ではなくジョージ6世、アルバート王子です。彼は人前で話す時言葉が詰まってしまう「吃音症」を抱えています。
一般人の私と比べるのは間違っているかもしれませんが、私は苦手なことはなるべく避けて人前に立たずに済みましたが、王子である彼の場合は苦手なことでも避けて通るわけにはいかず、それを克服しようと一生懸命努力する姿に感動しました。
コリン・ファース演じる吃音症の英国王が、第二次世界大戦中に世界中に向けてスピーチをせねばならなくなり、言語療法士と共に吃音症の治療をしていく、というストーリーです。
まず、私は吃音症というものをこの映画で初めてきちんと知った気がします。
彼は最終的には大変すばらしい演説を行います。問題があったとしても、真摯に取り組み、またその過程で友人を得るというストーリーは、本当に素晴らしいものです。
大人だけではなく、お子さんも一緒に見て欲しい映画です。
とにかくコリン・ファース。アカデミー主演男優賞授賞したのも納得の素晴らしさ。
喋りだす前のほんの少しの間や目の動きを観ているだけで、演ずるアルバートの複雑な気持ちが伝わってきた。滲み出る実直さに、こういう人ならやがて国民に慕われる王になっていくのだろうとさえ思った。演技なのにそう錯覚させてもらえただけでも、きっとこれはすごいことなのだろう。
実話だけど、劇中で放たれる悪い言葉も実際に言われてたのかな?
英国映画特有のガチャガチャしていない、静かで落ち着いた雰囲気と音楽。とても綺麗で彩度が低く、そして淡々と進んでいくストーリーには思わず集中しすぎてしまう。
王室という一般民とは程遠い場所を舞台に繰り広げられ、さらに身近ではない吃音症が出てくる、といった本来ならば感情移入しづらいテーマ。しかし、細かな感情、表情の変化とライオネルとジョージ6世の心の距離感などが繊細に表現されていて感情移入してしまう自分がいた。
シンプルでよくあるような、分かり切っているストーリーなはずなのに、最後のスピーチ成功時には鳥肌が立ってしまったほどである。
ぜひ一度は見て欲しい映画だ。
一生に一度は観て欲しいと思うくらい素晴らしい一本。高い困難の壁を自身の努力と周りからの支えで克服していくというサクセスストーリーですが、その過程での苦労が凄まじく、観ると自分も頑張らねばと奮い立たされます。ラストのスピーチでは涙が止まりません。
ジョージ6世の努力そしてライオネルとの友情はもちろん感動しますが、個人的には妻エリザベスが彼を心から応援し見守る姿にとても心打たれました。彼女を演じたヘレナ・ボナム・カーターは奇抜な役どころで知っていることが多かったので、改めて彼女の魅力と演技力の高さに驚いた作品でもあります。
吃音症の英国王ジョージ6世と、言語療法士ローグの物語。吃音症について、深く知るきっかけになった作品だ。身分の差はあれど、治療を通して心を通わせていく二人の関係に感動した。自身の障害を克服しようとする姿は、観ている人に勇気を与えるものだったと思う。
出演者の演技も素晴らしく、ラストのスピーチは本当に力強いメッセージとなっていたように感じた。人前に立って喋ったことのある人なら、きっと作品を深く理解できるだろう。
何か壁を乗り越えなければならないとき、背中を押してくれる映画だ。
幼少期から言葉を発する時どもってしまう吃音症を持ったアルバートが、言語療法士ライオネルとの治療によりその克服に挑む話。吃音というハンデを持っていながらも、その壁を乗り越えて最高の演説をする姿はとても感動する。また、アルバートを演じたコリン・ファースの演技にも注目だ。
元々持っている演説力に、吃音という大きな壁のようなものがあったのだが、それを克服し、行った演説は、真っ直ぐで心に突き刺さる名演説である。最後まで、勇気を与えてくれる映画だ。
吃音症を持つ英国王ジョージ6世と言語療法士のライオネルの交流を描いた作品。
アルバートが汚い言葉を発するシーンが面白かった。
大勢の前で話すことの困難さや、その裏での苦悩や葛藤を乗り越えて、最後のスピーチでアルバートが完璧なスピーチをする姿に勇気と感動をもらった。
2人の関係が悪化する時もあり途中冷や冷やしたが、最終的に2人は平民と英国王という身分の差を超えて生涯の友となり、非常に心が満たされた。
吃音症という言葉を知るきっかけになった映画です。伝記映画=すごく昔の話、と頭の中で構えてしまっていましたが、ジョージ6世が現在のエリザベス女王のお父様ということに気づき、何だかすごく最近の話しのように感じました。
時代設定もあり、画面が暗く単調なストーリーではありますが、最初は半信半疑だったコリン・ファース演じるジョージ6世とジェフリー・ラッシュ演じるセラピストのライオネルとの間に徐々に信頼関係や友情が芽生えていき、二人三脚で頑張る姿に感動しました。また、旦那さんを献身的に支えた奥さんもとても素敵な人です。
実話を基にした作品です。
主演はコリン・ファースという完璧なハマり役でした。
吃音症と向き合いながらも、王としての役目を真っ当にこなそうと奮闘する姿はただただ尊敬に値します。いまの御時世、ここまで真っ直ぐな政治家はどの国にいるでしょうか。日本はどうでしょう。
月並みな感想ですが、努力と素直な気持ちは周りにしっかりと伝わるのが救いだと感じました。スピーチはチャップリンに並ぶ名演説です。
吃音症の王が戦中という大変な時代を生きていく話を、実話をもとにした作品になっている。
王としてのプレッシャーや苦悩を観ているうちに感情移入してしまい胸が締め付けられる気持ちになった。
特に盛り上がり部分がないので平坦な話に思えるが主演のコリンファースの演技でしっかりと主人公の気持ちが表現されているのでとても良かった。
この映画で吃音症の苦しみを改めて知ることができ、観終わった後は色々と考えさせられる作品になっていた。
観る者全員に勇気と希望を与える作品である。
人前で話すということは、得意な人は一握りで苦手な人が大半だと思う。それ故に主人公のアルバートに感情移入してしまう。映画を観ていると、大英帝国の王子としてスピーチをする大きなプレッシャーや、うまく話すことができないもどかしさなどを強く感じる。しかしその中で、ライオネルの支えがどれだけ大きなものだったのか、その友情にも強く胸を打たれる。
ラストシーンのスピーチは涙なしでは観ることができない名シーンであった。
自分自身も内気な性格で、人前で話すことが苦手なため主人公に気持ちを重ねたのですが、大英帝国の王子のそれは比較にならない重圧だっただろう。その計り知れない重圧に想像は追いつかず、変な汗をかきながら観ました。
その分、最後のスピーチは本当に感動的、涙が止まりませんでした。
主人公を演じたコリン・ファースは「キングスマン」でもお馴染み。
いまや英国紳士と言えばコリン・ファース、コリン・ファースといえは英国紳士。
彼意外は考えられないはまり役です。
子供は生まれる場所や親を選べないというが、それは貧困家庭の悩みが多いものだと勝手に思っていた。
しかしイギリス皇室の高貴な家庭に産まれたジョージ6世は生まれつき吃音症を患っていた。
それにより国王になり大勢の前でのスピーチをすることが大きな壁となるのである。
王族の者でも苦悩があるなんて平民には思いもしないため、ジョージ6世にはとてつもない重圧と期待がかかってします。
そんな彼が最後に完璧なスピーチをするシーンは涙なしでは見られません。
史実に基づいた話ということで興味が沸いた。イギリス王室に生まれたがゆえに仕事を変えることもできず、必死に吃音症を克服しようとしたジョージ6世の苦悩を感じることができた。また、ジョージ6世を必死に支えた、妻のエリザベスの強さが凄いなと感じた。始めは上手くいっていなかったジョージ6世とライオネル・ローグだが、何度もぶつかり合いながらも友情を深めていく様子に感動した。物語のラストで、ジョージ6世がライオネルと向かい合って演説したシーンは、胸を打つものがあった。
繊細で心優しい英国王ジョージ6世をリアルに演じているコリン・ファースの魅力が詰まっている映画だ。また、ジョージ6世が吃音で言葉に詰まり、顔を歪めながら話すシーンに心が締め付けられた。
国を背負う重圧はどれほどのものか計り知れない。それでも、国民の前で国王としてスピーチを全うしようと、決して諦めず、時に周囲と衝突しながらも吃音と戦う姿はすでに立派な国王だ。
ライオネルや妻との絆だけでなく、人として王として成長したジョージ6世の最後のスピーチは私の視覚を、聴覚を、心を鷲掴みにした。
実際の歴史や人物を基に忠実に製作された作品で、数々の波乱が起きたりそこまでドラマチックな展開が待っているわけではないので見方によってはつまらないという意見もあるかと思います。しかし吃音症の悩みだけではなく王家の深刻な内情まで考えなくてはならなかったジョージ6世に対し、思わず感情移入してしまうと思います。史実の観点から見ると、実際のジョージ6世の吃音症はそこまで声高らかにされた事実でもなく、内気だったかどうかも分かりません。でもアルバートとライオネルの友情関係に偽りはないようで安心しましたし、最後の演説を終えた際の「wの音で少しどもりがあった」「私だと分かるように、わざとどもったのだ」というやり取りは本当にあったことをそのまま盛り込んだそうです。序盤のアルバートからは考えつかない台詞に、ライオネルの力の偉大さを感じます。
ライオネルがアルバートに行った治療は現代でも有効なのでしょうか?実際に克服した人の経験談を見ると、やはり呼吸法や言語療法が鍵を握るようです。しかしその効果も千差万別、症状にもよりますし”絶対”というのはなかなか難しいようです。ただ共通しているのは、心の治療が必要だということ。アルバートのように幼少の頃の体験が災いして吃音持ちになる人は多く、またそれからの恐怖や不安が更に回復を妨げてしまうそうです。まずはアルバートとライオネルのように信頼関係やリラックスできる環境下で治療を行うこと、そしてエリザベスのように温かく見守る存在がいることも大切なのです。
最後にアルバートが見事完璧なスピーチを行う姿は、感動の一言です。少し焦ったときでも、目の前にいるライオネルがいることでどれだけ大きな支えになっているかが伝わります。スピーチ後、アルバートは「ありがとう、友よ」とライオネルに素直に感謝し、ライオネルはアルバートを「陛下」と呼び敬意を示します。お互いへの本心を初めて打ち明け合う素晴らしいラストです。2人の関係に関しては、大きな波がありハラハラさせられました。全く分かり合えなかった初対面、治療を始めるも効果が表れず怒りをぶつけるアルバート、罵倒する時はどもらないじゃないかと飄々と接するライオネル。治療に真剣になり心の闇を打ち明けるアルバートに、真剣な面持ちで治療を試みるライオネル。ある日の治療の帰り道、兄の代わりに即位するべきだと正直に忠告するライオネルに対し、反逆罪になるからそれはできないと辛く跳ね除けるアルバート。ここで一本道を正反対に歩いていく別れのシーンはとても切なく、2人の身分の差や様々な心情のすれ違いを描くような印象に残るシーンでした。結果的にアルバートはライオネルに謝罪し再び治療を続け、ラストシーンへとつながります。最後のナレーションの一文では、「戦争スピーチには毎回ローグが立ち会い、ジョージ6世は抵抗運動のシンボルとなった。ライオネルとバーティは生涯にわたりよき友であった」と流れます。身分の垣根を越え、自らの障害をも乗り越えた、勇気と感動をもらえる作品です。