映画『暁に祈れ』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし) | MIHOシネマ

「暁に祈れ」のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

この地獄の刑務所は、地球上に実在した。ボクシングを生業としていた男が、実際に投獄された実話を元にした衝撃の話題作。イギリスの若手俳優・ジョー・コールが体当たりで挑む、ジャン=ステファーヌ・ソベール監督の渾身の一作が、ゴングを鳴らす。

暁に祈れの作品情報

暁に祈れ

タイトル
暁に祈れ
原題
A Prayer Before Dawn
製作年
2017年
日本公開日
2018年12月8日(土)
上映時間
117分
ジャンル
アクション
監督
ジャン=ステファーヌ・ソベール
脚本
ジョナサン・ハーシュビーン
製作
ロイ・ボウルター
ソロン・パパドプーロス
リタ・ダゲール
製作総指揮
ジェームズ・シェイマス
ジェニファー・ドン
ピーター・ワトソン
キャスト
ジョー・コール
ポンチャノック・マブラン
ビタヤ・パンスリンガム
ソムラック・カムシン
パンヤ・イムアンパイ
製作国
イギリス
フランス
配給
トランスフォーマー

暁に祈れの作品概要

世界を震撼させたベストセラー自伝小説が、実録映画として登場し、再び世界を戦慄させる。地球上で最も「ヤバい」と言われている刑務所に投獄された、ボクサーのビリー・ムーア。彼が体験した、人生で最も過酷だった獄中生活が明らかになる。言葉の通じない刑務所で1人懸命に戦うビリー・ムーアを、イギリスの期待の若手俳優・ジョー・コールが演じ、迫真の演技を見せる。監督は、アフリカの元少年兵士たちの姿を捉えた『ジョニー・マッド・ドッグ』のジャン=ステファーヌ・ソベール氏。

暁に祈れの予告動画

暁に祈れの登場人物(キャスト)

ビリー・ムーア(ジョー・コール)
元ボクシング選手。だが、祖国のイギリスでは芽が出ず再起を図るために単身タイに渡る。

暁に祈れのあらすじ(ネタバレなし)

イギリスに、1人のボクシング選手がいた。ビリー・ムーアは、細身ながらも隆々とした筋肉から鋭いパンチを繰り出すボクサーとして練習に明け暮れていたが、どうしてもイギリスではボクサーとして芽が出なかった。

ビリーはタイに渡ることを決め、言葉も通じないタイにやってくるも、ストリップや麻薬に明け暮れる自堕落な生活に溺れていく。やがて、警察がビリーの家を家宅捜査した際に証拠が押さえられ、かくしてビリーは刑務所に投獄されることになる。

だが、ビリーを待っていた投獄生活は、想像を絶する衝撃の数々だった。そこは、“地獄”と呼ばれる世界で一番凶悪な刑務所であった。戸惑うビリーは、他の囚人のやっていることを真似て1日を無難に過ごすことに徹する。だが、トラブルを起こしてしまい更に凶悪な囚人たちのいる房に移され、更なる絶望に見舞われる。

そんなビリーを救うのが、刑務所の中にあるムエタイ・クラブだった。ボクシング選手としての血が騒ぎ、ビリーは再びリングに立つため、練習に身を捧げるのだった。

暁に祈れの感想・評価

リアリティを追い求める監督・ジャン=ステファーヌ・ソベール

2010年に発表されたジャン=ステファーヌ・ソベール監督の映画初長編作品『ジョニー・マッド・ドッグ』は、アフリカに実在する少年兵士たちをモデルにした映画で、劇中でも本物の元少年兵士たちが登場していたことで話題となった。

ソベール監督は、映画を受動的に見るのではなく、観客には能動的になって映画を鑑賞してほしいと願い、常にリアリティを追い求めている。それが、元少年兵士たちの出演と言う形になったのだろう。

そして、今回の『暁に祈れ』でも、ソベール監督のこだわりはいかんなく発揮されている。撮影は本物の刑務所で行い、主な登場人物以外の囚人は全て本物である。更に、言葉の分からない地で服役していたビリーの絶望を感じてもらおうと、囚人たちのタイ語に字幕はつけていない。

ここまでリアリティを追い求めた絶望映画が、他にあるだろうか。だからこそ、この映画が世界的に高く評価されている所以でもある。観客には、ぜひスクリーンの前でビリーと同じく絶望してほしい。

映画の原作者、ビリー・ムーアも登場

この映画の原作者でもあるビリー・ムーアという人物は、タイで麻薬の常習犯となり、更に麻薬の売人にもなり、拳銃の所持もしていたと、根っからの悪人タイプである。投獄されたタイの刑務所で2年間を過ごし、そこから祖国のイギリスに戻っても刑務所に服役しているなど、普通に見たらあまり関わりたくない人物である。

そのビリー・ムーアは、映画の終盤に本人の父親役で登場している。自分の自伝小説が映画化し、更にその映画に父親役で登場することになり、直接映画に関わりながらも客観的に映画を鑑賞する立場にあったビリーは、どんな気持ちで映画を見届けたのだろうか。

観客には、この前情報を知った上で映画の終盤にビリー本人を確かめて欲しい。日本でも麻薬に溺れる人は多く、芸能人の中にも逮捕者が何人も出ている。ある日突然、麻薬はするりと人の心の弱い部分をついて入り込んでくるのだ。

ビリーの場合も、自堕落な生活に溺れ麻薬に手を出したことで投獄されているので、自業自得であると言えるが、映画の中に出てくる刑務所に1人言葉も通じない中投獄された彼の身の上は、少し同情してしまう。

迫力満点のバトルシーン

イギリスで現在その名が知られつつあり、期待を込められている若手俳優ジョー・コールは、今回の映画の撮影のために数か月の過酷なトレーニングの末、鋼のような肉体を手にしている。

筋肉隆々の体から繰り出されるパンチは鋭く、芝居でありながらも見入ってしまう迫力がある。そして、ここでも監督ジャン=ステファーヌ・ソベールのこだわりが散りばめられている。ジョー・コールの相手として登場するのは、本物のムエタイ・世界チャンピオンなのだ。

世界チャンピオンも、まさか自分がムエタイの選手として映画に出場する日が来るとは思っていなかっただろう。だが、そのリアルが映画をより幅広いものにし、作り物ではなく“本物”の迫力満点のバトルシーンが出来上がるのだ。クライマックスの戦闘シーンでも、囚人3,000人を起用したエキストラ集団による観客席は圧巻の映像を作り上げる。ソベール監督の執念ともいえるこだわりは、観客に新たな刺激を与えるだろう。

暁に祈れの公開前に見ておきたい映画

映画『暁に祈れ』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。『暁に祈れ』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

シークレット・アイズ

ジュリア・ロバーツ、ニコール・キッドマンという2大オスカー女優が登場する、豪華キャストのハリウッドサスペンススリラー。この映画は、2009年に第82回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したアルゼンチン映画『瞳の奥の秘密』をリメイクしたものだ。

ロサンゼルスを舞台に、FBI捜査官と殺人事件の犯人を長い年月をかけて追う執念を切り取った映画で、この映画に『暁に祈れ』のジョー・コールが出演している。彼の役は、13年間FBIが追っている犯人のマージン役。

冷静沈着、不気味で独特な雰囲気を醸し出しているマージンを、ジョー・コールはオスカー女優たちを前にしても臆することなく堂々と演じていた。『シークレット・アイズ』の監督ビリー・レイも、ジョー・コールの演技を高く評価しており、彼のおかげで映画は深い味わいを見せている。

詳細 シークレット・アイズ

きみへの距離、1万キロ

ジョー・コール主演の、地球の反対側で暮らす男女の運命の恋を、監視ロボットを通じて育むラブストーリー。ジョー・コール演じる主人公のゴードンは、北アフリカの砂漠地帯にある石油パイプラインを泥棒から守るために6歩足のクモ型ロボットを使って監視していた。

そこに現れた、若く映しい少女アユーシャ。アユーシャはカムリと言う名の恋人がいるが、親の決めた別の婚約者との結婚を迫られていた。それを知ったゴードンが、遠隔操作でアユーシャのためにある行動を起こす。1万キロ離れた先で起こる、切ない程に遠い片思い。

第74回ヴェネツィア国際映画祭フェデオラ賞を受賞した、国境も言語も人種も文化も飛び越えたピュアなラブストーリーが、観客の心を深く揺さぶる。

詳細 きみへの距離、1万キロ

ジョニー・マッド・ドッグ

2008年、第61回カンヌ国際映画祭である視点部門希望賞を受賞した、アフリカの少年兵士たちをモデルにした衝撃映画。『暁に祈れ』の監督・ジャン=ステファーヌ・ソベールの映画初長編デビュー作である。

アフリカのリベリア共和国では、内乱が相次ぐせいで国政は乱れ、国は混乱を極めていた。少年ジョニーは、チームのリーダーとして頭角を見せ、少年のコマンド部隊「マッド・ドッグ」を結成すると、強盗・レイプ・虐殺などの非道の限りを尽くしていた。

映画には、元少年兵士たちをキャストとして迎え、リアリティ溢れる彼らのありのままの姿をスクリーンに映した出したことで、映画界から高い評価を得る。罪を犯し、人々を恐怖に陥れる少年たちは、果たして悪魔の化身か、はたまた内乱による犠牲者なのか。世界に問題提起した体験型リアル・ヴァイオレンス映画。

詳細 ジョニー・マッド・ドッグ

暁に祈れの評判・口コミ・レビュー

随時更新予定

暁に祈れのまとめ

映画に登場する刑務所が実在すると分かり、予告で見られる刑務所の惨状が作り物ではないことに衝撃を覚える。外国の刑務所で汚職が蔓延っているのは、もはや挨拶と同じくらい当たり前のことかもしれないし、そこで生活している囚人たちが獄中で行っている殺人やレイプも当たり前のことかもしれない。また、ビリーが恋をするレディーボーイも、タイでは当たり前の存在なのだと思うと、オフィシャルサイトのコメントにもある「ずっと殴られている感覚」というのが、身をもって理解できる映画である。

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